2010.04.18
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『柴草玲』 というお気に入りのアーティストがいる。

これまでにも幾人かお気に入りのアーティストはいたけれど、あまり長続きはしてこなかった。
けれど柴草玲という人の曲には他の人にはない種類の『言葉の力』みたいなものを感じさせられる気がして、
初めてこの人の曲を知った時からずっと聴き続けてきたし、たぶんこの先もずっと聴き続けても聴き飽きないだろうな という気がしている。


元々自分は洋楽やレゲエとかラップやハードロックがあまり好きじゃない。
なぜかといえば何を言っているのか単純にわからないからww
もちろん歌詞が良くてもメロディが好みじゃなければそこまで好きにはなれないけれど、
この柴草玲という人の曲は歌詞とピアノを中心としたメロディが高いレベルで両立しているように思える。

その人のCDにずっと以前自主制作し、すでに廃盤になっている『遺伝子』という曲がある。

思った以上のいい曲で以来、ずっと聴き続けている。

【遺伝子】

『桜の花が咲いてまたひとつあなたに近づいた
 ほこりのにおい混じった風が頬を通り過ぎて
 あなたのことが嫌いでナイフのような言葉で何度も切りつけた

 青い青い青い空の下で今日はあなたを思い出してる


 肩肘を張って強そうにあなたは生きてた
 肩肘を張っていつの間にか私も生きてる
 このごろになってわかるの あなたの悲しみと遺伝子のしがらみ

 寒い寒い寒い空の上へあの日あなたは旅立った


 嫌というほどにあなたは紛れもなく女で 私も同じで

 寒い寒い寒い空の上で安らかにあなたは眠れてますか
 青い青い青い空の下で今日はあなたを思い出している


 桜の花が咲いてまたひとつあなたに近づいた』


ちょっと聴いただけでは誰のことを歌っているのかわからないけれど、
よくよく聴くとおそらく亡くなった母親のことを歌っているんだろうな というのがわかる。
この『遺伝子』という曲に限らず、柴草玲という人の曲には言葉をうまく操って情景を想像させ、その歌の主題を直接的にではなく間接的に訴えかけてくる曲が多くて、そのうまさが本当にすばらしい。

【アクアリウム】

【前山にて】

『あと60年経ったなら 私の身体も消え去って♪
 あと60年経ったなら 見返りも求めずあなたを愛せるかもしれない♪』



【会話】
『痛さも寒さも寂しさも屈辱も
 堪えきれず吐き出した言葉もひとつ残らず 身を切る様な空気に
 とけていったものさ』
『誰が悪いだとか悪くないだとか そんな事誰にもわかりっこないのさ』
『さっきからその手に握ってる 哀しげに冷たく光るものを捨てなさい
 そして涙ふきなさい』
『そろそろおいとまするよ 話の続きを聞きたけりゃ
 君が君のうたをうたい終わったその日にね』


治安維持法違反で実際に捕まった祖父との会話を元に作られた曲だそう。
人を恨むことの無意味さを淡々と語るその歌詞には不思議な重みがある。
人生を全うすることを、『君が君の歌を歌い終わる』という言葉にたとえているその感性がステキすぎる。

【靴の詩】
『よく磨かれた黒い靴がアクセルを踏む
 街は五月雨 午前1時♪
 森の入り口にある細い階段を昇る
 ドアが開いたら 急いで抱擁♪

 押し殺した話し声が甘いポルカに変わる頃
 脱ぎ捨てられたその靴は 編み上げのサンダルに寄り添って
 しばし うたた寝♪』


愛する人との時間を靴の情景にたとえて歌い上げているのが秀逸。


【あじさい 微粒子 ヒガンバナ 会話 ざしきわらしのうた】

『ふと目にした金網の向こう薄紫のあじさいは あじさいは
 密かにはげしく咲き狂う 咲き乱れる 息を殺して
 そして私は静かに目を閉じて待ち受ける
 やがて来る時を 冷たい風が風が吹き荒れる 私のまわりに
 そして心は飛ばされそうになり泣いている
 音をたてることも出来ずに

 たぶん あなたは私とは生きてゆかない』


ピアノの旋律が良すぎる。そして最後の一節の詞があまりにも実感がこもりすぎていて、思わず心が痛くなる。

【微粒子】と【ヒガンバナ】はよくよく聴くと女という生き物の性(さが)を見事に描写していてかなりコワイ。。。



このギャップもある意味すごいww

ヒナのうた





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Last updated  2010.04.19 01:54:44
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