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2014年01月06日
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一方、TOPIXの方は日経平均程の下げでもなく、全体でも値上がり銘柄数の方が多い状況。昨年末からのNT倍率縮小の流れが続きました。新興市場や東証2部といった個人投資家好みのところはむしろ買われる格好。

結局日経平均は15900円を辛うじてキープするのがやっとで、リーマンショック以来6年ぶりの大発会の下げとなりました。売買高は30億株弱、売買代金は2.6兆円と商いは膨らみました。


投資判断は「やや買い」。元々日経平均は昨年末まで9連騰しており、もし本日も上昇していれば四半世紀ぶりの10連騰ということだったそうで、本日の下落は当然と言う見方が自然でしょう。マスコミはおもしろおかしく靖国参拝やアベノミクスに対する懸念を絡めて書き立てるでしょうが。またJPX400指数の算出開始によって、買いが分散した面もあるかと思います。

ともあれ、この連騰の上げ幅の1/3押しを本日でいきなり実現した形になりました。一気にこれだけ下げましたから、さすがに明日は反発となるでしょう。短期的なトレンドとしては12/19に開けた窓(15588円~15755円)を埋めに行く動きにはなるかも知れませんが、逆に言えばその程度までで、下値は限定的と見ています。

また基本はNT倍率の縮小がもう少し続くでしょう。と言うのは、外国人売り、NISA目的個人の買い(実際にNISAでの買いかどうかは別として、個人のNISA買いを大義名分にした買い)が続くであろうことからです。特にNISAは始まったばかりですから、新規買いのみが見込まれる需要口です。

ただヒストリカル的には10倍前後が適正のNT倍率ですが、昨年後半は12倍強くらいの水準での推移が続いていただけに、解消の流れがあったとしても一旦はその辺りまでと見ます。

個人的にはソフトバンクや本日早速月次発表のあったファーストリテイリングはまだトレンドが完全に売り転換したわけではないと思うので、もう一度高値を取りに行く動きはあると思います(ユニクロの既存店売上がプラスと健闘したことで、明日は多少の戻しも期待できます)。ただし上値余地も限定的なので、押し目や追い掛け買いが是かと言うと、それはそれで微妙です。

前回も年始早々嫌なことを書きましたが、今年一年間を通して見るとやはり「下げる年」という認識を持っておいた方が良さそうです。春頃には暴落と言える程の急落もあると思っています。

さしあたってアメリカは目先1/15期限の政府機関閉鎖問題はクリアしているものの、2/7期限とされる債務上限引き上げ問題がゴタゴタすれば、3月にも資金繰りのメドが立たなくなってくるスケジュールです。1月は良いとして2月頃からまたにわかにざわつき始めそうです。

そんなアメリカばかりに気を取られていると、不思議な程落ち着いている欧州辺りからまた火の手が突然上がる可能性もあります。欧州の火は完全に消えたわけではありませんから決して油断できないでしょう。

EUの本質は寄り合いであり、世界の経済は資本主義が基本でありながらも、政治システムは社会主義的な色彩が強まっていることを考えると、その不平等を感じる気持ちは支援する側もされる側も持ち合わせていますから。



個人的なイメージとしてはとりあえず今週は底堅いと思っています。しかしながら雇用統計や3連休を挟んで、いつまでも個人の買いだけで買い支えられるわけでもなく、むしろ個人の買いに外国人が売りをぶつけてくる構図が見られそうなので、来週以降はちょっと警戒すべきではないかと見ています。


新興市場は「やや買い」。本日は両指数共に堅調。日経平均が暴落する中で、個人投資家はどこ吹く風とばかりに新年から元気に回転売買をこなしている感じ。IPO空白期間を狙ったセカンダリ投資が特に目立ちました。

物色対象に関してはミクシィ(2121)が朝高後に売られるなど、今まで派手に買われた銘柄よりは新年で心機一転とばかりに、その他の銘柄が物色されている感じです。この大発会で物色された銘柄が今年の出世株を占う上で重要とも言え、それぞれの特性を見極めた銘柄選別をしていきたいところです。


【ポートフォリオ銘柄】
みずほFG(8411) は小動き。場中は概して全体相場に引っ張られる形で軟調な推移を見せていましたが、引けにかけて値を戻しました。 三井住友FG(8316)


ダイユーエイト(2662) は続伸。寄り付きから買われて、朝方は瞬間値上がり率1位になる場面も。大発会での値上がり率上位は目立つことから頑張りに期待したのですが踏ん張りきれず。結局出来高を伴った高値陰線となってしまいました。背景にあるのはやはり株主優待を狙った個人のNISA買い(もしくはそれに期待した買い)。

