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2014年01月25日
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後場には14日の安値を割り込んで今年の安値を付けると、そこから更に100円近く値を下げる流れに。ただ14時45分頃から急速に買い戻しが入り、300円安の水準まで値を戻しました。売買高は31億株台、売買代金は3兆円超と商いは大きく膨らみました。


投資判断は「中立」に。金曜のNYは暴落となり、それを受けてドル円は一時102円割れ寸前、ユーロ円は140円を割ってきました。シカゴ225先物も14955円と15000円割れ。月曜は大波乱必至です。

その原因と言われているのが新興国の通貨安。アルゼンチンペソは一日で一気に12%も下落し、その影響を最も受けるとされるスペインの株式市場が大幅安。それが欧州不安に火を付け、また一気に全世界へと飛び火する格好になっています。

では何故新興国通貨安が起きたかというと、前日に発表された「信頼できる」HSBCによる中国の1月PMIの数字が、半年ぶりに節目とされる50割れになったことで着火。世界最大の貿易国となった中国の減速は、すなわちお客さんの財布の紐が固くなるわけですから、資源国のオーストラリアを始めとして新興国の偏った産業構造に大打撃を与えます。

また、アメリカの緩和縮小により、資金が新興国から引き揚げられていることも通貨安を加速しています。と言うより、既にこの影響で新興国や商品市況からお金が流出し始めていました。

今回の暴落は全くもって想定外でした。私は特に先般より空売り比率の高さを重要視して「もう少し株価が上昇して一旦売り方を追い払ってから春先に下落」というシナリオを最上位に掲げていました。完全に見誤りました。すみません。唯一当たっていた為替の円高基調ですが、ここまでのTOPIXの動きを見ても以前ほど連動性が高くありませんでしたから、油断してしまいました。

目先の展開ですが、これは非常に悪い流れです。そしてその悪い流れを断ち切るには目下方法は二つしか無いと考えています。すなわちアメリカが緩和を継続するか、日本が追加緩和を行うか、です。

ところが今週の政策決定会合で日銀は追加緩和を実質的に否定しましたから、チャンスは来週水曜に行われるバーナンキ議長最後のFOMCしか残されていません。しかしアメリカの方は今のところ一段の緩和縮小が見込まれています。そして次回のFOMCが3月になることから、随分と空白期間が生じることになります。

その間、先日書いたように今月末には中国の理財商品のデフォルト懸念、2/7に期限を迎えるアメリカの債務上限問題、2/9の東京都知事選挙と続きます。イベント的には手控え要因がてんこ盛りですから、今回の決算シーズンで余程良いものが立て続けに出ない限り、買い向かう理由が見あたりません。

特にアメリカの方は今のところ過半の企業が従前の予想を下回っており、全般的に弱い動きが続いています。正直日本の方も業績は既に来期を見据えており、来期となると消費増税を控えて慎重な見通しが出やすいですから、投資家が期待するような数字は出辛いと思います。

何より深刻な問題は悪材料に「知覚過敏になってしまった」という事実。アルゼンチンが発火元になるなんて、世界中の誰が想像し得たのでしょうか?(※一応アルゼンチンの下落が一番印象的だったので便宜上トップピックとなっていますが、その他トルコ、ロシア、南アフリカ、ブラジル、インドなどなど、新興国の通貨が一斉安となっています)



しかしそんな悪材料に反応するようになってしまったという事実。それこそが問題です。複雑怪奇に絡み合った世界経済で生じる負の連鎖の伝播経路は、益々予測が難しくなっている印象です。

アメリカのVIX指数は30%超の急騰となりました。これから出てくる様々なイベントに過剰に反応する不安心理が投資家の中で目覚めてしまいました。最高値圏にある株価から下を見下ろして、上を向いて上っている時には気付かなかったその高さに、足がすくんでしまった感じです。

日本独自の要因を鑑みても、金曜から通常国会が始まりましたが、アベノミクスに対する期待が去年以上に高まる可能性は低いでしょう。法人減税が決まれば多少はプラス要因になりそうですけれど、既出の材料でもありますから、買い要因になるというよりはこれ以上売られない要因になる程度であって、積極的なものにはならないでしょう。

と言うわけで、まずは一発逆転の可能性を秘めた水曜のFOMCの内容を見極めたいという理由から「中立」としておきますが、基本はやや諦めモード。まだ節分では無いですが、振り返ってみると節分天井っぽい感じになりそうな印象です。

