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【送料無料】「死体」を読む [ 上野正彦 ]価格:460円(税込、送料別)元 東京都監察医として多くの殺人死体等の解剖を手がけてきた著者が、迷宮入りの謎に迫っています。この本は小説と実際の事件の真相に迫るものですが、著者は「小説を法医学的におかしいと思うものをほめることはできない。だからと言って法医学的にあそこが違う、ここがおかしいなどと指摘するのは小説をぶち壊してしまうことになる。・・・小説と法医学の差異について書いたり、一致点を述べたりするのであれば、読者にとっても法医学の知識がわかりやすく理解できて、小説そのものも、より面白く読めるようになるのではないか。・・・」と述べています。はじめは生々しく感じたので、本を手に取るのをためらいましたが、勇気を出して中をのぞいてみると、事件の真相を知りたいという欲求が強くなりました。首吊りで亡くなった方の体がどうなっているのか、毒物の場合は・・、溺死の場合は・・、生体反応があるとはどういうことか等々、また、女性の犯行がメッタ切り、メッタ刺しになることが多い理由等も素人にもわかるように解説してくださっています。死体を解剖してみると「私は病死ではない。青酸カリを飲まされて、殺されたのだ」と死体が言いだすことがある。もちろん本当に死体が声を出すわけではないが、死体は雄弁である。と著者が書いているとおり、死体から事件を解決することが大いに期待できるのであるから、ますますこの仕事が重要になるのだろうと思います。1.横溝正史の『犬神家の一族』毒物中毒者2名、絞殺2名、刺殺1名について、詳細に殺害方法や毒物の種類、用法あるいは凶器について考察しています。犯人はどういう人物と推定されるのか、小説の中の犯人はだれか。詳しく述べられているので、法医学の知識がない私でも ふむふむ と理解できました。この中で、1996年にアメリカで発生したジョンベネちゃん殺害事件についても言及しています。犯人は両親に向けられていましたが、著者は〇〇のような人物であろうと推測しています。さらに大韓航空爆破事件、ナチスドイツのアウシュビッツガス室、酒鬼薔薇事件を例に挙げています。2.芥川龍之介『藪の中』『藪の中』では事件に関わった4人の証言者がいます。証言が全部食い違っていて、誰を信じたらよいのかわからないことから、事件が迷宮入りすることを、この小説から 藪(やぶ)の中 というようになったらしいです。しかし著者は明確に、誰が犯人か推測しています。3.エドガー・アラン・ポー『マリー・ロジョエの怪事件』実在の事件が小説になっているということで興味津々。この中では つくば母子殺人事件 を例にあげて、溺死を詳しく解説しています。つくば母子殺人事件の犯人は医師であり殺したのは自分の妻と子供。死体に鉄アレイをつけて海底に沈めたのに、浮上したことで事件が発覚。殺して海に沈めた場合と、溺死の場合では大きく異なる。「死体は言葉を発しないけれども、死体は雄弁である。」と著者がのべているとおりです。4.谷崎潤一郎『鍵』性交死について言及しています。詳しい統計はないが、以外に多いらしいです。死因のトップは男性は心臓死、女性はくも膜下出血。5.松本清張『日本の黒い霧』毒殺について非常に詳しく解説しています。ここでは佐賀の鍋島藩の罅(ひび)青磁が江戸時代に作られたものであって、罅(ひび)が入ったくすんだ緑色の茶碗にお湯を入れ、しばらく放置すると毒は罅(ひび)の中に吸収され解毒されるということを信じて、藩主が特殊な製造法を独占しようと、秘窯(ひよう)の里を作って関所を設け、その施設を隠ぺいするためにおとりとして派手な有田の赤絵を前面に出して生産したのだといわれている、現在の有田焼、伊万里焼がそれである、と述べられています。また、実際に起きた事件として、昭和23年におきた帝銀事件、平成10年和歌山毒物カレー事件についても非常に詳しく説明をされています。6.昭和24年下山事件当時の国鉄総裁が列車にはねられて亡くなった事件で、自殺か他殺かでもめた事件らしく、世論を二分したと説明されています。しかし、著者は自分なりに考察を加えて結論を出しています。7.世界最古の法医学書「洗冕録」現代の法医学的知識から眺めてみると間違いもあるが、かなりよくできていると評価されています。特に火災による死体の特徴が書かれています。火災の中で発見されたから焼死、水中で発見されたから溺死とは限らない、著者が何度も書かれていることです。この中では オウム真理教の坂本弁護士事件についてちょっとだけ出ています。さわりという程度ですが、トリカブト事件、久留米の看護師4人組による事件等も掲載があります。現実の世界で私も仕事の上で関わった事件が掲載されているので、妙な気持ちになりました。久しぶりにブログをアップしました。長いことブログを書いてないから、読んだ本も忘れてしまってます。やっぱり気になった本はブログに書いておきたいと思いました。【送料無料】「死体」を読む [ 上野正彦 ]価格:460円(税込、送料別)
September 2, 2012
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「分かりやすい文章」の技術はじめにの箇所に「学校教育では、巧みな心理描写や感動する芸術文を評価、鑑賞、作文するような授業だったが、必要な連絡事項をどうやったら確実に伝えることが出来るか、といった実務文教育を受けた記憶がありません」とあるように、これを補う意味で非常に実用的な本でした。つまり、目的を持った文章を書くための解説本。目的=人を説得する・など。分かりやすい文章とは・・例えば飛ばし読みされてもわかる文章である。非常にユニークな考え方であり、「斜め読み耐性」という言葉がこの本を象徴していると思いました著者はソフトウェアエンジニアの出身。論理立て、手順を追って解説してくれました。社会人1年生には是非一度は読んで欲しいと思った本です。それほど実践的に書かれた本です。いえ、社会人1年生に限らず、普通の大人の人にも是非読んだほうがいいのでは?と思った一冊です。久々に買って手元においておきたい本と出会いました。脳内辞書とマッチングさせるためにはひとかたまりに分解点の理解と線の理解(A→B:Aである。だからBである)この2つを理解しただけでも読んだ甲斐がありました。「風が吹けば桶屋や儲かる」のことばを思い出しました。「分かやすい文章」の技術 【内容紹介】文章が下手ではみんなに読んでもらえない!「目的を達成する文章」はどう書くか日頃、読み書きする文書には必ず、お知らせ、お願い、報告などの「目的」がある。あなたの書いた文章は「目的」を果たしているか? あなたが受け取った文章は、読んで「なるほど」と思えるか?「目的」を正しく伝える18のテクニック。プレゼンテーションの鉄人が教える 文章を書くための18のテクニック●思わず読みたくなる●最後まで読んでもらえる●読みながらいちいち納得してもらえる●読み終わったら賛成してもらえる【目次】第1章 「分かりにくい文章」がいっぱい!第2章 「分かりやすい文章」とはどんな文章か第3章 趣旨を素早く伝える「構成の技術」第4章 読む気にさせる「レイアウトの技術」第5章 読み手を同意させる「説得の技術」第6章 趣旨をスムーズに伝える「センテンスの技術」第7章 文章をなめらかにする「推敲の技術」第8章 「分かりやすい文章」のためのチェック・リスト【内容情報】(「BOOK」データベースより)日頃、読み書きする文書には必ず、お知らせ、お願い、報告などの「目的」がある。あなたの書いた文章は「目的」を果たしているか?あなたが受け取った文章は、読んで「なるほど」と思えるか?「目的」を正しく伝える18のテクニック。 【目次】(「BOOK」データベースより)第1章 「分かりにくい文章」がいっぱい!/第2章 「分かりやすい文章」とはどんな文章か/第3章 趣旨を素早く伝える「構成の技術」/第4章 読む気にさせる「レイアウトの技術」/第5章 読み手を同意させる「説得の技術」/第6章 趣旨をスムーズに伝える「センテンスの技術」/第7章 文章をなめらかにする「推敲の技術」/第8章 「分かりやすい文章」のためのチェック・リスト 【著者情報】(「BOOK」データベースより)藤沢晃治(フジサワコウジ)慶応義塾大学理工学部管理工学科卒業。現在、大手メーカーにソフトウェア・エンジニアとして勤務。専門分野で雑誌への寄稿、情報処理学会での講演などを多数こなし、その分かりやすいプレゼンテーションには定評がある。社会人になってから英語を独学し、英検一級、TOEIC900点、通訳ガイド国家資格、工業英検一級などを取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 読み手を説得する18のテクニック趣旨を素早く伝える「構成の技術」 テクニック 1 まず重要ポイントを書き並べる テクニック 2 要点を先に、詳細は後に書く テクニック 3 不必要な情報を書かない 読む気にさせる「レイアウトの技術」 テクニック 4 改行したり空白行を入れる テクニック 5 親子関係・並列関係を明示する テクニック 6 「かたまり」を明示する テクニック 7 見出しをつける 読み手を同意させる「説得の技術」 テクニック 8 正確な論理で書く・・・なぜ?に答える。裏付け テクニック 9 読み手の視点で書く テクニック 10 自分の感情は抑えて書く テクニック 11 比喩を使う 趣旨をスムーズに伝える「センテンスの技術」 テクニック 12 センテンスを短くする テクニック 13 事前分解しておく・・読点で確定、並列表記 テクニック 14 曖昧さをなくす テクニック 15 キーワードを作る キーワードで記憶(本書の点と線)文章をなめらかにする「推敲の技術」 テクニック 16 無駄を削る テクニック 17 自然な語感にする テクニック 18 丁寧に表現する
August 17, 2011
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さびしい王様 著者: 北杜夫裏表紙には「おとなこどものための童話シリーズ第一作」とあります。そう、童話と思って読むととっても楽しい。でも小説と思って読むと「なんじゃこりゃ?」って気持ちになるかもしれない。王様の名前を言ったら、この本の雰囲気がつかめるのではないでしょうか。王の名前はジャハジ・ポンポン・ババサビブ・アリストクラシー・アル・アシッド・ジョージ・ストンコロリーン二十八世 です6つの前書きと6つのあとがきにはさまれた本文。前書きだけ読んでも面白いです。インターネットで調べてみると、子供のときに読んだ本で面白かったという意見が大部分でした。子供のときの素直な気持ちに戻って、一日読書をされてはいかがでしょうか?旅先のホテルのバルコニーで、あるいはプールサイドで子供に戻って読書の一日を過す、なんと言う贅沢でしょう。旅先に持参する本は人それぞれでしょうが、たまにはこういう本もいいものです。私は総理大臣が秘密警察と暗号のやり取りをする部分で、お互いの身分を隠して交信していたはずが、クリーニング代金の請求の話や、お互いの身分と実行計画を全部オープンにしてしまうあたり、面白くて大笑いしましたが、あまりに長いカタカナの文章を読むのにちょっと疲れて居眠り・・・(恥)最後はハッピーエンドかと思いましたが、タイトル通り寂しい結末なのか・・・「さびしい乞食」「さびしい姫君」 と続く作品のようです。北杜夫といえば「楡家の人びと」「どくとるマンボウ航海記」などの作品は知っていますが読んだことはありません。たまたま図書館でこの本が在庫になっていたので今回初めてこの作品を読みました。芥川龍之介賞を受賞したのは「夜と霧の隅で」だそうですが、そのときはまだ医師として勤務していた頃のようです。仕事をしながら作品を完成するだけでも大変なことなのに受賞ですから才能があるのですね。さびしい王様 著者: 北杜夫 出版社: 新潮社 サイズ:文庫 ページ数: 422p 発行年月: 1981年09月【内容情報】(「BOOK」データベースより)役にも立たない帝王学だけ教え込まれて育ち、恋も政治も知らぬ幼児のような王様ストンコロリーン28世。オッパイを見ては、「あ、オレンジ!」などと呟いていたおく手な彼が、私腹を肥やす悪辣な総理大臣への反感からおこった革命の渦中で、すこしずつ人間の喜怒哀楽に目ざめ、純真な恋を感じ始める…。ペーソスとナンセンスの横溢する、おとなとこどものための童話シリーズ第一作。 【著者情報】(「BOOK」データベースより)北杜夫(キタモリオ)1927(昭和2)年、東京青山生れ。旧制松本高校を経て、東北大学医学部を卒業。’60年、半年間の船医としての体験をもとに『どくとるマンボウ航海記』を刊行。同年、『夜と霧の隅で』で芥川賞を受賞。その後、『楡家の人びと』(毎日出版文化賞)、『輝ける碧き空の下で』(日本文学大賞)等の小説を発表する一方、ユーモアあふれるエッセイの執筆も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ひこ星ネットワーク
January 25, 2009
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表題の「問題な」の問題の表現をあえて使っているところが憎いです。2005年4月度 楽天ブックスランキング 18位 だけあって人気の本。図書館で借りましたが約6ヶ月の待ち。この本は買っておいて手元に置き、何度も読みたい本として欲しかったな。今度購入しましょう。そういえば、図書館に予約申し込んで1年以上なるのに、まだ借りれない本があるんですよ。この本に取り上げられている表現は、以前からおかしな表現としてテレビや新聞などでも取り上げられているものが大部分です。私も違和感を感じる言葉だと思っていました。でも、これっておかしく無いんじゃないかなぁと思ったことがあって、何が問題だと思ったのか、何がおかしくないと思ったのか、自分でも理解できていませんでした。この本を読んで、一概におかしい表現と片付けられない部分があることがわかって、今までのなぞが解けた気がしました。「こちら○○になります」という表現。レストランで耳にする言葉。なるという動詞は「人為的ではない」こと。そして「物自体が変化する」もしくは「相手の予想から外れるかも知れないがキチンと詰めていくとこうなる」という2つの用法。「人為的ではない」で「物自体が変化する」場合には違和感無く用いられるのです。しかし、レストランで「こちら○○になります」というのは、商品が変化するわけではなく、「お客様の予想から外れるかも知れないけど」という断りを入れる意味があるというのです。しかしお客の立場からするとメニュー通りのものを期待しているわけで、この場面で「なる」を使われると予想から大きく外れるものなのかなどと考えをめぐらせるわけで、不自然な感じがするそうです。つまり、レストランで提供する商品は店側が人為的に「した」ものであって、「なる」といわれると無責任な感じを受けるようです。人間って深い知識が無くっても、こういう感性って持ってて、違和感を感じているんですね。ところで、本にたくさん書かれている4こま漫画、笑っちゃいました。そのうちの一つ。彼 「誕生日だろ?コレやるよ」彼女「ありがとう」彼 「さっ、ミーたん。ゴハンあげましょうね」彼女「私が「やる」で、ネコには「あげる」って、その差は何?」彼 「かわい差?」この本、漫画目当てでも面白い。[使うのはどっち?]を見てると、だんだんと日本語がわからなくなりますよ。本当に日本語って難しい。どこがおかしい?何がおかしい?著者:北原保雄 出版社:大修館書店 発行年月:2004年12月 本体価格 800円 (税込 840 円)単に「使ってはいけない」「この用法は間違っている」と指摘するだけではなく、どうしてそういう表現が生まれてくるのか、誤用であったとしても、その誤用が生まれてくる「誤用の論理」は何なのかを究明する。 【目次】1.おビールをお持ちしました 上品? 顰蹙? 飲食店の接客語2.全然いい 漱石や芥川も使ってた? あながち誤用ではない「全然いい」3.私って・・・じゃないですか 「私って朝弱いじゃないですかぁ~」 ・・・んなこと知るか!と憤る4.コーヒーのほうをお持ちしました 野放しにしていいのか? 最近気になる「~のほう」5.こちら~になります 「こちら和風セットになりまーす」 ・・・って、いつ”なる”んでしょうか。6.よろしかったでしょうか 気分が「よろしくない」お客様続出! 「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」7.っていうか っていうか、日本語になってないよ、っていうか。8.なので 日本語は難しい。なので、辞書を引きました。「なので」って接続詞?9.理由は特にないです 戦中戦後の日本人も気になっていた? 意外と微妙、「ない」と「です」の組み合わせ10.知らなさそうだ 「知らなさそう」は正しくなさそう?11.いただいてください 貰ったんだかあげたんだか、もち上げられたんだか落とされたんだか・・・?12.ふいんき/ふんいき 「ふいんき」と入力しても「雰囲気」が出ない・・・パソコンの故障? いいえ、あなたの故障です13.真っ茶 「真っ白」「真っ黒」「真っ青」「真っ赤」までは辞書に載ってるけど・・・14.やむおえない こういうご時世ですから、一文字程度の間違いは、やむおえないと諦めざるおえません?15.わたし的にはOKです わたし的に考えると、若者的に普通の表現です16.すごいおいしい 私の日本語、すごい正しいと思うのですが、ダメですか。17.お連絡/ご連絡 「ご予算の件お連絡ください」? 「お予算の件ご連絡下さい」? 「お」と「ご」のラビリンス18.メイル/メール カタカナ語の表記、本によってまちまちでいいのでしょうか?19.こんにちわ/こんにちは 「こんにちわ/こんにちは」、あなたはどっち派?20.台風が上陸する可能性があります 「可能性がある」って、本来よい意味の時に使う言葉では?21.おざなり/なおざり 「おざなり」? 「なおざり」? どっちがどっち?22.二個上の先輩 つい言っちゃうけど、「個」って年齢に使えるの?23.昔、その公園で遊んだときがある 意味としちゃよーくわかるんですが、なんだかどこかひっかかる、ときがある。24.とんでもありません よく考えると、「とんでもある」って言わないけど・・・25.猫に餌をあげる 「お父さんとタマにご飯をあげてね」怒るあなたは旧世代26.お連れ様がお待ちになっております 「おります」って尊敬語として使えるの?27.なにげに 「課長って今どきの人ですよね、なにげに。」って部下に言われた。誉められたんだろうか・・・。28.きもい・きしょい・うざい 「あいつ、きもい」「っていうか、きしょい」「つーか、うざい」・・・ 君らの日本語がうざいんです29.これってどうよ ネット社会の申し子、「どうよ」ってなによ?30.いう/ゆう でも実際は、そうゆうふうにゆっているじゃありませんか? ・・・「いう」に隠された深い理由31.違かった/違くて 「違くない・違おう・違います・違かった・違くて・違う・違うとき・違えば・・・??」 ・・・複雑系・五段活用誕生32.たいな そこまでして「みたいな」を使いたいのか、若者よ。33.耳ざわりのよい音楽 手触り・歯触り・耳触り? よーく考えよう、漢字の表記34.事/こと 事と次第によっては、ひらがなの方がスマートです35.話し/話 送り仮名はパソコンの変換まかせ、では話になりません[使うのはどっち?]1 一所懸命 vs. 一生懸命2 病、膏肓(こうこう vs. こうもう)に入る3 独擅場(どくせんじょう) vs. 独壇場(どくだんじょう)4 脱北(だつほく vs. だっぽく)5 客観(きゃくかん vs. きゃっかん)6 三角形(さんかくけい vs. さんかっけい)7 味わう vs. 味あう8 稲妻(いなずま vs. いなづま)9 とおり vs. とうり10 ぞうっとした vs. ぞおっとした11 巌流島の決闘 vs. 巌流島の決斗12 関 vs. 關 vs. 、与 vs. 與13 斎 vs. 斉14 餘は満足じゃ vs. 余は満足じゃ15 貼付(ちょうふ vs. てんぷ)16 依存(いそん vs. いぞん)17 包帯 vs. 繃帯18 一獲千金 vs. 一攫千金19 祈念 vs. 記念20 ネクタイを絞める vs. ネクタイを締める21 一升瓶を空ける vs. 一升瓶を開ける22 起こる vs. 興る23 フロッピー vs. フロッピィ24 お待ちどおさま vs. お待ちどうさま25 カツオをズケにする vs. カツオをヅケにする26 おとっつぁん?27 融通(ゆうづう vs. ゆうずう)28 石塚(いしづか vs. いしずか)29 愛想ずかし・心ずくし・腕ずく・黒ずくめ?30 癒す vs. 癒やす、癒し vs. 癒やし31 証 vs. 証し32 年令は六才 vs. 年齢は六歳33 新人賞を受賞して晴れの授賞式に臨む?34 人口受精 vs. 人口授精35 崖っ淵 vs. 崖っ縁36 難破船 vs. 難波船37 逆転の満塁ホームラン vs. 逆点の満塁ホームラン38 掛けがえ vs. 欠けがえ39 訣別 vs. 決別 vs. 袂別40 シリコン vs. シリコーン41 テトラポット vs. テトラポッド42 ホームステイ vs. ホームステー vs. ホームスティ43 二〇世紀(ニジッセイキ vs. ニジュッセイキ)44 布団を敷く vs. 布団を引く45 鍋に油を敷く vs. 鍋に油を引く46 市場開放 vs. 市場解放47 定価改定 vs. 定価改訂48 十分 vs. 充分49 仏道の修行 vs. 仏道の修業50 学問の修行 vs. 学問の修業51 「~を」と言えるのは他動詞?52 受身ができる動詞は他動詞?53 クマが人を襲った vs. 人がクマに襲われた54 信じざるをえない vs. 信ぜざるをえない55 愛しない vs. 愛さない56 蹴り上げる vs. 蹴上げる、蹴り飛ばす vs. 蹴飛ばす57 罰せられる vs. 罰される58 いかに愛すべきか vs. 愛するべきか59 察せられる vs. 察しられる60 蹴れる・しゃべれる・すべれる?61 見れれる・来れれる・出れれる・食べれれる?62 読ませていただきます vs. 読まさせていただきます63 降りさせてください vs. 降ろして下さい vs. 降ろさせてください64 会社に行く vs. 会社へ行く65 ミステリーが好き vs. ミステリーを好き66 酒が飲めない vs. 酒を飲めない67 水が飲みたい vs. 水を飲みたい68 彼は私の気持ちがわかってくれない vs. 彼は私の気持ちをわかってくれない69 ノーベル文学賞を与えられた vs. ノーベル文学賞が与えられた70 先生にお会いしました vs. 先生とお会いしました71 あの子は父親に似ている vs. あの子は父親と似ている72 山に登った vs. 山を登った73 玄関から入る vs. 玄関を入る74 机の上に置く vs. 机の上へ置く75 被害者を取材する vs. 被害者に取材する76 老骨に鞭打つ vs. 老骨を鞭打つ77 ~に感謝する vs. ~を感謝する78 情けない・かたじけない・つまらない・・・形容詞はどれ?79 読まなすぎる vs. 読まなさすぎる80 気持ちよさそう vs. 気持ちよそう、カッコよさすぎる vs. カッコよすぎる81 頼りなそうだ vs. 頼りなさそうだ82 危なそうだ vs. 危なさそうだ83 せつなそう vs. せつなさそう、ぎこちなすぎる vs. ぎこちなさすぎる84 所在なげ vs. 所在なさげ85 つまらなげだ vs. つまらなそうだ、落ち着かなげだ vs. 落ち着かなそうだ86 湯がわく vs. 水がわく87 朝が明ける vs. 夜が明ける、新年が明ける vs. 旧年が明ける88 一石を投じる vs. 波紋を投じる89 犯罪を犯す?90 お茶を淹れる vs. お茶を入れる91 私は幹事です vs. 私が幹事です vs. 幹事は私です92 おっしゃられる・いらっしゃられる?93 召し上がられる?94 お見えになられる・おいでになられる?95 申される?96 おられる?97 お求めやすい値段?98 合いの手を打つ vs. 合いの手を入れる99 明るみに出る vs. 明るみになる100 押しも押されもせぬ vs. 押しも押されぬ101 古式ゆかしく vs. 古式豊かに102 名誉挽回 vs. 汚名挽回103 一瞬の夢 vs. 一炊の夢 vs. 一睡の夢104 一瞬先は闇 vs. 一寸先は闇105 胸三寸 vs. 胸先三寸106 言葉を濁す vs. 口を濁す107 侃々諤々 vs. 喧々囂々 vs. 喧々諤々 vs. 侃々囂々108 寸暇を惜しんで働く vs. 寸暇を惜しまないで働く*日本語おもしろマンガ入り(絵 いのうえさきこ) ひこ星ネットワーク
February 8, 2006
