2009/01/04
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カテゴリ: 映画のお話!
3日の夜、ほろ酔い機嫌で帰宅し、テレビを眺めていたが面白くなく、棚からビデオを取り出し見ることにした。

何年振りだろう?、これを見るのは。

『アラビアのロレンス』(1962年のイギリス映画)

実在の英国陸軍将校のロレンス中尉が率いた、オスマントルコからのアラブ独立闘争を描いた大作。

冒頭バイク事故で彼が亡くなる場面から始まり、最後は彼が乗ったジープがバイクに抜き去られる場面で終わる。

これは、一体何を暗示するものなのか。


ロレンスは、作戦参謀としてアラブに派遣されたわけではない。

しかし、軍という組織を無視して独走する。

いや、これは暴走と言うべきだろう。




この絶望的な状況を打破するために、彼は英国陸軍に頼らず驚くような作戦を思い立つ。

なんと、砂漠の民ベトウインが神が造った最悪の土地と恐れるネフド砂漠を横断し、敵の要所アカバを背後から陥落させるという。

それも、僅か50人の兵を率いて。

アカバの大砲は砂漠に向くはずもなく、海にしか向いていないのだ。


部族の首長は「正気か?」と尋ねる。

ロレンスは答える。

「土地のことは知らない、自分に賭ける。運命などない・・・」と。

運命は神が決めるのではなく、自分で切り開くもの。

正に、狂気は運命を切り開く。


そして、アラブの民が畏敬を覚える行動をしながらネフド砂漠を横断し、対立する部族をも味方にしながら敵の要所アカバを攻め落とす。

ここで敢えて書こう。




その後、狂気と言われる行動で自ら切り開いた運命に、自ら酔いしれる。

アラブの民から畏敬の念を抱かれ、真っ白な首長の装束を贈られた英雄が、汚れた英雄となっていく。

自ら切り開いた運命に翻弄され、国家の意思に翻弄されながら。


運命は狂気を持って自ら切り開くもの。

しかし、その運命に自ら酔いしれ、翻弄されることはないように・・・。


トーマス・エドワード・ロレンス



部族の首長役のオマー・シャリフ、そして、アンソニー・クイン。

脇役の名優たちの素晴らしかったこと。

大作が全て名画とも言えないとは思うが、こんな映画に日本で対抗できるとしたら、黒澤明の『七人の侍』くらいか?。

異論はあると思うが・・・。



おっと、ネット上にこんな記事を発見。

『長身がもてはやされる英国で、背丈が低いこと(165cm)がコンプレックスだったという説がある』

これだっ、これが狂気の源ではないか。

この強烈なコンプレックスが彼に狂気の行動をさせたのではないか。

勝手な推測ではあるが。





それではまた。






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最終更新日  2009/01/04 02:45:09 PM
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Re:狂気は運命を切り開く!(01/04)  
「アラビアのロレンス」は、鮮烈に記憶に残っています。アカバ作戦の勝利は狂気が為せる技なのか、神の差配なのか。ラクダ隊がアカバに進攻する
シーンは感動的でした。
 実は私はオマーシャリフの陶酔者なのです。
 この映画でも彼の演技は抜群に光っていました。
 何より私の人生で最大の名画といえば、このオマーシャリフが主演をした「ドクトル・ジバゴ」なんです。ロシア革命に翻弄される一詩人の人生と愛。
 どちらの映画も哀切な音楽に酔ったものでした。
 正月早々、素晴らしい映画の話を聞かせてもらいました。感謝です。


(2009/01/04 11:56:58 PM)

Re[1]:狂気は運命を切り開く!(01/04)  
ワインレッド2001さん
>「アラビアのロレンス」は、鮮烈に記憶に残っています。アカバ作戦の勝利は狂気が為せる技なのか、神の差配なのか。ラクダ隊がアカバに進攻する
>シーンは感動的でした。
> 実は私はオマーシャリフの陶酔者なのです。
> この映画でも彼の演技は抜群に光っていました。
> 何より私の人生で最大の名画といえば、このオマーシャリフが主演をした「ドクトル・ジバゴ」なんです。ロシア革命に翻弄される一詩人の人生と愛。
> どちらの映画も哀切な音楽に酔ったものでした。
> 正月早々、素晴らしい映画の話を聞かせてもらいました。感謝です。
-----

さすがですね、ワインレッドさん。
オマー・シャリフの『ドクトル・ジバゴ』の話が出てくるとは、とても嬉しいです。
私は、自分の好きなものを見ているだけですし、見ている本数も多くなく、決して映画通などとは言えません。
それでも、感動的で面白い映画のことは、語らずにはおられないような気になってしまいます。
それが、名画というものでしょうか。

嬉しいコメントをいただきありがとうございました。




(2009/01/05 12:16:43 AM)

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