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【相談内容】リタリンの副作用が心配です。【答】リタリンの副作用で、一番多いのは(1)食欲不振、(2)夜、眠らない、 でしょう。(1)に関しては、体重減少の程度により、服薬を継続するかどうかが問題となりますが、一般に服薬を中止しなければならないほど、体重減少を来たした例は、経験していません。 というのは、1か月に2キロ以上あるいは、現在の体重の10%以上の体重減少を来たすことはないからです。 もうひとつの理由は、この食欲不振は、朝服用して、お昼の給食を食べる量が極端に減った、というのがもっとも多く、そのあと、一日のうちで反動で沢山食べている例を多く経験します。 とはいっても、お母さん方にはとても気掛かりな副作用です。そこで私は、2つの基準を提示することにしています。ひとつは、1か月に体重減少が2Kg以内、あるいは体重の10%以内なら、様子をみます。 いまひとつは、その子の身長から、平均体重曲線のグラフを用いて、その身長に対応する平均体重の正常範囲を割り出すことが出来ます。この範囲内に入っておれば、心配ないということになります。この平均体重曲線のグラフは、小児科のお医者さんに見せてもらえます。(2)の睡眠障害は、午後4時以降はリタリンの服用を避けることで、防ぐことが出来ます。その他の副作用としては、滅多にありませんが、(3)異常興奮(4)痙攣の誘発があります。リタリンは元来、中枢神経刺激剤ですので、こういった副作用が起こり得るわけです。痙攣誘発を出来るだけ避けるために、投与前に脳波検査と、頭部断層撮影MRI検査を施行しています。 てんかんの患児にみられるような脳波異常が、痙攣を経験したことのないADHD児に見付かることがあります。てんかんは200人~250人に1人という高い有病率だから、100人に2~3人のADHD児に見付かっても、不思議ではないのです。 そのような場合でも、1)てんかんが発症するとは限らないこと、また、2)リタリン服用後にてんかんが発症しても、自然に発症したのか、リタリンで発症したのか、区別が付かないこと、3)たとえてんかんが発症しても、起こり得ることだという、心理的な準備が出来ていて、早期にてんかんの診断、治療が出来て、しかも小児のてんかんは、成人に比べ、治癒する率が高いこと、4)てんかんで、ADHDの診断基準を満たす子にも抗てんかん薬服用で、てんかんの発作が抑止されても、ADHDの症状がなお存続すれば、リタリンを服用して、けいれんをしょうじた例が無いこと、を親に充分説明して、リタリンを投与して、効果を挙げています。 その他、副作用としての報告は沢山記載されていますが、服用中は年に少なくとも2~3回は、副作用のチェックのために、血液検査、肝機能検査、腎機能検査、血液生化学検査(以上は一回の血液採取で済みます)それに尿検査を受けてもらっています。 このようにして、医師と患児と保護者、それに学校の先生と、治療の輪を作って、それぞれがよくADHDを理解し、根気良く長期間の治療を継続していくことが、大切です。
2003年10月04日
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【相談内容】9歳男子、ADHD 1)担任の先生が、突然席変えをして、うちの子をいちばんうしろから、いちばん前の席に変えられてしまいました。ごく自然に、いつも通りの席変えに乗じて変えてほしかったです。 2)先生が他の児童に「○○さんは病気だから。」というふうに説明されました。そのあとクラスの女の子から「特殊学級に入らないといけないよ。」といわれました。 3)家でいくら注意しても、「分った」といって、またすぐ同じよくないことをしてしまい、くどくどと叱る繰り返しです。 4)宿題をぜんぜんやってくれません。【答】 1)まず担任の先生に、ADHDのことをよく理解してもらうことが大切です。それには主治医の先生から、また私のような立場(学校カウンセラー)の者から、担任の先生だけでなく、担任以外の先生にもADHDのことをよく理解してもらい、学校全体として、ADHDの子に適切な配慮と対応が出来る体制を作るようにしていきます。 2)これも先生の理解が適切でないことから生じた問題のひとつです。先生から他の児童への説明として、適切な例は「○○さんはいろいろなものごとに、気をとられがちで、なかなかじっとしていられない性質があって、本人はお医者さんにも相談して、一生懸命直そうとしているところだから、みんなも○○さんを応援してあげて下さいね。」というふうに説明してあげることです。私達は、決して他児の前で「病気だから。」という言葉は使ってはならない、と説明しています。 ADHDは知的には問題がなく、行動面の問題が主です。従って基本的には特殊学級入級対象ではありません。各務原市教育委員会はADHDの取り組みが非常に熱心で、通級学級として鵜沼第ニ小学校に関エリコ先生がおられます。そこに通級することもご相談下さい。 3)ADHDの子が何か良くない行動をした時は、間髪入れず「よくないことだよ。」と注意してやめさせ、本人の興味をそらせたり、場所を変えたりします。そして、またすぐに同じことを繰り返した時は、もういちど叱ります。叱ったり注意したりするのは、2回までとし、3回以上は叱らないことです。3回以上叱っても、効果がなく、叱るほうの心理状態が不安定となり、おかしくなってくるからです。 親がADHDの子をしつけたり、叱ったりする時、一度叱って「分った。」と言って5秒後にはまた同じよくない事をやってしまい、また叱って「分ったと言ってまたやってしまうのです。このようにADHDの子は親を逆なでするように、悪く思われてしまい、母親も辛抱強く、子どもと付き合うことが大切だと、頭の中では分っていても、感情が尾さえきれなく、理性と感情と母親の言動がかみ合わないのが、普通です。とにかく時間をかけて、お母さん自身、かみ合いをみつけていくことです。 4)宿題はひと目見て。「これは多い」と思ったら、最初から取り組む姿勢を見せないのが、ADHDの子の普通の反応です。そこで、担任の先生と連絡を取りながら、ADHDの子用に、その子がやりとげることが出来る程度に、特別少なくしてもらい、減らした量をやり遂げたら、「よくできたね。」と褒めてあげ、自信をもたせ、またやる気を起こさせ、出来たらまた褒める、という繰り返しをして、少しずつたくさんこなせることが出来るようにしていってあげるのです。
2003年10月02日
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9月28日(日)に、『第4回 岐阜ADHD親子の会-相談会-』を昨年に引き続いて、岐阜大学教育学部附属障害児教育実践センターで、開催しました。運動会シーズンで、前日の土曜日が運動会、という小学校が多く、もし土曜日が雨なら、翌28日(日)になる、というので、その場合はADHD相談会に参加出来ません、とおっしゃるお母さん方が沢山おられました。となると、この相談会がうまくゆくかどうかは、土曜日の天気にかかっていることになります。お蔭様で、心配していた天気も、土、日ともに晴れて、当日は11家族のお母さんと子ども達、それにお父さんも2人、参加して下さいました。11家族と言いますと、10時から2時間という相談時間を考えますと、ちょうどうまく行く人数なので、多すぎでも少なすぎでもなく、ひとりほっとした気持ちで居りました。発達心理学専門で、臨床心理士でもある別府先生と,医療を担当する私とで、来訪された順に相談会を進めていって、予定よりも約30分延びて、12時半ごろに、相談会を終了することが出来ました。進行役の私が、時間のことを考えるあまり、参加者の中には、もっと充分相談を受けたかった、とお想いの方がいらっしゃるかもしれませんが、ついてこられたADHDの子ども達が待っていることを考えますと、相談会は2時間が限界と思われます。これから順次、今回の相談会の内容をご紹介してゆくことに致します。、
2003年10月01日
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