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久しぶりにタニス・リーの著作を
新本で買っちゃいました。前の
続編です。最初の「銀色の恋人」から
二十年以上たってから続編
が書かれるのも凄いですな。
「銀色の恋人」はロボットと少女の
甘いラブストーリーです。読んだ当時は学生でした。甘く、そして切ない幕切れ
に酔いましたね~。
はほろ苦いです。最初の話がミルクチョコ
ならこれはカカオ分70%のブラックチョコの
ようなもんです。すれっからしになった今に
なって読めて丁度良かったかも知れません。
「銀色の恋人」はママのお人形だった
ヒロインジェーンが自分の意志を持ち、
行動し、愛した人(これがロボットだった
訳で)との別れも乗り越えて生きていこう
とする物語です。ロボットのシルヴァーはあくまでも
従順で優しくて少女漫画に出てくる都合の良い
男の子キャラの良い所取りな存在です。でも、
今の女性ならこういう存在も欲しいよな~
と思わないでも無いかも。頭のイタイ男性に
疲れている女性は多そうですし(--;)。
「銀色の愛ふたたび」はジェーンは
ちらっと出てきますが、本当にちらっと
です。話には殆ど絡んでいません。
この物語のヒロインローレンは大事に
保護されていたジェーンと違って
自分の力で生きてきた人間です。
ジェーンの物語を読んでロボット
シルヴァーに憧れている訳ですが、
ひょんな事から彼に出会い、彼と
暮らすようになります。その辺が
自立していったジェーンと正反対
で自立していたのが保護されて
童話の「王子さまと一緒に暮らし
ました」な流れになったのですが、
それで済まないのがタニス・リー、
王子さま的存在なロボットヴァーリス
は前作のジェーンの恋人シルヴァーの
バージョンアップ版なのですが、シルヴァー
の様に従順で都合の良い存在では
ないのですね。純粋で夢見がちだった
ジェーンならすぐ破局してたかもな~
と思ったりして。したたかなローレンで
丁度良いかもといった感じです。
前作のジェーンは悲しく美しく恋を
終わらせ、再会を夢見て生きていく
訳ですがローレンはつらく大変な事
が分かっていても永遠にこの関係を
続けていこうと決意するんですな(偶
然、そうできる事が明らかになるんです)。
今の自分だとジェーンよりローレン
の方に共感してしまいそうです。やっぱ、
年取って現実的になったな~としみじみ
思います。どちらも傑作であるのは間違い
無いのですけど。
タニス・リーをアマゾンで検索してみたら
読んだことのない奴が結構出ていました。
逆に持っていたり読んでたりするのが絶版
ばかりで一寸ショックでした。このお耽美
系とファンタジー系大流行の世の中でその二つ
を兼ね備えてる彼女の作品がどーして絶版に
なるんですかね~、まあ、手に入れてるから
いいけど。また読んだこと無い奴入手しないと
いかんな、うん。
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