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ザ・サーチ(グーグルが世界を変えた)何気なくクリックしていたグーグル、恐怖映画を見た後のようでクリックが怖くなります。アメリカの人気コラムニストが著者が書いた本ザ・サーチ グーグルが世界を変えた毎日、数百万という世界中の人々がグーグルという検索エンジンの画面に、欲しい情報を表示しようと、言葉を打ち込んでいる。グーグルだけでなく、ヤフーやMSNでも同じである。実は我々は、クリックするごとにデータベースが出来ていることを知らない。このデータベースを使えば、人々が何を欲しがっているのか、どうしようとしているのかわかるというものである。検索はマーケティングと商業の世界で非常に大きな役割を持っている。例えば、今後の展開として例をあげているのは、父親になる予定の「あなた」が「妊娠・赤ちゃん」のキーワードでグーグルするとする。あるリンクをたどれば、未来のパパの必読書として数冊があげられている。「あなた」はアマゾンのインターネット本屋で、そのうちの1冊を買ってから、テレビ録画サービス会社のホームページをクリックする。「親、出産、新生児」で検索すると、来週放送予定の妊娠に関する番組が表示されたので、これらを録画するようにテレビ録画サービス会社に指示する。こうしてサイトからサイトへ移動する間に、「あなた」のコンピュータの中では成果報酬型広告が作動し、訪問したサーバから情報ファイルが「あなた」のコンピュータへ送り込まれる。「あなた」はサービスを購入する可能性が高いと判断されて、何十万という広告主のオークションに紹介される。そしてグーグル検索が終わる1秒以内に、「あなた」が選んだ番組をめぐって、数件の広告が競り合う。そして30分後にあなたがテレビをつけると、スクリーンの下には数件の広告が表示される。それを見ていると、広告だけでなく、「おむつ1個無料」といったプレゼントもついてくる。典型的なペイドサーチの光景である。2004年、グーグルは無料メールサービスのGメールのベータ版を導入した。しかし徹底した批判を浴びせられた。メールに広告を添付したからである。ヤフーなどでも広告を添付しているがGメールは少し違った。掲載される広告が内容とあまりにも関連がありすぎたからである。母親がアップルパイのレシピをメールで娘に送ると、アップルパイの広告がついた。まるでグーグルの社員がメールを見ているように。未来の検索エンジンは、現在我々が知っている検索エンジンではない。知能のあるエージェントであり、人間の知識を完全に集大成した資料館である。もはやSFの世界ではない。マイクロソフトもグーグルもそれを目標として公に掲げている。ITに関して、アメリカは日本より5年進んでいるといわれています。5年が3年なのか10年なのかわかりませんが、いずれ日本でも話題になるでしょう。ザ・サーチ グーグルが世界を変えた 著者:ジョン・バッテル /中谷和男 出版社:日経BP社 /日経BP出版センター 発行年月:2005年11月 本体価格 1,800円 (税込 1,890 円) 世界中が注目する検索エンジン会社グーグルを取材した初のビジネスノンフィクション。ワイアード創刊者でもある著者はインターネット関連ベンチャーに詳しく、グーグルの創設者たちとも親交があつい。検索エンジンの歴史と検索技術のイロハをひもときながら、グーグル誕生から現在までの経緯、話題になったIPOの経緯などを描く。巨大データベースであるインターネットと検索エンジンの関係、それらに対する政府の規制の可能性、プライバシーの問題など、検索ビジネスの将来展望にも触れ、示唆に富む内容。カリフォルニアのネット世代の若者たちの考えをうかがい知るネット・サブカルチャー史としても面白く読める。■目次第1章 意志あるデータベース第2章 検索のイロハ~五つのW、ひとつのH第3章 グーグル以前の検索第4章 グーグル誕生第5章 一回五セントで一〇億ドル~インターネットが産んだ金の卵第6章 グーグル二〇〇〇~二〇〇四~五年で三〇億ドル企業へ第7章 サーチ・エコノミー第8章 検索とプライバシー第9章 グーグル、満を持して上場第10章 グーグルの今日と明日第11章 完全なる検索エピローグ謝辞訳者あとがき ひこ星ネットワーク
February 2, 2006
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消費大国のアメリカでは宣伝広告が氾濫して商業主義が子供の世界まで浸透しているようです。これに子供が受ける影響は想像以上です。アメリカの出来事だから関係ないと思うか、日本でも同じことが始まっている警告として受け取るか、読者次第だと思いました。子どもを狙え! キッズ・マーケットの危険な罠アメリカは世界1消費志向が強い社会。貯蓄率が低く、成人は年間平均48点の衣料品を購入するのだとか。今、業界は子供に熱い視線を注いでいる。1歳の赤ちゃんの時からテレビ番組でCMを見て商品を脳裏に刷り込まれる。小学校1年生の時には1日2時間のテレビを見ている。8~13歳になると1日3時間半に増える。2004年に子供の市場につぎ込まれた宣伝費とマーケティング経費は150億ドルに達している。20年前は10億ドルと言うから異常な増加ぶり。この経費の元が取れるのだから消費額は恐ろしい数値だろうと思います。親の労働時間が長くなり、子供と過ごす時間がなくなるほど、親は子供のためにますますお金を使うようになる。子供に時間を避けられない親が覚える気持ちの代償であって、「贖罪の金」と呼んでいるようです。ある調査では、テレビなどのメディアとの接触時間が長いほど、消費文化に書き込まれやすいという結論が導かれています。消費文化とのかかわりが深ければ、それだけ強い不満足感を覚え、願望が達成されない挫折感、他人と比較して劣等感を抱くというもの。他人をうらやみ、自分の持ち物を気にし、金銭と物質に対して強烈な願望を抱く者は、うつや不安症に陥りやすいといわれているようです。私は「煩悩」という言葉と共通するものを感じました。消費文化に取り込まれることで、読書などほかの有益な活動に感心を失せることもあるのではないでしょうか。心理学者テイム・カッサー氏は、金銭的願望が強い人ほど、自己実現と生命力の面で薄弱だという結論を導き出しています。著書では、子供を消費市場から守るためにいくつか提言しています。例えば、小遣い帳によって、欲しいものを必要なものを区別し、欲しいものを買うために予算を組むことを覚えていく。子供たちはそうして経済についての教訓を学んでいくのだとか。一番耳が痛い言葉がありました。『消費文化の影響から子供を守るためには、親も身を持って示す必要がある。高価なスニーカーをねだる子供をあきらめさせるには、自分のクローゼットに高価な靴が並んでいては効果があがるはずがない。』『物質主義の子供は物質主義の親の場合が多い。価値観を伝えるためには、親は子供と同じ生き方をしなければならないのだ。』結局は理想の生き方を子供に見せること、これが全てなんだと悟りました。まだ手遅れじゃない!と信じて、今日から頑張ります。子どもを狙え! キッズ・マーケットの危険な罠 著者:ジュリエット・B.ショア /中谷和男 出版社:アスペクト 発行年月:2005年11月 本体価格 1,900円 (税込 1,995 円)「買うために生まれてきた子どもたち」本書を読み終えた読者は、この表現が誇張ではないことを理解できるはずだ。子どもたちの無意識をも呑みこんでいく、驚くべきマーケットの現実がここにある。 【目次】1章 マーケットに呑みこまれていく子どもたち/2章 変化しつづける子どもの消費環境/3章 子ども向けCMのメッセージを読み解く/4章 増殖するコマーシャル・ウイルス/5章 公立学校の営利化が招く危機/6章 消費者としての子どもを解剖する/7章 ジャンクフード、麻薬、暴力/8章 消費文化が子どもの幸せを奪う/9章 子どもの自律性をどう育てていくか/10章 子どもをマーケットから守るために ひこ星ネットワーク
February 1, 2006
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この本は、友達や先生、親との関係を見つめなおすきっかけとするために自分を知ること。大人が読んでも参考になる本です。12歳からのエゴグラム 学校で生きぬくための心理学人が自分に優しくしてくれないのはなぜだろう。友達はなぜあんなことを言うのだろう。全ては友達に発した自分の言葉が自分に跳ね返ってきているのではないか。それを探るには自分を知ること。そして自分はどうしたら、それを乗り越えられるか。子供なりに考えて、それを乗り越えて欲しいと思う。<あなたの中の5人の小人>電車の中で、女子高生が座って携帯電話で話をしています。目の前には、おばあさんが立っているのに、まるで無視。あなたは「なんなの、あいつ。!?席を譲りもしないで、非常識だよね!」と友達に話しかけました。友達は「どうして気がつかないんだろうね」と言いました。近くに座っていたおばさんが「どうぞ」と席を譲ろうとしました。おばあさんは遠慮して座ろうとしませんでした。あなた:批判的おばさん:優しい友達:客観的女子高生:自由気ままおばあさん:遠慮物語を通して、5人の小人の話を説明しています。そして小人の名前をつけています。名前が面白い。批判的な小人:キソック優しい小人:ホゴイン客観的な小人;ゴーロン自由気ままな小人:フーリー遠慮する小人:スナオン自分を見つめなおすために、子供向けに書かれた本です。13歳のハローワークのように、子供向けの本はこれからもどんどん出版されるでしょう。昔、某会社の入社試験でエゴグラムの問題を出され、性格分析されたことがありました。このときと少しだけ変化しているようですが今と大きな変化は無いですね今の私の性格分析してみました。優しさと客観性が満点に近く、山の形でした。性格だから正解はないのですが、説明では、まあ形がよいほうだと書いてありましたので一安心。。12歳からのエゴグラム 学校で生きぬくための心理学 著者:高橋 久 発行年月:2004年11月 本体価格 1,350円 (税込 1,417 円)子ども自身が自分を分析する、はじめての心理学書。 【目次】第1章 人間関係の不思議 自分のことがわからない!? 友達ならみな同じ気持ち!? なぜ、いつも同じことを繰り返すの!? 過去と他人は変えられない!!第2章 エゴチェック あなたの中の5人の「小人」 エゴチェックをやろう エゴグラムの作成第3章 あなたはどのタイプ? 5人の「小人」の特徴を知ろう エゴグラムの形をチェックしよう第4章 トレーニング 心は自分で変えることができる!第5章 もっと強く生きるために いつものイヤな感じをSTOPしよう! ディスカウントの癖とはサヨナラしよう! 自分の未来は自分でつくる! 著者からのコメントこの本では心理カウンセリングなどでよく用いられるエゴグラムというグラフで自分のこころの状態を知り、今まで見えなかった自分に気づき、発見することができるようになっています。また、自分自身のタイプ別のトレーニング方法も紹介しております。エゴグラムというと難しそうですが中高生の皆さんが読みやすいように通常はわかりにくい心理学用語などもわかりやすく変えています。では何故見えなかった自分を知ることが大切なのでしょうか?よく耳にする言葉に「自分のことは自分が一番良く知っている」というものがあります。ある一面から見るとその通りだと思います。でも、「人間関係」の面においては案外と自分自身についてわかっていない人が多く見られます。これは子供に限らず大人にも見られることですが自分ではこういう自分だと思っていても周囲の人からは違うように見られていることが良くあります。例えば自分ではリーダーシップがある人間だと思っていても周囲からは人の言うことを聞かない自分勝手な人間と思われていたりという風に自分から見た自分と周囲から見た自分にギャップが生じている人もいます。このギャップが悪い方向に行くと円滑な人間関係を妨げる一因になってしまいます。このギャップを埋めていくにはやはりまず自分自身を知り、成長させるためにどのようにトレーニングしていくかということが大事になってきます。人生の中でもっとも楽しい反面、親や友人などの「人間関係」に悩むことも多い学生時代においてこの本が少しでも中高生の皆さんやそのご父母様にお役立ちできればと思います。 ひこ星ネットワーク
January 30, 2006
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団塊世代には知恵、技術、消費・生産を動かす経済力がある。価値観が変れば、団塊パワーが「黄金の十年」を築く、と堺屋太一が書いた本。励まされる一冊です。団塊の世代「黄金の十年」が始まる2007年問題、これは団塊の世代が定年を迎え始める2007年を、あたまも暗い時代の始まりのように論じるもの。団塊の世代が続々定年退職して年金受給者になると年金会計も財政も悪化するばかりであり、その上労働力不足が生じて技術や事業の継承も上手に行えなくなるという「団塊お荷物論」だという。「団塊の世代」の名付け親でもある著者が、「団塊お荷物論」に真っ向から反対する。団塊の世代はかつてないほどに活気にあふれる60歳台になり、日本経済の原動力となる可能性を秘めているのだとか。「だいたい官僚の予想は外れる」と著書でも詳しく紹介していますが、ニュースの特番で 利用者の予測が十倍以上にも予測ミスしたために、不要な設備を作る【税金の無駄使い】が昔から続いていますよね。官僚やお役所の予測って絶対に外れるんですから。作ることが決まってて、そのための予測数値を後で出しているんだと思う。著書では、官僚がなぜ予測を間違えるのか、具体的に解説しています。60代の勤めは「年金兼業型労働」だと説明しています。そしてそれは経済のローコスト化を進め、日本経済の大いなる発展につながると結論つけています。団塊の世代は、その時々の年齢に合わせて新しい需要を生み出してきました。当然60歳代になれば「60代用品」が爆発的に売れるでしょう。しかし、日本にはまだこの年代を満足させる商品が少ないと書いています。供給が乏しいから需要が目立たないのだと。では、何を求めているのか、著者が本の中でいくつもの例をあげています。団塊の世代の定年で、消費状況は個人の楽しみを求める消費が急増し、「自由な労働力」による経済循環が生まれるようです。日本経済の改革のラストチャンスと書かれているのがちょっと気になりました。団塊の世代「黄金の十年」が始まる 著者:堺屋太一 出版社:文藝春秋 発行年月:2005年10月 本体価格 1,600円 (税込 1,680 円)団塊がまた、時代を変える!新しい労働力、新しい市場、新しい欲求が、新しい文化を創る。 【目次】序章(的中した予測小説『団塊の世代』;官僚予測に脅えるな!)第1章 団塊の世代は日本を変えた(新時代を拓いた団塊の世代;官僚の予測はことごとく外れた)第2章 団塊が創った「今の日本」(「特殊戦後型日本」とは;完璧な近代工業社会を築いた三本柱;戦後日本の背後霊;知価革命いまだ成らず;歴史に学ぶ発想の転換)第3章 団塊の「倫理と美学」を解く(団塊の世代は歴史のどこにいるのか;新しい伝統―核家族と職縁社会;団塊の世代が起こした意識改革;「不安の正体」はわが心の影)第4章 団塊の世代がまた、「時代」を変える(団塊の世代―「定年」の経済学;団塊が創る高齢者市場;団塊の世代の財政学―財政と年金の未来;財政と年金の安定のためには;団塊の世代の家政学) ひこ星ネットワーク
January 29, 2006
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作家の五木寛之と京セラ創業者の稲盛和夫の対談集。何のために生きるのか人間、何かをやり遂げた人、(傍から見たら)目標を達成した人は、人間の奥を見ているような気がします。対談なので筋書きもなく紹介しづらいのですが、ちょっと気に入った箇所だけピックアップしてご紹介します。音にはあう音と合わない音があるとプラトンが言っているが、人間でも同じではないか。あう音は響く。こういう実感を大切にしたい。今情報といわれているのは本来の情報ではないと思う。本当の情報は人間のこころの中の感情をきちっと把握して伝えること。日常生活の中で、感情的に自分の利己を正当化しようとしたり、自分のエゴを守ろうとする人が増えている。背景には戦後教育がある。道徳や宗教、倫理をあまりにもないがしろにしてきたのではないか。その弊害として、大人になっても人間として最低限守るべき規範を教わらないままに社会に出てしまった。今の日本には歌がない。宗教学者の山折氏は韓国の学者からこんなことを言われたそうです。『日本には「夕焼小焼」という童謡があってうらやましい。あの歌の中には仏教の大事な思想が全部含まれている。』 夕焼小焼(中村雨紅作詞・草川信作曲) 夕焼小焼で 日が暮れて 山のお寺の 鐘がなる お手々つないで 皆かえろ 烏と一緒に 帰りましょう 子供が帰った 後からは 円い大きな お月さま 小鳥が夢を 見る頃は 空にはきらきら 金の星曲を聴きたい方はこちらをクリックしてくださいココに山川草木悉有仏性の全てが表わされている。あっちに灯りがともって家族が待っているから、さあ、帰ろうというところに仏教の浄土観が出ていると指摘されたそうです。脱線しますが、「夕焼小焼」と言われて、 夕焼け小焼けの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か 山の畑の桑の実を 小籠に摘んだは まぼろしか 十五で姐やは 嫁に行き お里のたよりも 絶えはてた 夕焼け小焼けの 赤とんぼ とまっているよ さおの先をつい歌ってしまうのは、私だけ?まぎらわしいよねこれは赤とんぼって歌でしたね。(作詞者 三木露風 作曲者 山田耕筰)曲を聴きたい方はこちらをクリックしてください明治の頃、日本に来た外国の教師は、立ち去る時にこういっています。「非常に残念なことは、日本の皆さんは地面の上に咲いている花だけを一生懸命愛でようとして、土の中の根を無視していることだ。」と。実は西洋文化の花の下には土に隠れた根があることにほとんどの日本人が感心を持たなかったということです。それが宗教のようです。ヨットは風が吹かないと動かない。でもひとたび風が吹いてくるば動き出す。この風のことを僕は他力の風と呼んでいる。風があっても帆をおろして休んでいてもヨットは動かない。だから他力の風は絶対に吹くんだと信じて帆を張り、いつでも動くという心構え出なければならない。ここは独力で何とかしようという気持ちになったとき、後ろから他力が肩を押してくれるんですよ。他力は自分の母なのだ、僕はいつも言っているのです。何のために生きるのか 著者:五木寛之 /稲盛和夫 出版社:致知出版社 発行年月:2005年11月 本体価格 1,429円 (税込 1,500 円) ダ・ヴィンチ2006年2月号掲載共に昭和7 年生まれの作家と実業家が、それぞれの歴史と経験を踏まえて人生を語り合った書。初対面の瞬間からお互いをソウルメイトとして認識できたという二人の対話は、穏やかさに満ちている。タイトル通り、人生の根源的テーマに迫った、深く味わいのある人生論。(つ)昭和7年生まれの二人が、「何のために生きるのか」というテーマをめぐり初対面。その瞬間から、理屈ぬきで親しみを感じ合える“ソウルメイト”(魂が引き合う友)として、対話は静かに進んでいった。いま、年間約3万2千人もの自殺者を生んでいる「豊かな」日本社会。そんな中で、現代日本人が失ってしまったものが何であるかを、貧しく困難だったお二人の青少年時代との対比の中に、あるいは輪廻転生などの仏教思想の中に浮き彫りにしていく。五木氏は、「いま井戸を掘らなければいけないのは、アフガンの荒野もそうだけれど、日本人の渇ききった“こころ”にこそ井戸を掘り、水分を含んだ“みずみずしいこころ”を取り戻す必要がある」と述べている。作家・五木寛之として歩んできた道と、その出発点となった凄まじいまでの戦争体験。「他力」という生き方。京セラ創業前夜から今日に至るまでの実業家・稲盛和夫の歩んできた道と、仏道修行のことなど。お互いの飾らぬ言葉で真実が語られている。稲盛氏は、「運命はこころのありようによって変えられる。こころが呼ばないものは、決して周囲に現象として現れない。それが真理というものではないかと思っています。だから、こころをまず美しく変えていくことが大事なのではないかと思うのです」と述べている。“自力か他力か、何のために生きるのか”――本書が読者に伝えるメッセージであり、同時に、読者に問いかけているメッセージでもある。◎ 目 次 ◎(抜粋)第1章 同時代を歩んだソウルメイトとして第2章 こころが乾いてしまった日本人第3章 いま、宗教の力を問い直すとき第4章 新しい浄土の物語をつくる第5章 人生の転機から見えてきた「生き方」 〔稲盛和夫・わが転機を語る〕 こころと運命 ●ツキのなさに不平ばかり言っていた新入社員のころ ●ひたすら研究に没頭し始めてから運命が開けていった ●京セラ誕生のいきさつ 〔五木寛之・私の転機〕 世界が一変した植民地での敗戦 ●家庭が崩壊、十三歳にして親代わりを務める ●原点にあるのは努力が一瞬にして奪い去られる崩壊感覚 ●いまでも?あのとき?にタイムスリップできる第6章 ポジティブとネガティブの出合う場所第7章 他力の風を受けて生きる共に昭和七年生まれ。十三歳で敗戦。その後、様々な精神的遍歴を踏み越えて一人は作家、一人は実業家に。その二人が長い歳月を経て、ここに出会い“魂の友”として縦横に語り合った「人は何のために生きるのか」。 【目次】第1章 同時代を歩んだソウルメイトとして/第2章 こころが乾いてしまった日本人/第3章 いま、宗教の力を問い直すとき/第4章 新しい浄土の物語をつくる/第5章 人生の転機から見えてきた「生き方」/第6章 ポジティブとネガティブの出合う場所/第7章 他力の風を受けて生きる ひこ星ネットワーク
January 28, 2006
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みんな大好きな食品添加物食品添加物の元トップセールスマンが告発する本。恐怖の世界へようこそ。食品の裏側 みんな大好きな食品添加物食品添加物の世界には、消費者には見えない、知らされていない「影」の部分がたくさんある。普通の消費者は、どんな添加物がどの食品にどれほど使われているか、想像することも出来ない。食品添加物は、まさに「魔法の粉」である。「長持ちさせる」「色形を美しく仕上げる」「味を良くする」「コストを下げる」「簡単に一定レベルの食品が作れる(職人要らず)」・・・。全て添加物を使えば簡単なことである。例えばうどん。こねるときにグルテンをいれればコシが出てつるつるした麺が簡単に出来る。スープも「工場で大量生産して缶で納入するほうが楽だし、安く上がります。」という提案をして、そのうどん屋の味に似せたスープを、化学調味料や酸味料などの添加物を駆使し、原価を安く抑えて開発し納入する。麺をゆでる釜にも酸味料を使うことで切り口がドロドロにならず、茹で上がりがきれいになる。例えば低塩梅干。塩は味付けのためばかりでなく、保存、色落ち防止、食感を保つ役目がある。低塩で塩を減らすなら、この役割を他の何かで補う技術が必要。味付けには化学調味料、保存にはソルビン酸、色落ち防止には酸化防止剤、酸味は酸味料で補う。だが、これではしょっぱさは従来品と同じだから、甘草、ステビア、サッカリンなどの甘味料を加えて、コレを抑える。食べる人が塩味が半減したと錯覚させる。コレを応用したのが低塩漬物。例えばしょうゆ。1リットル258円が特売品で138円になる。この特売しょうゆは実はしょうゆではなく、「しょうゆ風調味料」である。本物とそっくりだが製法がまるで違う。本物は1年以上かけて作られるが、しょうゆ風調味料は1ヶ月もかからない。例えば塩。○○の塩で売られているもので、メキシコなどから安い岩塩や天日塩を買ってきて、海水の中で溶かした後、煮詰めて結晶化する。岩塩や天日縁にはミネラルはほとんど入っていない。自然結晶するとミネラルを押し出す。そこで塩化マグネシューム、塩化カルシュームなどを後から添加する。それらしく見せるために茶色く着色したものもある。加工食品では例外的に原材料を「表示免除」する特例もある。カット野菜、パックサラダのケースでは、長持ちさせるために殺菌剤で消毒するが加工工程で使われただけで製品になったときには残っていない、という理由から表示免除になっている。しかし、その消毒現場はすさまじい。殺菌剤のプールにカットされた野菜を放り込む。場合によってはしゃきしゃき感を出すためにph調整剤のプールにいれるらしい。ラーメンソースも添加物を調合して作る。このうまみ成分はラーメンだけでなく、だしの素、スナック菓子等でも活躍している。そしてその威力は恐ろしい。いわゆる味覚破壊である。例えば辛くて飲めない塩水に化学調味料とたんぱく加水分解物を入れると美味しく飲める。この味を覚えると野菜や本来の天然だしなどを「美味しい」と思えなくなる。味覚が麻痺する。添加物を大量に使う食品の代表例は「明太子」「漬物」「練り物、ハム、ソーセージ」著者は娘の誕生日に、添加物たっぷりのミートボールがテーブルに並んだ。うれしそうにほおばる娘を見た時、著者は皿を取り上げ、中身を捨て会社を辞めたという。著書では、他に添加物と上手に付き合う方法を紹介しています。食べたいときに、食べたいものが好きなだけ手に入る、そこには食に対する「感謝」の気持ちは生まれない。添加物抜きの食生活を送るのは不可能に近い。規制の範囲内で添加物を使っているから大丈夫と言えるのか、不安です。今コレを読んでいるあなた。今日の食事、大丈夫ですか?食品の裏側 みんな大好きな食品添加物 著者:安部司 出版社:東洋経済新報社 発行年月:2005年11月 本体価格 1,400円 (税込 1,470 円)■目次■序 章 「食品添加物の神様」と言われるまで第1章 食品添加物が大量に使われる加工食品第2章 食卓の調味料が「ニセモノ」にすりかわっている!?第3章 私たちに見えない、知りようのない食品添加物がこんなにある第4章 今日あなたが口にした食品添加物第5章 食品添加物で子どもたちの舌が壊れていく!第6章 未来をどう生きるかおわりに加工食品のウソ・ごまかしを見抜く「安部式」添加物分類表 日経BP企画 食品の裏側 みんな大好きな食品添加物 評者日経ビジネス編集部 大西 康之痛烈な内部告発書である。食品添加物の専門商社の敏腕セールスマンだった著者が、食品メーカーの“手口”を次々に暴露していく。例えばミートボール。安くて、おいしいミートボールは子供の人気メニュー。温めるだけで食べられるのでお母さんも大助かりだ。だが、製造現場を見てきた著者はこう描写する。「形はドロドロ。水っぽいし、味もなく、そのままではとても食べられるシロモノではありません」という牛のクズ肉を、安い廃鶏のミンチ肉と組織状大豆たんぱくで増量し、20~30種類の食品添加物を加える。ミートボールの正体は「もはや添加物のかたまりと言ってもいい」得体の知れない食べ物だった。このミートボールの製造原価は1パック20~30円。添加物セールスマン時代の著者は、廃棄の運命にあるクズ肉に商品価値を与え、食品メーカーも大儲けでき、消費者も「安くておいしい」と喜んでくれる、と誇りを持って添加物を売ってきた。しかしある日、著者の娘の誕生日に、件のミートボールがテーブルに並んだ。うれしそうにほおばる娘を見た時、著者は反射的に皿を取り上げ、中身を捨てた。「生涯の仕事」と思っていた添加物セールスが「死の商人と同じ穴のむじな」に思え会社を辞めた。著者の告発は続く。例えば常温で何日も保存できるコーヒーフレッシュの正体は、植物油と水と添加物。コンビニエンスストアのおにぎりにも、10種類近い添加物が入っている。ご飯に味噌汁、漬物、明太子とかまぼこという伝統的な朝ご飯を手作りしても、味噌や市販の漬物、明太子には大量の添加物が使われており、結局、40種類近い添加物を口にすることになる。読み進むうちに、添加物抜きの食生活を送るのは不可能に近いことに気づく。どうやら我々の食生活は添加物にすっかり包囲されたらしい。もちろん、個々の食品は規制の範囲内で添加物を使っているから、すぐに体に悪影響が出るわけではない。だが単独で毒性がなくても他の添加物と複合摂取した時、何が起きるかは「誰にも分からない」と著者は指摘する。著者が何より懸念するのは、添加物依存による「食文化の破壊」である。「お母さんのおにぎりより、コンビニのおにぎりの方がおいしい」という子供が増えている。小さい頃から食品添加物を食べ続けると、舌がその味を「おいしい」と感じてしまうのだ。加工食品の安さや便利さは魅力だが、安さや便利さには理由がある。本書を通じてその理由を知れば、少しでも安全な食品を選ぶ気になるはずだ。(日経ビジネス 2006/01/09 Copyrightc2001 日経BP企画..All rights reserved.) ひこ星ネットワーク
