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源氏物語〔36帖 横笛 20〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。歌は、笛竹に吹き寄せる風のように、この音が末の世までも長く伝わってほしい。そして静かに続けた。私には、あれ以上に望んでいたことがあったのです。その言葉には、生前ついに果たすことのできなかった思いと、女三の宮への執着、そして大将へ託そうとした願いの全てが込められているようだった。柏木が「私にはもっとほかに望んだことがあった」と言い終えたところで、大将はその真意をさらに聞き出そうとした。しかし、その時、若君が寝ぼけて激しく泣き始める声が聞こえ、夢はそこで途切れてしまった。若君は泣き続けたうえに乳まで吐いたので、乳母はあわてて起き上がって世話を始めた。夫人も灯火を近くへ持って来させ、顔にかかった髪を耳へかき上げながら幼い子を抱き、優しくあやした。色白の夫人は胸元を開き、泣き続ける子に乳を含ませようとした。若君も母によく似た色白で美しい顔立ちをしていたが、思うように乳が出ない中でも、夫人は少しでも子が安心するよう懸命に抱き続けていた。
2026.09.08
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源氏物語〔36帖 横笛 19〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。もっとも、人は相手を遠くから思い描いているうちは理想ばかりが膨らみ、実際に近づけば思い描いていた姿との違いに失望することもある。恋だけでなく、どのようなことでも空想を重ねすぎれば、やがて幻滅が生まれるものだと考えた。そう思いながら、今度は自分と夫人との年月を振り返った。まだ何の飾り気も見栄も知らなかった少年少女の頃に結ばれ、そのまま長い歳月を共にしてきた。その年月の積み重ねがあるからこそ、夫人が今では遠慮なく振る舞い、ときに気位の高い態度を見せるようになったのも無理のないことなのだろうと、大将は静かに受け止めていた。やがて少しまどろんだ頃、不思議な夢を見た。病床で最後に会った時と同じ袿姿の柏木が、すぐそばに立ち、今夜持ち帰った横笛を静かに手に取っている。夢の中の大将は、柏木もなおこの笛に強い執着を残しているのだと感じた。柏木は笛を見つめながら歌を詠んだ。
2026.09.07
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「上海豫園旅情47」質問--楽天ブログ以外にブログを書いてますか?楽天だけ・他に一つ・他に二つの三択。「皆さんからのコメント」楽天だけです。何もやっても三日と続かない私が、不思議にこのブログだけは4年近く続いています。楽天と、ほかに1つエキサイトで書いてます。ほとんど内容は楽天と同じ、もう少し詳しい、アンチャン王子のお散歩日記です(2001年開始)楽天だけで精一杯です。まだ自分の思うように、書けてない、表現できてないというのが現実です。質問--日本語の他に勉強している言語がありますか?日本語だけ・他に一つ・他に二つの三択。二つとも、問題ではないので回答は有りません。皆さんからのコメントは画像の下にあります。(豫園に限らず中国では屋根の先が反っている)Englishを学習しています。日常会話を話す事と、聞き取ることを主体として学習しています。一時、ハングル語をと思いましたが、難しくて・・・無理でした。日本語以外の勉強はしておりません。-----ここまで------上下の画像は、中国の屋根の反り返った光景を、更新したものですが、このような光景は日本にもある。その殆どの建築技法や設計方法は中国から、伝来したものである。一般の民家にもこの反り返った屋根の形を、取り入れている所もあるが、全般に寺や廟に多い。質問--中国の屋根の反り返りは何を模ったものか?中国の鳳凰の羽根・龍の尻尾・釈迦の手の平の三択。(豫園に限らず中国では屋根の先が反っている)
2006.08.04
