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2011年09月01日
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「奇ッ怪 其ノ弐」

前作に当たる 「奇ッ怪」~小泉八雲から聞いた話~  が面白かったのでまた観る気になったのですが、
世間的にも評判がよかったのか劇場がシアタートラムからお隣のパブリックシアターの方に出世。

3階席でしたが役者さんの表情もまあ見えてよかったです。
舞台は上げ底の床に何箇所か穴が開いていて、ずいぶん奥行きがある感じ。
ちょっとよそ見をしていたら、まだ会場が明るいうちにいつの間にか役者さんが舞台に立っていて「いやーん見逃した~」とあせりました。
どうやらその穴から出てきた模様。白いマスクをつけていてふらふら歩く様がコワイ!


前作と同じく、大筋の話の流れの中にちょっと不思議で怖い挿話をはさむという形式で、


前作はサブタイトルに”小泉八雲”とあるように、民俗学っぽいちょっと懐かしい昔の日本といったお話が多かったのに対し、
今回は”現代能楽集”のシリーズのひとつというせいか、舞台はバリバリ現代。臓器移植とかうつ病とかのモチーフがいかにも今っぽく、どこが能楽?という感じ。

しかし能楽と銘打っているように、根底を流れるテーマは死者との対話が基本。
何も語らずただその辺りをさまよっている死者もあれば、生者と見まごうばかりに能弁な死者も。

舞台となっているのが廃村の朽ち果てた神社で、しかもある事故で村人が突然いなくなったらしい - と聞くと、観客はどうしても原発事故を思い起こさざるをえないですよね。

実際は火山地帯だったため硫化水素が一箇所に溜まったせいだと徐々に語られていくのですが、
それまで普通に笑ったり祭りの準備をしたり子供の誕生を願ったりしていた人々の暮らしが突然断ち切られてしまう様は、やはり震災を意識して書かれているような気がしました。
自分が死んだことも認識してないような死に方をすれば、そりゃ心も残るよねえ…

主要な役者さんは前回と同じ。
怖い一辺倒ではなく、コミカルなセリフやシーンもあってメリハリが利いていて面白かった。
休憩なしで1時間40分あまり、丁度いい分量かな。





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最終更新日  2011年09月02日 13時26分11秒
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