January 22, 2006
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ヨン様を追いかけるおばさま方。ブームは自然に起きているのでありません。意図的にメディアに取り上げられるように仕掛けられています。そんな仕組みの裏側を紹介する本です。CM化するニッポン番組は広告を売るための客寄せにすぎない。その証拠に、緊急ニュースのテロップが番組中に流されることはあっても、CM中に流されることは無い。番組とスポンサーの関係にも例をあげて説明しています。例えばSMAPの木村拓哉のドラマ「エンジン」はトヨタがイメージアップと知名度アップで作らせたドラマ。そういえば「魔女の宅急便」もクロネコヤマトがスポンサーでしたね。番組で流れる曲だって、放送局の立場やスポンサーを考慮して流しているようです。報道だって中立と思ったら間違いのようです。レポートと称して好意的に商品を紹介することも増えているし。CMを禁止しているNHKでさえ、「プロジェクトX展」というイベントを開催して、番組で取り上げた企業から最高で3000万円ものお金を「協賛金」名目で集めている。この本で一番びっくりしたのは地上派デジタルテレビ放送に関する記述。知れば知るほどばかばかしい規格。双方向の有効な情報伝送という観点なら光ファイバーを全戸に配線したほうがよい。日本中にデジタルテレビ放送をするならCS(通信衛星)を使って配信するほうが簡単で安上がり。なぜ光ファイバーやCSに切り替えないのか。理由は簡単。キー局とローカル局による全国放送という従来のシステムを手放したくないから。新しい方法ではローカル局は不要になる。キー局としても天下り先がなくなる。既得権を守ろうとする斜陽産業の妥協の産物であると手厳しい。ソフトウェアに関してもHTMLでも十分なのに、わざわざBMLというものを作って放送しようとしている。インターネットと放送の癒合が出来ないようにわざわざ規格化している。ビジネスの仕組みを変えたくないからである。最近、IT企業がテレビ局の乗っ取りを図っているとニュースで報じるようになっていますが、時代の流れ。いつまでもしがみ付いていると取り残されます。過去の斜陽産業が証明しています。テレビCMは知ってもらうことが売り上げの鍵だったが、これからは知ってもらって買ってもらうが売り上げの鍵。これって誰が考えてもテレビよりインターネットのほうがいいでしょう?インターネット広告が伸びているのは当然なんですね。時代の最先端だったテレビが斜陽化し始めている。それを実感する本でした。CM化するニッポン なぜテレビが面白くなくなったのか 著者:谷村智康 出版社:WAVE出版 発行年月:2005年10月 本体価格 1,400円 (税込 1,470 円)ダ・ヴィンチ2005年12月号掲載 小泉自民が大勝利したのも、ホワイトバンドが大流行したのも、それらのヒットのからくりはマーケティング理論にあり!普段見ているテレビ番組も、実は「見えない広告」だった!?マーケティングのプロが明かす、現代メディアの「常識」は、きっと貴方を驚愕させる。(山)あなたが今日、見ようとしているテレビの人気番組も、感動したあの名作番組も、実は番組じたいが広告だった!?CMを見ない人が急増する現在、マスメディアでは「見えない広告」が急速に拡がっている。マーケティングのプロが明かすテレビ・新聞・雑誌が書けないメディアの「常識」。テレビの新しい見方ができるようになる。 【目次】第1章 テレビでブームはつくられる(すべてのブームはつくられている/テレビは広告を放送するビジネス/進化する広告―タイアップ広告 ほか)/第2章 マーケティングがあなたを狙っている(あなたの関心が売られている/「あなた」の情報管理は永遠に続く/マスコミをコントロールする方法 ほか)/第3章 テレビをほんとうに面白くするために(限られたパイの奪い合い/東京に情報が集中する理由/テレビと携帯電話の電波をめぐる奪い合い ほか) ひこ星ネットワーク
January 21, 2006
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浅田次郎作品が続いています。元気の種さんご推薦の本。最近は本の感想ばかりの日記で、まだ少し続きそう。この小説には、切ない恋物語、思わぬところで現在と過去を結びつけるシナリオ、少しずつ解き明かされる真実。読みどころ満載です。あとがきに書かれていましたが、この本は実在する事件を元に作り上げた小説。実在する事件とは、1945年4月1日夜、台湾海峡において米国潜水艦により撃沈された阿波丸。阿波丸は、日本の支配下にある台湾、香港などの連合国の捕虜へ救援物資を輸送し、連合国から攻撃されず停船・臨検も受けないという保証を受けていた。しかし、米潜水艦の魚雷により沈没させられた。2千余名の乗客乗員のうち生存者はたった一人。この小説では船の名前を「弥勒丸」に変えている。 著者:浅田次郎題名となった「シェエラザード」は本の中でも詳しく紹介されている。アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)で、愛していた妻の不貞により全ての女性を呪うようになり、妻に迎えた女を初夜の後に殺してしまうという誓いをたてたシャリアール王に、毎夜その誓いを忘れさせてしまうほどの興味深く面白い話を聞かせた美しく賢い娘の名前で、この物語をもとにロシアの作曲家・リムスキー=コルサコフ がつくった交響組曲の名前。弥勒丸の中で、この音楽が流れ、乗組員の心にはひと時の安らぎがあった。ミロクは、釈迦入滅後、56億7000万年後にこの世に生まれて衆生を救うと言われている仏様。弥勒丸(みろくまる)は大型客船。中立国のソ連の港に集積された連合国側の食料や衣料を、東南アジアに点在する捕虜のもとに送り届けることが任務。その見返りに航海の安全が保障されていた。しかし、昭和20年4月25日、協定により撃沈されないはずの弥勒丸が攻撃を受けて沈没した。弥勒丸は規定の航路を大きくはずれて航行しており、天候も悪く駆逐艦と間違った誤爆であった。現在と、50数年前の弥勒丸の場面とが交錯して展開し、この船がなぜ、沈没することになったか、乗船していた人々の運命はどうなったのかなど、日本人が戦後の平和と繁栄のうちに葬り去った真実が次第に明らかになっていきます。なぜ、連合国の捕虜のもとに物資を送り届けるという美談になる行為を行っている豪華客船を、米潜水艦は沈没しなければならなかったのか。なぜ、規定の航路を大きくはずれて航行したのか。生き残るのは誰か。恋人を襲う理不尽な運命。戦争が終わっても、心の中に戦争を引きずっている人々。戦争へと突き進む、大きな流れに巻き込まれた当時の人びとが模索した生き方。この本を読んで一番思ったこと、それは生き方を問うということ。娯楽小説のわりに、心に重くのしかかった作品でした。<主な登場人物>宋英明:中華民国政府のなぞの老人。弥勒丸を引き上げるために3つのルートに仕掛けをする。 はたして彼の正体は?久光律子:軽部順一の元彼女。新聞社をやめて引き上げに人生をかける。 恋人と別れて15年間、ジグゾーパズルのように理想の相手を探し、行き着いた先は・・・。軽部順一:栄光商産社長。都市銀行に勤め副頭取の娘を妻にし出世コースを進んでいたが女遊びが原因で家庭も職場も失う。日比野義政:栄光商産専務の肩書きだが、広域組織「共道会」の金庫番と呼ばれる男。元自衛隊員。小笠原太郎:元内務省官僚。特務機関長。現在は共同会会長。軽部と日比野の上司。山岸修造:全国船舶連合会会長、戦時中は特務機関に従事。篠田郁磨:九洋物産非常勤相談役。終戦時陸軍少佐。高松貞彦:衆議院議員。海軍兵学校を主席で卒業。少尉候補生。弥勒丸乗船者名簿作成を担当。堀勝一:大本営陸軍部船舶課の少佐。正木幸吉:海軍仕官。中尉。土屋和夫:日銀のシンガポール支店から特務機関に徴用される。小笠原と共に特務機関に従事。島崎百合子:土屋の許婚。赤十字の看護婦。土屋を追ってシンガポールへやってきた。森田新一郎:弥勒丸の船長。冷静沈着。中島吾市:パン焼き職人。ターニャ:ロシア人少女村山留次:見習機関員庄野三郎:見習甲板員シェエラザード(上) 著者:浅田次郎 出版社:講談社 発行年月:2002年12月 本体価格 619円 (税込 649 円) 昭和二十年、嵐の台湾沖で、二千三百人の命と膨大な量の金塊を積んだまま沈んだ弥勒丸。その引き揚げ話を持ち込まれた者たちが、次々と不審な死を遂げていく―。いったいこの船の本当の正体は何なのか。それを追求するために喪われた恋人たちの、過去を辿る冒険が始まった。日本人の尊厳を問う感動巨編。 シェエラザード(下) 著者:浅田次郎 出版社:講談社 発行年月:2002年12月 本体価格 619円 (税込 649 円) 弥勒丸引き揚げ話をめぐって船の調査を開始した、かつての恋人たち。謎の老人は五十余年の沈黙を破り、悲劇の真相を語り始めた。私たち日本人が戦後の平和と繁栄のうちに葬り去った真実が、次第に明るみに出る。美しく、物悲しい「シェエラザード」の調べとともに蘇る、戦後半世紀にわたる大叙事詩、最高潮へ。 ひこ星ネットワーク
January 15, 2006
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変な自慢だが、私は歴史に弱い。歴史に詳しく、歴史物の小説が好きで、歴史ある街を旅行すると歴史のうんちくをいくつか聞かされる、という父親像が私は理想である。それなのに、私の頭にある歴史には、奈良時代、鎌倉時代、安土桃山時代、江戸時代、などの歴史上の人物がほとんど浮かんでこない。時代の順序さえ、ときには怪しくなる。それでも無事に、入試に合格してそれなりの成績を収められたのは、意味のない暗号のような年号の記憶と、脈絡がない言葉から連想するキーワードを試験対策用に覚えたからです。入試試験では、歴史を理解したかと言う観点ではなく、歴史の出来事のキーワードを【覚えているか】という観点で問題が作られているようだから・・。さらに世界史は最悪。外国の映画でも名前を覚え切れなくてわからなくなるのに、○○一世、二世って言われてもわかるはずがない。自慢じゃないが昔から外国人の名前って覚えられない。今話題になっている韓国ドラマ「チャングムの誓い」だって、家内の解説を何度も何度も聞きながら、ようやく理解できている程度なのに。(今はハンサングンやチェゴサングン、という言葉を聴いてもすぐに理解できるようになりましたよ~♪)歴史の勉強って難しいのです。いきなり第二次世界大戦のことを勉強しようと思っても、それまでの歴史背景が全然理解できていないと、頭の中で続いていかない。人間の歴史ってデジタルじゃなく、アナログで続いているんだから。理屈で考えようとするとどうしても、前の時代が理解できていないと気持ちが悪い。で、結局は石器時代からもう一度本を読んでみようと思ったのでした。今回は、さっそく石器時代から縄文時代、弥生時代へと本を読んでみました。学校で学んだときと違って、本に出てくる当時の様子を頭に思い描くことができましたよ。貝塚から昔を生きた人の暮らしを理解できたような気がしています。日本人が何処から来たのか、何を食べていたのか、家族はどうなっていたのか、幸い「吉野ケ里遺跡」の実物を見ることも出来ますから、私の歴史研究はこれからも続きそうです。日本人って、大陸から流れてきた人もいるって知ってました?中国や韓国とは、本当に同じ先祖なんですね。仲良くしなきゃいけないのに、日本人はなぜ侵略したのかな?日本の歴史 ひこ星ネットワーク
January 13, 2006
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タイトル通り、料理を題材にした31の短編小説を集めた本。短編だから通勤や出張時に読む本としては最適。村上龍料理小説集ローストビーフに関しては、「ウエイターがカットしてくれた濃いピンクの肉を口に入れる。いつものことだがひどく残酷なことをしているような気分になる。口の裏側の粘膜を赤ん坊の薄い舌で舐めまわされている気になり、にじみ出る肉の汁がのどを刺激して震わせるのだ。」という表現。これなんか、私には絶対に真似が出来ない。この本を読んでいると、筒井康孝を思い出しました。私の感覚では、彼もまた独特の世界で表現しますから。本ではないけど、伊丹十三監督も思い出しました。彼の映画作品の中で、食事をする口元をアップしてぺちゃぺちゃと食べる様子が描かれていましたよね。脱線しましたが、著書に出てくる登場人物はみんな魅力的な人ばかりであり、人をつなぐ料理、食材。食べる材料、料理によって、思い起こすものが昔の女性であったり今の女性であったり。また料理が縁となって関係が続く。出会いは料理に通じているという感覚。また、料理から感じるエロスの世界。料理とエロス、作家の手によって簡単に結びつかないものと思っていたものが結びつく。-------------------<楽天ブックス>料理をつくらない、しかし料理の真髄を知悉している料理人―村上龍。ニューヨーク・パリ・ウィーン・リオ・ローマそして東京etc.を舞台に、男たちとは人生の懊悩を語りあい、女たちとは悦楽を分かちあうそのテーブルにこそふさわしい32の掌編小説をお届けしましょう。 <Amazonレビュー>出版社/著者からの内容紹介悦楽の料理人・村上龍がくりだすオシャレな小説宇宙!ニューヨーク、パリ、東京…。世界各地で“私”が出会った珍品・絶品の料理や美女たち。舌の恍愡が呼びさます鮮やかな性と食の断章32編。<集英社>モチーフは料理です。ウィーン・リオ・パリ・ニューヨーク・東京・ローマ・バルセロナetc.を背景にして、悦楽の料理人・村上龍があなたの心に運んでくれるのは、舌の恍惚が呼びさます鮮やかな生の断章です。1篇10枚、掌にのる珠のような作品は、これこそほんとうの小説、文学世界の絶品です。ディッシュは32。心惹かれるものから、さあ、どうぞ。<講談社BOOK倶楽部>快楽の料理人。村上龍の32の掌編。豊潤で饒舌、艶麗でしかも高貴。料理を語るのはこんなにも素敵!!料理をつくらない、しかし料理の真髄を知悉している料理人──村上龍。ニューヨーク・パリ・ウィーン・リオ・ローマそして東京etc.を舞台に、男たちとは人生の懊悩を語りあい、女たちとは悦楽を分かちあうそのテーブルにこそふさわしい32の掌編小説をお届けしましょう。今宵あなたが選ぶのはどちらのレシピ!?村上龍料理小説集 著者:村上龍 出版社:講談社 発行年月:1998年01月 本体価格 514円 (税込 539 円)
January 12, 2006
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著者が自分と自分の友達を題材にして自分をさらけ出した、女性が女性へ贈るエチケット辞典。女のことわざ辞典多くの本の中から読む本を選ぶ時は、そのときの自分の気持ちの表れだと思います。平易にかかれたエッセーのような本であれば、ストレスをひと時でも忘れられるようにと思い、また寝っ転がって読む本としてはちょうど良いかなと思って選んだ本でした。読んでみると、カバーに書かれた内容のイメージとは少し違っていました。この本は独身女性をターゲットに書かれた本のようですが、私は(かつての私のような・・今も?)鈍感な(独身)男性にこそ読んでみたらいいのではないかと思いました。女心と言葉を本音で解説してくれているわけだから。私は今でも映画を見ていて、なかなか理解できないこともあります。映画やドラマで理解できないシーンがあると妻に解説してもらうこともしばしばです。ここまで鈍感というのは私だけかなぁ?他の男性はどうなんだろう。当然ですが、この本を読んだからといって、すぐに男性が言葉に過敏に反応できるというわけではないと思います。努力あるのみ。『男というものは女よりもずっとデリケートなところがあるよ。結婚というものに対し、口には出さないけれど夢をもっているのだ。「朝目ざめると、愛する人が傍で寝てて、そして二人でおいしいコーヒーを飲んで・・」などということを本気で想像しているわけだ。』女性は、(少なくとも著者は)そうではないと思っているわけだから、結婚の甘い夢って無いのかな。女同士の友達関係で、彼氏を見せびらかされた時に、その彼氏へ「彼女のいいところは、つくすところよ。私、見てても感心しちゃうわ。いつも。」と言うときもあるらしいのですが、この言葉を読んでも私にはすぐに理解できず、少しして言葉に隠された意味を理解できた私です。あー恐ろしい。著書では女性が自分の気持ちを彼氏に伝えるために、彼氏に「縁談があって里に・・・・」と話しかけることが紹介されていました。映画でもよく使われるシーンのようですが、男性の立場からすると、この言葉を敏感に感じ取って、自分の気持ちを女性に伝えることが出来る人は、こういう言葉を言われなくても、初めから自分の気持ちを女性に伝えているんじゃないかなと思いました。鈍感な人には無理でしょう。こういう言葉のやり取りから意味をすぐに察知して生きていくって疲れると思うのですが、女性はこれが普通なのでしょうか。以前読んだ「華岡青洲の妻」の本でも同じように感じました。女の賢さとずるさ、女の会話に内在する心模様。女性の心は男性に比較すると細かな言葉に反応する実例が盛りだくさんでした。女性は連れ合いの男性の思っていることがわかると言いますが、無意識に男性は自分の心を表現していて、女性はそれを敏感に感じているのかも知れないですね。女のことわざ辞典 著者:林真理子 講談社 発行年月:1993年04月 本体価格 400円 (税込 420 円)出る杭は打たれる社会に雄々しく立ちむかうOLも、油断大敵、恋は盲目一寸先は闇というのは結婚のことだったのね、なんてことだってあるけれど、恋愛・結婚・人生という永遠のテーマが、ちゃんとことわざの中には隠されてる。元気いっぱいの女の子たちにマリコさんが贈る今の時代のエチケット辞典です。 【目次】お里が知れる/人のふり見て我がふり直せ/口は禍いのもと/知らぬが仏/壁に耳あり障子に目あり/泣きっ面に蜂/アバタもエクボ/嘘も方便/仏の顔も三度/咋日の友は今日の敵〔ほか〕 ひこ星ネットワーク
January 11, 2006
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この本は、平たく言えば読書感想文。私の日記の読書感想文とはえらい違う。臨床読書日記 著者:養老孟司私の日記は、著作権に触れながら誰も苦情を言ってこないことをいいことに、ネタばれの状態で本の内容を紹介している。著者は、自分の考えが初めにあり、その考えを元に本の感想を書かれているから、著者の人生観が良くわかる。本の中では、本の内容に丁寧に解説するというよりも、本を読んで自分が思ったことが中心となっているから。例えば、『日本語の欠点ではいつも悩んでいる。文の形式が比較的ゆるい。・・・昔から高礼やお達しのたぐいに、漢文が用いられたことについては、そんなことが関係していないか。「この池で魚釣るべからず・・」・・・禁止が間延びしたのでは禁止にならない。・・・』読んだ本から発展して、こういう感想が出てくるあたり、日本語というものを日頃から意識していないとなかなか書けるものではない。「・・・自然科学の対象は、当たり前だが、自然である。人間ではない。しかし今の日本ではひょっとすると、自然科学の対象は人間かもしれない。自然を見ているだけでは研究費も得られないし、地位も得られない可能性が高いからである。研究はいまではなにより人びとに評価されるものでなくてはならない。それなら研究者の顔が自然に向くよりは、人間を向いてなんの不思議もない。・・・自然科学は人間だけを見ているわけではない。人間世界に何が起こっていようが、じつは無関係である。・・・・社会が狂気を帯びるとき、錨となるのは自然である。・・」これなんかも、本の中では中国の歴史まで言及しながらの自然科学の話になるのであるから、著者が持っているものは自然科学の知識だけではなく、自然と社会の中で基礎をしっかりと固めた学者の言葉だと感じている。著者は疲れているときに本を読みたくなるらしい。「・・・いわゆるくだらない本を読み耽る。試験の前になると本を読みたくなる。・・それと似たような現象であろう。・・・・・・・仕事が忙しくなくて、十分に余裕があるときにはカバンが軽い。本が一、二冊ですむからである。カバンの種類も違う。薄型のカバンで済ませる・こういうときは気分も生きている。生きているときは何を読めばいいか、それが自分でわかっているから、たくさんの本を持ち歩く必要など、まったくない。このところ重いカバンばかり、持っている。だから疲れていることがわかる。どうせ読む暇のない本を持ち歩くのは、自由な時間がないことの象徴であろう。ひょっとすると、どこかで読む時間があるかもしれない。読む時間があるかもしれない。読む気分になるかもしれない。そう思って本を持ち歩くのである。・・・」こういう部分はちょっとだけ自分と共通するものを感じるので、気難しい学者ではなく、親しみが持てる著者が好きになっている。私も出張で資料がカバンでいっぱいになっているのに加え、移動中に読もうと思っている本が何冊にもなり、カバンが膨れている時がある。こういう時はほとんど読まない結果になることが多い。読んでもすらすら読めず、気が付けば同じところを何度も読んでいる。テレビで見る著者は静かな大人の学者であるようだが、本を読んでも期待を裏切らない。だから、著者が書いた内容と、自分の考え方やしていることなどが当てはまると「著者と同じだ~♪」と訳もなくうれしくなってしまう。この本から推測するに、著者は本を読んで不明点が出てくると、不明点に関する本を読みあさり、不明点が理解できるようになって、また元の本に戻って読み進めることをしている様子。こういう読み方って、できるものなら私もしたいが、どこまで進んでもアリ地獄のように、はじめの本に戻ってこられない恐怖に陥ると思う。それにしても著者の読む本はあらゆるジャンルから読まれていて、同じ本を読んでも、著者の感想や意見は、私のような凡人が感じるものとは次元が違う。本の読み方も教えてもらった、久しぶりに教師に出会ったような本でした。臨床読書日記 著者:養老孟司 出版社:文藝春秋 発行年月:2001年01月 本体価格 438円 (税込 459 円)本を読むことは、いい面もあるし悪い面もある。いい面は、それなりに時間や思考の節約になることである。他人の忠告を聞く、あるいは教えを受けるからである。悪い面は現物から学べないことである。だから虫のことは虫に聞きながら、本を読んで他人の興味を知る。これはたいへん具合がよろしい。 【目次】女ざかり(女ざかり/うわさの遠近法/盆栽老人とその周辺/コンピュータ社会と漢字 ほか)/ガラス病(世界のクワガタムシ大図鑑/常温核融合/疲労と読書/ピエタ ほか)/ミステリーと倫理(ニューヨークの本屋/退屈な現実とアフリカ/大仏次郎敗戦日記/アメリカ社会の二重性 ほか) ひこ星ネットワーク
January 9, 2006
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サービスを超える瞬間わずか20年で、トップクラスの評価を得るまでになった、ザ・リッツ・カートン・ホテル・カンパニー。この日本支社長が書いた、サービスの真髄を明かす本。リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間リッツ・カートンの成功の秘密は従業員が携帯するカード。会社のポリシーが書かれたカードです。私の勤務する会社にも携帯する似たようなカードはありますが、書かれた内容を忠実に遂行する従業員がいるということは、簡単なようでできるものではありません。それだけでもすごいのですが、ただ、少し変っていると思うところがあります。それの一つは、従業員への約束が書かれていること。従業員は「人材」ではなく「人財」とみているということ。二つ目はカードに「紳士淑女にお仕えする我々も紳士淑女です」と書かれている事。お客様にへりくだらずに、同じ目線で尊敬しあうことが大事だと。紳士淑女として立ち振舞いや感性を身につける必要があるということ。この考えが出来る人だからこそ、従業員が頑張れる。カードではないですが、従業員に1日2000ドルの決済権を与えていること。数値がハッキリしているとわかりやすいですね。また、自分のセクション以外のお手伝いを積極的に行えるように、お手伝いの度に「ファーストクラスカード」が従業員の間でやり取りされ、正当に評価される仕組みも出来上がっていること。サービスに関して点数を付け、点数の上下次第では部門に改善を求めること。少し違いますが、従業員同士が評価するといえば、ディズニーランドのアンバサダーもそうですね。毎年美人で賢そうな女性が選ばれています。一番関心したのは、採用面接。スキルや実績といったサービスに関する技術や知識よりも、人固有の性格や価値観といったパーソナリティを重視しているということ。つまり優秀な人材に育てられるかということは採用段階で決まっている、と断言されています。教育に時間を費やすのは、仕事に対する考え方や心構えだけで、具体的なスキルやマナー研修は少ないらしいのです。結局は従業員一人一人の向上心が結果を生み出していると言えます。向上心をどう捉えるか、経営者にとっては大きな課題ですが、ここにヒントを見た気がします。一番学んだことは、このことが会社だけでなく、家庭でも、近所付き合いでも、この真髄は同じではないかということです。リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間 著者:高野登 発行年月:2005年09月 本体価格 1,500円 (税込 1,575 円)日本のみならず、世界でもホテルランキングで絶えずトップグループを保ち続けるリッツカールトンの秘訣を、現職の責任者が初めて公開する。お客様にリピーターになっていただくため、会社の信念(クレド)を具体的な仕事やサービスに結びつけるさまざまな仕組みを紹介している。「お客様自身が気づかれていない望みとは何か」「それに対して自分ができる最高のおもてなしは何か」これらを常に、考え、思い、感じること…心が暖まる「人との接し方」ホスピタリティの原点。 【目次】第1章 感謝されながら、成長できる仕事術/第2章 感動を生み出す「クレド」とは/第3章 リッツ・カールトンを支える七つの仕事の基本/第4章 サービスは科学だ/第5章 リッツ・カールトン流「人材の育て方」/第6章 リピーターをつくるリッツ・カールトンのブランド戦略/第7章 いますぐ実践したい“本当のサービス”とは? ひこ星ネットワーク
January 8, 2006
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「海の図」は灰谷健次郎の作品です。分厚い本で、さすがに読破時間がかかりました。彼の作品は小学生、中学生の方におすすめです。灰谷健次郎は、小学校の教科書に載っていた記憶があり、また中学か高校の試験でも出た記憶があります。昨年図書館で暇つぶしに読む本を探していた時に、灰谷健次郎という名前が目にとまり、その中から「兎の眼」を借りたのでした。本来ならば小学校か中学で読むだろう本を、この年で始めて読んで感動しました。「兎の眼」では何気ない文章の中に、作文の書き方の真髄を書いていたり、ブログを書くときの参考にもなりました。その後、すぐに「太陽の子」を読み、今回の「海の図」は私にとっては3作品目でした。彼の作品は、学校、生徒と教師、沖縄、自然、などがキーワードになっています。調べてみると、灰谷健次郎は17年間の教師生活をやめ、沖縄等を旅した後に作家デビューしているようです。灰谷健次郎作品を評価しない人がいることもわかりました。私が感じたのは、子供が子供らしくない、日本中探してもこんな立派なことが言える小学生、中学生、高校生はいないんじゃないか?と思いますから、正直、少しだけ違和感はありました。でも、それを上回る、感動の作品です。「海の図」は高校生の少年が登校拒否しながら亡くなった父親がなぜ漁師をやめたのか、を追い求めていくうちに、家族、友人、愛を知っていくお話でした。彼の作品の中では、いつも世の中の矛盾などを子供の言葉でわかりやすく書いています。例えば次のような文章です。「これ、現代社会の教科書や。・・・GNPのこと書いてあると思ったら四日市ぜん息が出てくる。OPECが出てきて農地改革やろ。朝鮮戦争の次は高度経済成長で、今度は賃金問題や。・・・たった300ページほどの本の中に、政治、経済やら、憲法、人権・・・まで触れてくれてある。・・・おしまいにつぎの段階に進むことになる。より深く学ぼう、なんて、とってつけたようなこと書いてあるけど、あほういうたらあかんで。より深く学んで次の段階に進みよったら大学の試験に落ちてしまうやないか。」「人間はものを金に換えるようになってから駄目になってしまったといってるよ。ものはものじゃない。みんな自然のいのちで、金に換えられるものじゃないのに・・・」「沖縄に、他人に痛めつけられて眠ることはできるが、他人を痛めつけては眠ることはできない、という言葉があります。他人という言葉の意味を、人間以外の生命にまで広げると、この言葉はもっと深くなります。」私は、彼の作品には人生訓があって、それが私の心に響くから、もう少しだけ読んでみようかと思っています。海の図(上) 彷徨の海 角川文庫 著者:灰谷健次郎 出版社:角川書店 発行年月:1998年09月 本体価格 667円 (税込 700 円)瀬戸内海に浮かぶ島で暮らす少年・壮吉は、二か月前から登校を拒否し、亡き父の生前の仕事を調べはじめた。父は、どうして家業であった漁師をやめ、電力会社の仕事を始めたのか?誰よりも島の自然を愛していたはずの父が、自然破壊をもたらす工事に加担したのは何故なのか?東京から来た姉妹・秀世と陽子、トランペット吹きの史麻さん、同級生たち、担任の島尾先生など、様々な人たちとの関わりの中で、今、壮吉は大きく変わろうとしている―。自分自身の生きる道を厳しく見つめて成長する少年の姿を描く長編。海の図(下) 波浪の海 角川文庫 著者:灰谷健次郎 出版社:角川書店 発行年月:1998年09月 本体価格 629円 (税込 660 円)これからの自分の人生のために、どうしても亡き父のことを知らなくてはならない―。壮吉は、父と親しかった人たちを訪ね、次第に父の仕事の真の意味に迫っていく。そんなある日、秀世が置き手紙を残して家を出てしまう。秀世を追って東京に来た壮吉は、はじめて秀世のつらい過去を知るのだった。開発と環境破壊の現実、日本の農業や漁業の将来、そして学校教育についての問題提起―著者からの熱いメッセージが随所にちりばめられた、心揺さぶる大作。 ------ 兎の眼大学を出たばかりの新任教師・小谷芙美先生が受け持ったのは、学校では一言も口をきこうとしない一年生・鉄三。決して心を開かない鉄三に打ちのめされる小谷先生だったが、鉄三の祖父・バクじいさんや同僚の「教員ヤクザ」足立先生、そして学校の子どもたちとのふれ合いの中で、苦しみながらも鉄三と向き合おうと決意する。そして小谷先生は次第に、鉄三の中に隠された可能性の豊かさに気付いていくのだった…。学校と家庭の荒廃が叫ばれる現在、真の教育の意味を改めて問いかける。すべての人の魂に、生涯消えない圧倒的な感動を刻みつける、灰谷健次郎の代表作。 太陽の子ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」を営んでいる。やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、六年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむようになる。おとうさんの病気の原因は何なのか?ふうちゃんは、「沖縄と戦争」にその鍵があることに気づきはじめる…。戦争は本当に終わっているのだろうか。なぜおとうさんの心の中でだけ戦争は続くのか?今、日本人が本当に知らなくてはならないことがここにある。 ひこ星ネットワーク
December 17, 2005
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この本はワシントンポスト記者が監視社会への道を突き進むアメリカ情報社会の実情を描いたものです。9.11テロで得た教訓が色んな形で生かされていますが、果たしてそれは・・・・ プロファイリング・ビジネス 米国「諜報産業」の最強戦略テロ対策として制定されたアメリカ愛国者法では、盗聴、捜索、の権限を無制限に政府に認めたのです、さらに国防総省では新たに全情報認識プロジェクトに着手して、地球規模での監視にとりかかったという背景が理解できました。国の安全のために自分の自由はある程度犠牲にしてよい、というのが国民の合言葉になったらしいです。以前、ご紹介した本の内容と似たお話です。監視カメラ社会恐るべきは個人情報を扱う企業の力。その力は国や法律の枠を越えているらしいのです。事例としていくつかの企業の力を示しています。アクシオムは、データ産業で10億ドル企業としての地位を固め、ほぼ全ての成人データを蓄積しているのだとか。提供するサービスは、フリーダイヤルで電話した消費者の情報がスクリーンに表示されるというのです。表示される内容は、どこから電話したかはもちろん、そんな家に住み、どんな車に乗っているか等、詳細なプロフィールを作成できるというから驚き。セイセントは、テロリズム指数を作り、指数が高い人物12万人、脅威とみなされる人物1200人のリストを関係当局へ提出しています。実際に提供したリストには9.11テロの時のハイジャックした人間5人が含まれていたようです。今ではもっとすごい、略称「マトリックス」システムが創設されています。「マトリックス」を使うと、一瞬のうちに人物像を絞り込めることができます。チェイスポイントは、個人情報の範囲において脅威のようです。関係当局だけでは対応できなくなったものが、このデータを利用している。これらの個人情報は25ドルで購入できるように販売されています。従業員身元調査キットは39.77ドルで販売されています。企業が様々な側面から個人を審査して評価するようになると、情報ミスから重大な結果を招く危険性も高まると警告しています。実際に、コンピュータが社会番号を間違って、犯罪者と同じ名前の青年と混同した事件も発生している。アンディクスは、「皮膚紋」というバイオメトリックスを開発したということでした。全ての表皮には胎内にある時から独特の紋様が出来上がるという判断に基づいているとか。今後、捜査機関などによる監視体制は、無線を利用して人や物を識別する「RFID」(無線ID)の実用化で飛躍的に強化されています。GPSだけでは時代遅れになりつつあります。すでに車のキーにも埋め込まれていて、盗難にあっても発信する無線から犯人を取り押さえられるし、今は紙幣に埋め込む研究も進んでいるとのこと。RFIDについては、過去にも紹介しましたが、進歩を続けているようです。ICタグの可能性ICカードとICチップ「私たちの生活の情報は、私たちの手を離れ、収集する民間会社のもの、それを買い上げる政府機関のものになっている。」という言葉を読むと、外国の出来事として傍観することはできないと思っています。 プロファイリング・ビジネス 米国「諜報産業」の最強戦略 著者:ロバート・オハロー /中谷和男 出版社:日経BP社 /日経BP出版センター 発行年月:2005年09月 本体価格 2,200円 (税込 2,310 円) 米国で勃興するプロファイリング・ビジネス(個人情報の分析・販売)の実態をはじめてレポートした衝撃のノンフィクション。チョイスポイント、アクシオム、レクシスネクシス、セイシントなど、国防総省やFBIなどの政府機関をクライアントに急成長を遂げるプロファイリング企業のケーススタディを通じて、「監視社会」への道を突き進む米国情報社会の実相をドライなタッチで描く。CNNテレビ、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど著名メディアが相次いで絶賛した全米ベストセラー。市民が隠れる場所はもうどこにもない!(No Place To Hide)。■目次序章第1章同時多発テロ、激動の六週間 第2章 データ革命――アクシオム第3章 ID詐欺第4章 マトリックス――セイシント第5章 前歴を洗え――チョイスポイント第6章 不変のわたし――ビジョニクス第7章 全情報を捕獲せよ第8章 政府の目と耳――レクシスネクシス第9章 監視されるマネー第10章 隠れる場所はどこにもない個人情報のプロファイリング・ビジネスを軸に、巨大企業へと成長した各社の強かな戦略を通じて、監視社会への道を突き進む米国情報社会の実相を描いた全米ベストセラー。 【目次】序章 隠れる場所はどこにもない/第1章 同時多発テロ、激動の六週間/第2章 データ革命―アクシオム/第3章 ID詐欺/第4章 マトリックス―セイシント/第5章 前歴を洗え―チョイスポイント/第6章 不変のわたし―ビジョニクス/第7章 全情報を捕獲せよ/第8章 政府の目と耳―レクシスネクシス/第9章 監視されるマネー/第10章 隠れる場所はどこにもない ひこ星ネットワーク
December 16, 2005
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地下鉄の出入り口が過去と現在を結ぶタイムトンネル。「天国までの百マイル」が面白かったので、続けて浅田次郎の本を読みました。元気の種さんのおすすめでもあったので、楽しみにして読みました。偶然にも「天国までの百マイル」に続き、これも映画化されるようです。http://www.sanspo.com/geino/top/gt200511/gt2005110307.html来秋公開の映画「地下鉄(メトロ)に乗って」(篠原哲雄監督)の製作発表が2日、東京・内幸町の帝国ホテルで行われ、俳優の堤真一(41)、大沢たかお(37)、女優の岡本綾(22)、常盤貴子(33)が勢ぞろいした。http://www.walkerplus.com/movie/report/report4115.html「鉄道員(ぽっぽや)」の感動再び! 浅田次郎の小説がまた映画化堤真一、岡本綾ら出演「地下鉄(メトロ)に乗って」が始動!主人公真次がタイムトラベルする戦前、戦中の様子は、まるで自分がその場にいるかのような描写。当時の町の様子が手に取るようにわかりました。あるときには満州の戦争の最前線、真っ暗闇で銃声が鳴り響き、逃げ惑う人々の中に放り込まれます。元々小説は架空の世界ですから、現実にはありえないのですが、いきなりタイムトラベルする設定にはちょっと無理を感じながらも小説を読みすすめました。そのうちに、だんだんと、本の世界に入り込んでいました。真次は父に反発していますが、タイムトラベルで、若き父(アムール青年)を知り、父の本当の姿を知ることになります。戦争で活躍する父、貧しくともたくましく生きる父。弱いものを助けながら生きていく父。真次の心も徐々に変わっていきます。恋人のみち子ともタイムトラベル先の過去でばったりであうことになります。最後には秘密が暴かれてむなしさが残りました。。コレが著者「浅田ワールド」と呼ばれるものでしょうか。小沼真次:主人公。小沼家の次男。小沼佐吉:小沼家の主人。真次の父。小沼産業社長。アムール(愛称):戦中戦後をたくましく生きる青年。若き父小沼昭一:小沼家の長男。地下鉄に飛び込み死亡。小沼圭三:小沼家の三男。母:小沼真次の母ハチ公:アムールの手下だが、アメリカ兵お時:娼婦を取り仕切る女野平先生:書道の先生村松千年(ちとせ):小沼家の運転手岡村:小沼真次が勤務する会社の社長みち子:小沼真次の会社の同僚だが恋人でもある。有能で腕のよいデザイナー。小沼節子:真次の妻 地下鉄(メトロ)に乗って 著者:浅田次郎 出版社:徳間書店 発行年月:1999年12月 本体価格 552円 (税込 579 円)永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。 ひこ星ネットワーク
December 11, 2005
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ウソには5種類あり1.社交辞令2.皮肉(昔流行ったほめ殺しもこれにはいるかな)3.その場の雰囲気が作り出すウソ4.特定の組織または誰か(たいていは自分)を守るため5.世論を誤らせる構造的なウソの、5番目のウソ「世論を誤らせる構造的なウソ」について書かれた本です。この本は、あらゆることに対して、本当なのか確かめるという考え方、本質をえぐり出すための具体的方法を解説している本だと思っています。例えば「スクープ」とは何かを自問する。1.最初に報じられたニュース2.他社も続報を追いかけざるを得ないネタ・・・という風に整理しておくこと。これが出来れば、どちらの条件が欠けていたらスクープではないと批判だけでなく、スクープにするためのアドバイスも出来るというものです。このように著者が、始めに物事を整理して、それを一つずつ解説を加えてゆく方法が私の頭の整理方法に似ているためでしょうか、非常にわかりやすい論理の展開でした。但し、一部では私にも論理の展開に疑問を思う場所もありました。しかし、それは全ての考えが同じである人に出会うことのほうが不思議なのですから、それはそれで他人の頭の中を知ることがわかり面白いものでした。著者は、反論を恐れずに、バッタバッタと世の中の悪者を切り倒していく独特の解説を加えていくことで、読んでいる私も気分爽快でした。例えば、中国での赤ちゃん売買事件(人身売買)報道について、単に「人を売買することは悪い。」という表面だけの評価をせずに、事件の本質まで調べて(ほとんどが女の赤ちゃんであることなど、具体的な数字を調べて)自分の意見を述べています。この中国発信のニュースは、極悪非道という感じで報道されていますが、買う立場のカナダ発信のニュースは美談として報道されているようなのです。この事件の本質は何か?両国の本質のどこが違うというのか?一つ一つの章は短く、通勤通学のバスや電車の中で読める本ですので、おすすめの本です。 世間のウソ 新潮新書 著者:日垣隆 出版社:新潮社 発行年月:2005年01月 本体価格 680円 (税込 714 円)ありもしない「民事不介入の原則」をタテに怠慢を極めてきた警察。「鳥インフルエンザで大量の死者が出る」と世間を恫喝しまくる困った専門家。「億万長者へのチャンス!」といいながら、一等の当選確率はわずか一〇〇〇万分の一にしか過ぎぬ年末ジャンボ宝くじ―。マスコミ、裁判官、ギャンブル、ニュース、そして超大国アメリカまで。世間を騙し、世論を誤らせるウソの数々。すべてのイカサマは、お見通し。 【目次】第一章〈リスク〉をめぐるウソ 第一話 宝くじのウソ 年末ジャンボ宝くじの特徴は/一等が当たる確率は〇・〇〇〇〇〇〇一/日本の公営ギャンブルは世界一の搾取率/競馬の真実 第二話 自殺報道のウソ ネット心中は増えるのか/文士の自殺/中高年男性の自殺者のみ急増 第三話 安全性のウソ 六本木ヒルズ自動回転扉事故/恫喝を愉しむべきではない/鳥インフルエンザの死者は?/リスクゼロという狂気/報道をめぐる異常 第四話 男女のウソ 手鏡で覗いたとされる著名人逮捕の意味/学校でエロビデオを鑑賞していた教師も/妻を車のボンネットに乗せ暴走 第五話 人身売買のウソ 中国「赤ちゃん売買事件」はどう報じられたか/ニュースの味わい方/「一人っ子政策」の本質/カナダ発なら美談に/なぜ女児だったのか 第六話 性善説のウソ 動機より被害の深刻さを/「社会的影響」とは保身のこと/性善説と殺意/小六女児同級生殺害事件の「対処」 第七話 精神鑑定のウソ その目的は世間からの遮断でしかない/精神鑑定が不要な理由 第八話 児童虐待のウソ 幼児虐待は日本で増えているのか?/子殺しは「母」が多い/かつては逮捕も報道もされなかった/「民事不介入の原則」はない 第九話 部活のウソ 問題の提起/解決の方法/廃止の根拠/改革の要諦 第十話 料金設定のウソ 「第三種郵便の廃止」はなぜ中止されたのか/近い将来「送料」は消えてなくなる/電話加入権「返金義務なし」も詐欺である 第十一話 絵画市場のウソ なぜニュース価値があったのか/日本人の絵は世界市場に開かれていない/「美の値段」の真相 第十二話 オリンピックのウソ 五輪買収工作/アテネ五輪の会場はガラガラだった/五輪観戦ツアー七五万八〇〇〇円の裏側で/女子マラソン五輪代表選考の誤り 第十三話 裁判員のウソ 映画「ニューオーリンズ・トライアル」の問題提起/羊頭狗肉の珍制度/評決売ります!/北朝鮮顔負けの国民蔑視 第十四話 大国のウソ ロシアの兵器産業が膨張中!/一九八八年にテロ犯行支援国を錯誤/対イラク開戦の根源的問題/核査察の予算はなぜ日本が最大だったのか 第十五話 他国支配のウソ 大ウソつきの好戦家は誰だ/ファルージャで何が起きたのか/傀儡政権のアラウィ首相とは何者か/日本人の関心は再びゼロに?--------- ひとり言最近、私のブログは読書感想文みたいなものばかり。面白くも無い時にもコメント書いてくださる方、ありがとうございます。あらためてお礼申し上げます。ブログは元々自分用の記録も兼ねて・・と思っていたので、どうしてもこういう内容ばかりです。で、皆さんのコメントを見てよく思うのですが、私がコレは面白いと思うものと、皆さんの反応が違ったりすることが時々あります。当たり前ですが、人には好みがありますからね。コメントには礼儀として書かれることもあるのでしょうが、それを承知の上で、今度の作品はどうかな、と毎回思っています。私が紹介している本の大部分は人気の本ですので、世間ではおすすめの本となっています。その中で、これは私には合わないかもと思ってブログに載せても、是非読んでみたいと書かれるときもあるのに、反対に絶対におすすめと思ってブログに載せても、反応が小さかったり。私が心からおすすめする本と皆さんの感じる読みたくなる本が一致したときは特にうれしいものです。 ひこ星ネットワーク
December 10, 2005
