経堂界隈

経堂界隈

February 12, 2016
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カテゴリ: 観病日記
過日、娘がたまには親父(僕の親父、娘にとっては祖父になる)のところへ行きたいと言うので、見舞いに行くことにした。
もちろん孫(親父からみればひ孫)は、いつもの通り娘に漏れなくついてくる。

高齢者施設に入居中の親父。昨年から癲癇の症状が出ているが、抗癲癇薬の服用は控え、様子を見ながらというところ。ふだんの生活は、一時よりだいぶん改善し、自分で食べるし、内容も、とろみ食から、やわらか目のものへ一段階改善が見られる。
とはいえ、食事時間以外は、寝ていることが多く、なかなかその時間帯を狙って出かけられるというものでもないのではあるが、せっかく、娘と孫が行くというのであるから、昼食時間を目指して出かけることにする。

娘が運転で、僕と後部座席に座るのだが、 最近、歩けるようになった孫は、外出が好きなようで、車に乗っても以前ほど嫌がらない。

高齢者施設までは、車で15分ほど。
我が家からも、妹宅からも近いところに、ということで選び、途中、トラブルがあって、同じ系列で近くの別物件に転居。ほぼ3年を経過したところだ。
入居時の契約は、イニシャルの負担が少ないものを選んだことで、月々の支払いが重いランニング型。
行政の指導で、イニシャル型とランニング型の累積コストが一致するのは、過去の平均入居年数から割り出した4.4年。それを超えれば、負担は結果重くなるのだが、それは、長命ということでもある。


孫は、義父の入居する高齢者住宅(こちらは、自立して動ける人が前提)には何回か行ったことがあるが、親父のほうへ行くのははじめて。
親父は寝たきりということではないものの、義父より高齢化が進行してしまい、僕ら夫婦と自宅に居たものが、夜間外出して徘徊、警察に保護されること数回に及び、ついに音を上げて、高齢者施設に移ってもらったもの。
入居当初は、施設になじまず、トラブルから転居にまで至ったことで、それなら、自宅に戻して、という時期もあったが、スタッフの皆さんのご協力で落ち着いた状態が続いている。
しかして、その要介護4、5という方々の中に、一歳1.5ヶ月の孫を連れて行くのは、僕にはちょっと違和感があったのが、ありがたいことに、娘は一向意に介さず、一緒してくれた。

高齢者施設につくと、ちょうど責任担当者の人が、入り口のところに居て、最近の状況を詳しく説明してくれる。若干質疑応答のあと、分かれて二階に上がり、父のところへ。

親父はちょうど食事をはじめたところ。
同じテーブルには、もう一人のおばあさんと同席で、一人の女性スタッフが二人の入居者の食事を世話している。
「お父さまは、最近、よく召し上がれるようになられて、ちょっと急いで搔き込むことがあるので、そこを注意すれば、出されたものは、一人で、だいたい完食なさいます」
「そうですか。搔き込むことは確かにありますが、食事はゆっくり食べるほうだったですね」
「えぇ、ふだんはゆっくり召し上がるんですけど、ときどき搔き込むように召し上がって」

孫は僕に抱かれながら、食事を見ている。

今のところ、ご飯を食べるのは、親父のほうが上手ではある。
「爺さんの、これは、ひ孫」
「ひ ま ご ってなんだ?」
通じないなぁ
娘が説明しようとするが、分からない。

「私は孫です」
「ま ご ってなんだ?分からないよ」

苛立ちで親父はときどき語気を強めるが、娘は意に介さす、話をしていく。
なるほどなぁ、子育てってのは忍耐をつくるんだ
僕は、無理して相手に合わせるけど、娘は、そういう意味では自然体だな。

後日、一昨年お父上をなくされた知人と話しをしたところ
「そうなんですよ。父が入院してるとき、母とか姉は、姉は子育てしたことないんですけど、親父とちゃんと話しをできる。僕は、昔、厳しくされたことの記憶とか、こんな親父見たくない っていうほうが先になっちゃうんですけど」
僕にも同じ思いがある。そういう意味では、子育てではなく、男女差か
しょせん、男親と息子は、オス対オスで、敵対関係?

「おいくつですか?」
親父はそう尋ねたのだが
「一歳になります」
という娘の答えに
「いっさい ってなんだ? 分からない」
とまた苛立つ。

「取っ手つきのプラスティック食器はいいね。今度買うことにしよう」
「取っ手つきのはあるじゃない?」
「あれは、コップ。取っ手つきのもあるけど、あれは陶器で重いから、自分で持っては食べられないでしょ」

「スプーンは柄の長いのを使うんですか?」
「そうですね。その方の手の状態によって、食事の内容によって、あったものを使っていただくようにしています。指があまり動かない方には、長めのスプーンですかね」

介護と育児には多く共通するところがある。
娘も仲間のお母さん方と一緒にすごす中で情報交換はあるはずだが、
いい意味でビジネスとしてノウハウが蓄積されている介護の現場からは、学ぶところがあるということだ。

しばらく、そんなスタッフとの会話とか、親父との成り立たないやりとりを続けるうち、食事も終わり近くなり、スタッフの手間を取らせても と 引き揚げる。

そのまま娘宅に戻って昼食。





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Last updated  February 12, 2016 02:22:34 PM
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