沖仲仕が医師になって [ 青山 光太郎 ]
価格:1,430円(税込、送料無料)
(2024/7/15時点)
ひまわりが咲いた、随分背が高い所に咲いたので台に上って写した
新聞で広島大学名誉教授の横藤田 誠(よこふじた まこと)さんの寄稿文を目にして深い感銘を受けたので紹介させて頂く。
横藤田さんは生後7か月で小児麻痺(ポリオ)に罹り、両足と右腕に障害を受け、5歳から肢体不自由児施設や特別支援学校の寄宿舎で10年間を過ごした。施設では健常者のことを普通の人と呼び、自分達の生活は普通ではないと自覚していた。いつか普通の社会に出て行かなければならずとても怖くて強い劣等感を抱いていた。高校に進学して初めて周囲が健常者ばかりという環境に入り、友達は出来ず、松葉杖で街を歩けばジロジロ見られ、辛かった。そんな横藤田さんを変えたのは高校の授業で出会った「基本的人権」の理念だったとのことである。フランスの人権宣言の言葉「人は自由かつ権利において平等なものとして出生し、かつ生存する」、日本国憲法第13条「全て国民は個人として尊重される」が強く心に響き、希望と未来を手に入れたように感じた。そして法学を学ぼうと決意して広島大学に入り、人権を守る法学者として努力してきたとのことである。
特に、精神障害者やホームレス、子ども、高齢者など社会的弱者の権利問題に長年取り組んできた人物として知られている先生である。
自身の体験で、30年前選挙で投票に行った時、投票所が2階にあり、エレベーターがなく、階段は上がれず、投票を諦めなければならないことがあった。憲法上誰にも参政権が与えられているのにその権利を行使できない。投票所を準備した人たちの中に障害者が来るかもしれないと考えた人が一人もいなかったことを深く悲しんだとのことである。理念としては平等なのに現実には平等でない。誰もが生まれてきてよかったと実感できる社会にするためには社会や組織がそのように整えられていかなければならないが、私達自身の内にある差別意識を乗り越えることが必要だとも述べていた。令和8年版障害者白書によれば、身体障害者423万人、知的障害者126万人、精神障害者が603万人で合わせると1,152万人で日本の人口の1割近くに相当する。昔と違って今は街中で障害のある人を当たり前のように見かけるようになったのは大きな変化だが、まだ十分とは言えない。国や市町村で平等社会への施策と各個人の中の差別意識を克服してもらいたいと述べていた。自らが障害者で差別意識の中で育ってきたが、その自らの体験を土台に、差別亡き社会実現のために戦ってきた横藤田さんは立派だと思う。心からの声援を送りたい。