2009年観劇第一弾！

敷島博士は、鉄人「試製28号」を使い、民主主義下で純真無垢に教育された金田正太郎に「時代が変われば正義も変わる」「科学なる正義」を教え遂行させようとしていた。
そんな正太郎の前に現れた、オリンピック開催を阻止せんとする「人狼党」の党首・犬走一直と、謎の女立喰師は、「自由な生き方、自分を愛すること」を説く。
正太郎は「自分の信じる正義が何か」を自問自答しはじめるなか、いよいよ東京オリンピック開催の時、人狼党による作戦が遂行され、鉄人が起つときが来た！

そのとき、正太郎の「正義」は、どこにあるのか。
正太郎の信じた「未来」は…。

▽▽▽▽▽以下多少ネタばれです▽▽▽▽▽
090112_122921鉄人28号

2004年のアニメ化の前に、押井守が企画した原案をもとに、舞台化。

全体的には、押井守本人が言っていた「変な舞台」ではなくて、想像以上に、まともで大人しい内容で、かえって拍子抜けしたくらいです。
もっとガツンとしたものとか、あるいは、観ているほうが恥ずかしくなるほどストレートとか、もっともっとどん底に暗ーいものを想像しておりました。

ストーリー展開は良く理解できるし、音楽（あの川井憲次）も、歌も含めて、全体的には良かったと思います。
そして、メインの出演者などがほとんど1960年代生まれ。
これもただの偶然ではなさそうで、ちょうど今中心的に活躍している人たちの年代。
ほかの出演者はそれよりも若く、その中で押井守だけが1951年生まれです。

※（南果歩 as 金田正太郎）実際はこの写真より少年らしい。
090112_182950正太郎

何より配役で、南果歩の正太郎が、純真さと混乱を表現し良かったです。
特に、最初の頃の「科学による正義」に迷いが無い金田少年の姿が。
少なくとも私は良かったと思います。
見る前は想像もできませんでしたが、さすが役者です。

サンプラザ中野くんは、演技になってませんでしたが…。

さて、今回の目玉、舞台上にひざまずく重量８００キロ、約７メートル弱の鉄人（本作品のための新デザイン）は、芝居の象徴としてよく機能していて、クライマックスに噴煙とともに立ち上がる様は感動ものでしたが、そのためのコストにしては、製作費２０００万円超は高すぎかも。
ただ、ＣＧや安易な映像の併用が無くて本当に良かった。

そして、野犬、人狼、立喰師、埋立地…ちりばめられた押井ワールドの要素も自分の表現の守りの要素でもあるが、本作ではセルフ・パロディは不要だと思います。
内輪受け的要素が嫌味に感じてしまい、テーマと本筋をかえって邪魔していました。

ストーリーもテーマも全体的には好きですが、せっかくの舞台、もっと押しが強くて、エネルギー、パワーの発散があったほうがいい。
今回は、”あの”押井守の初演出舞台！というのが最大のウリで、”初演出”なのだから、確信犯的に批判覚悟で、もっと弾けて挑戦的だと良かったと思います。

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さてキャストの特撮チェックは…
載寧龍二（'04.特捜戦隊デカレンジャー／赤座伴番=デカレッド役）
永田彬（'07.仮面ライダー電王／尾崎正義役）
吉田友一（'04.特捜戦隊デカレンジャー／姶良鉄幹=デカブレイク役）
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◆◇◆鉄人28号　天王洲銀河劇場
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公式HP:　 http://www.gingeki.jp/performance/index.php?date=200901#87
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＜出演＞
南果歩／池田成志／ダイアモンド☆ユカイ／
サンプラザ中野くん　ほか
＜スタッフ＞
演出・脚本：押井　守　
原作　　　：横山光輝　
制作協力　：ディズ／光プロダクション
企画製作・主催：梅田芸術劇場
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ホールでは回転木馬の広告が。
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