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本を読まれた方がおいででしょうか。この本は映画化されて、テレビでも放送され、私もテレビで映画を見たことがあります。本は初めて読みました。映画の時も感動しましたが、正直、映画で見たよりも、何倍も感動しました。浅田次郎、いいもの書くねぇ。 天国までの百マイル出世して成功した人々の冷酷さ。それと反対に優しさが心にあふれる母親、マリ、やくざの片山達があなたを泣かせます。私は、マリという女の優しさが今も心に響いています。好きな人のためであれば自分が犠牲になることに何の躊躇もなく行動する女。私の隣にマリがいたら、たとえブスであろうが間違いなく結婚を申し込むだろうなと思いました。(本の中ではブスで太っていると書かれた女性です。)本のストーリーは簡単ですが、その中の言葉のキャッチボールが、涙なくしては読めません。本に出てくる地名に縁のある人が住んでいるので、本との縁も感じています。城所安男:主人公(会社を失い自己破産した中年)城所きぬ江:母安男の一番上の兄:高男(一流商社勤務)安男の二番上の兄:秀男(クリニックの開業医師)安男の姉:優子(エリート銀行員の妻)水島マリ:主人公の愛人?(太ってブスな女)英子:元妻藤本医師:母親の主治医曽我医師:神の手を持つ医師野田弁護士:同級生で安男が羽振りが良かった頃の顧問弁護士中西社長:同級生で今の安男の勤務先の社長片山:金貸しを取り仕切るやくざ 天国までの百マイル 朝日文庫 著者:浅田次郎 出版社:朝日新聞社 発行年月:2000年10月 本体価格 476円 (税込 499 円) バブル崩壊で会社も金も失い、妻子とも別れたろくでなしの中年男城所安男。心臓病を患う母の命を救うため、天才的な心臓外科医がいるというサン・マルコ病院めざし、奇跡を信じて百マイルをひたすらに駆ける―親子の切ない情愛、男女の哀しい恋模様を描く、感動の物語。浅田 次郎(あさだ じろう) 1951年、東京都生まれ。1997年、『鉄道員(ぽっぽや)』で第117回直木賞を受賞。主な著書に、『プリズンホテル』『地下鉄(メトロ)に乗って』(吉川英治文学新人賞)『蒼穹の昴』『天切り松闇がたり』『活動寫真の女』『見知らぬ妻へ』『霞町物語』『真夜中の喝采』『壬生義士伝』『薔薇盗人』『待つ女』『椿山課長の七日間』『霧笛荘夜話』ほか多数。-----Amazonレビュー主人公の城所安男は、自分の会社をつぶしてしまい、いまや別れた妻子への仕送りもままならぬほど落ちぶれた中年男。ある日、心臓病で入院する母を見舞った安男は、主治医から病状の深刻さを告げられ愕然とする。そのまま治療を続けても母の余命はごくわずか。残された道はただひとつ、謎の天才外科医にバイパス手術を施してもらうこと。衰弱した母をワゴン車に乗せた安男は、房総のひなびた漁村にあるカトリック系病院目指して、100マイルの道のりをひた走る。はたしてその先に奇跡は待っているのか――。 年老いた親の介護や終末医療というテーマはきわめて現代的で、自らの身の上と重ね合わせずに本書を読み進めることはまず不可能にちがいない。そして、それぞれに成功者となり、老母とのかかわりを避けようとする主人公の兄たちの冷淡ぶりに怒りが込み上げてくる。だが一方で、その兄たちの姿がそのまま、読む者自身を写し出す鏡であることにも気づかざるを得ない。そんな恐ろしい一面を隠し持つ作品でもある。 また、特筆すべきは安男の同棲相手のマリだろう。「ブスでデブ」を自認するホステスのマリは、不幸な生い立ちにもかかわらず底抜けに明るく、安男に惜しみない愛情を注ぐ。この上なくリアルなキャラクターでありながら、同時に、男にとっての理想の女に描かれていることは驚きに値する。本書をせつない男女の恋物語たらしめている名脇役に、ぜひ注目してほしい。(西村 匠) ひこ星ネットワーク
December 8, 2005
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多くの事例をもとに、人間の行動が何に影響を受けるのか、アメリカの社会心理学者が書いた本。 影響力の武器欲しくもない英会話の教材を買った。寄付を断れなかった。なぜ承諾したのか、心理メカニズムを読み解いていく本です。ある宝石店で売れないトルコ石を半額にしようとして、誤って2倍の値段をつけたところ、数日で売り切れた。この例が示すように、人間の行動の多くは「高価なもの=良いもの」という、著者が言うところの自動的、紋切り型である。このような我々の行動に影響を与えるような力、すなわち「影響力の武器」は6つある、として6つの力を詳しく説明してくれる本です。お店に行くと、これらの武器で店員さんから「買ってぇ!買うといいことあるよ!買わないと損するよ!」とお誘いをうけますから、本を読み、よく研究してから買い物に行きましょうね。<1.返報性のルール>例として紹介されているのは、顧客が「試しに使ったんだから注文しなくちゃ悪い」と思ってしまうような販売方法。もうひとつの例が相手の譲歩を引き出すもの。例えば路上で少年がサーカスのチケットを1枚5ドルで買って欲しいという。断ると、1本1ドルでチョコバーを買って欲しいという。そこでチョコバーを買ってしまう。チケットにもチョコバーにも興味がないのに、少年が大きな要求から小さな要求へと譲歩したしたので、ついこちらも譲歩してしまう。<2.コミットメントと一貫性>例として、馬券を買った直後は、買う前よりも自分が賭けた馬の勝つ可能性を高く評価する。これは自分がしたことと一貫していたい(一貫していたいと思われたい)という欲求による。我々の日常生活において、一貫している人は、人格的にも知的にも優れていると考えられるのが普通である。ある問題に対して自分の立場をはっきりさせてしまえば、一貫してそれに固執することで満足感が得られるし、その問題について考える必要がなくなるからである。一貫性を保つのは、考えつづけるという苦難を避けられる楽な方法。そういえば、振込め詐欺も、考えることから逃げている人が罠にかかりやすいと聞きました。<3.社会的証明>例として、募金籠にあらかじめお金を入れていくと実入りが多くなる。まだ中に入れる余地があるのに入場制限して長い待ち行列を作る。これらはブランドをでっち上げることになるらしいです。行列ができる人気のお店でもあまり美味しくないと感じるときはこういうことなのかもって思いましたが、これは考えすぎでしょうか。<4.好意のルール>ある人が望ましいひとつの特徴を1つ持っていることで、その人に対する他社の見方が大きく影響を受ける、ハロー効果ということでした。また、好意を生み出す要因に、類似性がある。自分に似ている人を好むから。類は友を呼ぶ、ですね。<5.権威>権威者に服従することで多くのものが得られることが一度分かると、この便利な自動的服従に頼るようになる。考える必要がないので考えることをしなくなる。<6.希少性>この原理が使われるのは「数量限定」の戦術と「最終期限」の戦術。この本に記載されていること、非常に納得できました。人から影響を受けるということは、こういうことだったのですね。 影響力の武器 なぜ、人は動かされるのか 著者:ロバート・B.チャルディーニ /社会行動研究会 出版社:誠信書房 発行年月:1991年09月 本体価格 3,300円 (税込 3,465 円)著者は、セールスマン、募金勧誘者、広告主など承諾誘導のプロの世界に潜入。彼らのテクニックや方略から「承諾」についての人間心理のメカニズムを解明。情報の氾濫する現代生活で、だまされない賢い消費者になると共に、プロの手口から人を説得するやり方を学ぶ。 【目次】第1章 影響力の武器/第2章 返報性―昔からある「ギブ・アンド・テーク」だが…/第3章 コミットメントと一貫性―心に住む小鬼/第4章 社会的証明―真実は私たちに/第5章 好意―優しい泥棒/第6章 権威―導かれる服従/第7章 希少性―わずかなものについての法則/第8章 手っとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾 ひこ星ネットワーク
December 4, 2005
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著者は、クレディセゾン社長。仕事も人生も、基本的には勝負事。勝つために必要なことについて、書かれた本です。著者は結局のところ「情熱の持続」と「頭の使い方」の2つが重要だと書かれていると思いました。これが誰でも役に立つ、勝つための考え方なのだそうです。私の記憶に残った数箇所ピックアップすると1.能力に差はない。あるのは「情熱の持続力」夢への情熱がたゆまぬ努力を促し、頭を鍛えることで能力も向上する。情熱と能力の間には相関関係がある。そうそう、私も思います。2.タブーを持たない。好奇心が勝つ知恵を生む好奇心旺盛で色々関心を持つ。次に興味を放置せずに実際に経験してみる。そこに新しい発見に繋がる。3.リスクをとる。ノーリスクほど怖いものはない。勝負の分かれ目はリスクの大小ではない。リスクを認識した上でそれを最小限に抑える策を打ち、期待通りのリターンを得る確かな戦略を構築する。読みと戦略がどれだけ正確か、にかかっている。4.ルールは破るためにある。ルールの中には悪しき習慣も多い。時代が変われば陳腐化もする。疑ってかかることが必要。5.マーケティングとは、世の中の事象から、勝つ法則を見つけ出すこと。その能力をみがくには、考える習慣をつけること。また、著者が言うマーケティングは数字に表れない事象に敏感になること。最短時間で最大効果をあげるお風呂の入り方、終電からタクシー乗り場へ誰よりも早く到着するには、と言うことを考える癖をつけることはマーケティング能力を高めることになるそうです。(私、意外としてるかも。こういうこと考えるの好きだからね。)♪雪やこんこ あられやこんこ♪の歌で、「犬は喜び庭駆け回り」という歌詞があるけど、雪が降ったら犬が庭を駆け回るのか?という疑問をもって実際に調べることは、マーケティングそのものだと書かれています。これ、わかりますか?犬は自分はテリトリーを臭いをかいで確認しているけど、雪で臭いが消えるから、もう一度臭いをつけようとウロウロすることが駆け回っているように見えるからだそうです。6.戦略は中身よりも浸透度を重視120%戦略が浸透していれば戦略が間違っていても勝ちだとか。理由は、戦略を遂行する過程で、うまくいかなくなると、誰でも自分がすべきことを正確に把握しているから、原因を検証する。それでやり直しができる。戦略がまずいという結論が出ても、戦略の建て直しを計ることができるから。著者は企業の戦略を中心に説明してありますが、これって人間としてあるべきこと、やるべきことがわかっていたら、そしてそれが日本の地域に、世界の国に浸透していたら、もし間違った事をしていてもすぐに軌道修正ができるって事なんですね。「清く正しく美しく」生きるための戦略なんてものがあったとしたらいいなぁ。 勝つ人の考え方負ける人の考え方 著者:林野宏 出版社:かんき出版 発行年月:2005年07月 本体価格 1,400円 (税込 1,470 円)勝つために大切なことは「情熱の持続力」と「頭の使い方」。それだけです。日本一のカード会社を作り上げたBQ=(IQ×EQ)論。 【目次】勝ちにこだわる人が勝つ―まえがきにかえて/第1章 逆境からトップへ―カード業界で一位を奪取するまでの道のり/第2章 勝つ人の考え方、負ける人の考え方―勝敗は運ではない。自分の頭の中にある/第3章 勝つための戦略を生み出す林野流マーケティング―未来が読めれば必ず勝てる/第4章 勝ち続けるための経営哲学―ビジネスという知的なゲームを制する競争戦略/第5章 勝ち続けるリーダーの資質と仕事―平凡を集めて成功へ導く/第6章 強い組織の条件―勝ち続ける企業は何が違うのか/第7章 勝つことにこだわり続けた私の仕事哲学―コネなし、金なし、学閥なしでも社長になれる/第8章 時代が変われば勝ち方も変わる―変化を恐れない。変化はチャンスだ/遊び心が夢をかなえる―あとがきにかえて --------------<突然ですが>------------------------。・:*:`☆、。・:*:`★.。・:*:`☆、。・:*:`★。・:*:`☆、。・:*:`★'゜★゜'・:*:.。.:*:・'☆。.:*:...:*★:・'゜:*:・'゜*;・'゜★゜':*:.。「あやかちゃんを救う会」HP教えてくれました。http://save-ayaka.com ぜひ訪問してください。。・:*:`☆、。・:*:`★.。・:*:`☆、。・:*:`★。・:*:`☆、。・:*:`★'゜★゜'・:*:.。.:*:・'☆。.:*:...:*★:・'゜:*:・'゜*;・'゜★゜':*:.。 ひこ星ネットワーク
November 26, 2005
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近年、世間を騒がせているモラルの低下や犯罪の増加、ニートやフリーターの大量出現も、家族のあり方と無縁ではない。こうした家庭の危機を救う方策として「家訓づくり」を提唱する本です。350の家訓サンプル付。家訓を作る時の注意事項がかいてあります。そもそも家訓と言うのは、その家の中心人物が、一族や家臣のために自分の体験に基づいた教訓を説き諭したもの。そのため多くの場合、他人にはくれぐれも見せぬようにといった趣旨の言葉が添えられている。ニュースになった西●グループのオーナーは家訓を守って逮捕されたんでしたっけ?あれは家訓が間違っていたとしか言えませんねぇ。徳川家康の家訓一、人の一生は重き荷を負うて遠き道を行くが如し、必ず急ぐべからず。一、不自由を常と思えば不足なし一、心望み起こらば、困窮したる時を思ひ出すべし一、堪忍は無事長久の基一、怒りは敵と思え一、物好きは末に歎くことありと知れ一、勝つことばかり知りて負くることを知らねば、害その身に至る一、唯だ己を責めて人を責むるな一、何事も及ばざるは過ぎたるに勝れり伊達政宗の家訓一、仁に過ぐれば弱くなる。義に過ぐれば固くなる。礼に過ぐれば諂い(へつらい)となる。智に過ぐれば嘘を吐く。信に過ぐれば損をする。一、気ながく心おだやかにして、よろづに倹約を用い金銀を備ふべし。倹約の仕方は不自由なるを忍ぶにあり。この世に客来たと思へば何の苦しみもなし。一、朝夕の食事はうまからずとも褒めて食うべし。元来客の身になれば好き嫌いは申されまじ。一、今日行くをおくり、子孫兄弟によく挨拶して、娑婆の御暇(おいとま)申すがよい。岩崎家の家訓(三菱財閥を創設した人)一、小事に齷齪(あくせく)するものは大事ならず。宜しく大事業を経営するの方針を執るべし。二、一度着手した事業は必ず成功を期せよ三、決して投機的の事業は企つるなかれ四、国家的観念を以って総ての事業に当たれ五、奉国至誠の赤心は寸時も忘るべからず六、勤倹身を持し、慈恵人を持つべし七、能く人柄技能を鑑別し、適材適所に用いよ八、部下を優遇し、事業上の利益は成るべく多く彼等に分与すべし九、創業は大胆に、守成には小心なれ後半は家訓の作り方について、詳しく説明されています。たとえば、子育てに関する家訓の例として・子は親を見て育つもの、親は子を育てて育つもの、子育ては親子の一大事業・家族は幸せになるためのチームだ、みんなで協力し合おう・小さい時のしつけは一生の宝物、子のしつけは親の努め他には・お金や名声よりも大切なものを持て・毎日心がけよう笑顔の挨拶、元気のいい挨拶・家族の問題からは決して逃げるな、心を合わせてみんなで解決しようなんだか、学校の額縁に飾ってある言葉に似てきました。でも、家訓っていいものかも。家訓を通して家族関係を見直すきっかけになるかもしれません。 家訓づくりのすすめ あなたと家族に幸運をもたらす確実な方法 著者:浅見政資 出版社:東洋経済新報社 発行年月:2005年08月 本体価格 1,500円 (税込 1,575 円)350の家訓サンプルで、簡単に「わが家のオリジナル家訓」がつくれる。「家訓のつくり方、活用法」「実践した家族の家訓例と体験談」なども付いた実践的な1冊。 【目次】第1章 いま、どうして家訓が必要なのか(いまの時代だからこそ必要な「わが家の家訓」/三〇年間で熟年離婚が急増 ほか)/第2章 「家訓の歴史」と「名家の家訓」(お家繁盛のために遺した生きた教訓/北条重時の家訓 ほか)/第3章 「わが家の家訓」のつくり方、活用法(多種多様なサンプル活用で家訓づくり/どのようにして家訓を選んでいけばいいのですか? ほか)/第4章 実践した家族の家訓例と体験談―家訓はこうして使おう!(家訓誕生以来、家族全員に驚くほどの変化が…/父の形見の家訓が実現し、家族が明るくなる ほか)/第5章 家訓のサンプル350―これで簡単に家訓がつくれる(家族は大切/こんな家族にしたい ほか) ひこ星ネットワーク
November 20, 2005
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胃腸内視鏡外科医として30万例以上の胃腸を見てきた著者が食の安全と健康について書かれた本です。 病気にならない生き方 ミラクル・エンザイムが寿命を決める2005年10月度 楽天ブックスランキング 18位著者は「健康な人の胃腸は美しく、不健康な人の胃腸は美しくない」という。胃腸状態を人相になぞらえて、胃相、腸相と読んでいる。胃相、腸相に最も大きな影響を与えるのは食歴と生活習慣。著者によると、健康で長生きするカギは「ミラクル・エンザイム(体内酵素)」を消耗しない生き方だと言う。「エンザイム」は、生物の細胞内で作られるたんぱく質性の触媒の総称。よい胃相、腸相を持つ人は、エンザイムを多くたくさん含むフレッシュな食物を多くとっているが、胃相、腸相が悪い人に共通していたのは、エンザイムを消費する生活習慣だということ。この本では普通に言われている食の常識が間違っていると書かれていました。たとえば、牛乳を飲むと骨粗しょう症の予防に役立つと言われていること。(あれーー、これって正しくないの?違ったの???)牛乳を飲むと血中カルシウム濃度が急激に上昇する。カルシウムが多く吸収されたと思いがちだが、カルシウムの血中濃度が急上昇すると、体はこれを正常値に戻そうと、血中余剰カルシウムを腎臓から尿へ排出する。牛乳を飲むとかえって体内のカルシウム量を減らすらしい。(うそーー!本当??? びっくり)その証拠に、牛乳を大量に飲む国(アメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド)の各国で、股間節骨折と骨粗しょう症が多いと言うことらしいのです。他にも、・腸のために毎日ヨーグルトを食べている・ビタミンはサプリメントでとるようにしている・高たんぱく質低カロリーの食事を心がけている・水分はカテキンの豊富な日本茶でとる。これらはずべて間違った健康法なのだとか。(本当かいな????)しかもマーガリンほど体に悪い油はないって断言されています。(我が家はバターではなくマーガリン派なのに困ったね)詳しく知りたい方は本をお読みくださいね。著者が進める健康法は、エンザイムを多く含む食物をよい食物と考える。そのため、ミネラルをたくさん含んだ肥えた土地で、化学肥料や農薬を使わずに育てられたものを、収穫してすぐに食べる、と言うことになるらしいのです。野菜でも、肉でも、新鮮であるほどエンザイムの量は多い。一番納得したのは、「子供が親と同じ病気を発病しやすいのは、遺伝子として病気の原因を受け継いだからでなく、病気の原因となった生活習慣を受け継いだからだ。」というところ。親からよい生活習慣を受け継ぐと、その次の世代では、ガンの遺伝的要素はどんどん弱まっていく。つまり、よい生活習慣を継承していくことで、遺伝子をも書き換えていける。よい習慣のひとつに、「よい水の飲み方」があるという。成人ではミネラルが豊富な水を一日1500CC~2000CC程度飲む、朝起き抜けに500~750CC、昼食の一時間前に500CC、夕食の一時間前に500CCが目安。急に過激な運動や夜更かしなどをすると、異常を調整しようとしてエンザイムが使われる。運動は適度に。毎日、自分のペースで3~4キロを歩く。そして暇さえあれば目をつぶって深呼吸する。過度な運動をしなくても、深呼吸を一日に数十回することで必要な酸素を取り込めるようになる。私の身近に、少しだけ私よりもこの分野に詳しい人がいるから真実を聞いたのですが、「ある一面だけ見ると正しいかもしれないけれど、別の面から見たらちがうと思う。はっきりはわからない。もしこれが100%真実ならどこかのテレビで放映するでしょう。」なんともはっきりしない答えが返ってきました。だれか真実を教えて欲しいですね。だって、大好きな牛乳飲んだら体に悪いって書いてあるんだもん。子供にも飲ませられない。学校で飲んでる給食は大丈夫かぁ?? 病気にならない生き方 ミラクル・エンザイムが寿命を決める 著者:新谷弘実 発行年月:2005年07月 本体価格 1,600円 (税込 1,680 円)2005年10月度 楽天ブックスランキング 18位医学が進歩しているのに、病人が増えるのはなぜだろう?全米ナンバーワンの胃腸内視鏡外科医が教える太く、長く、生きる方法。 【目次】第1章 常識を信じていると危ない!(四十年間、私が死亡診断書を書かなかった理由/元気な百歳になる方法 ほか)/第2章 太く長く生きるための食べ方(あなたはあなたが何を食べているかで決まる/新谷食事健康法でガンが再発しない理由 ほか)/第3章 この習慣が健康な体をつくる(病気の大半は遺伝よりも習慣に原因がある/習慣は遺伝子を書き換える ほか)/第4章 「命のシナリオ」に耳を傾ける(命には寿命をまっとうできる仕組みがある/臓器別医学は医者をダメにする ほか) ひこ星ネットワーク
November 17, 2005
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イトーヨーカ堂、セブンイレブン、デニースなどを育てた伊藤氏の著書。彼の哲学を知ることができる本。特に、商売の心構えと人生観を深く理解できます。著者:伊藤雅俊 発行年月:2005年07月 本体価格 1,200円 (税込 1,260 円) 著者が考える商売の心構えは1.「運、鈍、根」「運」をゲームのように捕らえるのは間違い。運は環境に対する適応を指す。「鈍」は利口すぎては成功しない。「根」はお客様から信頼されるまで、根気よく努力すること。信頼を得るには長い時間がかかる、反面失うのはあっという間である。これらって、言い回しは違っても色んな本に出てくるから、本当に大切なものなんですね。全ての基本なのかも、2.商人の志どういう商人になりたいのか、どんな商売をしたいのかを考えるときに、どうすれば世の中の役に立てるのかという視点を持つこと。お金儲けが志になると失敗するのでしょう。3.取引先への心配りこれは守られていない企業は多いです。4.基本を維持する力店の主役はお客様で、次が商品。理屈ではなく、お客様がどんな感じを持つか感性でわからなければならない。5.ひらがなで考える商品に必要なのは知識というより、深い知恵である。本で読んだり聞きかじったりして得た知識でなく、実践を通して身についた知恵を生かす思考である。思慮分別のかたまりになると、冒険するエネルギーがなくなり、頭をたれる商人の精神が乏しくなる。私の経験からは、知識を持つ高学歴の人が集まる大企業では、どうしても守りに入る姿勢が強くなるように感じます。新しいことを提案すると、頭で考えた知識で判断してしまう。管理者は頭をたれる「商人」ではなく、「承認」する人になっている人があまりに多い。提案して失敗すると責任を取らされるなんてたまったもんじゃないと思い、だんだんと積極的になれない環境が出来上がる。6.変化への対応お客様の暮らしの変化から商品を考えることが肝要である。7.現場から考える演繹法と帰納法。8.もっと心配りをお客様が来店する目的のひとつは快適さの追求である。商品や接客の良さのみならず、清潔な店頭、売り場、トイレと言ったトータルな快適さを求めている。この考えは、東京ディズニーランドに通じるものがあります。著者の人生観についても書かれています。「冥利」という言葉がある。神仏が知らぬ間に私たちに与えてくれる利益のこと。神仏は自分を取り巻く多くの人という言葉に置き換えてもよい。ここから「おかげさまで」という心、謝恩の気持ちが生まれる。商人に最も必要なのは誠実さであり信用であり続けるはず。浮利を追わず、額に汗する商人がお客様の信用を得て、最後には競争に勝つ。地に足がついた行動をすることがいかに大事なのかとわかりました。そしてひらがなで考える人間になるためには、子供の時からの体験が生きるわけで、色んな体験をすることが、たとえ遠回りでも幸せな人生を歩むことになるのだと思っています。著者:伊藤雅俊 発行年月:2005年07月 本体価格 1,200円 (税込 1,260 円)商売の原点とは何か?イトーヨーカ堂グループ創始者が語った仕事哲学のすべて。 【目次】第1章 愚直な自由人(商人という生き方/商人の財産)/第2章 基本の心がまえ(母と兄の教え/商いは飽きずに)/第3章 商人の仕事(終わりのない挑戦/おごりは禁物 ほか)/第4章 質素な人生観を持つ(誠実な生き方/学ぶ心)/第5章 商業と商人の未来(二十一世紀の流通業)---------------------ひらがなで考える商い(下)もあります。 著者:伊藤雅俊 発行年月:2005年07月 本体価格 1,200円 (税込 1,260 円) 送料別 経営の原点とは何か?「最後の大商人」が語るマネジメントのエッセンス。 【目次】序章 小売業の新局面/第1章 経営には志が必要だ/第2章 不変の哲学と変化対応の経営戦略/第3章 チェーン運営の工夫/第4章 人材育成が最大の課題/第5章 オーナー経営者の孤独 ひこ星ネットワーク
November 15, 2005
