2011年05月06日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
そのうち島田さんのパージが解けて相談に復帰されたが 二十七年に入ると こんどは吉田会長がやめると言い出した 金つまりだのなんのと問題の多いこの難局に処していくには 私が辞めてパージの解けたベテランの島田さんに戻ってもらうほうが北炭のためになるといって みずから島田さんを二回訪問して再出馬を懇請した なんという巡り合わせか このときも誤解されて 私が島田さんを会長に戻すための策動だと宣伝された 会社では会長の権限というものは大きい それに重役は私一人でなし 他に重役がいるというのに その私が会長に向かって やめてくださいなどといえるかどうか
こんなことは常識のはずだが 世間はとかく意地悪く取りたがる
私の履歴書 萩原吉太郎より

このあと 三十年に 会長の島田が体調が悪くなり 萩原が社長になりますが ほんとうは内部でいろいろあったようです

萩原吉太郎はかって 前任者の山中社長の秘書をやっていた スキャンダルとは秘書時代のものである 秘書だった萩原は 一部の右翼団体の間では評判がよかった なぜかというと 早い話が カネのバラマき方が派手だったのである 大企業とはいえ 一介の社長秘書程度が右翼に大判振る舞いができるなど 商法違反でただちに逮捕されるのではないかと いまでこそ疑問に思われるだろうが 当時の一部企業には そうした行為が大手を振ってまかり取っていたのだ
企業に取り付いて 塗れて泡の代金をかすめ取る側からすれば 萩原という男は カネにルーズな大企業の窓口としては最高である
 こんな秘書を社長にしてしまえば もっとカネが自由にできる そうかんがえれば 少々あらっぽい手段に訴えても 萩原の社長就任工作を押し進める連中が現れても不思議はない
事実 萩原と彼を取り巻く人間たちが 山中社長にピストルを突きつけて 生命を捨てるか 社長の椅子を捨てるか 二つに一つの決断を追ったという
萩原自身が 社長の頭にチャカを押しつけて 退陣を追ったんだ


社長制度が敷かれたのは萩原からで かなり疑問もありますが かなりハードな内部抗争もあったようで これをネタに脅しをかけようとした 石井が 児玉先生に 塚本素山ビルに移る前に 事務所のあった 木挽会館に 呼び出されます

その部屋には数人の若い男たちが控えており 奥のソファに男がひとり 悠然と腰を沈めていた 後にわかったのだが この男は 当時の銀座警察の首領で 通称 丸ビルの菊池と呼ばれる人物だった
菊池はまたの名を水原といい こぎみのよい鋭敏な雰囲気を漂わせていたが そこには同時に 幾度も死線をかいもくってきたすごみも備わっていた 小説 人生劇場の中に 飛車角を殺した男が登場するが この菊池こそ 飛車角を殺した 等の本人である
暗殺集団 石井一昌 恒友出版より


なぜ このひと 菊池貞雄がでてくるかというと 大下英治の 黒幕にははっきりと名前がでてきませんが 修羅の時代には はっきりと大和鉱業社長と出てきます  経営者というより一種の用心棒役だったのだと思います
立花隆の田中角栄研究の項では 萩原吉太郎が 北炭の社長であった時代までは 児玉先生が 北炭の関連会社を使い いろいろやっていたようだがと指摘しています

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/077/0590/07705120590003c.html
ところが問題になりますのは、新夕張炭鉱というのは、世間周知のように萩原吉太郎が児玉譽士夫に提供して、租鉱山としてやらせている。新夕張炭鉱を一遍、閉山したものを、大和鉱業という名前で租鉱山にして児玉譽士夫一族にやらせておいて、それがやがて新夕張炭鉱株式会社として、また名称が戻る。新夕張炭鉱も食いつぶして、今度は大和鉱業センターというのができて、これが、いまゴルフ場を経営したり、新夕張会館を経営したり、いろいろなものを経営して夕張に拠点を持っておる。こういう、いわくつきの地帯に存在するものであることが問題だと思うのです。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年05月06日 09時26分09秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

くれど

くれど

コメント新着

aki@ Re:ザコン館跡地利用のことなど(11/26) 日本有事と急がれる改憲、大変恐縮とは存…

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: