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October 14, 2013
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私たちは間近で国が滅びたり、また新しく起こる様子を見ていませんが、世界のどこかで戦争が絶えず起こっています。この本も、ある国が滅びる様を描いています。

ノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローさんも、この作品と同じ新潮社クレストブックスから本を出しています。クレストブックスは結構本の選択眼がいいシリーズだと思っています。





ガラスの宮殿
The Glass Palace
アミダヴ・ゴーシュ

日韓併合100年の談話にせよ、長崎原爆投下の日の米国大使の対応にせよ、被征服者と征服者の視点が異なるが故の違和感というのは、どこの世界にも、また、どこの時代にもある。

本書もまた、被征服者と征服者の衝突から物語が始まる。長きにわたりインドを支配してきたビルマが、イギリスとの闘いで敗れる。本篇の最初のヒロイン、ビルマ人のドリーは、王室につき従ってインドで軟禁生活を送る。一方のヒーロー、ラージクマールはインド人で、たった一人でビルマにやって来る。そして英領インドに併合されたビルマで、材木商として財を為してゆく。そんな彼を助けるのが、中国人孤児のサヤ―・ジョン。離れ離れだったドリーとラージクマールを引きあわせるのは、インド人収税官の妻クマ。
彼等をはじめとして、物語の主要人物たちは、もともとの国籍とは別の国で生きる運命を負う。もちろんそこには二つの大戦を経た激動の二十世紀と、ビルマという国の歴史が関わっている。

しかし彼等はただ、国や時代といった、大きな力に、ただ流されて生きてはいない。

これはラージクマールの生き方について述べた文章だが、他の人物達も概ねこの生き方を貫き、人生を全うする。
離れ離れだったドリーとラージクマールを引きあわせたインド人収税官の妻クマは、夫の死後はエリート官僚の未亡人という予定された道とは全く別の世界に身を投じる。愛し合って結婚したラージクマールは、息子を思い通りにしようとして悲劇を迎える。ドリーは愛し合って結婚したラージクマールとは別の支えを見出してゆく。国に全く影響を受けないわけではないが、その中で自分というものをしっかり持って生きるという点で、国家と個人を対立的なものと捉えた小説とは一線を画している。

脇役達もそれぞれ強烈な光を放つ。「権力はかくして衰えるものなのだ。ひとつの支配の幻想が弱まり、次の支配の幻想が取って代わろうとしているのがありありと見える瞬間に。世界がその拠りどころとしている夢から解き放たれ、結局は生き残ることと自分の身を守ることだけがすべてなのだとあらわになる瞬間に。(p54)」軟禁された王妃の口を通じて語られる権力の虚しさ。
「いついかなるときでもその安全と名誉と幸福を第一に考えなくてはいけない国とやらのことだ-それって何なんだ?その国はどこにある?本当のところ、お前にも俺にも国なんてないじゃないか-だとしたら、いついかなるときでもその安全と名誉と幸福を第一に考えなくてはいけない、そんな場所はどこにある?それに、俺たちが誓いを立てたのが、国に対してではなく英国王兼インド皇帝に対してだったのは-つまり帝国を守るためだったのは-いったいどうしてなんだ?(p388)」ウマの甥アルジャンの同僚、ハーディからは、植民地下の国でアイデンティティを見つける難しさを見いだせる。

さまざまな立場の者がモノを言い、それによって20世紀のアジアを俯瞰的に見ることができる。
それでいて少しも重さを感じさせない。読者の年齢によってもさまざまに捉え方が異なると思う。ぜひ何度もこの作品を味わっていただきたい。







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最終更新日  October 18, 2013 12:11:59 AM
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