それにしてもここから相場の下落が続くとすると、やはりNISAは塩漬け株の温床になりそうですね。こんな短期間で、しかも損失が他と相殺できない以上、損を出して売れないですからね。お陰様で売りが出辛いことは幸いなのかも知れませんが、また「株で損をした」という個人投資家の怨嗟の声が巷を覆いそうです。



ですから個別では外国人保有比率が高く、外需系の銘柄は避けるべきです。一方個人好みの銘柄も追証発生の売りなどで連鎖は免れませんから、当然注意が必要です。最近はセルロースやらゲームやら、材料が出た銘柄にドッと資金が押し寄せますから、目先はそういうものに上手く立ち回って行くしか無さそうです。


新興市場も「中立」に。金曜は高安マチマチ。マザーズが サイバーエージェント(4751) のストップ高などもあってプラス圏に切り返し、一人気を吐きました。しかし順調な上昇が続いた東証2部指数などは反落し始めており、一度歯車が回り出すと今度は下落がしばらく続きそうです。

こちらもやはり親ガメである東証1部の安定が大前提ですから、個別では買われる銘柄は勿論あるにしても、全体としては今までのようなボーナスステージは終了と見ています。


【ポートフォリオ銘柄】
みずほFG(8411) は反落。前日は地合が悪い中で逆行高となって一時240円の年初来高値を更新。

ただ個人的にはこれが外国人など買い手の資金を吸収してしまったのではないかと思ったりします。時価総額がとにかく大きい銘柄ですから、大きなスポンジが水を吸い込むように、本来他に流れるはずだった資金まで吸い取ってしまったのではないか、と。ですから、木曜・金曜の下落の一端は同社が握っている印象も受けます。

この銘柄は典型的な内需株ですから外需よりはマシとしても、やはり悪影響は避けられそうに無いでしょう。高い利回りを根拠に下値が固いことを期待し、首をすくめて嵐が去るのを待つしかなさそうです。


三井海洋開発(6269) は続落。ずっと放置の銘柄ですが、日本とインドがエネルギー分野での協力強化という話が出て、三井物産(8031)がインドの国営天然ガス公社と戦略提携。その辺りから同社のビジネスチャンスに広がりが期待できます。とはいえ、今回の世界的同時株安の影響はちょっと避けられないでしょうね。


岡三証券G(8609) は続落。1000円台をキープしていましたが、事ここに至っては証券株は一番逆風な印象を受けます。と言うわけで利があるうちに撤退。月曜の寄り付きで終了とします。


東京ガス(9531) は反発。安全資産への逃避からガス株に資金が流れた感じです。足元でも結構良いニュースが続いていて、上述のインドと日本とのエネルギー分野での協力強化という話もガスの安定供給に一役買いそうです。ディフェンシブセクターの強みに期待。


日本碍子(5333) は続落。中国に続きインドも大気汚染が酷い、ということでビジネスチャンスは色々とありそうですが、やはり今の地合の悪さの影響は避けられそうに無りません。なので、こちらも残念ですけど利のあるうちに撤退。月曜の寄り付きで終了とします。


IJTテクノロジーHD(7315) も続落。昨年末から反転し始め、終値ベースではほぼ全値戻しを達成。ところが結果的に10、11月の安値を結ぶ下値抵抗線の延長線上で戻りは限界になってしまった格好に。為替の円高傾向から、同社にとってもちょっと逆風になりそうです。そんなことでこちらも月曜の寄り付きで切ってしまうことにします。


吉野家HD(9861) は反発。こちらは元々円高メリット銘柄ですし、相変わらず空売りが多い。連日増加し続け、昨年8月末以来の高水準となっています。

そうなってくると売り方の追証発生に伴う買い戻しも期待できますから、この銘柄に関しては上手くいけばプラスになることが期待できます。とはいえ、現実的には株安の影響は少なからず受けるでしょうから、当然油断は禁物です。


木曜より買いポートフォリオ入れとなった 住友金属鉱山(5713) は続落。有事の金買いで金価格はしっかり上昇していますが、ニッケルの方はやや弱含みそうですから、商品相場的にはニュートラルな感じでしょうか。それでもまだ相場暴落に耐性のある銘柄なので、こちらにはちょっと期待しておきましょう。


【注目銘柄】
マツダ(7261) は続落。こちらは22日より有料メルマガにて売りで取り上げ。ユーロ安デメリット銘柄としてピックアップしました。550円を割ったところから上手く加速が付いて下落となり、月曜にも目標株価到達必至な印象です。ちょっと本日のところは文字数の関係上ここまでにしますので、取り上げ根拠は次回掲載します。


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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。





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Last updated  2014年01月25日 23時50分13秒
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