さして縄張り争いをするでもなく、餌を追い求める事もなく、三無主義を標榜するかのようなオス猫「アンリ」。
窓辺でぼんやりと外を眺めているか寝ているかのどちらかで、静かで非行動的な毎日を過ごしている。
かの坂本龍馬も世が世であれば、きっとこんな風にボーっとした青年だったかも知れない。
環境や時代が人を作り、切迫の状況が英雄を生みだす。今のように激動なんだか平和なんだか分らない状況は、あらゆるものが混在して焦点がボケる。
生きやすいかどうかと言えば、かなり生き難い世だとは言えるでしょう。情報は錯綜していて、同時に正反対の意見が存在したりする。何が正しいかを判断することさえ難しい。
何も語らず自分からは何も仕掛けずジッと外を眺めている猫は、一体何を考えているのだろうか。
声を掛ければ尻尾をわずかに動かして応える、それだけですべてを現しているかのように。
そばへ寄っただけで尻尾をピンピンと跳ね上げることもある。そんな時は拒否されているのかなと感じる。
本人は無表情のままで、まるで尻尾が独立した意志を持って反応しているようだ。従者としての尻尾が、その主人を守る守衛のように働いている。
悠然と昼寝をしている猫を見ていると、「何も知らない方が幸せなんだ」と言っているように思えてくるね。
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