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♪ 思い出は脚色されて美化されるたった一度の夢の一幕 |
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| 「ああ、私とおなじだ!」 だからとて人間嫌いではなくて、人見知りする照れ性が顔に影射すだけのこと。気心知れて打ち解けて気の合うこともままにありぬ。 ![]() 若き日はそういう自分が大嫌い。普通の人でありたいと、思い悩んで苦しみぬ。さてもなお、できぬ理由に思い着く。気位という自尊の意識、自惚れが不遜のままに居座りて、やっと自分を支えていたり。 単独でいる方が気が楽と決めつけて、何時誰からも邪魔されたくはなかりなり。一匹オオカミ、ど一刻、などと言われて過ぎし日々。陰口に何を言われても苦にならぬ平気の平座の向こう見ず。確かに孤独をもてあそび、李白の詩境にさまよえば居心地よくて飽き足らず。自己中心の大将は、小山の丘から眺めつつ「フール・オン・ザ・ヒル」など口ずさみ、睥睨気分でいることで平衡保つばかりなり。風など見ない風見鶏、風に吹かれてふら~ふら。 ![]() 寒さから避難させているホテイアオイ 言葉という玩具を手元に並べ置き、理屈、屁理屈あれこれと御託を並べて嬉しがる。語彙の豊富な日本語の魅力に惹かれ言の葉の海に浮んで漂いぬ。七五調、三十一文字にオノマトペ。定型詩形、季語に雅語、古語、喃語。大和言葉の数多なり。謙譲、謙遜、尊敬語。漢字ひらがな、カタカナに混ざる英数、絵文字まで。同音異義語を声に出し、韻を踏み踏みもてあそぶ。 ![]() カランコエ・シンセパラ 幼少のサンドイッチの宿命か、愛に飢えつつ捻くれぬ。かてて加えて対人恐怖、人間不信に親不信。人の顔、数秒の間に見透かせる、そんなかわいくない子供。親が言わんとすることを、一言聞いて先回り。想像できる悲しさに、なおも不信を募らせぬ。 母親が心閉ざせし我に言う「言わないと分からないわよ」。「言わないと損よ」と嘆く親心。なおに悲しさ募りたり。心底にぽっかり洞の空いてることを伝えるすべもなし。クソの付くほどの真面目さ一辺倒、そんな親ならなお憎い。親からの愛を感じたことのないままに、二十歳となりてつくずくとそんな自分を変えたかり。バイトで得たる5万円を持ちて行脚の旅に出ぬ。突然の「1年間は帰らない」と捨てた台詞に驚きて、母呟きぬ。「行っちゃうのぉ?」の一言。 ![]() ダメもとで室内に取り込んおいたポーチュラカ 半世紀以上も前のもろもろを、昨日の様に思い出す。親の愛を知らぬ男が子を持ちて、どう育てたか実感のない我武者羅な日々の過ぎ、先の知れざる40年。金運商魂なにもなくただに愚直の凡夫なり。自分を信じ生き越しのただひたぶる貧乏なり。ある日に妻がおもむろに、蓄えはそこそこあるとのたまいぬ。驚き桃の木山椒の木、椨の木椅子の木雷の木。嗚呼、我が人生に悔い無かり。かくして齢73、残り少なき焼酎をちびりちびりとゆくばかり。 ![]() ![]() バッサリと切り詰めたドラセナとパキラ |
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