"weak ties"という言葉は、先日のNHK「クローズアップ現代」で初めて知った。
東京大学社会科学研究所が「希望学」 というものの研究を始め、現代社会の中でいかにすれば「希望を持ち得るか」ということがテーマだった。希望を科学する研究ですね。
「ウィークタイズ」とは、ゆるく結んだネクタイのように、ゆるい繋がり---たまにしか会わないが適度の緊張感を持って互いに信頼感を持つもの同士の関係。
それが、生きていく上で重要なのだというようなことだったと思う。
米国の社会学者マーク・グラノヴェター(Mark.Granovetter)が、企業と労働者のジョブマッチング・メカニズムを明らかにするための実証研究をもとに、『strength of weak ties』という論文で示した仮説。
1970年に行った米国ボストン郊外のニュートン市居住のホワイトカラー層を対象に行った求職者の転職情報満足度に関する調査結果から、求職者自身の所属組織を含む「強い紐帯のネットワーク」から得られた情報よりも「弱い紐帯のネットワーク」から得られる情報のほうが重要なものが多く得られ、満足度も高いことがわかった。
普段考えていることがこういう形で社会の中で学問として研究されていることに驚く。
日本人はどちらかというと、反対の意味の「ストロングタイズ」の同じ職場や同じ学校の関係の、強い結びつきでの付き合いが基盤になっている。どこへ行くのも何をするのもいつも同じ仲間。
同じ価値観や同じ目的意識の関係なので、新しい価値観の醸成や思いがけない自分の発見や新しい世界も広がっていかない。
私はそんな関係が嫌で、会社務めをしていた時期も喫茶店に入ってただ黙って漫画を読むような関係を避けていた。出来るだけ一緒に飲みに行くことを避け、自分の世界をつくるように心掛けていた。
そういう体験は交友の幅を広げ、知らない世界を知ったりいい出会いの機会にも巡り合った。
私はよく「顔が広い」と言われることがあるけれど、知っているそれらの人々はみんなこの「ウィークタイズ」の関係ばかりです。本当にたまにしか会わないけれどこちらに大事な人だという意識があるから,、その関係はそう簡単に消えたりすることもない。
また、「淡交」という言葉も好きで、君子ではないが「淡い水のような関係」が、人との付き合いを長続きさせる秘訣だとも考えている。
この言葉は若いころは嫌いでしたが、ある年齢に達してからは自然に受け入れられるようになった。
相手を信頼し、その上であまり近づきすぎない事。適度な距離を置くことでいつも新鮮な関係でいられる。
1年2年振りに会って話し込んだりする。
いつの間にか暗くなっているのに電気を点けるのも忘れ、知らずに2時間も経っていたなんてこともある。
そんなことがたまにあるという、今の生活がとても楽しい。
PR
カレンダー
キーワードサーチ
サイド自由欄
コメント新着