「きらりの旅日記」

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ほしのきらり。

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2022.05.13
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​​​​​​​ヨハネス・フェルメール『手紙を書く女と召使』は、彼の手紙を書くテーマの変形型であります

フェルメール作目.31 ​『手紙を書く女と召使』​

Schrijvende vrouw met dienstbode,1670-1671

​『手紙を書く婦人と召使い』 1670年頃​​

​『手紙を書く女と召使』​


油彩 カンヴァス 72.2cmx59.5cm

National Gallery of Ireiand/Ireland,Dublin

ダブリン「アイルランド・国立美術館」所蔵。
(プレシントン・アイルランド・アルフレッド・ベイト・コレクション)

​(東京・上野の森美術館「フェルメール展」外部展示物。部分)


1670年代のフェルメールの作品は・・・

今日、1660年代の作品ほどには評価されていない。


初期の作品より冷たい感じがする。

すなわち、

人間の心理を描く関心がなくなってきたように思われるし、

構図に落ち着きと独立性がなくなっている。


これらの変化は、

彼の芸術的精力が

衰えてきたことによるかもしれないが、

全体的に、

オランダ芸術の画風の展開を特徴づけていると言える。


これらの作品を評価する場合、

1660年代のフェルメールの作品を参考にして判断する前に

まず、

それらの作品の下敷きとなっている

着像を理解する必要がある。

​​『手紙を書く女と召使』は・・・​​

この点で有益な作品である。

というのは、

1660年と1670年の作品の

橋渡しをしているからである。


静かな控えめな人物や主題は、

1660年代の作品のそれを思い起こさせるが、



フェルメールが遠心性の構図

(焦点が、絵の中心から外へ引き離されている)

を試み始めた最初の作品である。

​​​​ ヨハネス・フェルメール
Johannes Vermeer
(1632-1675)


1632年10月31日?〜1675年12月15日?(43歳没)

 Jan van der Meer van Delft
ヤン・ファン・メール・ファン・デルフト

オランダ(ネーデルランド共和国)デルフトの画家。

バロック期を代表する画家のひとり。

​​フェルメールは・・・​​

「手紙を書くテーマ」 のもう一つの変形をここで示している。


すなわち、

届けなければならない手紙を持っている

召使いのしぐさである。

『女主人と召使い』


『恋文』 では、



女主人の手紙に対する反応が完全なものとなっている。



​この絵の場合

二つの形態を、いっしょに描かずに、

フェルメールは別々のほうを向かせている

心理的にも感情的にも、

彼女らは異なった世界にいる。


女主人は・・・

一心に手紙書きに没頭している。


召使いは・・・

腕を組み立って静かに待っているが、

顔をそむけ、

窓のほうをじっと見ている。


黒い額縁の力強い幾何学的な形だけが、

視覚的に彼女らを結び付けている。


人物の静寂なしぐさにもかかわらず、

かすかな緊張が画中に明らかである。


この緊張は、のちの時代の作品に、

いっそう強く表れている。


『信仰の寓意』

『ギターを弾く女』 においては、

人物は明らかに、

彼らの注意を、

作品の中心から外へ向けている。


フェルメールが、

この効果を求めるようになったのは、

初期の作品の孤立的な人物画に、

もはや満足していなかったからであるように思われる。


フェルメールが・・・

新しい構図上の前提を、試みていたとしても、

同じ視覚的絵画表現を使用しつづけ、

彼の絵の意味を強調させている。


たとえば、

後ろの壁画の大きな絵は、

もっとサイズが小さいが
​​
『天文学者』 でも現われた絵のテーマ、

「モーゼの発見」を示している


手紙を受け取る人が、

愛され守られるであろうという願望を表す。

神の摂理にも関連があるのではなかろうか。


この象徴的表現は、

ロマンティックなというよりは、

むしろ宗教的な意味合いを含んでいるが、


『恋文』 のバックの壁画に描かれた

海洋画の表現と類似していると言えよう。



(参考文献:美術出版社/VERMEER​​
アーサー・K.ウィーロック.Jr.著より)
(写真撮影:ほしのきらり)​​



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最終更新日  2022.05.13 00:10:09
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