映画に恋してる

映画に恋してる

2005.02.20
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カテゴリ: 永久保存版的映画





それは1965年の夏のこと。
地味なスーツに身を包み
黒いブリーフケースを手に
彼は毎朝、
ユニバーサル・スタジオに通っていた。


正門にいる警備員に手を振り
自分のオフィスへと向かう
なんの変哲もない光景・・・。
ただし、一つだけ問題があった。
当時19歳の彼は
ユニバーサルの社員ではなかったのだ。


スタジオ見学ツアーから抜け出して
勝手にスタジオを散策した彼は
ユニバーサル内に
空のオフィスを見つけた。
ドアに自分の名前を掲げ
内線電話も自分で引いた。
セットや編集室に入り浸り
知識や技術を吸収し、
顔見知りの数も増え
3ヶ月後には、すっかり
ユニバーサルの一部になっていた・・・。




あれれ?
こんなお話だったっけ・・・?
混乱した人も多いかな(笑)
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」ではないよ♪
このエピソードの主は
あのスティーブン・スピルバーグです!


ユニバーサルで過ごした19歳の夏は
今ではスピルバーグを語る上で
欠かせない伝説となりました。

なるほどなぁ・・・とひどく感心しちゃいました!
知ってる方もおられるかな?
とても有名な話だそうです(笑)
さて、ここからが、本題のレビュー!






フランク・アバグネイルは
史上最年少で
FBIの最重要手配犯リストに
名を連ねた実在の人物だ。



パンナム社のパイロット(正確には副操縦士)から始まって
ジョージア州では小児科医に。
そこで働く看護婦と婚約し

地方検事補(司法試験もちゃんとパス)にも就任。
これだけ聞くと順風満帆な人生に見える?


鮮やかな小切手詐欺をめぐって
様々な人生を演じてきた男。
こうして彼は21歳の誕生日までに

偽造小切手を世界中にばらまいたのだ。


トム・ハンクス演じる
FBI捜査官カール・ハンラティは
実在の人物ではないけれど
アバグネイルを追った
実在の捜査官数人をモデルとして
できあがったキャラクター。


彼を追う身でありながら
フランクがまだ
子供だということに気づき
次第に「彼をまもってあげたい」と
思い始めるハンラティ。


二人の擬似親子のような
微妙な空気感が
この映画の一番根底に
流れている暖かなものだ。





主人公のフランクは
多感な思春期に、突然
両親の離婚を経験した。
父親(クリストファー・ウォーケン)の
破産をきっかけに、
すべての歯車が狂い始めたのだ。


これがすべての出来事の
引き金となるのだが
スピルバーグの両親も
彼が19歳の時に
離婚していたという
不思議な符合がここにもある。




美しい母と、尊敬する父。
耳にタコができるほど、
父から聞かされた、プロポーズのエピソード。
どんなに母を愛しているか
どんなに大切に思っているか・・・。
心底母を愛する父。
そんな二人を
誇らしげに見守るフランク。
彼が見ているのも気にせず、昔を懐かしみ、
ふたりで踊るダンスシーン。
とても美しくてため息がでた
心に残るワンシーンです。


それまで怖いイメージだった
クリストファー・ウォーケンが
この映画から大好きに♪
切ない演技が評価され
アカデミー助演男優賞に
見事ノミネートされました。






「どちらと暮らすか」という
究極の選択に
普通ではないショックを受けたフランクは
そのまま外へと飛び出して
二度と家には戻らなかった。


飛び出した彼は
とても子供に見えるけど
その心を思うとき、
あまりの切なさに涙が出る。


一人で生きる糧として、
悪意のない犯罪に手を染めたフランク。
鮮やかな詐欺の手口とは裏腹に
時折、抱きしめたくなるような
子供っぽさが顔をのぞかせるのだ。



失われた家庭に恋いこがれる
フランクの姿にも胸を打つ。
婚約者の家族とテレビを囲んで
つかの間の団らんを味わってみたり
母親の再婚家庭を
窓越しに盗み見るシーンがそれだ。







この映画は、スピルバーグに
作られるべくして完成した映画なのね!
それも、とてもパーソナルで
彼にとって意味のある作品なのかも。


それと同時に
「ネバーランド」のバリを
ジョニー・デップだけが演じられるように
フランク・アバグネイルを
演じられるのはきっと
レオナルド・ディカプリオしかいないと
確信してしまう。


撮影当時27歳だった彼は
高校生の時代を演じても
特に違和感がなかったところが
なんといってもすごいところ!
彼本来の魅力が発揮された
待ち望んだ映画でもありました。



そして忘れちゃいけないトム・ハンクス!
彼の登場によって
ただエピソードをつなぎ合わせただけの
逃走劇にはならないで
小気味よくメリハリの利いた
物語に仕上がりました。
クスリと笑えるエピソードの数々は
やっぱり、トムがあってのこと!


最後に・・・。


「クリームの中に二匹のねずみが落ち
一匹はすぐにあきらめたが
2匹めはあきらめず
もがき続けているうちに
クリームがバターになり
外にはい出すことができた・・・」


演説の席でこの話をするパパを
見つめていたフランクの表情が
なんだかとっても忘れられない♪
この映画で一番心に残っている
フランクパパの言葉です♪




ディカプリオには、こういう映画で演じて欲しいな♪
「ギャング・オブ・ニューヨーク」のレオは
ちょっと、私的には、イメージ違う。



もうすぐ公開の「アビエイター」も
実在の人物!
演技派レオの本領発揮映画が
もう1本増えることを楽しみにしています♪





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Last updated  2005.12.09 11:40:56
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あかまっちゃん2004 @ Re:アース  EARTH(01/17) ようやくDVDで見ました。ただ、プロジ…
Christophor@ ... [URL= <small> <a href="http://www.qerig…
セビセビ @ 七光り うおぅ。。 なぜかは分りませんが、禁止…
亜美tsugumi @ おおっ トムクルーズというキーワードに釣られま…
Jessie @ Re:親の七光りって言うけれど・・・   夏恋の映画独り言♪(04/24) ね!たしかにジュリアに目もとがそっくり…
sweet sue @ 本当だ! 笑顔がキュートなところそっくり! 目元…
ねこんちゅ @ 七光り おはようございます。 七光りは日本も…
マリーmypink @ 使っちゃえ!七光り~(笑) こんにちは~~ うわっ!目元がそっく…
夏恋karen @ Heikさん へ ★Heikさん、おはようございます♪ >そ…

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