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和歌山市議会は臨時会最終日の27日午後、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致計画の賛否を問う住民投票条例案を本会議で採決し、議員発議による修正案を賛成15、反対22、原案を賛成9、反対28でいずれも否決した。市初の住民投票は行われないことが決まった。
住民投票条例案は、市民団体「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」が2万39人分の署名を集めて直接請求。24日の臨時市議会に条例案を上程した尾花正啓市長は、IR誘致の同意には市議会の議決を必要としていること、住民投票の実施に多額の費用を要することなどを理由に、反対の意見を示していた。
25日の総務委員会では、原案に市議会の権限を抑制する規定があること、住民投票の成立要件の規定がないことなどが問題だとして、政和クラブが成立要件の投票数を有権者の2分の1とするなどの修正案を提出したが、修正案、原案ともに反対多数で否決された。
27日の本会議では、政和クラブの6人が同じ修正案を提出し、戸田正人市議が提案理由を説明。原案、修正案に対する討論では、賛成の立場から中村朝人市議(共産)、反対の立場から中谷謙二市議(自民)、松本哲郎市議(公明)、尾﨑方哉市議(和歌山興志クラブ・日本維新の会)が発言した。
採決は議長を除く37人で行い、修正案の賛成は政和クラブ6人と共産6人、民主クラブ5人中3人の計15人、原案の賛成は共産6人と民主クラブ5人中3人の計9人にとどまった。
否決を受けて市民の会は声明を発表。反対した議員に対し「市民の意見を封殺し、民主主義と住民自治を押しつぶすものとして強く抗議の意を表明する」「広く全国にまで市議会の水準の低さを暴露した」と厳しく批判し、今後も住民の声を届ける運動を続けるとした。