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2007年04月29日
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カテゴリ: サキのあゆみ
ママ、サキはタイトルをもらったら、すぐにお話が創れるよ ウィンク

ある日、車の中で突然、娘のサキが言いました。
娘は当時小学5年生、ストレスから昼夜逆転の生活、そして不登校の真っ只中でした。


「えっ?

お話をびっくり

それはすごいね

じゃ、ママが何かタイトルを言ってみてもいい?」


「うん♪」

そのとき、私の目の前には信号がありました。

「じゃ、”信号”で何かお話を創ってみて!」

そしてそのことばどおり、娘はその場で2つの物語を私に創って聞かせてくれました。
”信号”をテーマに、まったく違う物語を、本当に即興で創ってしまった娘。
これまでさんざん絵本の読み聞かせをしてきた私ですが、その物語はとにかくユニークで、心に深く残るものでした。


て、て、天才だ!!! びっくり

毎度の親バカで恐縮です。私は基本的に我が子に対して”天才”ということばは使いません。でもこのときばかりは心の底から、そう思いました

娘はLD(学習障害)のため、頭に浮かんだ物語を、自分でそのまま書きとめることができません。そればかりか、2~3日も経つと、きれいに忘れてしまうのです。

これが消えてしまうのは、あまりにもったいない!


そう思った私は、家に帰るとすぐにサキに確認しながら、2つの物語をパソコンに打ち始めました。

実は…
私、機関紙の編集の仕事もしているのです。
つまり「人の話を聞き取って書く」ということが、得意なのでした。


こういう時のために、編集の仕事をしていたのかもね♪

そうして出来上がった2つの物語のうちの1つを、

キッズエクスプレス21創作童話コンテスト2007

に応募してみることに。

もちろん、親が代筆したことも書き添えて…

その作品は見事、

厚生労働大臣奨励賞

を受賞しました。

P1000159.JPG

驚いたのは、サキでした。

ママ、これってすごいの?

サキって、すごいの?


「すごいよ~~!!!

こんな賞、誰もがもらえるものじゃないよぽっ


どうやら娘は、自分のことを”頭が悪い”と思っていたために、自分にできること(タイトルをもらうとお話が創れる)なら、誰でも当たり前にできるんだろう、と思っていたようです。

今の娘は、もう同じことを同じようにはできません。
今はひたすらイラストやキャラクターデザインに没頭する毎日です。


もしかすると、あの頃あんなに夢中で優しい物語を創作しつづけたのは、あまりに傷ついた心を癒すため、自分の心を守るための、彼女なりの防衛反応のようなものだったのかもしれません。

連休中に来てくださったみなさんに、この作品を読んでいただけると嬉しいです。

ひなたまさみ



『信号の兄弟』


ある町に信号の兄弟がいました。
それは歩行者用の信号で、上の赤い信号がお兄さん、下の青い信号は弟でした。
お兄さんは、いつも弟を見てプリプリ怒っていました。

(オレはどうして赤い光なんだろう?オレが光ると、人はみんなイライラした嫌な顔になってオレをにらみつける。

ところがひとたび弟が光り始めると、みんな嬉しそうに歩き始めるじゃないか。オレは赤じゃなくて、青い光に生まれたかったよ)

ある日、とうとう我慢できなくなったお兄さんは、弟が光る番がきても、自分もずっと光り続けてしまったから、さあ大変!

「兄さん、もう僕の番ですよ。光を止めてください!」

「うるさい!お前は弟なんだからだまってろ!」

そこを渡ろうとしていた人々は大混乱!

「なんだよ?どっちなんだ?」

「危ないじゃないか!」

「この信号、壊れてるんじゃないか?」

あっという間に大騒ぎになり、その信号の兄弟は修理のため、眠らされてしまいました。

次に目が覚めたとき、驚いたことにお兄さんと弟は、反対の色に入れ替わっていたのです。
つまり、お兄さんは青信号、弟は赤信号になった、というわけです。
お兄さんは自分のなりたかった青信号になれたので、大喜び。張り切って光り始めます。
一方弟の方は、そんなお兄さんを心配そうに見つめていました。

(このままずっとお兄さんが機嫌よく光ってくれればいいのだけれど・・・)

やがて、弟の心配したとおり、お兄さんはまた怒り始めました。

(オレはずっと青い光になりたい、と思っていた。それは、目の前にいる人たちの顔しか見ていなかったからだ。横を見ると、オレが気持ちよく光っているというのに、車の中にいる人たちは、ずっとオレをにらみつけているじゃないか。そしてみんな、弟の赤い光を待っているんだ。そんなことってあるかい?オレはやっぱり赤い光に戻りたいよ)

「おい、弟。お前はどうしてそうやって、いつもオレの邪魔ばっかりするんだ?」

兄さん、僕は兄さんの邪魔をするつもりはないですよ」

弟はとうとう悲しさのあまり、光を出すことができなくなってしまいました。
弟が光を失ったことを知り、途方に暮れるお兄さん。
そのとき空の上から、お母さんの声が聞こえてきました。

「そろそろ目を覚ましなさい!

あなたはいつもそうやって、人をうらやんだり、ねたんだりしてばかり。

たった一人の弟の光をうばったあなたは、弟の命をうばったのと同じ罪を犯したんですよ。

あなたは信号。人の命を預かる大切な役割を授かっているのです。

今度はたくさんの罪のない人たちの命までうばおうというのですか!」

お兄さんは、ようやく自分の役割が何だったのかに気がつき、光を失ってしまった弟の分も、一人で赤い光と青い光を出すようになりました。
それでも一人ぼっちで頑張らなくてはいけないので、その信号だけはいつもまわりの信号よりほんの少し遅れてしまいます。

やがて、町の人々はその信号のことを「一生懸命で鈍い信号」と呼ぶようになりました。



melon.png

娘サキ(中1)の絵本『メロンパンの一日』が、オンラインゲームになりました。触って、動く絵本、ほのぼのとしたストーリーの読み聞かせゲームです。現在、フリーで公開中!ぜひ、見てやってくださいね。

ゲームのやり方がわからない方は 「メロンパンの一日のすすめかた」 を参考に、素敵なエンディングの曲までたどり着いてくださいね~!





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最終更新日  2007年04月29日 08時36分11秒
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