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「源氏は姫君の入内の延期を決定」 「Dog photography and Essay」では、愛犬ホープと歩いた道と「愛犬もも」との物語を公開してます。藤裏葉(ふじのうらば)は源氏物語源氏39歳の話。第33帖。「春日さす藤の裏葉のうらとけて君し思はば我も頼まむ」夕霧と雲居の雁を無理矢理裂いて二人の恋愛は世に知られる。今更違う相手と結婚させるのは世間体も悪く夕霧も素振りもない。内大臣は自分が折れるべきと考え母の大宮の法事の席で打診する。藤の花の宴を開く内大臣の口上を息子の柏木が持ち夕霧を迎えに行く。不安な夕霧に源氏は花の宴のために自らの上等な衣服を選び与える。藤の花の宴で内大臣は娘の雲居の雁と夕霧の結婚を認めることとなる。夫婦の誕生に源氏も嬉しく夕霧を褒め内大臣も喜び夕霧を大切に扱う。源氏に結婚の報告をした夕霧は大宮が住んでいた三条の邸を改装する。源氏の娘明石の姫君は宮中入りが決まるが源氏は姫君の入内を延期を決定。他の貴族の姫君の入内は決まり後の左大臣の藤壺女御や女二宮の母も入内。養母紫の上は姫に付き添えない事から生き別れた実母明石の君に配慮。明石の君の喜びは大きく入れ違いになった二人の母は初めて対面する。互いに相手の美点を見いだし認め合った二人は心を通わせるようになる。秋になり源氏は准太上天皇の待遇を受け栄華の絶頂に立つ事となる。
2018.08.03
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源氏物語〔35帖 柏木 5〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔35帖 柏木〕 の研鑽」を公開してます。小侍従にもう帰って宮へ自分の死が近いことを伝えてほしいと言った。なぜ前世からの因縁で、このように道ならぬ恋心が身に染みついたのだろうと嘆きながら、涙を流して病床へ戻った。普段なら小侍従を引き留め、宮の話を少しでも多く聞きたがる人だったが、この日は言葉も少なく、その様子が一層哀れだった。伯母の乳母も容体を語りながら泣き、大臣も昨日までは少し快方に見えたのにと心配した。衛門督は父に、もう自分は死ぬのだからそんなに案じなくてもよいと言った。しかしそう語る本人も涙を流していた。死を覚悟しながらも家族の悲しみを見ることは耐え難かった。そのころ女三の宮は産気づき始めた。経験のある女房たちはすぐ異変に気づき、院へ知らせた。院は驚いて御殿へ急ぎ、表向きは平静を装いながらも修験者や僧たちを集めて盛んに祈祷を行わせた。一晩中苦しんだ末、夜が明けるころ男児が生まれた。院はそれを聞き、子の顔立ちが誰に似るかによって秘密が明らかになるのではないかと不安になった。
2026.07.08
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源氏物語〔34帖 若菜 180〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。十一月が過ぎても宮中からは、そろそろ戻るようにと何度も催促が届くが、明石の女御はすぐには受けず、いま六条院で夜ごと響く楽の音色に心を奪われ、離れがたい思いで留まっていた。光源氏は女三の宮には琴を教えたのに、自分には琴を教えてくれなかったと、不満や恨めしさを感じてもいる。そんな複雑な思いを抱えながら、それでも六条院に満ちる音の世界は魅力が大きく、宮中に戻らずに過ごす日々が続いた。光源氏は、冬の月を好む性格で、雪の積もった夜に似つかわしい琴の曲を選んでは弾き、女房の中で楽器の腕前がある者には、即興の合奏を楽しむという優雅な時間をすごしていた。冬の六条院は、冷たく澄む空気の中に、琴や笛の音が漂い、宮廷の中でも屈指の音楽の館となった。年末になると紫の上は忙しさが増し、普段の家事や全体の取り仕切りに加えて、明石の女御や女三の宮のために春を迎える支度にも追われていた。
2026.03.28