同社以外にも例えば東証2部の超地味株 ピエトロ(2818) なんてのも優待狙いで毎年権利取りの動きが着実に出る薄商い銘柄ですが、今日は突発高する場面がありました。今年は特に証券増税前の売り→NISA狙いの買いといった反動が顕著に出やすいですから、ドドッと瞬間風速が高まる場面もあったりします。

制度変更という観点では、昨年も信用取引の無限回転が可能になったことが、新興市場を一年間通じて盛り上げる材料になりました。制度が変わるということは一日二日で終わる材料ではないので、もうしばらくこういった動きが続きそうな感じです。


【注目銘柄】
足利HD(7167) は大幅続伸。こちらは12/25配信の有料メルマガにて以下のように取り上げました。

「この銘柄の最大のポイントは「野村の意地」だと思います。と言うのは、今回は野村が10年の歳月をかけてようやく再上場にまでこぎつけた案件なわけですが、ここで無様に株価が下落していくようだと「再生を果たしていないのに強引に再上場させた」というレッテルが貼られ、次の再生案件に支障をきたします。ですから野村は意地でも下値を買い支えてくるでしょう。

それでなくても、今回の上場の前に株式を引き受けてもらっていた関係各社は、500円相当の金額で引き受けています。ですから公開価格の時点で既に含み損を抱え込むことになっているわけで、最低でもその辺りまで株価を上昇させないと面子が立ちません。

あとは純粋にPERは7.2倍で銀行業の平均13.0倍を下回っていますし、今後の地銀再編の流れを考えても、またIPO直後という時期を考えても割安でしょう。来月末にはお約束のTOPIX組入もあります」

本日は終値ベースで初値を上回ってきました。初値は最も出来高の膨らんだところであり、ここを上抜けるかどうかは株主の損益の観点からも非常に大きな意味を持つと言えます。加えて上述のように野村が最低でも500円超えを意識するであろうことを考えると、高値越えの動きが出てもおかしくないでしょう。


吉野家HD(9861) は続伸。こちらは前回も当欄で紹介しましたが、26日配信の有料メルマガにて取り上げ。また、昨日配信した有料メルマガでは以下のように追加補足しました。

「2月決算銘柄で優待好きの個人の買いがありますから、もう少し買われても良さそうです。年末に出た日経ヴェリタスにも記事が出てたので読んでみると「牛すき鍋膳は12月は寒かったこともあって想定を上回る売れ行き」「牛丼のアタマの大盛りが好調で10月以降の既存店はプラス推移。下期の部門営業利益は上期の半分と見込んでいるが保守的」とのこと。

また当然ながら「業績予想に牛すき鍋膳は見込んでいない」ことで、今後の上方修正期待が高まる一方、専用コンロや鍋などの初期費用が嵩むことと、回転率の低下が懸念材料とされていました。回転率に関しては駅前の店舗などや、昼のかき入れ時などの際には牛すき鍋膳を提供しないなど、店舗特性に応じてちゃんと工夫しているようで、個人的には空いている時間に新規顧客獲得できた点が大きいと考えていますから、特に問題にしていません。

更に高単価商品を投入することで、高単価商品への訴求力を高めることもできますから、基本的には良い話です。それでも9日の決算を受けて市場がどう反応するかに確たる自信が持てません。上述のように、第三四半期以降の業績改善は見られるでしょうが、初期投資費用もかかってくるので、そんなに期待はしない方が良いでしょう。

そもそも牛すき鍋膳が始まったのが12月からですから、今回の決算(9~11月)には全く関係ありません。と言うわけで通期見通しをきちんと上方修正してくれるのであれば良いのですが、それを見送られると買っている株主も結構素人の優待狙いが多そうですから、近視眼売りの反動安が怖いところです」

と言うわけで、元々の既存店回復により次の決算にも程々に期待は寄せられるのですが、牛すき鍋膳の初期投資費用がどの程度かかったかは今の段階で何とも言えません。ただ牛すき鍋膳が好調なのは、先日ニイタカ(4465)という固形燃料を扱う会社が出した好決算において「吉野家の牛すき鍋膳向けの固形燃料が売れた」ことからも間接的に証明されています。

ですから、これを踏まえた今期見通しの上方修正が成されるか否か、もしくは何らかのコミットメントがあるのか無いのかが9日の決算のポイントとも言えます。本日は今週決算発表を予定している銘柄が総じてしっかりしていた雰囲気がありましたが、決算後の反動減をいかにソフトランディングできるかが焦点です。

ただ個人的には決算後下げれば押し目買いの好機とも思えますし、足元の円安一服感からも概して買っていって良い銘柄なのでは無いかと認識しています。


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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。





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Last updated  2014年01月06日 20時06分36秒
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