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2008.03.13
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カテゴリ: お気に入りのネタ
Mob’s Story

マリアの場合:Chapter1

Mob'sStory.JPG


これはフランデル大陸の

あるシューター族の一人。

『マリア』 の物語。




マリアはごくありふれたMOBだった。

理不尽に攻めるプレイヤー達から

自分と、自分を取り巻く環境を守る為に矢を射った。




それが彼女の全てだったし、

それが彼女を取り巻く全てだった。




その日までは。








村はずれの戦場に着いた。

C1.0.JPG




いつも通りの空。

いつも通りの海。


しかし戦場は いつも通りの貌ではなかった。



C1.1.JPG



白く変色した味方。

既に事切れている事は明白である。

プレイヤーに狩られた風ではないことは一目瞭然だった。



思考の氾濫。一瞬の逡巡。



そしてマリアは短く叫んだ。




「ミーロン…!」




ブルーテンプラのミーロンはマリアが背中を預けられる戦友であり…

マリアの恋人だった。





それらしい遺体は まだない。






「マリ…ア…」

消え入りそうな声がマリアを引きとめた。


像の影で何かが蠢く。


ミーロンだった。

C1.2.JPG

駆け寄ろうとするマリアをミーロンは牽制する。

「来…るな」

「ミーロン…一体何があったの…?!」





「ヘイゼル族の…あの女…俺達に呪いを掛けやがった…」

「みんなみんな…白く痩せていった…太陽の光で…」




crymilon.JPG

嗚咽が聞こえる。

ミーロンはプライドの高いブルーテンプラ族なのである。

己の無力を恥じているのだろう。



「ミーロン…」

「来るな…お前に…見られたくない…」



「来ないでくれ…」






その言葉は弱弱しかった。

だが、だからこそマリアは それ以上近づけなかった。








「…そこから動かないで…」




マリアはミーロンに背を向けた。

その眼は怒りに満ちている。






彼女の足はヘイゼル族の住処である

ヘムクロス高原へと向いていた。



















これほど遠くまで足を運んだのは

マリアにとって初めてのことだった。




そして…


C1.4.JPG

その女はいた。


一目でマリアは呪いを掛けた女である事を確信した。

なぜなら。



その女は唯一 潮の残り香を漂わせており

女の持つ刃こぼれしたネイルソードには

ブルーテンプラ族特有の青黒い鱗鎧の破片が残っていたからである。





「何かしら?シューターのお嬢さん」

薄く笑みを浮かべたヘイゼル族の女。

しかしその笑顔はとても冷たく。

マリアが刺客である事に確信していた。


一縷の隙もない。




「なぜ」

マリアは震える声で言った。


「なぜ私の村を襲撃した」




ヘイゼル族の女は

笑みを浮かべたまま淡々と答えた。

「地下界魔族のモンスターがこの地上に出るには

地上のモンスターの力が要るの」

女はネイルソードをひらひらと動かしながら続ける。





「強い同族を呼ぶには同等程度の力が必要なのよ」

少しだけ哀れみの表情を浮かべた魔族の女は

「力を奪われ呪われた者は日光を浴びただけで――まず死ぬわ」

少し笑った。




「呪いを解く方法を教えなさい」

「まず死ぬ」

ならば日光に当たらなかったミーロンは例外にあたる。


そして呪いには解く方法が必ずある。

でなければ呪いという定法は成り立たないのである。



マリアは怒りに満ちつつも冷静だった。




「簡単よ」

「ある『モノ』をスマグの井戸水で溶かして飲ませれば解けるわ」



マリアの中に若干の安堵が芽生えた。

それでも口調は強く。




「あるモノとは?」

女を睨みつけた。



「失礼なお嬢さんね」

人をからかう様な笑い。

「私の名前はアリオーシェ…

人にモノを尋ねる前に 名前くらい名乗れないのかしら?」


ネイルソードを挑発的に見せつけ

アリオーシェと名乗る女は笑みを浮かべる。

aliohsye.JPG


しかし


マリアの口から零れた言葉は

アリオーシェの望むものではなかった。

「悪魔に名乗るような穢れた名前は持ってないの」




「本当に失礼ね」

アリオーシェから笑みが消えた。






「早く教えなさい。そのあるモノとは―――」

「そこから先の答えは」

マリアの苛立った声を遮るアリオーシェ。

「力ずくで奪いなさい」











互いの間にまるで幾数もの剣が出現したかのように

空気が張り詰めた。






シューターであるマリアにとって

初弾こそが全て。



アリオーシェもまた、初弾を避ける為に全神経を集中させている。








そして。

その一瞬が来た。

C1.5.JPG

マリアが矢を番えるのとほぼ同時

アリオーシェが一気に距離を詰める。






矢は―――。

アリオーシェの髪にすら触れずに闇に消えた。







高い敏捷性を誇るヘイゼル族。

それは攻撃面でも如何なく発揮され


C1.6.JPG




次の瞬間

マリアの意識もまた、闇へと消えた。








To be continued Chapter2











つづきます。


3部構成です。

既に2部が書けるかどうか不安です(ノ∀`*)

我ながらチープ&木っ恥ずかしい(*´ノωノ)





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Last updated  2008.03.13 23:31:10
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