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源氏物語〔34帖 若菜 215〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。院に心配をかけぬよう、激しい苦痛をこらえながら朝を待った。やがて熱まで出て容体は明らかに悪くなったが、院が早く帰ってくるように促すこともせずにいるうち、女御のもとから夫人へ手紙を届けに来た使いに、女房が病のことを伝えてしまったため、それを聞いた女御が驚いて院に知らせた。胸を騒がせながら院が戻ってくると、夫人は苦しそうに横たわっていた。院がどんな具合かと声をかけ、夜着の下に手を入れてみると、身体はひどく熱を帯びている。昨日話題に上った厄年のことも思い出され、院は恐ろしさを覚えた。粥などを作らせて持って来たが、夫人は見ることすら嫌がった。院は一日中病床に付き添って看病を続け、菓子の一つも口にせず、起き上がらないまま数日が過ぎていった。このままどうなってしまうのかと不安になり、院は数えきれないほどの祈祷を始めさせ、僧を呼んで加持も行わせた。どこが特に悪いというわけでもないのに、夫人はひどく苦しみ、苦悶が顔に現れた。
2026.05.02
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「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。楽器を押しやらせ、そのまま宮を寝かせた。一方、対のほうでは、寝殿に泊まるこうした夜の習慣として、女王は遅くまで起きており、女房たちに物語を読ませて聞いていた。人生のありさまを写した物語の中には、情に迷いやすく、何人もの恋人を持つ男を相手にして、絶えず悩み苦しむ女が描かれていることが多い。たいていの場合、最後には二人だけの落ち着いた生活に行き着くようになっている。しかし自分はどうだろう、年を重ねてもなお、一人の妻として完全に落ち着くこともできずにいるではないか、院の言葉どおり自分は運命に恵まれているのかもしれないが、誰もが最も耐えがたいと感じる苦しみを背負っている。このように、一生背負って生きねばならない定めなのではないかと思うと、情けなくてならない、そんなことを次々と思い続けた末に、夫人は夜が更けてからようやく寝室に入った。ところが明け方近くになって急に具合が悪くなり、胸の痛みが激しく起こった。女房が心配して院に知らせようと言うのを、夫人は止めた。
2026.05.01
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源氏物語〔34帖 若菜 213〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。女御は自分のことを好意的に受け取ってくれているだろうと信じているとも言った。かつてはねたましく感じていた明石夫人のことさえ、このように寛大な心で受け止められるようになったのは、女御への愛情がそれほど深いからなのだろうと院は感じ、うれしく思った。最後に院は、あなたには恨む心もあるが、それ以上に思いやりがあるから自分を困らせることがない、多くの女性の中であなたに並ぶ人は一人もおらず、それほどまでに立派なのだと、微笑みながら語った。夕方になってから、宮があれほど見事に琴を弾いたことを祝ってやろうと、院は寝殿へ出かけていった。そのとき宮は、自分の存在のためにほかで苦しんでいる人がいるかもしれないなどということは少しも念頭になく、若々しい熱心さで琴の稽古に夢中になっていた。院はそれを見て、もう琴はそのくらいで休ませて、教えて下さった先生をもてなし、これまでの苦しい骨折りのかいがあって、今日は安心してよい出来だった。
2026.04.30
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「救急隊が来た時に妻は全裸状態だった」 「ワンダーフォトライフ」では、愛犬ホープと歩いた道と「愛犬もも」との物語を公開してます。温泉へ行く時間帯は区々だがホープが居た頃は冬でも連れて行っていた。ホープの時には温泉へ連れて行っても私を探して呼ぶように吠えていた。「もも」が来てからも温泉へ連れて行き車で待たせているが大人しい。2011年8月25日中国から一時帰国してホープの散歩をしていた。中国へは8月31日に中部国際空港からフライトの予定で妻も動いていた。不運は8月30日の早朝妻がキッチンで倒れていたことから始まった。妻は嘔吐しており救急隊が来るまでホープも私も気が気ではなかった。動かす事も出来ずに救急隊が来るまでに妻の汚れた服を脱がせていた。救急隊が来た時には妻は全裸状態で隊員は妻の名前を大きな声で呼んでいた。担架に乗せサイレン音を立て救急病院へと走り私は後を追って行った。ホープはこの時点で11歳半になっており老犬でもあり驚いた事だろう。妻は手術後一命を取り留めたがホープは置き去りになり分離不安症を発症した。ホープが吠えている事など全く知る由もなく妻が居る集中治療室へ通った。妻が2回目に倒れた時には10通の苦情投げ文が入り回覧板を配るほどだった。あの時からホープを車に乗せ病院へ行ったり温泉へ行ったりもしていた。「もも」は私が居なくても一度も吠えず温泉へ連れ出す事もない程である。つづく
