峠幾三のちいさな発見・旅模様

峠幾三のちいさな発見・旅模様

2006/01/22
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 朝起きて外を見た。そんなに雪は降っていない。


 昨日のことを思い出す。


 宿の主人の話。

 よく考えると、俺が北海道に憧れるように主人は歴史の街に憧れているのだろう。

 あんなふうに思ったことを反省する。

 たまに訪れる雪国だからいいと思うが、実際に住んでみるとそんなことは言ってられないのかもしれない。

 朝食前に港に行ってみる。

国後が・・・

 寒いのに鳥は元気

羅臼の朝



 朝食を済ませ、出発の準備をする。


 支払いとき、ビールを飲んだ数を告げると、寝ていた主人が「一本でいい」といってくれた。


 お礼を言う。

 さらに、おばさんが弁当を作ってくれていた。

 心をこめてありがとうございますと言った


さあ、今日はどこまで行こうか。



 知床峠は冬季通行止なので標津まで戻ってから北上。

 斜里町には流氷が来ていた。

流氷



 網走で給油して、R238をひた走る。


 長い。



 長い。


 景色は変わらず、ただ海岸線に道がある。





最北


 それから稚内へ。

 少し、車でまわったあと駅に車を停める。


 今日は、最北端の町で飲むのだ!


 飲み屋街に向かって歩く。


 こける。



 気温が低く、道はツルッツルのアイスバーン。


 いい店がないか探すが、よくわからない。

 ちょうど、前を飲み屋のおねえちゃんらしき集団が歩いている。

 聞いてみよう。



 「すいません、いい居酒屋ありませんか?」


 少し戸惑っている。不思議に思っていると、


 「私たち中学生です」



なんだと~ 



 中学生には見えない。

 後ろ姿だけで判断したのが間違いか、旅が長くなっているせいで疲れているのか。




 しかし、なぜ中学生が夜9時に飲み屋街を歩いているのか?

 歩きながら話していると卒業式の打ち上げらしい。


 しかし、みな上手に歩く。俺は何回も滑っているのに、スタスタ歩いていく。

 最北端の中学生は違う。



 そのうち、「あっ、あの親爺っていう店がいいってお父さんが言ってたよ」と教えられる。

 ほんならねと礼を言って別れた。



 店に入り、ホッキ貝の刺身、生ニシンの塩焼きを頼む。

 「一人?」と聞かれ、「島根からきました」というと、


 「一人で稚内に来る人は自殺の人もいるから…。お兄ちゃん死んだらだめだよ」と言われた。


 …。



 そんなに落ち込んだように見えたのか?

 最北端到達でかなりいい感じなのに…。



 複雑な気持ちで酒を飲む。


 しかし、そのうち隣のお客さん、さらに隣と話が弾み楽しくなってきた。

 店の大将も酒を2杯サービスしてくれてご機嫌な俺。


 かなり酔ってきた。


 支払いを済ませて店を出る。  


         「また来いよ!」


 大将が声をかけてくれた。


          「また来ます!」



 外はもちろん氷点下。


 来る時よりも少し静かになった街をあったかい気持ちで歩いた。













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最終更新日  2006/01/22 10:50:09 PM
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