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「頭のいい人」に見せる法、「底知れぬ人」に見せる法、「才気ある人」に見せる法、の3つに分けて説明してある本でした。章の終わりには、これらの方法を習得するための練習問題付き。私は過去に似たような本をたくさん読んできましたが、コレまでの本は、自分をこう変えましょう、こう変えたらこんなによいことがありますよ、という本だったと思います。ところがこの本は、自分を変えるのではなく、できる人を真似する方法とでも言いましょうか。つまり、この本が今まで私が読んだ本と大きく違うところは、自分を変えるのではなく、見せかけるということ。この本は「頭のいい人」、「底知れぬ人」、「才気ある人」がどれほど魅力的なのかという説明が少しだけでしたので、消化不良のまま読みすすめました。特に「底知れぬ人」は本当に幸せ人生を送るのか、疑問は残りますが、あこがれる人が多いから真似をするのでしょう。でも、まさに本に書かれたような人がいるんです。会社に「底知れぬ人」、「才気ある人」っぽい人がいるんです。本に書かれているような「ニヒル」な人です。たしかにすごいなぁって思いますよ。考え方も鋭いしね。ただね。私はその人になりたくないなぁって思っています。人生を評価するのは、まずは自分。自分が幸せだと思えない人生はつまらないもの。中身を求めるには外見から・・・・。そんな著書でした。この本の感想について、批判的な意見も、よかったという意見も、両方ありました。私?・・ココでは言えない・・・(十分言ってるね) 著者:樋口裕一 発行年月:2004年12月 『できる男に見せる法』後刊・改題書 本体価格 1,300円 (税込 1,365 円)さり気ない一言があなたを「頭のいい人」「底知れぬ人」「才気ある人」にする。 【目次】1 「頭のいい人」に見せる法(「頭のいい人」とは?「頭のいい人」に見せるための絶対条件「べからず」集 ほか)2 「底知れぬ人」に見せる法(「底知れぬ人」とは?「底知れぬ人」に見せるための絶対条件「べからず」集 ほか)3 「才気ある人」に見せる法(「才気ある人」とは?「才気ある人」に見せるための絶対条件「べからず」集 ほか) ひこ星ネットワーク
November 13, 2005
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著者は、最近株取引関連で有名になった、ソフトバンクの北尾氏。中国古典は不思議な力を持っているとし、著者の体験を交えながら解説してくれる本です。渋沢栄一氏は、「右手にそろばん、左手に論語」と言い、当時の経済界で正しい倫理観を持つ必要性を主張。その彼は、本物の実業家は倫理的な価値観、正しい判断基準を持っているらしい。そうした支柱があるから判断がブレないのだとか。しかし、人生を充実させるには、上記の倫理的な価値観と正しい判断基準を持った上で、さらにすべきことがあると紹介されています。1.自分で運を強くすること 努力により与えられた運命を自分の方向に変えることができるそうです。 ・日々の行いを正しくすること ・継続すること ・困難にあっても悲観せず、前向きに受け止めることも大切 ・反省することももちろん必要。 それで運を呼び込むことができると。2.人生を心豊かに楽しくする 人生の五計を立て、どのように生きるか、死ぬかを考えておく。 人生の五計とは 1)生計;どのように健康に生きるか 2)身計:人生どのように処世していくか 3)家計:どのような家庭を築くか 4)老計:どのように年をとるか 5)死計:どのように死を迎えるか 「備えあれば憂いなし」 計画や準備を整えた上で、何事も前向きに、楽観的に考える。 これが楽しく生きていく上で非常に大事になる。 「窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず」 物事は究極まで行き、どうにもならなくなると、変化が生じ、新しい道が開ける。 要は生きている限り、何とかなるというもの。3.リーダーに不可欠な資質を学ぶ リーダーを目指していなくても、普通の生活をする上でも学ぶところはありました。 たとえば ・言っていることが首尾一貫しない、態度がいっぺんに変わる。 こういう人は不誠実の典型。 中途半端なことは言わないと決め、自分の立場、主義、主張は常に明確にすること。 ・「視・観・察」をもつこと。 「視」とはその人の行動を観察すること。 「観」とは行動の動機を調べること。 「察」とはその人が行為に満足している程度を計ること。 ・思考には3原則がある。 「長期的な思考」「多面的思考」「根本的(大局的)思考」のこと。 「着眼は大局、着手は小局」というが、枝葉末節にとらわれず、全体を概観し、 まずはできるところから手を打っていくことが大切。4.仕事を成功させる知恵を学ぶ 「策に三策あるべし」という言葉があるそうです。 常に多くの可能性を考えて、最適な選択ができる準備をすることが必要である。テレビで見る北尾氏はあまり好感が持てませんでしたが、考え方はしっかりしている方なんですね。著者:北尾吉孝 出版社:三笠書房 発行年月:2005年07月 本体価格 1,400円 (税込 1,470 円)よく言われるように、人生は試練の連続であり、判断の連続である。「どうしたら、成功を手にすることができるのか」「どうしたら、人生を楽しく充実させることができるのか」本書は、こういった問題に対する処方箋を、中国の古典の名言を引用しつつ、著者自身の体験を交えて、平易に解説するという形をとっている。 【目次】1章 絶対うまくいく!―この「自信」はどこから生まれるか(「どうやったら、北尾さんのように自信が持てるのですか?」/「判断がブレない人」になる方法/「何が正しいか」を見抜く目の磨き方/絶対成功する「人生の四大テーマ」とは)/2章 いい仕事がしたければ、自分で「運」を強くしろ!(「自力ではどうにもならない運」も強くできる/「当事者」になり切って考えるトレーニング/あえて自らを「崖っぷち」に追い込む/毎晩寝る前の「私の反省」)/3章 何をやるか、どうやるか―人生の五計(最低限これだけは必要な「人生計画」/危機に陥ったときの対処法/どんなときにも前向きになれる「二つのキーワード」)/4章 北尾吉孝の「人を動かす人」養成塾(“中途半端”で絶対終わらない私のやり方/常に「三年後」を見て仕事をする ほか)/5章 「策に三策あり」―「1+1」を5にする私の仕事術(「知」だけでは「徳」に勝てない/目先の「数字」に追われないためには ほか) ひこ星ネットワーク
November 8, 2005
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この本は会話は難しくないと書かれていて、それを具体的に紹介されているので、口ベタにはおすすめの本です。口ベタな私、会話についてコンプレックスをもっているのですが、題名に引かれました。まだ、純情な16歳(あまりに昔のことで年齢はハッキリしません。笑)頃、同じクラスの女の子を初めてのデートの誘いに成功してデートしたのですが、話が続かずに黙っている時間ばかりでした。沈黙のデート。息苦しかったです。学校では話が出来るのに、二人きりでは話がありません。沈黙とは反対に、会社に入って女性から機関銃トークで話をされたことがありました。このときも黙っていましたね。というか、話が出来なかったです。隣で見ていた女性が大声で笑って言いました。「○○さん、口をパクパクさせて黙っているんだもん。可笑しい・・(あっはっは) 私始めて口をパクパクさせてる人を見ました・・・(わ~っはっは) あれくらいの話について来れないと女性とは話できないわよ、ダメよ練習しないと。」どちらも若い頃でしたが。機関銃トークが出来る女性にはこの悩みはわからないでしょうねぇ。こんな私でも、この本を読んだら自信がもてそうです。会話には5つの原則があるそうです。1.どんなときでも笑顔で楽しそうに話す。2.目に付いたことや思ったことを、話のきっかけにする。3.相手の話を聞いて、素直な感想をそのまま口にする。4.「質問」と「連想」を繰り返して話を繋げていく。5.「間」のとり方を意識して、会話をコントロールしていく。知り合いから友達へ、友達から親友へ、と関係を深めていくためのテクニックは1.観察力を磨いて相手の細かい変化に気づく(男性が女性に対してのアプローチの基本として、このことをよく言われますね。これって難しいんです。観察しても中々気づかないから。)2.相手にとって意外な部分を褒める。3.相手の存在や価値を認めつつ、悪い部分だけを上手にけなす。4.相手の反応を見ながら、少しずつ自分の内面を話す。この本はお笑い芸人を例にとってわかりやすく説明してくれるのがよいのでしょう。・そんなに真っ白な服装が似合うのは、あなたと白鳥くらいだなどなど・・・使い方の例をあげながら、私でも話せますという感じ。プロ芸人のお笑いについても触れています。ココまで普段話ができたら最高でしょうね。漫才やコントの4つの手順1.テーマを決める2.ボケ、オチを決める3.突っ込みを決める4.前フリを決めるボケや、オチのまとめ方は、誇張、擬人化(財布がお腹すかせて食いついた)、逆説(トロに脂がのっているのではなく脂がトロにのってた)、反復あなたの話、ウケてますか? 著者:滝沢ユウキ 出版社:秀和システム 発行年月:2005年08月 本体価格 1,400円 (税込 1,470 円)ビジネスでもプライベートでも話し上手はトクをする!お笑い芸人も使っている、「人に好かれる会話」のコツを教えます。 【目次】第1章 誰でもできる!「お笑い」で会話力を鍛えよう/第2章 口ベタ解消!会話を弾ませる基本5原則/第3章 緊張を解きほぐす!初対面・異性との会話術/第4章 本音を語る!相手との絆を深める会話術/第5章 人を動かす!できるビジネスマンになる会話術/第6章 笑いを極める!プロ芸人の「お笑い」の話術 ひこ星ネットワーク
October 16, 2005
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Gママさんが紹介されていたので面白そうだなと思い読みました。有吉佐和子の作品です。曼陀羅華と鳥頭を主成分としている睡眠薬を実験に飲むお話。華岡雲平(青洲)は世界で始めて全身麻酔で手術をした人。青洲は妻(加恵)と母(於継)の両方に実験台になってもらうと約束したが、結局は妻にだけ薬を飲ませることになる。母にはちょっとだけ薬を入れる。私には青洲がなぜ、妻のほうを選んだのか、その決断過程を知りたかったのですが、この本は妻を主人公として心の動きがわかるようになっているのだから、青洲の心の動きはわかりません。母は実験台に選ばれなかったことで戦いに負けた自分をどう思ったのか。コレも興味を持っていました。始めは、加恵が母の於継の美人で利発なところにあこがれて、お互いに実の母と子以上の気持ちになっている、という前半のシーンですので、後半、青洲が京都から帰ってからの於継と加恵の心変わりがいっそう目立ちます。妻と母が怒鳴りあって自分を実験に使って欲しいと訴えるシーンがクライマックスと思っていましたが、長女小弁が亡くなってからの加恵の生き方にジーンときました。妻と母の戦いの話ですが、当時の男の生き方と女の生き方の違いが非常によくわかりました。読み終えたときにすがすがしさはありませでした。当時の時代背景を考えるとこれは当然のことかも知れません。有吉佐和子さん、切ない本を書きますね。加恵さんって一言一言に敏感に反応して一喜一憂するんですね。世の女性はみんなこうなのかな。青洲が子どもみたいに思えました。私の周りでも、たくさんの人が読んでいたのですが、不思議なことに、この本は女性の方が読まれた方が多いようでした。<主な登場人物>華岡雲平(青洲)加恵(かえ):青洲の妻於継(おつぎ):青洲の母華岡直道:青洲の父於勝:青洲の妹、加恵と同い年、乳癌で死亡小陸:青洲の妹、血瘤で死亡良平:青洲の弟小弁:青洲と加恵の長女、子供の時に死亡雲平:青洲と加恵の長男(青洲が自分の通り名を与えた)かめ:青洲と加恵の次女民(たみ):加恵の乳母妹尾佐次兵衛:加恵の父世界で初めて全身麻酔に挑み、乳がんの摘出手術に成功した江戸後期、紀州の名医、華岡青洲。その成功に不可欠だった麻酔薬の人体実験に、妻と母は進んで身を捧げた。だが、美しい献体の裏には、青洲の愛を争う二人の女の敵意と嫉妬とが渦巻いていた…。 ひこ星ネットワーク
October 7, 2005
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ビジネスセミナーでも使われている本なので非常に興味深く読みました。女性をキーワードに解説していますが、女性にも男性にもためになる本だと思います。ディズニーパークは非日常の世界。アトラクションを作るときにはハードの建物から入るのではなくストーリー作りから始める。これはビジネスの世界に共通する見本となるものですね。ディズニーランドは「ちょっとだけ」がキーワード。ちょっとだけ贅沢、ちょっとだけ自慢、ちょっとだけ優越感に浸れる。これが女性に好まれる理由の一つ。男性にも当てはまると思いますが、男性より女性に、より効果があるのかも知れませんね。私が一番興味を惹かれたのは安全性について。ゲストは何を見て安全な乗り物だと判断しているか。例えば乗り物のペイントがはがれている、シートが汚れている、シートが破れている、ゴミが落ちている。これらが安全性とは直接関係ないけれども、もしこれらを見かけたら整備点検がきちんとされていないようだ、という不安にならないか。レストランも、ショップも汚れがあるだけで同じことだと。だからいつでもどこでもきれいだということ。私がいつもパークに行くときに思っている事も書かれていました。それは盛り上がっていく楽しさ、メインショー、余韻に浸りながら出口に向う、これがディズニー流のエスコート。私にとって、このことがディズニーを好きになった理由でもあります。テーマにそぐわないものは徹底してゲストに見せない、オンステージはゲストの目に見える全てのもの。BGMにもレジにも。話が脱線しますが、4年前、パークインしたときに子供の具合が悪くなって病院まで車で運んでいただいたときのこと、パークの中で日頃ゲストが目に出来ない場所を通りました。パーク内よりも広く感じ、たくさんの人が働いていて、色んなデザインの作り物も準備中でした。脱線ついでに、例えばレジなど、その他にもこの本にも書かれていないことをいくつか知っていると思う私はオタクの領域かなぁ。嫌だな。サービスといえば、ディズニーランドのブルーバイユーレストランのサービス。比較的高価な食事ですが、この店員さんが食事を運んでくると「このお食事はどちら様の?」という事を確認することなく、テーブルの誰さんの食事という個人レベルで食事が間違いなく運ばれてきます。これもディズニーマジックですが、コレこそ付加価値というもの。究極は「キャストの仕事は人を幸せにすること。」の言葉に集約されていると思っています。それが出来るための仕掛けもパークにはふんだんに盛り込まれているようです。結局は働く人を大切にする企業が勝つ!ディズニーオタクの間では比較的知られていることですが、「魅惑のチキルーム」の開園を待つ場所に座る岩は、冬に暖かくなるのですが、デートの時に「体を冷やしちゃいけないからミッキーに頼んでおいた」という歯が浮くような決めせりふを言えるのもディズニーだからでしょうか。この本を読んで、ますますディズニーにはまりそうです。妻はお友だちに私のことを言うと決まって「いいわね、旦那様がディズニーが好きで。うらやましい。」と言われるのだとか。誰一人周りにディズニー好きな男性はいないのだとか。え~?私は貴重な男性ディズニーオタク?まさか~著者: 芳中晃 出版社:中経出版 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,300円 (税込:1,365円) 究極のサービスの舞台裏には何があるのか? 【目次】 プロローグ ディズニーはなぜ女性に愛されるのか?/第1章 女性の心をつかむ!ディズニーの秘密/第2章 女性の心をつかむ!ディズニーの4つのキーワード/第3章 女性の心をつかむ!ディズニー流サービス/第4章 女性の心をつかむ!ディズニー流「接客術」/エピローグ 女性の心を解くカギ―ネット・コミュニティー 著者紹介昭和28年生まれ。千葉県市川市在住。東京YMCA国際ホテル学校卒業後、ポールスミス大学(アメリカ・ニューヨーク州)ホテル学部にてAASを取得。同校卒業後、フロリダ国際大学(フロリダ州マイアミ市)ホテルマネジメント学部にてBSを取得。大学を卒業後、昭和54年7月に米・ウォルト・ディズニー・ワールドに入社。コンテンポラリーホテル、およびマジックキングダム内においてスーパーバイザー業務を行う。その後、株式会社オリエンタルランドに入社。東京ディズニーランドの設立前から様々な準備業務や運営に携わる。その後、食堂部主任、および広報室主任などを務める。閉園前の3年間は、食堂部の教育・トレーニングとマニュアル作成の総責任者として活躍。オリエンタルランド退社後は、いくつもの大型テーマパークのプロジェクト・マネジメントやレストラン開発、マネジメントの再構築などを手がけている ひこ星ネットワーク
September 13, 2005
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「怪談レストラン」はシリーズ化された児童用図書です。うちの子供が学校の図書館と地元の図書館で頻繁に借りていまして、外出するときにも手離さないし、朝の登校時間前のバタバタの時にさえ本を読んでいます。そんなに面白いものかと、子供から取り上げて読んでみました。1冊の本には、短編が集められていましたのでおとなが読んだら数分で読めるものばかりです。もう随分読んでいますが、どの本にも大人が読んでちょっぴりウルウルするものが含まれています。戦争の時に小さくして亡くなった子供の悲しいお話では、それを供養するために出来たレストランであったり。戦争の悲惨さがぎっしり詰まっていました。子供の時に本を読まなかった私が、子供のおかげで児童書のファンになりました。うちの子供、図書館の本を卒業までに全部読むと豪語しております。そんなに本ばかり読まなくてもいいから、算数も勉強しておくれ! ひこ星ネットワーク
September 6, 2005
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年寄りの話はなぜ長いのか?年寄りはなぜ頑固になるのか?年をとると、なぜ判断を間違うのか?脳を若々しくさせる行き方とは?という問題に、正面からぶつかった本だと思います。昨年、ある会に入会したので、お年寄りと話す機会が増えました。お年寄りは親切で、すぐにお菓子やお茶の心配をしてくださるし、話が楽しいし・・・・とばかり思っていたけど、それだけじゃない、話が長い、長い。聞いていると同じ事を何度も言う人もいるし。なくなった祖父と祖母もそうだったかなぁと思い返しますが、よく覚えていません。お年寄りの中には若者と同じように話が分かる人もいれば、若者よりも元気に走り回っている人もいます。ですから、お年寄りだからといって、一くくりにすることは無理があるかも知れませんが、お年寄りに免疫がない若者に是非読んで欲しい一冊でした。今のお年寄りが読んで、なるほどと思うのか、それは誤解だと思うのか、わたしにはわかりません。年寄りの話はなぜ長いのか、という疑問に対して、たくさんの回答が用意されています。近くの方でお年寄りの話は長いのは、これのどれかに必ずあてはまるのではないでしょうか。いくつかご紹介すると理由の一つに、相手の身になって考えられず、話す内容が多いほど喜んでもらえると思い込んでしまう。また、自分のパソコンが思ったように動かないとすぐ若者を呼び直してもらう。これが続くと「自分は無能だと思われていないか、自分は若者が持っていない重要なものを持っている」と周囲に伝えたいと思うようになる。長話は老化への不安の裏返しだとか。おかしいのは、話している間に、どこまで話をしたのか分からないようになり、同じ話を続ける、というもの。根底に、自分の成功体験は誰にでもあてはまるという考えがあり、その成功を伝えようとすることがあるようです。読んでいて、お年寄りだけでなく、若者にも通じるぞって思いました。最近の若者が年寄りになったらどうなるんだろう・・・(ぞっ、ぞっ、ぞっ・・寒気がする)頑固になる理由の中では、年をとると嫌な話を聞くことに耐えられなくなる、というのがありました。また、挑戦する体力、気力が衰えを実感するために、現状維持を望むようになるのだとか。これらが、若者から見て頑固に見えるらしい。年をとると、なぜ判断を間違うのか、というところでは、ライブドアとフジテレビの時の対応を例に挙げていました。では、脳を若々しくするためにはどうしたらよいのかそれについては、脳の発達と成長、脳の処理能力について詳しく解説しています。結局は心の持ち方で脳は変わるのだと確信できました。定年直後は元気でも、2~3年後に急に老いる人がいるのだとか。詳しくは書きませんが、私は次の言葉が全てだと思いました。「若い時にいかに活躍しても、年をとってやることがなくなるのでは、人生の意味が問われる。年をとってからいかに生きるかは、人生観としても重要な問題である」著者: 高田明和 出版社:東洋経済新報社 発行年月: 2005年 08月 本体価格:1,400円 (税込:1,470円) 話が長くなるのも、頑固になるのも、原因は「脳の老化」にあった。 【目次】 年寄りの話はなぜ長いのか/若者はなぜ年寄りの話を理解できないのか/若者はなぜ年寄りの長話を嫌うのか/年寄りはなぜ頑固になるのか/年をとるとなぜ判断を間違うのか/年齢とともに健康への不安が増すのはなぜか/不安やストレスは脳や体をどのように損なうのか/脳は年齢とともにどのように変化するのか/記憶とは何か、どのように衰えるのか/脳を若々しくさせる生き方とはどんなものか/調身、調息のすすめ/調心―求道主義のすすめ ひこ星ネットワーク
September 4, 2005
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最近読んだ本の中で、今まで読んだ本とは違う、ちょっと変わった本。様々な名前とその由来、意味などを簡単に紹介しています。収録した名前の数を正確には数えられませんが、私がカウントしたことろでは約6000。いや、10000あるかもしれません。例えば、ミノルタと言う会社は、創業者が「田を豊かに実るように会社を発展させたい」という願望をもじって「実る田」という社名を考えたのだとか。広告のキャッチコピーのページでは、CMが流れていた当時を思い出し懐かしさに浸ったり、大笑いしたり。国際羊毛事務局「ついてるかな。ウールマーク」懐かしいでしょう?JR東海「彼の顔より課長の顔を見ている時間が長いのは不自然だ。と気づいた京都のお庭でした。」可笑しいでしょ?昔の映画の題名が並んだページでは映画の場面が目に浮かびました。芸名のところではファンの芸名の由来を知って、びっくり。出張の時に持参して一人ニヤニヤしっぱなし。そういえば、昔、「いつものところ」という居酒屋、「秘書室」「A会議室」という雀荘もありましたよ。著者: 日本実業出版社 出版社:日本実業出版社 発行年月: 1996年 10月 本体価格:1,456円 (税込:1,529円) 商標登録や商号登記の際同一や類似を避けるために、社名、店名、商品や広告のキャッチコピー、小説・映画・TVドラマ・歌謡曲のタイトルを収録したもの。種々のネーミングの由来も紹介する。 【目次】 第1章 社名・店名/第2章 商品名/第3章 広告のキャッチコピー/第4章 雑誌記事タイトル/第5章 文学作品のタイトル/第6章 ペンネーム・芸名/第7章 映画・テレビ・コミックのタイトル ひこ星ネットワーク
September 1, 2005
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先日出張で宿泊したホテルのロビーに、「ご自由に・・」と書かれた張り紙の下に書籍がありました。ホテルも様々なサービスをするようになったのですね。私はこのようなサービスは初めてでした。多くは漫画でしたが、その中でちょっと目がとまった本で「反常識講座 知的冒険のすすめ」がありました。渡辺淳一作品です。遅くホテルにチェックインしたので早く寝なければいけなかったのに、思わず本を手にとって部屋で読んでしまいました。渡辺淳一は、元々本を読まない私が、面白いと思って本を読み始めた作家の中の一人。彼は医者であり、勤務していた札幌大学で日本で始めての心臓移植を身近に感じたことで、医者としての生き方に何かしら影響を与えたことは事実のようです。「光と影」で直木賞を受賞しましたが、私が始めて読んだ作品も「光と影」。コレをきっかけに、彼が書いた作品は片っ端から読みました。わたしは彼の文章に少しでも近づきたい、と憧れを持っていましたから、本当は努力していれば今頃は、文学作品としては無理でも、少しは分かりやすい文章を書けるようになっていたかも知れません。でも努力していないもんなぁ。彼の作品の中でも「花埋み」はお気に入りの一つで、分厚い本でしたが一気に読みました。「無影燈」「野わけ」「遠き落日」・・・あー、思い出しただけで、もう一度読みたくなります。でもなぜだか「失楽園」だけは読んでいません。本屋に行っても手が伸びません。渡辺淳一作品「反常識講座 知的冒険のすすめ」第1章 鈍さこそ才能第2章 腐ったものでも消化しろ第3章 住むなら猥雑な都会第4章 遺伝子なんて変えちまえ第5章 もの知り馬鹿になるな第6章 軽率になって恋をしよう第7章 恋愛で頭をきたえよう第8章 無知がオリジナリティを生みだす第9章 ゴマスリも美徳第10章 一夫一婦制が崩れるとき第11章 年をとるほど不良になれ この本、全部説得力がありました。 ひこ星ネットワーク
August 24, 2005
