11月30日(日)
歌集「蟲のゐどころ」(41)
発行所:(株)角川書店
著書:植松法子
発行:平成十九年二十五月
作者は、わたしが静岡県歌人協会の常任委員のとき副会長をなさっていました。歯に衣着せぬ歌評で、わたしと対立する場面もありましたが、色々勉強させられました。1994年角川短歌賞の佳作に入選されています。
Ⅱ純林(4)
心の吹雪(2)
*(2)
出奔は遅きに失し足裏ゆ波は引きゆく小石を鳴らし
足裏の砂利を滑らせかへる波すこし沈みしわたしを惜きて
白波を立てて 海面 を駆けりゆく兎もやがて消えゆくものを
「帰るとは心の吹雪」拾ひたる小石を捨ててそこより家路
(つづく)
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