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柴 加えて5位に「二人セゾン」、10位に「サイレントマジョリティー」と、欅坂46はTOP10に3曲を送り込んでますね。
大谷 乃木坂46の「インフルエンサー」も7位。AKBグループの曲はTOP10に入ってこないのに坂道シリーズの曲が入ってるんだ。
柴 そうなんですよ。AKB48「願いごとの持ち腐れ」が15位、「#好きなんだ」が24位。CDシングル売上のランキングは2017年も相変わらずAKB48が1位なんですが、それを見て「今年もAKBの年だったね」と言う人はもう誰もいない。CDの売上枚数とヒット曲の指標が乖離しすぎて、もはやオリコンのCDランキングを見て何かを言うということ自体が時代遅れになってしまっている。
大谷 オリコン1位でも誰も知らない曲なんてたくさんありますもんね。
柴 むしろ2017年は欅坂46の年だった、と。
大谷 そういうことですね。僕はやっぱり欅坂46は尾崎豊なんじゃないかなと思っていて。
柴 と言うと?
大谷 尾崎豊って、80年代に「10代のカリスマ」としてプロデューサーの須藤晃さんに作られたアイコンなんですよ。本人はもともとフォーク志向で井上陽水さんを目指していたんですけど、あのルックスだから行き場所のない若者のアイコンになった。
柴 なるほど。
大谷 それと重なるのが、やっぱり欅坂46のセンターの平手友梨奈さんなんですよ。彼女も選ばれた者であるし、作られたアイコンでもある。
柴 欅坂46が反抗のイメージを持っているのも平手さんのボーイッシュなルックスあってこそという気もしますしね。
大谷 アイドルって知らず知らずに真ん中になっちゃう人なんですよ。で、そうやって選ばれたことをタフに引き受ける。松田聖子さんがまさにそうですよね。でも、平手さんはそういうタイプじゃないと思うとちょっと心配になることもあって。
柴 たしかに、ちょっと危ういところがありますよね。
大谷 でもその危うさがあるからこそ、歌のメッセージがリアルに響くんだなと思って。つまりそこも尾崎豊とかぶると思うとザワザワするんです。
柴 たしかに。
大谷 前回、M-1グランプリでジャルジャルの福徳くんが「おまえ、ようボケれんな、いま」と言ったことにグッときたという話をしたけれども、言ってみれば、俺たちずいぶん残酷なものを見てグッときているんですよ。
AKBのドキュメンタリー(『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』)でもそうじゃないですか。ステージ裏で過呼吸になっているあっちゃんが歌うために立ち上がった瞬間に「やっぱアイドルすげえ!」って盛り上がったけど、あれも言ってしまえばすごく残酷な瞬間で。だから俺たちの「好き」って、その人の残酷な物語も内包しての「好き」なんですよ。
物語の欅坂46、システムのAKB48
柴 でも大谷さん、AKB48と欅坂46ってやっぱり違うところがあって。AKBはシステム論なんですよ。AKBを語るってことは、総選挙や握手会みたいに、その枠内でメンバーが競い合うシステムを語ることになる。曲に関しては、たとえば「ヘビーローテーション」と「恋するフォーチュンクッキー」と「願い事の持ち腐れ」には明確な世界観のつながりはなく、それぞれが点で存在しているんです。
でも、欅坂46に関しては、基本的に秋元康さんが書いている歌詞が物語としてちゃんとつながっているグループだと思っていて。
大谷 なるほどねえ。だから若い人にすごく刺さっているんですよね。「不協和音」のサビ前に平手さんが言う「僕は嫌だ」っていうセリフなんて、まさに前回「M-1、紅白、そしてオルタナ再燃の2017年」で語ったオルタナティブな精神性じゃないですか。
柴 そうそう。メインストリームのど真ん中で「俺はあいつらとは違う」というアンチテーゼを叫んでるわけですよね。基本的にどの曲にもそういう世界観があって、それが大衆性を持った曲になっている。そういう物語性があるから欅坂46を「ロックだ」と語る人も多い。つまりAKB48はシステム駆動で欅坂46は物語駆動なんです。
大谷 そう考えると両方ともプロデュースしている秋元康はやっぱりすごい。
柴 やっぱりあの人はすごいですよ。僕は「秋元康=堤義明・辻井喬」論をよく主張するんですけれども、実業家・堤義明としてアイドル産業のデベロッパーをやっているのがAKBで、ペンネームの辻井喬として詩や物語を書いているのが坂道シリーズだと僕は捉えています。
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