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著者は宮大工の棟梁。自分の経験をもとにした人生哲学の本でした。著者:西岡常一 出版社:新潮社 発行年月: 2001年 05月宮大工と普通の大工の違いについてのお話がありました。違いは「心構え」。「仏作って魂入れず」という言葉をきいたことがありますが、きっとこの言葉に共通する心のことなんだろうなと思って読みました。宮大工は儲けを考えていたら努まらないのだとか。この本で一番共感したところは、今の大工が木の個性を平均化しようとするというところ。昔は棟梁が木を選び、性質を見極めて使った。癖がある木を使うのは難しいけれども使い方によっては長持ちするのだとか。癖の強いものは命も強い。癖のない素直な木は弱くて耐用年数も短い。これって人間にも当てはまると思いませんか。依頼主は早く安くというが、後2割かければ200年は持つようになるといっても依頼主は2割を惜しむ。昔の人に200年、300年の時間感覚はあったが、今の人にはそんな時間感覚はないと断言。今の大工が木の個性を平均化しているのは、依頼主がそうさせているんだなと、解釈できる内容でした。木の命には2つある。1つは木の命としての樹齢。もう一つは用材として生かされてからの耐用年数。民家の柱でも60年ほどの寿命がある。それを20年ほどで壊して捨ててしまっては木がどれだけあっても足りなくなる。耐用年数の分を生かして使うのが自然への義務だとキッパリ。真剣に読んでいませんでしたが、途中から真剣になって読み始めた本でしたが、人生哲学にも共通する内容でした。著者:西岡常一 出版社:新潮社 発行年月: 2001年 05月 本体価格:543円 (税込:570円)樹齢千年の檜は、大工の技と知恵で、建物になっても千年は持ちますのや―。木を知悉する「最後の宮大工棟梁」が、職人の技術と魂について語り尽くした。 【目次】 宮大工という仕事/木を長く生かす/木の二つの命/礎石の大切さ/木の触り心地/飛鳥の工人に学ぶ/古い材は宝もの/千年の命の木を育てる/宮大工棟梁の自然観/道具と大工の魂〔ほか〕 他にも関連の本がありました。 ひこ星ネットワーク
August 22, 2005
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一流のスポーツ選手が経験するゾーン体験について書かれた本です。ゾーンを通して心と体のバランス、無心の境地を解説してくれています。最高の自分を生きる 達人たちに学ぶ「zoneに入る」生き方 著者は、ゾーン体験はスポーツ選手だけが経験するものではなく、日頃の心がけや積み重ねで、自らの能力や可能性を極限まで引き出すことが出来ると書いています。また、その具体的な例を元にゾーンの正体とそれに至る過程を解き明かしてくれます。ゾーンというのは、実力が最大に発揮できる理想的な心の状態、精神的肉体的にもまるで操縦されているように感じながら最高のプレーが出来る状態のようです。「ゾーンに至ると、最高に集中していながら、同時にリラックスしている。自分でプレーしているのだが、自分とは違う何者かに操られているような、主体の喪失感がそこにはある。それがゾーンに入るということだ。」と書かれています。私は一流のスポーツ選手ではありませんでしたが、思い当たることがあります。成績が悪かったときは不思議と回りの雑然とした雰囲気、音、他の選手の仕草、観客の声が邪魔に感じていました。そしてイライラしていました。ところが、成績のよかったときの幾つかの試合では、観客の声が音楽の中に入り込んで、全体として一つの音楽として成り立っていたような気がします。多少大げさな表現ですが、自分がその音楽に集中できて、まるで音楽のスピーカーが自分の周りに配置されていたかのような心の集中。意識しなくとも体は練習通りに動きます。私は今まではコレを「集中」とよんでいましたが、コレもゾーンの一種なのかも知れないと思っています。そして音楽をじっくりと聞きながらその音楽を表現できたような気がします。一流の選手であれば、もっと集中の度合いも違い、体と心の分離が大きいのかも知れません。人の体は普段は5%程度しか使われておらず、「火事場の馬鹿力」が残りの力を発揮することも人間の体からくるものだとか。稽古とは・・・・。型とは・・・・。無心の境地とは・・・・。この境地に達すると、一つ一つの動作から心が離れ、自由自在に技が繰り出せるようになる。それがゾーンに入るということである。スポーツに限らず、心がけ次第でゾーンに入ることが出来るようです。仏教の教えと共通するところが多いように感じました。「禅は自己の存在の本性を見抜く術・・」深い言葉でした。達人たちに学ぶ「zoneに入る」生き方 著者: 丸山敏秋 出版社:致知出版社 発行年月: 2005年 07月 本体価格:1,500円 (税込:1,575円) 「ゾーン」とは、実力がフルに発揮できる理想的な心の状態のこと。イチロー選手、哲学者・オイゲン・ヘリゲル、倫理研究所創立者・丸山敏雄などの達人たちから「ゾーンに入る」生き方を学ぶ。 【目次】 第1章 「ゾーン」に入る―「ゾーン」とは何か(進むべき道が見えてくる―ラグビーでの不思議体験/「まるで自動操縦されている感じ」―「ゾーン」に入ったデビッド・グラハム ほか)/第2章 「ゾーン」へ到る道―『弓と禅』に見る一射絶命への階梯(向き合うべきは自分―なぜ弓道にひかれるのか/哲学者オイゲン・ヘリゲルと弓道の出合い ほか)/第3章 稽古が目指す無心の境地―その先にある完全なる自由(稽古とは型に身体をはめ込んでいく訓練/何も教えぬ師、ひたすら模倣する弟子 ほか)/第4章 「ゾーン」と至高体験―自我の壁を越えて(変性意識と神秘体験が教えるもの/至高体験は誰にも訪れる ほか)/第5章 日々好日を生きるための生活法則―人生の達人・丸山敏雄の教えに学ぶ(修養の気風のなかで/「孔子丸山」と呼ばれた男 ほか) ひこ星ネットワーク
August 14, 2005
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本屋に山積みされ、ベストセラーにもランクインする人気ですから読まれた方も多いと思います。この本を読んだ第一印象は、とにかく分かりやすい。著者は、人が書いた文章を添削している方のようですから、文章に関してはある意味プロの方です。ですから文章の書き方という面からも勉強になりました。難しい言葉を使わず、多くの例をあげ、いつの間にか本に没頭しています。また「周囲の人の対策」「自覚するためのワンポイント」があり、身近な人への対応と自分がそうであった場合のことが書かれていました。この本を読むと、身近な人の顔が浮かんでくるから不思議です。例えば「道徳的説教ばかりをする」という章では、『「努力が大事」「真心を持って行動すれば必ず報われる」「思いやりの心が大切だ」などと、誰もが反対できないことを言う。・・・・実際の出来事は道徳の次元では動いていない。・・・』あ、この人Aさんだ。人類みな兄弟みたいなことを言って、自分の考えに反対する人は悪い人だって言ってた。別のところではみんなが仲良く一緒に参加していた、と最もらしいことばかり言って、周りを困惑させてたなあ。「周囲の人の対策」としては「・・・これは黙って耐えるしかない。道徳的な説教をするからといって、その人が善人だとは限らない。妙に反抗しようものなら、不道徳な人間として排除されてしまう恐れがある。このような人を相手にする場合には、上手におだてて、みんなで腹の中で笑っておくしかない。・・・」あちゃー、失敗、正面からぶつかったらダメだったんだ。全部で40のケースが整理されています。該当する人には是非読んで欲しいんですが、著書によると自分では気がつきにくいとか。だから該当すると思っている人が読んでも自分だとは思わないのでしょうね。Bさん、Cさん、Dさん、Eさん(本人が読んでるかも知れないからココはイニシャルでもまずいからなぁ)・・たくさんいますね。あ、私も該当するのに自分で気がついてないだけかも。やばい。そういえば、○章に何となく該当するような気がします。真剣に読んでおきましょう。本書のターゲットは、社会人男性のようですが、女性でももちろん、うなずけること間違いなしです。 著者: 樋口裕一 出版社:PHP研究所 発行年月: 2004年 07月 本体価格:714円 (税込:750円) 何気ない会話に、その人の知性が現れる。難しい議論をしたわけではない、他愛のない世間話をしただけなのに…。社会に出れば話し方ひとつで、仕事ができるかどうか判断されてしまう。本書では、巷にあふれる愚かな話し方の実例をあげ、その傾向と対策を練る。「知ったかぶり」「矛盾だらけ」「繰り返しが多い」「具体例がない」「説教癖」など、思わず身近なあの人の顔が浮かぶ。そして、あなた自身も「バカに見える話し方」をしているのだ!文章指導のプロが「書くこと」と「話すこと」の共通項を見つけ、痛快に綴る。 【目次】 第1章 あなたの周りのバカ上司――部下から相手にされない話し方 1 道徳的説教ばかりをする 2 他人の権威を笠に着る 3 自分を権威づけようとする 4 自分の価値観だけですべてを判断する 5 根拠を言わずに決めつける 6 ケチばかりつける 7 少ない情報で決めつける 8 具体例を言わず、抽象的な難しい言葉を使う 9 詭弁を用いて自説にこだわる 10 矛盾に気づかない 11 難解なことを言って煙に巻く 12 知ったかぶりをする第2章 こんな話し方では、異性が離れていく――だから女性に嫌われる 13 すんだことをいつまでも蒸し返す 14 何でも勘ぐる 15 感情に振り回される 16 優柔不断ではっきり言わない 17 自分のことしか話さない 18 相手が関心のないことを延々と話す 19 低レベルの解釈をする 20 何かにつけて目立とうとする第3章 絶対に人望が得られない話し方――こんな人とはつき合いたくない 21 自慢ばかりする 22 強がりばかり言う 23 人の話を聞かない 24 おべっかばかりで自分の意見を言わない 25 感情の起伏が激しい 26 正論ばかりをふりかざす 27 ありふれたことしか言わない 28 ぐずぐずと話して何を言いたいのかわからない 29 どんな話題もいつもの話にもっていく 30 差別意識を口に出す第4章 こんなバカならまだ許せる――この程度なら被害はない 31 人の考えをすぐにうのみにする 32 感動癖がある 33 善人になりたがる 34 丁寧すぎる 35 現状を正確に捉えられない――心配性と能天気 36 視野が狭い 37 その場その場でしか反応しない 38 きれいごとの理想論ばかりを言う 39 スポーツ新聞などの知識を自分の意見のように話す 40 バカでよいと居直る 2005年6月度 楽天ブックスランキング 13位 2005年4月度 楽天ブックスランキング 8位 2005年3月度 楽天ブックスランキング 5位 ひこ星ネットワーク
July 31, 2005
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今から27年前に出版された本。本の始めは「溝口泰男モーニングショー」で話された内容が話し言葉のままにのっていました。年配の方には懐かしい名前でしょうか。他にも「八木治郎」さんの名前もありました。坂東先生の教育講座 発行:1978年(S53)年11月15日時代は変わっても同じなんだと、あらためて感心しました。最近出版されている本と同じことが書かれていました。この本の特徴は抽象的なことはほとんどなく、非常に具体的に事例を交えて解説されていることです。ですから頭の中にすっと入ってまいります。ただし、やはり時代が変わっているために事例の紹介では多少の違和感があります。著者が言いたかったことは、心理学者らしく、有名な方の言葉を借りてわかりやすく説明されています。ゲーテ「天には星がなければならない。そして大地には花がなければならない。人間には愛がなければならない。」フロイト:欲しいと言う人間の気持ちは平均27秒くらいシューペンハウエル「幸せを数える人は今すぐ幸せになる。」デール・カーネギー「苦悩は数えてはいけない。幸せを数えて、それに感謝するとき、人は幸せになることができる。」どのようなわかりやすい事例か、少しだけご紹介したいと思います。「いい天気だこと、ああ洗濯も出来るし、朝ごはん食べても、ああーおいしいわあ・・・」これが大事なんです。この気持ちが大切なんです。本当の財産って何?私は5億円持っています。ある右手を失った方が「坂東先生ね、1億円なんてお金もないけど、もし1億円があったら僕、右手買いたい。」とそれを聞いて、私はありがたいとも思っていなかった右手を見て、「おれ、ここに1億円持ってるのだ。」両手、両足、五体満足で5億円。ねえ奥さん、私たち一人一人は何十億円ものビルディングを持って歩いているようなものです。間違い電話「わたなべさんですかぁ」「おばさん、うちは坂東って言います。」「あれえ、すみません。」「おばさん、何番におかけになったんですか」「はい、何とか局の0888」「あれ、それはわたしんとこですよ。おばさん、もう一回かければ10円また損しますよ」「あらあ、ご親切にィ。すみませんねぇ」「またどうぞ」「はー、いやー。」間違い電話に「またどうぞ」って話です。うれしくなっちゃう。感動する話がいくつもありましたが、一つだけご紹介します。女の子の作文です。「わたしはおかあさんが大好きです。わたしのおかあさんは本当によいおかあさんです。わたしは大好きです。だからおかあさんのいうことはなんでもききます。おかあさんになんでもしてあげたいと思います。このあいだ、おかあさんは、女学校の同窓会にわたしをつれていってくださいました。同窓会の入口のくつぬぎのところには、りっぱなクツやゾウリが並んでいましたが、おかあさんのゾウリはいちばんきたないし、ひんじゃくで、みすぼらしくみえました。わたしは、急にかなしいきもちになりました。おかあさんの着物もいちばん変なような着物でした。わたしは、おかあさんがかわいそうになりました。よそのおかあさんの話し声が聞こえてきました。『同窓会に子供をつれてくるなんて・・』といっている人がいました。・・・・わたしのおかあさんはだまって下をむいていました。わたしのおかあさんは、わたしをじゃまにしません。おかあさんはわたしをつれてきてごちそうをたべさせてくれました。わたしはわたしのおかあさんがいちばんやさしい人だと思いました。わたしは、早くかえりたくなりました。そのわけは、本当は、今日はおかあさんの同窓会の帰りにわたしの勉強の辞典を買ってくださると約束していたのですが、わたしは辞典なんかいらないから、おかあさんにきれいなゾウリを買ってもらいたいと思いました。わたしのおかあさんは、わたしたち子供のものばかり買ってくださって、おかあさんは変な着物やゾウリしかありません。子供のためばかりして、よいおかあさんです。だからわたしはおかあさんが大好きで、かわいそうですから、私は辞典よりもおかあさんのゾウリが買いたいのですが、そういったらおかあさんは『いいのよ、お金がたまってからにしましょうね。それよりもあなたのお勉強のほうが大切ですから、ゾウリはこの次にしましょう。』といって辞典を買ってくださいました。わたしはおかあさんのいうことならなんでもききます。そしてよい子になろうと思いました。」他にも、『子供はお母さんの判断を自分の判断にする』『バイブルも「歎異抄(たんにんしょう)」も何でも読みます。仏教とキリスト教は全然違うなんて神学の本に書いてあったけど、私の中では、宗教はみんな一緒だ。・・・心理学だってキリストさんの言っていることと同じですよ。』『封建時代の女の「三従」は、家にあっては父親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従い。』という話にもなるほどと思いましたし、よい話がたくさん詰まっています。さすがに、楽天ブックにもなく、フリマにしか本がありませんでした。坂東先生の教育講座 ひこ星ネットワーク
July 12, 2005
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著書によると、ブランディングとは「企業が真剣にユーザーに向き合い、提供しているサービスや商品を示し、ユーザーに選んでもらうこと。」だそうです。Webブランディング成功の法則55 常々思ってることですが、例えばホテル業、小売業ではお客様第一が徹底していて、お客様の視点で商品、サービスの提供をしています。ところがインターネットの世界ではどうしたわけか、ユーザー不在のホームページが多いのです。ユーザを大事にする姿勢はWeb以外でも同じですので基本的な考え方は著書に見習うことも多いと思います。成功するWebサイトを構築するには、ユーザーのニーズを知り、ユーザーの視点に立つことが大切。公開後も、問題がないかを調べ改善をおこたりなくすること。ポイントは調査を行うには、仮説を立てるということ。ユーザー視点で考えることが結局は企業に利益を生むきっかけを作る。著書に書かれたWebサイト構築のあるべき姿のキーワードの抜粋です・ユーザーの視点で考えよう・入り口は「トップ」「HOME」だけではない・ユーザビリティは直接ユーザーに聞け・アクセスログの解析の注意点・ユーザーのニーズを知れ・・・・ユーザーは問題を抱えて訪問するが、企業では自社の商品をコレでもか、と言わんばかりに商品情報を発信している。お客様が問題するヒントがホームページに用意されているのか、こうした問題について書かれた本です。このことは『クロッシングフィンガーズ』というサイトでも以前から書かれていたことでもあり、私は同じことを主張していると感じています。例えば、『クロッシングフィンガーズ』では一部のWebでのアンケートに関して問題提起されていましたが、この著書でもアンケートに答えるユーザーが特殊であるということに触れて説明されています。ですから、更に興味がある方は『クロッシングフィンガーズ』で勉強なさるのも方法です。『クロッシングフィンガーズ』では多くのWeb関係者が研究されているようです。クロッシングフィンガーズhttp://www.pure-pulse.com/crossingfingers/クロッシングフィンガーズのブログ(優しく解説してくださっています)http://cfgoon.blogtribe.org/KeiyuHelplabhttp://www.keiyu.com/過去の日記ひこ星の日記「人に優しいホームページ」石田優子さんが書かれた本です。興味がある方は是非お読みください。--------------ウェブ・ユーザビリティ&アクセシビリティ・ガイドライン「使いやすい」ウェブサイトをデザインする上でのポイントは何か?「誰もがアクセスしやすい」ウェブサイトを制作する上での注意点は何か?今日のウェブサイト制作に必須になってきている、ユーザビリティおよびアクセシビリティ実装のガイドラインを80のポイントで明快に示す。ウェブデザイナー、ウェブマスター、および企業と自治体のウェブ担当者必携。【目次】第1章 ウェブのユーザビリティとアクセシビリティ/第2章 ユーザビリティとアクセシビリティの評価方法/第3章 ガイドライン1―サイトを作り始める前に/第4章 ガイドライン2―サイトの基礎デザイン/第5章 ガイドライン3―ページ要素のデザイン/第6章 アクセシビリティ指針--------------Designing with Web standardsXHTML+CSSを中心とした「Web標準」による Web designing booksより使いやすく、よりアクセスの増えるサイトをデザインするには?ウェブコンテンツJISに対応して、より高いアクセシビリティを実現するには?より高いユーザーエクスペリエンスを提供するには?メンテナンス・リデザインしやすいサイトを構築するには?サイトを検索エンジンに最適化するには?ウェブページのファイル容量を軽量化し、表示を早くするには?―すべての解決策は、「ウェブスタンダード」にある。XHTMLやCSS、DOMの協働による次世代ウェブデザインの指針と手法をまとめた、ウェブデザイナー、ウェブ開発者、および企業や自治体のウェブ担当者必読のバイブル。【目次】1 ヒューストン、トラブルが発生した(ウェブサイトの99.9%は時代遅れ/ウェブスタンダードによるウェブのデザインと構築/ウェブスタンダードに関するトラブル/XMLが世界を征する(そしてその他のウェブスタンダードのサクセスストーリー))/2 デザインと構築(モダンなマークアップ/XHTML:ウェブの構造改革/厳格なマークアップ、ハイブリッドなマークアップ/実例によるXHTML:ハイブリッドレイアウト ほか)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------Webブランディング成功の法則55著者: 生田昌弘 /キノトロープ 出版社:翔泳社 発行年月: 2005年 04月 本体価格:2,400円 (税込:2,520円) 「顧客から信頼を得るためのブランドを構築したい」「問題点を把握しブランディングの強化を図りたい」など、広告の中心でブランディングが叫ばれる現在、顧客とのコミュニケーションをささえる「メディア」として、Webサイトの果たす役割がたいへん重視されつつあります。本書では、Web制作会社の老舗であるキノトロープが多くの実績の中で培ったノウハウを、その成功事例とともに紹介します。また、本書そのものをWebブランディングの実践的なコミュニケーション・ツールとして使うこともできるので、すぐに仕事で役立てられるでしょう。 【目次】 第1章 Webブランディングとは(インターネットの普及が変えたこと/ブランディングの本質が問われる時代/Webサイトがブランディングのキードライバーとなる)/第2章 すべてはブランディングのために(Webサイトは、ユーザーのもの/Webサイトは何でもできる、だからといって全てに有効だとは限らない/Webサイトが本当にできること)/第3章 WebブランディングはWebサイト構築のあるべき姿(ターゲットとするユーザーは誰か/どんな問題を解決するのか/どうやって解決するのか/社員へのブランディングのために/どんな成果を求めるのか)/第4章 Webブランディングワークフロー(作る前に作り方を決める、すごくあたり前の話/目的の設定が最初の仕事/目的達成のために/具体的な戦略策定のために/より具体的な戦術策定のために)/第5章 Webブランディングを支える新技術(より深い顧客満足のために) ひこ星ネットワーク
June 21, 2005
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鉄腕アトムが本当に生まれるのはいつ? ロボットを題材にしたマンガ、映画、テレビドラマは多いのですが、実現するのはいつかな? という子供の頃の科学の夢を思い出しながら読みました。考える脳考えるコンピューター著書によると、人口知能には根本的な欠陥があって、コンピューに知能を持たせることは現状では困難だと書かれています。人間の脳は蓄積した記憶を使って、見聞きしたり、触ったものを予測に使っているけれど、この能力が知識の基盤なのだそうです。全てが予測どおりであれば、それは理解していることだと。コンピュータは人間が瞬時に判断する問題でもすぐに問題を解けない。例えば人は写真に猫が写っているかを0.5秒以内で判断できるが、コンピュータは何十億というステップの計算を必要とする。人は記憶から取り出すが、コンピュータは計算しようとする。用途が限られたロボットは近々普及するであろうし、一部では既に実現しているものもあります。ではスターウォーズのC-3PO等のロボットは実現するだろうか?人間の脳の構造に踏み込んで、知識を備えたコンピュータは実現するか、について正面から解説している書籍です。未来の科学の予測は過去の歴史が証明するように、ほとんど当たっていません。きっとこの本に書かれていることも外れるだろうな、と思いつつページをめくりました。ロボットの次はタイムマシンの予測かな?ハンドヘルドコンピュータ(片手で持ち運べるコンピュータという意味で、最近はあまり使われなくなりました。)の生みの親が書かれた本です。考える脳考えるコンピューター著者: ジェフ・ホーキンス /サンドラ・ブレイクスリー 出版社:ランダムハウス講談社 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,900円 (税込:1,995円)パームコンピューティング社とハンドスプリング社を設立し、数々のPDAを世に送り出してきたジェフ・ホーキンス。IT業界で大成功を収めるかたわら、彼はもう一つの情熱を追い続けてきた。脳を知りたい、脳と同じようにはたらく機械をつくりたい。そして今、大脳新皮質の「記憶」と「予測」の機能から、“真の知能”の姿が描きだされる。脳科学、コンピューター科学を揺るがす新たなビジョン。 【目次】 第1章 人工知能/第2章 ニューラルネットワーク/第3章 人間の脳/第4章 記憶/第5章 知能の新しい定義/第6章 新皮質の実際の働き/第7章 意識と創造性/第8章 知能の未来 ひこ星ネットワーク
June 18, 2005
