12月4日(木 )
昭和萬葉集(巻十四)(203)(昭和三十五年~三十八年の作品)
講談社発行(昭和 55年 )
Ⅲ(36)
仕事の歌(28)
医師たち(2)
高橋希人
診断のつかぬ患者をかへしたる日暮の部屋の本の金文字
長門 莫
年々に複雑化し行く診断法開業医一人の限界が来る
幕張りて浜に老婆を解剖し二十二年それより広島を見ず
熊坂年成
照りかげり映さぬ菊の薫りつつわが診療の長き一日
胃カメラなどに情熱燃やす日も町医さびつつ淡き哀しみ
(つづく)
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