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「上海豫園旅情53」質問--家に自分が気に入って買った花瓶がある?ない・ある・花を生けているの三択。皆さんよりのコメント自分が買ったという花瓶はないというコメントが、多かったですが、頂き物やご自分が作られたという花瓶が家に置いてあるとの事、これもまた素敵ですね。また父親譲りの九谷焼を、おめでたい席や、祭りの時に使われるとの事とのコメントも入ってました。九谷焼の素敵な花瓶が欲しいのですが、お値段が高くて。お年寄りの方々が、仏様にお花を供える事もあって、花を生けることが増えましたと語って頂けた人も。最近買った花瓶の中では、ブルーと緑の花瓶ふたつ。クリスタルの花瓶ですね。生ける花によって花瓶も、引き立ってくるものですね。(灯篭の横には色んな絵が描かれている)画像は灯篭の画像であるが、豫園の建物の中には、実に灯篭が沢山吊るしてある。お盆になると四苦八苦に付いての説教を聞いたものだ。四苦は、生(生きる苦悩)老(老いる苦悩) 病(病の苦悩)そして、死(死の苦悩)を四苦という。残りの四苦は、愛別離苦(愛する人と分かれる苦)怨憎会苦(怨み憎む人と出会あう苦)求不得苦(希望が叶わない苦)五陰盛苦(視覚や認識などの心理作用から沸き起こる苦)これが四苦八苦という意味であるが、人生の苦を、仏教で説いたと言う事であるが、私は色んなミスの、レポートを書く時に、いつも四苦八苦致します。質問--四苦八苦の意味をご存知でしたか?知っていた・何となく・知らなかったの三択。(灯篭の横には色んな絵が描かれている)
2006.08.15
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「病状の悪化により柏木は死去する」 「Dog photography and Essay」では、愛犬ホープと歩いた道と「愛犬もも」との物語を公開してます。柏木(かしわぎ)は源氏48歳1月から4月までの話。第35帖。巻名は作中で柏木の未亡人落葉の宮が詠む和歌に因む。「柏木に葉守の神はまさずとも人ならすべき宿の梢(こずえ)か」病床に伏した柏木はこれまでと覚悟し女三宮に文を送る。小侍従に催促され女三宮も仕方なく返事を書き柏木は涙を浮かべる。女三宮は無事男児の薫を出産したが罪の意識により衰弱し出家を願った。傍らにいた源氏も慌てて引き留めようとするが女三宮の決意は固い。女三宮は朱雀院の手で髪を下ろし女三宮の出家を知った柏木は絶望する。柏木は両親や兄弟たちに後の事を託し離れ離れの妻落葉の宮は涙に暮れる。柏木の病状を哀み今上帝からは柏木を元気づける為に権大納言の位を贈る。夕霧が心配して見舞いにやってくるが柏木は源氏の不興を買った事を告げる。柏木は夕霧から取りなしてほしいと頼むが病状の悪化により柏木は死去する。柏木の両親の嘆きは激しく更に伝え聞いた女三宮も哀れに思って泣いた。三月に薫の五十日の祝いが催され薫を抱き上げた源氏は柏木の面影を見る。夕霧は柏木の遺言を守り落葉宮の元へ訪問を重ね次第に心惹かれていった。
2018.08.06
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「松里の渡りの船着き場に泊まった」 「Dog photography and Essay」では、愛犬ホープと歩いた道と「愛犬もも」との物語を公開してます。十七日の早朝、出発したが、昔、下総の国に「まののちょう」という人が住んでいたといい、匹布を千むら万むら練らせ、晒させた家の跡といって深い川を舟で渡り、昔の玄関の柱がまだ残っているということで大きな柱が、川の中に四つ立っている。それを見て人々が歌を詠む。私は、歌を詠むのを見て、朽ちることもなくこの川柱が姿をとどめていなければ、昔の跡をどうやって知っただろう。その夜は、くろとの浜という所に泊まった。片方は広い山になっており、はるか向こうまで砂浜が白く広がっている。松原が茂って、月がたいそう明るく、風の音もひどく心細く感じた。人々が風情を感じて歌を詠んだりしている中、私も今夜は一睡もしない事にだって今夜をおいて、くろとの浜の秋の夜の月をいつ見るのです。江戸川の下流の太井川で、下総と武蔵の境に流れるのは隅田川。早朝そこを出発して、下総の句にと武蔵の境にある太井川という川の上流の浅瀬に松里の渡りの船着き場に泊まって、一晩中、船にてなんとか荷物を渡す。
2019.07.10
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「ばつが悪いもの」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と清少納言のエッセイ枕草子の研鑽を公開してます。ばつが悪いもの。他の人を呼んでいるのに、自分だと思って出て行った時。物などを下さる時に間違えれば、一層バツが悪い。たまたま人の噂話をして悪口を言ったのを、幼い子どもが聞いていて、その人がいるのに話した時。密教において重視される仏の呪力を願う一種の儀式の加持祈祷は病気・災難などをはらうために行う祈祷で奈良の系統であり仏の護身法の真言などを読み上げているのは、優雅で尊い。
2021.01.11
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源氏物語〔34帖 若菜 117〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。さらに伝えておくと、私の命が尽きる日を知る必要はない。古い習慣で親のために喪服を着ることもあなたはしなくてよい。私のことは忘れ、人としての功徳を積むことに専念すればよい。この世の楽しみを味わうときも、後世のことを忘れずに生きなさい。私が往く世界におれば、必ずまたあなたと再会できる。娑婆のかなたの岸でも、再会の時は必ず訪れると心に思いながら生きるのだ。この話の結末では、入道は長年の思いを込めた手紙を尼君に残し、同時に住吉社に奉納した多くの願文を収めた沈の木の箱も添えていた。手紙の内容は簡潔で、細かいことは何も書かれておらず、ただこの月の十四日に今までの家を離れた。つまらぬ自分の身を熊狼に委ねる。あなたはなお生きて、花の美しい日に会いなさい。光明の世界でまた会おうとだけ記されていた。尼君がこの手紙を読んだ後、使いの僧に入道の動向を尋ねると、僧は「手紙を書かれてから三日後、入道は奥山に庵を結んで移った。
2026.01.25
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源氏物語〔35帖 柏木48〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔35帖 柏木〕 の研鑽」を公開してます。容姿の美醜などは問題ではなく、よほど人目に余るものでない限り、それだけで心が離れたり他の女性に移ったりすることは自分にはできないと左大将は考えていた。清楚な直衣姿の左大将は背が高く堂々としており、女房たちは、六条院は優雅で愛嬌のある美しさを持ち、男らしく華やかで、心を奪われると噂し合った。そして、できることなら女三の宮の新しい夫となり、いつも宮のそばにいてくれればよいのにとまで願う者もいた。左大将は「右将軍が墓に草はじめて青し」と口ずさみながら、友を失った詩人の気持ちを重ね合わせていた。世の人々もまた、数か月前に亡くなった柏木を惜しまぬ者はなく、帝でさえ追憶した。音楽の催しのたびに「ああ、衛門督がいてくれたなら」と思い、何かにつけて柏木の名を口にしない人はいなかった。まして六条院の悲しみは月日とともに深まるばかりであった。院は女三の宮の若君を、誰にも知られていないまま、ひそかに柏木の形見として愛していた。しかし周囲の人々は真実を知らない。
2026.08.19
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源氏物語〔36帖 横笛 6〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。口の悪い女房たちが何を言うか分からないと冗談を言いながら若君を御自身の膝へ抱き取りになり 「この子の眉がすばらしい。小さい子を見ないせいか、これくらいの時はただ 赤ん坊らしい顔しかしていないものだと思っていたのだが、この子はすでに美しい貴公子の相 があるのは危険なこととも思われる。内親王もおられる家の中でこんな人が大きくなって いっては、どちらにも心の苦労をさせなければならぬ日が必ず来るだろう。しかし皆のその遠 い将来は私の見ることのできないものなのだ。『花の盛りはありなめど』(逢ひ見んことは命なりけり)だね」こうお言いになって若君の顔を見守っていた。縁起のよいことと女房たちは言っていた。若君は歯茎から出始めてむずがゆい気のする歯で物が噛みたいころで、竹の子をかかえ込んでよだれをたらしながらどこもかも噛み試みている。「変わった風流男だね」と院は冗談を言い、竹の子を離してしまい、憂きふしも忘れずながらくれ竹の子は捨てがたき物にぞありける
2026.08.26
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源氏物語〔36帖 横笛 10〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。院の御前で内親王様がた にいろいろの芸事のお稽古をおさせになりましたころには、音楽の才はおありになるというよ うな御批評をお受けあそばした宮様ですが、あれ以来はぼんやりとしておしまいになりまして、 毎日なさいますことはお物思いだけでございますから、音楽も結局寂しさを慰めるものではないという。そのような気がしますと御息所は言う。ごもっともなことですよ。恋しさの限りだにある世なりせば(つらきをしひて歎かざら まし)大将は歎息をして楽器を前へ押しやった。楽器に故人の音がついているかどうかが、私どもにわかりますほどお弾きになって見てくださいませ。みじめにめいっております。われわれの耳だけでも助けてくださいませ。私よりも御縁の深い方のあそばすものにこそ故人の芸術のうかがわれるものがあるでしょうから、ぜひ宮様のを承りたい御簾のそばに近く和琴を押し寄せて大将はこう言うのであるが、すぐに気軽く御承引あそば すものでないことを知っている大将は、強いても望みはしなかった。
2026.08.30
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源氏物語〔36帖 横笛 11〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。月が昇り、秋の澄みきった夜空を雁の群れが鳴き交わしながら渡っていく。その姿を眺める宮は、自分には寄り添う者もなく、遠くへ連れ立って飛んで行ける雁たちのほうが、よほど孤独ではないのだろうと思った。冷たく澄んだ風が身に染みて吹き込んでくるのに心を動かされ、宮は十三絃の琴を静かに爪弾いた。その控えめでありながら深い響きは、夜の静けさとよく調和し、大将の心をいっそう強く引きつけた。もっとその音色を聞いていたいという思いに駆られた大将は、そばにあった琵琶を借り受け、「想夫恋」を弾き始めた。大将は少し照れたように笑いながら、自信があるように見えるのは気恥ずかしい。この曲だけは一緒に演奏してもらえるだけの理由がある」と言って、御簾の奥にいる宮へ合奏を勧めた。しかし宮は、この曲には人前で演奏することへの恥ずかしさがとりわけ強く感じられ、すぐには手を伸ばそうとはしなかった。ただ琵琶の響きに耳を傾け、その音色に心の奥まで染み入るような思いだけを味わっていた。
2026.08.31
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源氏物語〔36帖 横笛 13〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。言葉に出さないことこそ、口にする以上によく気持ちを表すものだ。人目を恥じているその様子に、かえって心が現れているように見えると詠んだ。それに応えるように宮は、想夫恋の終わりの部分だけを静かに合わせて弾き、夜更けの哀しみだけはよく聞き分けられるが、それ以外に何を語ればよいのだろうと返した。宮の爪音は実に趣深く、琵琶という大まかな響きを持つ楽器でありながら、長年磨き上げられた技が加わることで、澄み切った気高い音色となって夜気の中へ溶け込んでいった。ほんのわずかな時間しか演奏しなかったにもかかわらず、その響きは深く心に残り、大将はもっと聞きたいという思いを抑えきれなかった。宮はそれ以上弾こうとはせず、静かに手を止めてしまったため、大将は物足りなさを覚えながらも、その慎み深さにますます心を奪われた。やがて大将は名残惜しそうに立ち上がり、今夜は風流に心を任せて、さまざまなことをお見せしてしまった。
2026.09.01
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源氏物語〔36帖 横笛 14〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。秋の夜にいつまでも長居していては、亡くなった人から咎められるような気もするので、今日はこれで帰ることにしよう。また日を改め、新しい気持ちで訪ねて来たい。この楽器はそのまま置いておいてもらえないだろうか。人生にはいつ何が起こるかわからない。不意の別れが訪れないとも限らないので、それが気がかりなのだと語った。それでも大将は真正面から恋心を打ち明けようとはせず、遠回しな言葉の中にだけ思いを忍ばせて別れを告げた。その気持ちは十分に伝わるほどでありながら、最後の一線だけは越えようとしなかった。大将を見送った御息所は、「今夜の風雅なひとときをとがめる人などおりますまい。昔のことを思い出させるようなお話も、ほんの少ししか聞かせてもらえなかったのが残念でならない」と伝え、贈り物に一本の笛を添えて大将のもとへ届けさせた。笛は単なる餞別ではなく、亡き柏木を思い起こさせる形見でもある。