2017.04.28
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源氏物語〔34帖 若菜 210〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。涙ぐむ夫人の様子を院は哀れに思い、気を紛らわせるためにさまざまな話題を持ち出して話し続けようと努める。この場面は、紫夫人の内面の不安と死の予感、院の独占的で切実な愛情が真正面からぶつかり、人数は決して多くはないが、これまで自分が深く関わってきた比較的優れた女性たちについて考えてる。女というものは何よりもまず性質が善良で、物事を落ち着いて考えられる人がいちばん望ましいのだと感じる。しかし実際には、そのような人はなかなか思うように見つからない。大将の母とは少年時代に結婚し、尊敬すべき妻だとは思っていたものの、結局は心から打ち解け合うことができないままだ。隔たりを抱えた関係で終わってしまい、今になって思えば、それがどれほど気の毒で、悔やまれることであったかと胸が痛むし、申し訳なかったと後悔もしているが、同時にすべてが自分一人の責任だったとも言い切れない気もしている。あの人が立派な貴婦人であったことは疑いようもなく、欠点らしい欠点もなかった。
2026.04.27
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源氏物語〔34帖 若菜 211〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。あまりにも整いすぎていて、どこか堅く近寄りがたい印象を与える人だった。少し賢すぎると言ってよいほどで、話として聞けば頼もしい存在なのだが、妻として向き合うには気疲れのする女性だったのだと思う。中宮の母である御息所は、高い見識と才能を備えた女性の代表として思い出される人だった。恋人としてはきわめて扱いにくい性格だった。人が一度は忘れてしまうような出来事でも、その人は決して忘れず、深く心に刻み込んで恨み続ける性質であったから、相手は耐えがたい思いをすることになった。常に自分を高く評価させずにはおかない強い自尊心が付きまとっているように感じられた。その前では、自分が卑小な男になってしまうのではないかという不安から、必要以上に見栄を張るようになり、やがて自然と心が離れ、縁も途切れてしまったのだ。無我夢中で踏み込み、あってはならない噂を立てる結果を招いたその人の真価を知っていながら、捨て去ったことは、今でも済まない思いである。
2026.04.28
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「南京旅情100」 「中国写真ライフ」では、江蘇省「南京市内」の写真を公開しています。霊谷寺景区の紅山門を上がって行くと国民革命軍陣亡将士の門が見えて来た。真中に中華民国国民党の党章が貼り付けてあり、その下には国民党の元老が書いた「大仁大義」が見える。牌坊の屋根にあたるところには渋い緑色の瑠璃瓦が施されており重圧感を感じるほどであった。「大仁大義」の4文字は三国志の中で使われているが、牌坊の裏側には国難を救って人民を救うという言葉が刻まれ、これも張静江が書いたものである。重厚な鳥居型牌坊の門の前には左右に石虎が配置され魔物から守っていた。霊谷寺景区には辛亥革命の歴史事件を再現し重要な人物の像が展示してある。下の写真は「無梁殿」へ続く石畳の道。
2011.05.28
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2005年9月11日(日)にMIX(淮海西路×安順路)にて、上海で活躍中の中国唯一のビートルズ・トリビュートバンドで『THE ONLY HEART'S CLUB BAND』&坂上伊織でお届けした今を時めくMIXでのBEATLES NIGHT! を熱演した坂上伊織が、今度は、新天地のARKにてライブを開く、その前に私達の上海ML主催の「上海B級グルメの会」に参加して頂いた。その画像である。坂上伊織LIVE in 上海 2005年9月17日(土)・18日(日)場所:新天地ARK(上海市太倉路181弄 新天地広場内) 1年4ヶ月ぶりのARKライブです。中秋節を共に楽しみましょう。ARKレギュラーの中国人バンドARK ALL STARS、そして今回は上海でのライブで初めて、日本人プレイヤーの方々:上海ストリングス:と共にステージに立ちます。 ●9月17日(土) with ARK ALL STARS (1st stage PM9時~)●9月18日(日) with ARK ALL STARS、上海ストリングス (1st stage PM9時~ ×2回ステージ)新天地ARKHP: http://www.ark-lh.com
2005.09.16
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「愛する人の元に送った」「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「徒然草の1から100」の研鑽を公開してます。六十六段の三花の咲いた枝に、鳥をくくってはだめというのは、どういう理由からなのか。伊勢物語で、秋の季節に梅の造花にキジをくくって愛する人の元に送ったという故事があるのだが、造花ならば花がついた枝でも、鳥をくくっても良いものなのだろうか。今日はももの7歳の誕生会で愛知県へ来ています。昨夜は濁り酒を飲まず眠剤と向精神薬だけで問題なく起きれた。六十七段の一京都・上賀茂神社の、岩本の社と橋本の社は在原業平と藤原実方を祀っている。業平と実方は共に和歌の名人として知られる人物だが、どちらがどっちの社に祀られているのかの由縁がすでに分からなくなっていて、いつも人々は両者の社を混同してしまっている。ある年に上賀茂神社をお詣りした時、神社にいた年老いた宮司を呼び止めて、その事について尋ねてみた。その老宮司が、藤原実方を祀る社は、御手洗の水面に影が映る社と聞いており、それでしたら、橋本の社の方が、御手洗に近いと思いますと教えてくれた。
2023.05.28
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「北面の武士のある者は」「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「徒然草の1から100」の研鑽を公開してます。九十四段の一相国(最高位の官吏)は、後になって、北面の武士のある者は、勅書を、持っていながら、下馬をするような者であり、このような者が、どうして院にお仕えすることができるのだろうかと申し上げた。上皇はその北面の武士の職を解いたというが、このような場合には、勅書を馬上にて拝辞して、お見せしなければならない。下馬をしてはいけないと言われている。常盤井相国が出仕された時に、勅書を持った北面の武士が大臣に会って、馬から下りたとの事を、相国、後に、北面なにがしは、勅書を持ったまま下馬した者で、このような者が、なぜ君にお仕えできましょうかと申して、北面をクビになる。勅書は騎乗して見せるべきで下りるべきではなかった。
2023.06.28
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源氏物語〔桐壺2〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語1話桐壺」の研鑽を公開してます。どの天皇様の御代であったか、女御(にょうご)とか更衣(こうい)とかいわれる後宮がおおぜいいた中に、最上の貴族出身ではないが深い御愛寵を得ている人があった。最初から自分こそはという自信と、親兄弟の勢力に頼む所がある宮中にはいった女御たちからは失敬な女としてねたまれた。その人と同等、もしくはそれより地位の低い更衣たちは嫉妬の怒りを燃やさないわけもなかっ た。夜の御殿の宿直所から退る朝、続いてその人ばかりが召される夜、目に見て耳に聞いて口惜しがらせた恨みのせいもあったからだが弱くなって、心細くなった更衣は多く実家へ下がりがちということになると、いよいよ帝はこの人にばかり心をお引かれになるという様子で、人が何と批評をしようともそれに遠慮などというものは起きては来ない。歴代天皇の徳を伝える歴史の上にも暗い影が残るようなことにもなりかねない。高官たちも殿上役人たちも困り、お目覚めになるのを期しながら、当分は見ぬ顔をしていたいという態度をとるほどの御寵愛ぶりであった。唐の国でもこの種類の寵姫、楊家の楊貴妃の出現によって国が弱くなったといわれる。今やこの更衣女性が一天下の煩いだとされるに至った。
2024.05.06
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源氏物語〔34帖 若菜 204〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。宮の装束一式が包み物として与えられると院は冗談めかして、まず師である自分に褒美が出ないのはおかしい、期待していたのに残念だと言うが、その言葉に応じるように、几帳の下から笛が差し出される。院は笑いながらそれを受け取るが、それは質の高い高麗笛であり、少し吹いてみた。すでに退出し始めていた人々の中で大将が立ち止まり、子どもの持っていた横笛を取って見事に音を合わせて吹く。その技はまさに至芸と感じられるもので、院はその音を喜んで聞き、これもまた自分が育てた弟子の成果だと満足する。大将は子どもを連れて車に乗り、月明かりの道を帰っていく。二度目の合奏で響いた箏の音がいつまでも耳に残り、どうしようもなく恋しく感じられてならなかった。自分の妻は、祖母である宮から琴の手ほどきを受けたとはいえ、十分に身につく前に父の家へ引き取られてしまい、十三絃の琴も中途半端な稽古に終わっているため、夫の前では恥ずかしがり全く弾こうとしない。
2026.04.21
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源氏物語〔34帖 若菜 205〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。日々の暮らしでは身なりにも構わず、次々に生まれる子どもの世話に追われているので、大将は若い妻が本来持っている感受性や魅力を受け取ることができない夫である。しかしその一方で、嫉妬して腹を立てることもありながら、どこか無邪気で天真らんまんなところを残した女性でもあった。この場面は、源氏物語 の中でも、音楽を通して人の資質、教えの継承、夫婦のすれ違いまでを静かに描いた、非常に味わいの深い部分で、院は対の方へ戻り、紫夫人はその場に残って女三の宮と話を交わし、夜明け近くになってから自分の部屋へ帰ったが、翌日は昼近くになるまで寝所から出てこなかった。その後、院は夫人に向かって、宮はずいぶん上達したようだが、あの琴をどう聞いたかと話しかける。夫人は、最初のころに別の場所で演奏しているのを聞いていた時には、そこまでの腕前とは思わなかったが、驚くほど上達しており、それももっともで、先生があれほど熱心に教えていたのだから当然だ。
2026.04.22
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源氏物語〔34帖 若菜 206〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。すると院は、手を取って直接教えるのだからこれ以上確かな教え方はなく、本当は夫人にも教えるつもりだったが、琴の稽古は手間も時間もかかるため、つい実行できなかったのだと言い、しかし院の帝も琴だけは習わせているだろうと聞いて気の毒に思い、保護者に選ばれた者の務めとして 教え始めたのだと語る。さらに、幼いころの夫人をそばに置いて理想的に育てたいとは思っていたものの、その当時は忙しく、特別な師として十分に世話をしてやれなかったし、近年も次々と用事に追われて行き届かなかったが、それでも琴がこれほど上手に育ったことを誇らしく思い、大将が深く感心していた様子をほめる。院は、芸事の才能にも恵まれながら、今は祖母として孫たちの世話を誠実に果たし、家庭の実務においても少しの不足も見せない夫人の姿を思い、これほど何もかも整った人はかえって短命なのではないかという不安さえ抱く。多くの女性を見てきた院にとって、ここまで非の打ちどころのない人はいない。
2026.04.23
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源氏物語〔34帖 若菜 207〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。紫の女王の彼女はその年三十七であった。院は長年ともに暮らしてきた日々を思い返しながら、祈祷のようなことは半生の年数以上にしてきたのだから、今年は無理をせず慎むようにしなさいと言い、自分も常に気をつけるつもりではいるが、ほかのことに紛れてうっかりすることもあるかもしれない。もし自分で考えて行いたい少し大きな仏事などがあれば遠慮なく言えばよい、いくらでも準備させると続ける。そして北山の僧都が亡くなったのは惜しいことで、血縁でなくとも立派な宗教者だったのだと語る。私は生まれた時からすでに特別に扱われる運命を背負っていて、これほど幸運な人間も珍しい。今に至るまでに得た名誉や物質的な恵まれ方を見れば、幸運と言えるだろうが、その一方で、誰よりも多くの悲しみを見てきた人間でもあるのだと思っている。母とも祖母とも早くに別れたことをはじめとして、身のまわりには常に哀しい出来事がつきまとい、それらの苦しみがあったからこそ、罪業が軽くなった。
2026.04.24
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源氏物語〔34帖 若菜 208〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。あなたは、私と別れて暮らしていたあの苦い時代を経験してからは、もうそれほど思い悩むことも、心を乱すこともなかったのではないかと思う。后と呼ばれる立場にある人はもちろん、それ以下の宮廷の女性であっても、人と競わずにいられる者など一人もおらず、皆が皆、比べ合い自らを苦しめている。その点、あなたは親の家にいるような安らぎのまま今日まで生きてきた人で、その気楽さは誰にも及ばない。この一点において、あなたは誰よりも幸福だったのだということが分かるだろう。思いがけず姫宮をこちらへ迎え入れてからは、多少の不快は感じるだろうが、それによって私の愛情はいっそう深まっている。あなた自身のことだから気づいていないのかもしれない。ただ、あなたは物事の道理がよく分かる人だから、そのことを理解してくれているだろうと私は信じ、頼りにしている。そう言われて、夫人は、外から見れば自分は分に過ぎた幸福な身の上にあるのだろうが、心の内には悲しみばかりが積もっていく。
2026.04.25
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源氏物語〔34帖 若菜 209〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。それを少しでも減らしてほしいと神仏に祈ることしかできないのだと答え、本当はもっと言いたいことを胸に押さえながら、それだけを口にした。その控えめな言葉の中に、いかにもこの人らしい美しさがあった。さらに夫人は、自分はもう長くは生きられないような気がしており、この厄年を迎えてなお。何事もなかったかのように過ごしているのはよくないと分かっている、以前から願ってきたことでもあるので、許されるなら尼になりたいとも言う。すると院は、それはとんでもないことだと強く否定し、あなたが尼になってしまった後の自分の人生がどれほど味気ないものになるかを思うと耐えられない。平凡な日々を送っているように見えても、あなたと心を通わせて生きていること以上に価値のあることはないと信じているのだと言い、これから先の長い時間の中で、自分がどれほどあなた一人を愛しているかを見てほしいと語り、その言葉を、慰めとして、自分が信仰の道へ進むことを引き止めるものだ。
2026.04.26
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源氏物語〔34帖 若菜 212〕「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「源氏物語〔34帖 若菜〕 の研鑽」を公開してます。せめて中宮には心を尽くして仕えたいと願ったのも、前世からの因縁であったのだろうし、こうしてその子である姫宮の世話をしていることで、あの世からも自分を見直してくれているのではないかと思っている。昔から今に至るまで、軽率な心の動きで、ときには不幸な結果を生み出してしまうことの多い自分なのだ。さらに院は何人かの女性について語り続け、女御の後見役については、初めはたいした人物ではないだろうと軽く見ていたが、実際には心の奥底まで見通すことのできないほど深い内面を持った女性で、表面上は素直で柔順に見えながらも、いざという時には鋭い知性で自分を守り抜く強さを備えている人だと評した。それを聞いた夫人は、自分は他の女性をよく知らないので断言はできないが、その人には折に触れて会っており、あまりにも聡明で感情を少しも表に出さないのに対して、自分は誰にでも友情を示そうとする性質であるため、相手からどう見られているのかと思うと気恥ずかしいと打ち明けた。
2026.04.29
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