みんみんのざる碁日記

みんみんのざる碁日記

2011.01.17
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カテゴリ: 政治経済
日本社会には現実とはほど遠い美しい建前を掲げる傾向がある。外交などの場において戦術的に意図してやるのは構わないのだけれど、無意識のうちに真剣にやってしまうと戦前の八紘一宇や大東亜共栄圏のように国家を破滅に追いやりかねないのだ。

とくに法律に関して、建前(条文)や立法の趣旨と現実が乖離しているのを放置するのはマズイ。端的な例は憲法第9条である。

日本の法人税法が多国籍企業への課税に対し、全世界所得課税・外国税額控除方式をとっているのも現実と乖離している悪い例なのだ。

司馬遼太郎氏が1970年代に日本の土地投機は奈良時代に起因していると指摘した。大宝律令(701)によって、土地は原則として公共財産であると規定した。これ現代の中国と同じなのだ。国民は口分田を国から借り受ける権利がある。一方で納税・公共工事・兵役の義務を負うという原則だった。
しかし、三世一身法とか墾田永年私財の法ができて土地所有権が国家ではなく、寺社や貴族などに移ってしまい、私有が強く認められるという伝統ができてしまった。大宝律令は明治維新まで廃止されていなかったため、土地は公有という建前と正反対の現実が千年以上共存してしまった。

これが日本人の法律に関する考え方を規定してしまった、と司馬氏は指摘した。憲法第九条があるのに自衛隊があっても矛盾を感じない国民性は千年の伝統によって育まれたらしい。

法を重視しこれを遵守する姿勢がないと民主主義とか現代社会とか機能しないはずだ。法が現実と乖離しているのを放置していてはいけない。税法に限ってもヘンなのはたくさんある。その矛盾を最も巧みに付いてくるのは外国人と多国籍企業なのである。





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最終更新日  2017.12.21 14:03:19
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