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著者はソニーのAIBO開発責任者を務めた人です。この本は瞑想入門書ですが、仏教の教えを少しだけ知ることも出来ます。瞑想する時は力を抜くこと。ストレスで力が入った体をほぐすことが大事。不安や恐れを含めて、楽に生きるためのポイントが書かれています。瞑想の効用は心の準備体操。1.休憩:体を休め心をくつろがせる。2.自己治癒:薬に頼らず自分を癒すことが出来る。3.自己発見:心の闇や傷に気づく。4.自己実現:瞑想により潜在能力が目覚め、人生が楽しくなる。5.自己超越:仏教の悟りの方向。瞑想を続けていると、人生のゴタゴタに動じることが少なくなる。人生とはすったもんだの連続だと覚悟を決めると、苦しみに向き合うのも少しずつ楽になる。人間の心は、理論や理性ではコントロールできない。ありのままの自分を見つめ、受け入れることこそが楽に生きるためのポイント。現代社会では、あらゆる人がエゴの目的を達成しようと奮闘している。仏教的な言葉で表現するなら、煩悩の追及こそが社会の推進力になっている。かといって奮闘を重ねて競争社会の勝者になっても、幸福が約束されるわけでもない。お金や地位を得ても、それらは幸福の十分条件でも必要条件でもなく、かえって苦しみを増しかねない。瞑想の実践編では、具体的な瞑想のやり方が解説してあります。・心臓の鼓動を聞く瞑想・呼吸を数える瞑想お金が人生の全てと思っている人に読んでいただきたい本ですが、抽象的な話が多いので少し難しかったです。-----------------------宇宙の根っこにつながる瞑想法 著者: 天外伺朗 出版社:飛鳥新社 発行年月: 2001年 10月 本体価格:1,800円 (税込:1,890円) 付属資料:CD1 あの『AIBO』(アイボ:犬型ロボット)の開発責任者がやさしく伝授する、行き詰まった現代人のための実用的かつ合理的な瞑想入門。 【目次】 第1章 瞑想とは何か/第2章 だれもが瞑想の達人/第3章 瞑想が教えてくれること/第4章 瞑想の注意事項/第5章 瞑想しよう/付章 「マハーサマーディ研究会」の瞑想会 ひこ星ネットワーク
June 10, 2005
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「カール・ヒルティ」という思想家が残した著書から処世訓を抜き出して、この本の著者が解説した本です。この本を読んで今の時代に適用することに少しの違和感を感じる方もいるかも知れません。しかし時代は変わっても特に基本的なことであれば変わりはないと思いました。できる人になる生き方の習慣 スイスの哲人ヒルティが教える97の処世訓ヒルティは、何よりも必要なのは「いかにして働くか」ということだとして、自分の著書に働くコツを列挙している。たとえば・仕事の一番邪魔になるのは、主として怠惰である。人は誰でも生まれつき怠惰なものである。だから、肉体的に日常的な状態から脱却するためには常に努力を要するのである。・怠惰を抑えて仕事に向かわせるもっと最も有効な手段として役立つのは、習慣という偉大なる力である。・多くの仕事をするためには、エネルギーを節約しなければならない。エネルギーの節約をするためには、無益な活動に時間を費やさない心がけが必要である。・精神的な仕事、あるいは知的な仕事を簡単になし得るには繰り返すことである。ヒルティは繰り返し「習慣の重要性」を述べています。・消極的にある悪い習慣を捨てようと努力するよりも、常に良い習慣を養うように心がけなければならない。・人はなるべく子供の時から、より劣ったものを捨てて、より優れたものを選ぶという習慣をつけることである。(人生の宝は、道徳的な確信、教養、愛、誠実、仕事の能力や楽しみ、健康、幸せな家庭、友人、少しの財産である。それ以外のものはたいして価値がない。富や名誉、権力、享楽などとは相容れないもの。どちらを選ぶのか、断固たる決心を持つべし)ヒルティが生きた1833~1909年の時代はヨーロッパでは怠惰が最大の問題となり、働かなくなったことが次の心得を書いたきっかけになったようです。・時間を得る最良の方法は、一週に6日、一定の昼の時間に、単に断続的ではなく、規則正しく働くことである。・時間節約の主な方法の1つは仕事の対象を変えることである。仕事の変化はほとんど完全な休憩と同じような効果がある。(ひとつの仕事を仕上げてから次の仕事にとりかかるのはあまり利口ではないという)時と場合によっては、著書に書かれた内容とは違う対応のケースも出てくると思いましたが、人生の大部分では著書に書かれていることが適用されるのでしょう。できる人になる生き方の習慣 スイスの哲人ヒルティが教える97の処世訓著者: 渡部昇一 出版社:致知出版社 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,000円 (税込:1,050円) 『ヒルティに学ぶ心術』改題書 人生を幸福に生きるための仕事術、時間のつくり方。 【目次】 第1章 ヒルティと出会うことの愉び/第2章 仕事する技術―人生を成功させる知恵/第3章 エピクテトス―実践的な生活の心術/第4章 良い習慣―習慣のポシビリティ/第5章 時間のつくり方―内なる怠惰の克服法/第6章 病気治療法―病気は神の贈り物 ひこ星ネットワーク
June 1, 2005
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世界的なブランドも過去に大きな失敗をしています。この本には60の失敗事例が紹介されています。あのブランドの失敗に学べ!マーケィング史上に残る失敗として有名なのがコカコーラ。あまりにも派手だったので、専門家の研究対象になっているというから面白い。1970年代当時、ペプシコーラはブランドを隠し消費者に味覚テストを行ったところ、消費者はペプシコーラの甘い味が美味しいと言う。そこに負けじとコカコーラは新製品を開発して味覚テストを行った結果、消費者は新しいコカコーラの味が美味しいと言った。これを受けてコカコーラは古い商品から新しい商品に切り替えるようにしたのである。ところがコカコーラが以前の商品の販売停止を発表すると、多くのアメリカ人が新商品のボイコットをしたというのである。ここで初めて自分らしさというブランドに気付くことになる。他のどの会社よりも古きよき時代を彷彿させる、アメリカの象徴であったらしい。日本でも有名なものがある。ソニーのビデオレコーダー、ベータマックスである。ソニーがベータマックス技術を他社になかなかライセンスしなかったのに対し、日本ビクターはVHSを多くの企業にライセンスしていった。結果はご承知のとおり、すでにベータマックスのテープを電気店でみることはない。実は私が勤める会社でも大きな失敗があると聞いています。例えば、当時中小企業だった某社から協業の話が持ち込まれたが、お断りしています。その後、協業の事業が爆発的に人気をよびました。某社と協業したメーカー、共に大手企業へと成長し、最近では某社の社長はテレビや新聞をにぎわすような有名人になっています。多くの実業家が、失敗を繰り返して成功をつかむと言っているのを考えると、この本の意味するところが理解できます。個人の人生もそんなものかも知れませんね。一度や二度の失敗でくじけちゃいけないと、励まされているような気がしました。-----マクドナルド、ケロッグ、ソニー、ペプシ、ハーレーダビッドソン、GM、インテル、IBM、コダック…あのブランドさえも、こんな大失敗を繰り返していた。古今東西、燦然と輝く大失敗から笑えるマヌケな失敗まで60事例を紹介。 【目次】 第1章 なぜ、ブランドは失敗するのか/第2章 燦然と輝く大失敗/第3章 アイデア倒れによる失敗/第4章 ブランド拡張の失敗/第5章 広報活動の失敗/第6章 異文化の壁による失敗/第7章 人的な失敗/第8章 ブランド再構築の失敗/第9章 ドットコム・ブランドの失敗/第10章 疲弊したブランド あのブランドの失敗に学べ!世界で笑われた有名企業60の(恥)事例 著者: マット・ヘイグ /田中洋 出版社:ダイヤモンド社 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,800円 (税込:1,890円) ひこ星ネットワーク
May 27, 2005
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この本は独立したいけど、はじめの一歩が踏み出せない人のための本です。ブログを使って起業する方法を知ることが出来ます。1.オンリーワンのテーマを発見する2.それが他人のために役に立つか調べる3.道具はブログとインターネット4.価値をお金に変える5.起業する本の表紙にも書かれている通り、5つの項目についての説明が親切に解説してあります。私がこの本を読みたいと思ったのは、本屋さんで見ているときに「オンリーワン」というキーワードに引かれ、私だけの持ち味、私だけのものって何だろうという疑問がわき、ブログへの思いをもう一度整理したくなったのでした。お金儲けだけであれば割り切ったブログを作ることが出来るのに。私は何を求めているのだろう。私は自分の心と向き合うために選んだ本です。起業をキーワードにしていますが、人生の生き方に共通するものです。オンリーワンを見つけることが起業への成功だと書かれていますが、私は生き方の上でも「オンリーワン」が一番重要だと考えるようになっています。但し、起業に関する記述が大部分でしたので、起業を目的としない方は立ち読みされるのが一番でしょう・・・本屋さん、変な勧め方でごめんなさい。著者: 中野瑛彦 /藤井孝一 出版社:明日香出版社 発行年月: 2004年 11月 本体価格:1,400円 (税込:1,470円) 【目次】 第1章 ブログはカンタン、楽しい、儲かる―基礎編/第2章 こんなにあるブログのメリット―知識編/第3章 さあブログを試してみよう!―準備編/第4章 オンリーワン戦略を作れ!―戦略編/第5章 5つの戦術―戦術編/第6章 ブログで収入をアップする―応用編 ひこ星ネットワーク
May 23, 2005
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本のタイトルから想像したとおり、大阪のおばちゃんから元気をもらう本でした。どや!大阪のおばちゃん学各章には大阪のおばちゃん語録が紹介されていますが、これを見ているだけでも元気が出ます。・「兄ちゃん、今日は1000円にしとこ、な?」店の値段を勝手に決める。・「兄ちゃん、男前やなあ。好っきゃでぇ」値切り倒した後でひと言。・値切って「二匹もらうから、まけとき」・・もらって「タダな」・自分のバッグを見せて「これなんぼやと思う」 他人のバッグを見て「それ、ナンボしたん」・知らない人にも「どこ行かはるの?」・「テレビ画面に突っ込む。「なんでやねん。んなあほな」・犬に向って「えらいなあ。散歩してんの」 外国人にも「どないしはったん」何歳から大阪のおばちゃんかという問題にも、35歳というキーワードは出てきますが、年齢に関係なく、大阪のおばちゃんは毎年ちゃくちゃくと育成されているようですよ。著書では同じおばちゃんでも、芦屋、東京、京都、名古屋、などとの比較により、大阪のおばちゃんの存在が全国的にも珍しい存在であることが分かります。オバタリアンとの違いについても言及しています。著者は大学の先生であり、この本は、生徒と共に研究し成果を発表した集大成ではないでしょいうか。面白いので一気に読んでしまいました。それにしても食べ物屋さんで『「おばちゃん、ごきぶり」と文句を言うと「若いもんが好き嫌い言うててどないすんねん。なんでも食べやな」』と言われたら、他人だと笑えるけど、自分だったら口がふさがらないかも・・・。大阪のおばちゃん度チェックリスト、誰でも簡単に「大阪のおばちゃん」へ改造計画方法、の付録付きです・・・笑どや!大阪のおばちゃん学著者:前垣和義 出版社:草思社 発行年月:2005年02月 本体価格:1,400円 (税込:1,470円)大阪のおばちゃんは最強である。飴ちゃん一つで人の心をわしづかみ。厚かましさを愛嬌に変える人心掌握力は見事である。大阪のおばちゃんはブランドである。アメリカ元大統領にも容赦ない質問を突きつける。本質にズバリ切り込む交渉力は世界に誇れる。大阪のおばちゃんは前向きである。道に迷う人あれば、行って知らない道を堂々教える。いまこの行動力と楽天主義に学ぶべきことは多い。不況で元気をなくした現代日本社会に必要なのは活力である。「大阪のおばちゃん」のパワーの本質を学べる、画期的な文化論。【目次】第1章 おばちゃん・おかん・大阪女/第2章 値切りはコミュニケーション/第3章 ケチやろか?/第4章 「豹変」おばちゃん/第5章 格好よりも実質/第6章 大阪のおばちゃんが日本を救う/第7章 大声!ダミ声?大笑い!/第8章 おばちゃんは座る/第9章 ちょっとどいて/第10章 大阪のおばちゃんは永遠なり/第11章 大阪は女性が強い街 ひこ星ネットワーク
May 20, 2005
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プロカウンセラーのコミュニケーション術仕事が辛くて会社を辞める人より、人間関係で辞める人が多いという。円滑な人間関係に不可欠な対話について事例と共に解説してくれる本です。「言った方は水に流すが、言われた方は岩に刻む」という格言の通り、人間は他人の言動には敏感だが、自分の言ったことには鈍感であると。そして屁理屈というのは、相手が言っている時はすぐにわかるが、自分が屁理屈を言っている時は気がつきにくい。でも簡単に自分の屁理屈に気付くことが出来る。その方法は「自分の哲学や理論を言っている時は相手はどこか納得している。屁理屈の時は相手も屁理屈で切り返す。」「私は○○と思いますが、ご意見がございますか。」という言い方の逆説の接続詞「が」には「我」を含んでいる。自分の意見を婉曲(えんきょく)に表現する場合につかうのだとか。著書によると無意識に使っていると相手を怒らせたりする場合もあるようです。意見が違う時には相手の心情が分かるようにコミュニケーションを進めることが重要。「でも」も同様だという。悪口を言いたい他人の欠点は、実は自分の中にも同じような欠点があると断言されています。もしも子供や部下に欠点を矯正しなければいけないときには、抽象的な指摘ではなく、欠点を克服する具体的な解決方法を伝えることだそうです。言葉には「性差」があるけれど、男らしい言葉使い、女らしい言葉使い、というものとは違う。女性の言葉の使い方や概念は子供のものと似ており、男性の言葉の使い方はトータルで感じているというのです。子供が言うことはトータルなことではなく、個別の行為を言っていることが多い。男女間で「どうしてあなた(お前)は、そういう言い方しかできないの」というときは、同じ言葉でも意味がちがうことがあると警告しています。結婚には「魅力型カップル」と「理解型カップル」があるそうです。「魅力型カップル」は意気投合して相手がすーっと理解できるけど、お互いを知り得ないがゆえの魅力を感じているわけで、同時に相手を理解できにくいことを意味している。「理解型カップル」は相手を理解できるが、似ているためにマンネリになり易い。それぞれのタイプ別に克服する方法を解説しています。信頼される性格は口が堅く、素直で、悪口を言わない。秘密を守れる人は他人と自分を区別できる人。どうしても秘密を言いたくなった時の解決方法も解説してくれています。煙突掃除と避雷針を例にあげて。結局のところ、コミュニケーション技術だけでなく、人間性を磨くことが重要のようです。ベストセラーとなった前書『プロカウンセラーの聞く技術』はノウハウ的な本でしたが、この本はノウハウ的な本ではありません。プロカウンセラーのコミュニケーション術 著者: 東山紘久 出版社:創元社(大阪) 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,400円 (税込:1,470円) ◆目次 はじめに 1.屁理屈の陰に本心あり 2.否定の気持ちには肯定がある 3.こころは柔らかく柔らかく 4.「が」をはらず「でも」はコントロールして 5.「われわれ」「みんな」は、私の代名詞 6. 他人への悪口も身の内のこと 7.理屈と人情──「それで…」の使い方 8. 集団と個人 9. 夢は生きるエネルギー 10. 夢と現実──「~したい」と「~する」の区別 11. 孤独と除け者に悪魔は迫る 12.依存性は甘い麻薬 13.楽しいお酒は依存症にならない 14.ロマンの素は子ども的こころ 15.わからないことは元から考える 16.気になる他人の欠点は自分の潜在的欠点 17.儲け話は人にはしないもの 18.「男心は男でなけりゃ」「女心は女でなけりゃ」 19.似た者同士はわかりやすく、異なるもの同士は魅力がある 20.肉体関係を持たなかった男女は一生の友達 21.秘密を守るための煙突 22.自他の区別は安らぎを与える 23.知ることは理解のはじまり 24.終着駅は始発駅 25.宗教者は人間である 26.内なる声と外からの声 27. 身体表現と感情表現 28.些細なことの重要性 29.本音と建前──京文化の知恵 30.純粋と汚れ、正義の邪悪 あとがき プロカウンセラーのコミュニケーション術 著者: 東山紘久 出版社:創元社(大阪) 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,400円 (税込:1,470円) ひこ星ネットワーク
May 13, 2005
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著者の永守氏は28歳で日本電産を設立、今は9万人を超える巨大グループに育てた方です。この経営哲学は会社経営だけではなく、普段の生活でもハッと思わせることがたくさん書かれていました。情熱・熱意・執念の経営 すぐやる!必ずやる!出来るまでやる! ・新入社員は1年間トイレ掃除をする習慣があり全て素手でするそうです。1年間続けるとトイレを汚す人はいなくなるそうです。放っておいても工場や事務所も整理整頓ができるというのです。これが品質管理の基本というのです。たぶん自宅でも乱雑にしている家庭と整理整頓している家庭では、子供の精神発達でも違いがでるのかと思ったのですがどうでしょうか。・2005年の正月、6000名を超える社員から年賀状が著者に届いたけれど、全てに一言添えて返事をだすというのは驚きでした。がんばってくださいではなく「この間の君の髪型は・・・」と相手のことを知っていないとかけない内容ばかり。社員に関心がないと出来ない。最近事故を起こした某会社では社員に関心はないんだろうなぁ。社員どころか顧客にも関心がなかったからボーリングもしていたようだしねぇ。・「楽をして儲かることはない」「うまい話には必ず落とし穴がある」「理屈よりも行動することが大切」・・・耳が痛い。自分が働く会社は理屈が多いと思っている方も多いでしょうね。(私もです)・飛行機で世界的なピアニストと偶然席が隣合せになったときに、鍵盤の模型を出して練習を始めたのをたずねると、「1年365日練習が欠をせない。1日休むと自分にわかる。2日休むとパートナーにわかる。3日休むと観客にわかる」と言われたというのでした。実はこの言葉知っていました。私も昔スポーツをしていたときにこの言葉を胸に1日も休まずに(正月も)練習していましたから。私のしていたスポーツ?プロフィールをどうぞ!・倒産する会社の共通点は、工場清掃が行き届いていない、出勤率が悪い、社員同士が挨拶しないなどの当たり前が出来ていない。これを改善するだけで赤字経営から脱却できると書かれています。私も多くの会社を訪問しますがこのことはいつも感じます。・採用したい人は心に火種を持って自分のやる気に自ら火をつけられる人。創業期には「大声試験(文章を読んでもらって声の大きい人から順に採用」「早飯試験(お弁当を早く食べた人から採用)」をしたが、現在はそういう人たちが幹部社員となって活躍している。学校から受け取った成績表は5年間未開封にしておき、5年後に学校の成績表と社内の成績を比較したところ両者は無関係だとわかったと書かれています。・天才は例外として、普通には能力は2~3倍程度の違いだが、やる気、意欲、意識の差は100倍になると書かれています。だからこそトップは社員の意識向上に全力を注いでいるようです。----------次々とM&Aを展開して伸び続ける日本電産の強さの秘密とは? 強烈な個性を持つ創業者が語った経営哲学を集大成した一冊。1973年、28歳のとき、わずか3人の仲間と創業した日本電産が、いまや精密小型モータで世界トップシェアを誇る企業に。さらに、グループ企業110社、社員9万名、連結売上高4、800億円、営業利益485億円という規模にまで成長。創業者の永守重信社長は、強烈な個性を持った経営者として知られ、「早飯試験」「大声試験」といった独自の採用で話題を呼んだこともある。また、長野の名門企業・三協精機を傘下に収めるなど、積極的M&Aを展開し、攻めの経営を続けている。その永守社長の語録を集大成したのが本書である。鉄則は「あきらめない」/一番以外はビリと同じ/一人の百歩より百人の一歩/学校と会社の成績は無関係/教育しても無駄な人/部下に仕事を任せる心得/事業の基本は販売/技術者に必要なコスト教育/数字オンチが会社をつぶす/倒産する会社の共通点/など、経営の真髄が濃縮されており、座右に置きたい教科書といえる。永守重信[ナガモリシゲノブ]1944年8月、京都府生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。73年7月、28歳で日本電産株式会社を設立。88年、創業15年にして大阪証券取引所2部、ならびに京都証券取引所に上場。その後、98年には東京証券取引所1部上場、及び大阪証券取引所1部に昇格。さらに、2001年9月にはニューヨーク証券取引所に日本企業として15番目の上場を果たす。80年代後半からは、駆動技術に特化した事業の強化・拡大に向け、M&Aを積極的に展開。この十数年で東証1部上場企業の(株)三協精機製作所、(株)コパル(現・日本電産コパル)など5社の上場・公開企業を含め傘下に収めた企業は20社を超える。2010年の売上高1兆円、社員10万人の企業グループ実現に向け驀進中であり、今、日本で最も積極的な経営者として注目を集めている 情熱・熱意・執念の経営 すぐやる!必ずやる!出来るまでやる! 出版社:PHP研究所 本体価格:1,000円 (税込:1,050円) ひこ星ネットワーク
May 10, 2005
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今大変なベストセラーです。薬学部の学生に妊娠から出産までのドキュメンタリー番組を見せたところ、女子学生のほとんどが「大変勉強になりました。新しい発見がたくさんありました。」という感想。一方の男子学生は一様に「こんなことは既に授業で知っていることばかり」という答え。同じものを見ても正反対の反応。こうした事例を挙げて、自分が知りたくない情報は自主的に遮断していることが「バカの壁」だと書いています。「分かっている」という人は分かっていない、と言いますが、これはこのことをさしているのでしょう。次々と問題提起されることが、目からうろこの本でした。「常識」「共通了解」「個性」「定冠詞」「神」「脳に3倍のしわを持つ超人」「無意識」「ゆとり教育」など。雑学と常識の違いの話。お葬式で笑う個性の話。幼稚園用の芋畑は抜きやすいように最初からほってある畑の話。教育現場のサラリーマン化の話。大きくなって非行に走った子供は三歳までに母親が「この子は育てにくい子だ」と書いていた確率が高いという話など。世の中、変わるものと変わらないものがあって、世間では変わるものと変わらないものが逆に考えられている。例えば鐘の音は物理的には変わらないのに、日によって違って聞こえるのはなぜか。それは個性が変化するから。ガンになって半年の命と言われたら、見ている桜も違って見える。実際にはいつもと変わらない桜なのに違って見えるのは自分が変わったから。それが知るということ。容易に「わかる」「話せばわかる」と思う姿勢は強固な壁の中に住むことになる。向こう側のこと、自分と違う立場のことは見えなくなる。と警告しています。人の心は複雑です。心を持つ脳について知ることが出来る本でした。-----------イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方が分かってくる。人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示する。【目次】第1章 「バカの壁」とは何か/第2章 脳の中の係数/第3章 「個性を伸ばせ」という欺瞞/第4章 万物流転、情報不変/第5章 無意識・身体・共同体/第6章 バカの脳/第7章 教育の怪しさ/第8章 一元論を超えて見えない「壁」がわかると世の中が見えてくる。気が楽になる。 「話せばわかる」なんて大ウソ! イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人。互いに話が通じないのは、そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちを囲む様々な「壁」。それを知ることで世界の見方が分かってくる。 発行年月: 2003年 04月 本体価格:680円 (税込:714円) ひこ星ネットワーク
May 2, 2005
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