2026.09.02
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源氏物語〔36帖 横笛 15〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。今宵の音楽の余韻をそのまま託したような品であった。大将はその心遣いの深さを受け止め、胸にさまざまな思いを抱きながら夜更けの邸を後にした。大将は御息所から差し出された笛を前にすると、その由緒を思い返した。この笛は古くから伝わる名器だと聞いていた。このような女だけの住まいに置いておくのも、名高い楽器には気の毒なことだ。持ち帰って吹いてもらえれば、外で供人たちの先払いの声に交じる笛の音を、こちらでも楽しみに聞くことができるだろうと御息所はそう言って、静かに笛を大将へ託した。大将は遠慮するように、「未熟な私がいただくには、あまりにもふさわしくない品でしょう」と答えながら笛を手に取った。その笛は柏木が生前いつも愛用していたものであり、大将自身も何度となくその音色を耳にしてきた。自分ではこの笛の真価を十分に引き出せるほど巧みに吹くことはできない。
2026.09.03
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源氏物語〔36帖 横笛 16〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。また柏木が、生涯で最も大切な女性へこの笛を譲りたいと語っていたことまで思い出され、先ほど形見の琴に触れた時以上に胸の奥からさまざまな感情が込み上げてきた。大将は試しに笛を口へ当て、盤渉調を半ばほど吹き奏でた。澄みきった音色は静かな夜気の中へ遠くまで流れていった。亡き柏木の面影まで呼び戻すように感じられた。しかし吹き終えると、「故人を偲んで琴を弾くことはまだよいとしても、この笛を吹くのは、あまりにも晴れがましく、私にはまぶしすぎる気がする」と言い、名残を惜しみながら帰ろうとした。その時、御息所は別れを惜しむように歌を詠んだ。露深い葎の宿にも、昔の秋と変わらぬ虫の声だけが聞こえている。亡き人だけがいなくなり、季節も虫の音も昔のままであるという寂しさを託した歌だった。大将もすぐに返歌した。横笛の調べだけは昔と少しも変わらない。その音を奏でていた人だけが空しく世を去り、その余韻だけが尽きることなく胸に残る。
2026.09.04
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源氏物語〔36帖 横笛 9〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔36帖 横笛〕 の研鑽」を公開してます。 植え込みの花草が虫の音に満ちた野のように乱れた夕明りのもと の夜を大将はながめていた。そこに出たままになっていた和琴を引き寄せてみると、それは律 の調子に合わされてあって、よく弾き馴らされて人間の香に染んだなつかしいものであった。 こんな趣味の美しい女住居に放縦な癖のついた男が来たなら、自制もできずに醜態を見せるこ とがあるのであろう、とこんなことも心に思いながら大将は和琴を弾いていた。これは柏木が 生前よく弾いていた楽器である。ある曲のおもしろい一節だけを弾いたあとで、大将は、ことに和琴は名手というべき人でしたがね。忘れがたいあの人の芸術の妙味は宮様へお伝 わりしているでしょうから、私はそれを承りたいのですがと言うと、あの不幸のございましてからは、全くこうしたことに無関心におなりあそばしまして、お小さいころのお稽古弾きと申し上げるほどのこともあそばしませんと言う。
2026.08.29
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