コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

2014年05月13日
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カテゴリ: 感謝を伝える
 3月26日~27日に、日本クラブメンター協会が主催した「大人の修学旅行」の2日目に見学した、「見本となる素晴らしい企業(メンター企業)」は、「かんてんパパ」でおなじみの、「伊那食品工業株式会社」でした。

 この会社の代表取締役会長、塚越寛さんのお話しは、数年前にモラロジーを学ぶ経営者の組織「日本道経会」の講演会で聞かせて頂いておりましたので、是非会社見学をさせて頂きたいと、予てから願っておりました。

 そしてもし可能なら、そこではできなかった「2つの質問」を、直接塚越会長にしてみたいという希望を抱きながら・・・

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 朝、始業前に社員が社内清掃をする時間に、一緒に掃除をさせて頂く予定でしたが、生憎小雨模様だったので、広い公園のような敷地の会社内を案内して頂き、散策させて頂いた後、塚越会長のお話を約1時間聞かせて頂きました。(講演40分、Q&A20分程度)

 その講演の中で、私の心に響いたフレーズをいくつか紹介させて頂きます。

2014.03.27 伊那食品工業2.jpg

2014.03.27 伊那食品工業1.jpg

『人間は、地球にとって迷惑な存在。汚すし壊すし・・・ 地球が喜ぶ生き方を人間も心がけねば。
 どんな生物も、種の保存が使命。会社も、いい会社に育てて次の世代に引き継ぐことが重要。そのためには、確実に将来に向けて成長し、永続させる仕組みを作ることが大切』

 『急成長、利益の拡大ばかりが持てはやされ、そんな会社がマスコミで騒がれているが、そういう会社が30年後50年後に存在するかどうか分からない。重要なのは、樹が一年毎に年輪を刻みながら確実に成長していくように、ゆっくりでいいから成長し続けることだ』

 『社員が、会社を自分の家と同じように大切に思い、働く仲間を家族のように大切にできるようになれば、倍の働きができる。
 「社員にとって快適な会社にする」という気持ちを、トップが持ち続けることが大切。
 そのために、社是は「いい会社をつくりましょう ~たくましく そして やさしく~」を掲げている。
 その実現のために、福利厚生を充実させてきた。もう1つ行ってきたのは「協調性のある人を社員に採用する」こと』

 『社員の家族とハワイ旅行に行った時、ホテルでゴロゴロしている人はいない。「折角ハワイまで来たのだから、しっかり楽しまなきゃ、もったいない!」となる。
 人生も同じ。人に喜んでもらえるように働く方が楽しい。折角生まれて来たんだから、一度しかない人生だから、自殺するなんてもったいない。
 それを社員に分かってもらい、日々の生活を充実させてほしいので、社内の色々な場所に「百年カレンダー」を貼っている』


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 講演の後のQ&Aの時間に、私は念願の「2つの質問」をさせて頂きました。



◆質問1◆

 『「倒産寸前の会社」の再建を託されて以来、「社員が、自分の家庭と同じように大切にしてくれる会社」に立て直すために、どのような工夫をしてこられたのでしょうか?』

 会長のお答え

 『当初は、倒産寸前で銀行の管理下にあった会社なので、当然銀行からお金を借りることはできませんでした。そこで、古くて故障する寒天造りの機械を、油まみれになって修理するなど、社員の先頭に立って働き、「この社長は本気だな」と信頼してもらえるように努めました。
 夏は工場にエアコンも無く、皆が汗だくで働いてくれているので、牛乳を振舞ったり、残業をしてもらう時にはお腹がすくので、パンを食べてもらったりしました。
 このように、できる事をコツコツ積み重ねて、20年間かかりましたね。軌道に乗るまで・・・』


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◆質問2◆

 『私達が学ぶメンタリングでは「優れた経営者には必ずメンター、あるいはメンター的存在の人がいる」と教えてもらっています。
 塚越会長が「急成長より着実な成長(年輪経営)」「社員にとって快適な会社にする」という理念を学んだ、人生の師(メンター)は、どなただったのでしょうか?』

 会長のお答え

『私の人生の師は「池上房男」という方で、「目的(社員の幸せ・会社の永続)と手段(利益・会社の規模拡大)を取り違えなさんなよ!」と指導されました。詳しい事は私の著書に書いていますので、そちらを参考にして下さい。

 その他に企業経営で参考にしたのが「松下幸之助」と「二宮尊徳」の思想でした。
 古典に学ぶという事で「二宮尊徳」の「遠くをはかれ(長期的視野で見よ)」「人の道を学び、実行しろ」を尊重し、実践に務めて来ました』


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 塚本会長の著書「いい会社をつくりましょう」の49頁から、人生の師「池上房男氏」について、書かれている部分を以下に紹介させて頂きます。



 私は30代半ばのころ、天明化学工業株式会社の池上房男さんに出会いました。池上さんは、当社に近い南箕輪村で1946(昭和21)年に創業され、一代で高収益企業に成長させた人です。

 「企業経営の真の目的は人間のためである」との理念に基づいて、会社の永続と安定成長を目標にして経営をつづけてこられました。

 厚い人望と人格により多くの公職を担われ、90歳を超えたいまも、お元気に活躍されています。「後進を育成しよう」と県の異業種交流会の代表幹事もされた、立派なお考えの持ち主です。

 私は池上さんに、「目的と手段」の関係について教えていただきました。
池上さんは常づね、「目的と手段をとり違えてはいけませんよ」とおっしゃいました。長い年月のあいだに、いつのまにか目的があいまいになって、本来の目的、「本来あるべき姿」とは違う歩み方をしている企業や団体が多くあります。

企業経営で一番大切なのはヽ「本来あるべき姿」を追求することだと思います。企業が第一に考えるべきことは、働く人の幸福です。企業の目的は、社員を幸せにすることを通じて、いい会社をつくり、社会に貢献する事です

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1958年の会社設立から48年間、連続の増収増益を達成している 、まさに「見本となる素晴らしい企業(メンター企業)」であり、総合人間学モラロジーで言うところの「道経一体・三方よし」の経営思想を見事に実践している、優良企業であることを、社内の工場やショップを見せて頂き、社員の皆さんの言動からも、実感させて頂きました。

 実際に会社を見学でき、塚越会長から直接お話を伺うことができ、感謝・感激でした。






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最終更新日  2014年07月19日 10時34分00秒
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