歌 と こころ と 心 の さんぽ

歌 と こころ と 心 の さんぽ

2019.01.17
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カテゴリ: 話題・情報

♪ 来年はあそこに立つと吹聴し鬼門に貼らん「笑うな」の文字




 昨日は「歌会始の儀」の日、テレビの前に陣取ってゆっくり拝見させていただいた。入選者の奥宮さんはカツオの一本釣りを歌にした。50年間応募を続けてようやく入選された最高齢の人で、その続けてこられたことにも意義がある。教育関係者が3名もいたのも興味深かった。
 それぞれの入選歌に私なりの感想や感じたことなど考察し、いずれ昨年同様に書いてみたいと思います。取りあえずは、歌の紹介に留めます。

天皇陛下の御歌
【贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に】


 阪神淡路大震災・被災地から10年の追悼式典に出席した際、震災で姉を亡くした少女から送られたひまわりの種を御所の庭で育て続けておられ、その育ちゆく姿に復興の想いを込めて歌われたもののようです。




この時は陛下以外、全員が起立して拝聴する。

 一般入選、召人、選者の順に古式に則っとり披露される。長い棒読みの後、独特の節回しで歌われる。その後に皇族の歌が披露され、一番最後に陛下の歌が三回繰り返して歌い披露される。

皇后陛下
  今しばし生きなむと思ふ寂光に園 (その) の薔薇 (さうび) のみな美しく
皇太子さま
  雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰 (きんぷ) の峰に
皇太子妃雅子さま
  大君と母宮の愛でし御園生(みそのふ)の白樺冴ゆる朝の光に
秋篠宮さま
  山腹の洞穴 (どうけつ) 深く父宮が指したる先に光苔見つ
秋篠宮妃紀子さま
  日の入らむ水平線の輝きを緑閃光 (グリーンフラツシユ) と知る父島の浜に
秋篠宮家長女眞子さま
  日系の百十年の歴史へて笑顔光らせ若人 (わかうど) 語る
秋篠宮家次女佳子さま
  訪れし冬のリーズの雲光り思ひ出さるるふるさとの空
常陸宮妃華子さま
  つかの間に光る稲妻さ庭辺の樹木の緑を照らしいだし来(く)
寛仁親王妃信子さま
  被災者の苦労話を聴きにける七歳 (ななさい) が光れる一語を放つ
三笠宮家彬子さま
  らふそくの光が頼りと友の言ふ北の大地を思ひ夜更けぬ
高円宮妃久子さま
  窓べより光のバトンの射し込みて受くるわれらのひと日始まる
高円宮家長女承子さま
  朝光 (あさかげ) にかがやく御苑 (みその) の雪景色一人と一匹足跡つづく


来賓席

【召人】  敬称略
鷹羽狩行 たかはしゅぎょう
  ひと雨の降りたるのちに風出でて一色 (いつしよく) に光る並木通りは
【選者】
篠弘
  手づからに刈られし陸稲 (をかぼ) の強 (こは) き根を語らせたまふ眼差
  し光る
三枝昂之 さいぐさたかゆき
  歳歳 (さいさい) を歩みつづけて拓く地になほ新しき光あるべし
永田和宏
  白梅にさし添ふ光を詠みし人われのひと世を領してぞひとは
今野寿美
  ひとたびといふともかげりおびてのち光さすとはいひけるものを
内藤明
  日の光人の灯 (ともし) に移りゆく川沿ひの道海まで歩む

会場配置

正面の両陛下、皇族に正対して召人、選者、その後ろに入選者が並ぶ。
向かって右側に来賓席、左側が招待者席と思われる。



 一般応募作品から規定違反などを除いた選考対象総数は2万1971首。2千倍の競争の中から選ばれた10首は次の通り。 敬称略

  土佐の海ぐいぐい撓ふ竿跳ねてそらに一本釣りの鰹が光る 
                      高知県 奥宮武男(89)
  剪定の済みし葡萄の棚ごとに樹液光りて春めぐり来ぬ 
                      山梨県 石原義澄(82)
  湿原に雲の切れ間は移りきて光りふくらむわたすげの絮 
                      福島県 逸見征勝(79)
  大の字の交点にまづ点火され光の奔る五山送り火 
                      奈良県 荒木紀子(78)
  分離機より光りて落ちる蜂蜜を指にからめて濃度確かむ 
                      栃木県 大貫春江(77)
  光てふ名を持つ男の人生を千年のちの生徒に語る 
                     岡山県 秋山美恵子(66)
  ぎりぎりに光落とせる会場にボストン帰りの春信を観る 
                     福岡県 瀬戸口真澄(65)
  無言になり原爆資料館を出できたる生徒を夏の光に放つ 
                      岡山県 重藤洋子(58)
  風光る相馬の海に高々と息を合はせて風車を組めり 
                       秋田県 鈴木仁(58)
  ペンライトの光の海に飛び込んで私は波の一つのしぶき 
                     山梨県 加賀爪あみ(16)

「歌会始の儀」入選者

(左から)加賀爪あみ、鈴木仁、重藤洋子、瀬戸口真澄、秋山美恵子
大貫春江、荒木紀子、逸見征勝、石原義澄、奥宮武男(敬称略)







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最終更新日  2019.02.23 21:20:34
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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