セルフィッシュなブログ

セルフィッシュなブログ

PR

Comments

コメントに書き込みはありません。
2013.02.02
XML
カテゴリ: 小説
 前をぼ一っと見ながら意識は彼女の方を向いていた。ひょっとして・・・。という考えをさっきの恥ずかしさが否定した。
なんだか落ち着かずにいる僕の後ろから「マー<ん」と声をかけられた。「マーくん」と呼ばれるのはいったい何年ぶりだろう、それにこの声。
 僕はゆっくりと振り向くと、彼女はまっすぐ僕をみつめていた。心臓が止まりそうになりながら僕も彼女を見つけ返した。
 彼女に話したいことはたくさんあるのに何を話したらいいか判らなかった。
 永遠と思えるような瞬間が過ぎ、彼女は優しくほほえんでくれた。僕は関を切ったように母が亡くなってからの経緯をいっきに話した。今日、なぜここにいるのかを。
彼女は黙って最後まで聞き終えてから葬式に来てくれていたことを教えてくれた。
「そうなんだ、全然知らなかった。親戚とちょっと話していたころだったのかなあ」会えなかった事が残念に思えたけれど、今こうして話しているのだから満足だ。


                      つづく





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.02.02 16:47:19
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: