経堂界隈

経堂界隈

January 8, 2015
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カテゴリ: 歳時記
昨年の暮れ、SONY Pictures Entertainmentが配給する米国映画 The Interview が、映画館へのテロ攻撃の可能性などから劇場公開を中止するとの報道を目にした。
そのとき思ったことは、
1.韓国でも、 朴大統領のスキャンダルに触れた産経新聞支局長が在宅起訴されて いて、朝鮮半島では南北それぞれに言論の自由がない
2.しかし、報道ないし映画製作する側も、人の国の最高指導者をパロディ化、あるいは、その人格を貶めることが、果たして、まっとうな政権批判であり、守るべき報道、表現の自由なのか は甚だ疑問。報道、表現の自由を標榜する場合には、それなりの節度があるべき
3.もし、The Interviewの配給会社がSONYでなく、他の米国系企業であった場合、劇場公開中止という判断に至ったであろうか?日本企業SONYとしての「配慮」がそこに影響していたのではないか

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そんな中、ドイツ、フランス、中華人民共和国共同製作の映画、 John Rabe
この映画、日本では香川照之、柄本明と、それなりの日本人俳優が出演しているにもかかわらず公開されていない。
ことは、南京大虐殺に関係する。
極右勢力を恐れてというのが考えられるが、真の事情は、困難が予想される割に興業採算がそろばんに合わないという判断があったものと思う。
もし
公開を阻止ないし妨害せんとするものがあったとすれば、その阻止ないし妨害は間違いと思う
具体的な動きがないにもかかわらず、自主規制なりの理由で公開せぬことがあったならば、それも誤りと思う

なぜなら、この映画の主題は、南京大虐殺でも反日でもないのだろうが、かなり重要なプロットとしてそこに描かれた日本人のありようは、それが、我らの本質ならば、我々はそれに率直に向き合うことを怖れてはならず、あるいは、それが程度を超える悪意の捏造であるならば、その是正を考えねばならぬからである。
いかなる主義主張の方であろうと真実に目をつぶる者は、やがてその真実に復讐されるのである。

昨年、日本語字幕が完成したらしく、自主上映の形で一部で公開されている。しかし、現段階でこの映画を日本で見ることは、まだ容易ではない。
話しを聞いて、なんとか目にすることができたのだが、僕の場合、日本語字幕はなく、おそらく英語版と思う。
おそらく、というのは、英語、ドイツ語、日本語、中国語が入れ替わり出てくる映画を字幕なしで見る能力が残念ながら、僕にないからである。なぜ、英語版と思うかといえば、ドイツ映画は通常ドイツ国内で公開される場合は、全編吹き替えが通常であること、また、英語版とドイツ語版で一部異なる配役となっているものが、英語版の配役と思われる、この二つの理由による。


と いうのは、少なくとも中国のほかドイツ、フランスをはじめとしたヨーロッパ諸国の一部で公開されているのであるが、上記配役の違いを含めて、どの国で公開されたバージョンを見るかによって、ニュアンスが異なる可能性が強いからである。
例えば、僕の見たバージョンには、蒋介石が出てくるが中国公開バージョンではその部分は存在しない。
中国で言えば、南京大虐殺の当事者は蒋介石率いる国民党中国であるが、その事実は今日、虐殺キャンペーンを展開する共産党中国には不都合。
逆にナチスに関する表現では、ドイツ公開バージョンでは、ラーべがナチス党員であったことはともかく、ラーべのヒトラーに対する信頼意識は中国公開バージョンより抑制的である可能性が高い。
商業映画のご都合主義と非難することは簡単だが、製作者ないし監督の考える主題が、それらのところには無く、ラーべというその時代のドイツ人を描くことにあって、その他には拘泥しない態度と解釈することもできよう。


時代は否応無しに次の段階へと移っていく。われわれにせめてもできることは、多様な解釈、多様な立場を次の世代を信頼して委ねていくことであり、どのような人たちがどのようなことを言っているのかを、一様に阻止し、あるいは、強調することは、もはや無益なのである。

それは、
映画そのものへの批判ではないのだが、 この映画に描かれている日本のイメージが著しく、日本を貶めるものであるからである。理由は単純で、独仏中合作の中で、中国の意向が映画全体に影響していて、特に日本人が登場する部分にそれが強く反映されているということに過ぎない。映画市場の規模は中国が日本を圧倒する。日本市場を捨てても、中国に迎合すれば十分採算が採れる。だからこそ、問題は深刻である。
もし、この映画に描かれていることが本当ならば、我々は、今まで以上に深く反省せねばならぬが
それが、
真実でないならば、
これまで、このような事態にも寛容であった我々は、今後どのように向き合うか、これまた真剣に考えねばならない。

John Rabeは、まだ、それでも独仏中合作である。巨大な資本、市場を擁する中国が、今後、米国での映画製作に強く影響して行くのは避けられない。さらに影響力を増した第二、第三のJohn Rabeが続出する可能性は十分にある。米国の言う表現の自由を旗印に、日本と日本人をあるべき節度を超えて貶める映画が出てくる時、日本での上映阻止は、意味がないどころか、強烈な非難を浴びることになる。

The Interviewを向こう岸のことと、面白、おかしく見ていては、その深刻さに気づくことはできない。

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ここまで長々と書いて、まとめていく前に、パリでの出版社襲撃のニュースに接した。
国家にしろ、宗教にしろ、批判に寛容でない文化が片方にあり、他方に、表現の自由を至高の価値とする文化がある。
その狭間にあって、我々は、そろそろ旗幟を鮮明にすることを求められているのではないか
逃れられるか、ニッポン





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Last updated  January 8, 2015 06:37:23 PM
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