ボランティアキャリアコンサルティング

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キャリアコンサルタントひろくん

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2025.10.09
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​​​​ 人は 強い恐怖、不安 などを感じると、 心が著しく不安定 になってしまいます。 強い恐怖・不安を感じた直後の混乱した状態を急性期 (もちろん恐怖・不安も感じ続けています)といいます。急性期が収まれば、次第にストレスや問題に対して、様々な対応をすることができるようになります。そうした対応の効果が上がりやすくなります。ですから、 混乱した状態の急性期をスムーズに乗り越えることができれば、それだけ問題の解決・緩和が早まる わけです。

 もちろん急性期に対して、認知行動療法に限らず、介入的な要素が強い解決志向アプローチ(療法)なども適切に用いれば、急性期でも有効になりえます。ただし適切に実行しないと、効果が上がらないだけでなく、むしろ 対象者をより混乱させるリスクも存在 します。
 ですから、少し時間と労力が多くかかってしまいますが、まず 混乱した急性期を「鎮める」為の対応を行う方が、急がば回れ的に効果を発揮することがある わけです。



​【支持的心理療法の「セルフワーク版」】​

 支持的心理療法では、カウンセラーが「安全基地(safe base)」の役割を担います。クライエントの気持ちを安定化し、自己肯定感を保つ支援を行います0つまり鎮静化させるわけです。セルフワークでこれを行う場合 「自分自身が自分の安全基地になる」 という視点が大切になります。​
​<安全・安心を回復するセルフワークの4つの柱>​
①【身体の安定化】―「今ここ」に戻る
​ 急激な恐怖や不安は、クライエントに解離傾向や転換症状を引き起こすことがあります。「心身の乖離(かいり)」が起きている状態でもあります。いつもの自分と全く違う状態になってしまっているわけです。ですから、まずは 「身体感覚を取り戻す」ことが、最初の安定化の鍵 です。​
◆グラウンディング
 足裏を床に押しつけ、重心を感じながら「私はここにいる」と意識する。立位が難しいときは、座ってお尻の面を意識したり、仰向けになる場合は体幹全体などの重さを意識してもかまいません。
◆呼吸法(腹式呼吸・4-・-8呼吸など)
 息を吸う4秒 → 止める0~7秒 → 吐く8秒。副交感神経を優位にすることができます。止める部分に幅があるのは、息苦しさが発生する個人差を調整する役割を持たせてあります。
◆温覚刺激
 ホットパック・温かい飲み物・毛布で身体の輪郭を感じる(安心感を回復)。38~40度の温浴。
②【情動の安定化】―「自分の感情を否定しない」
 支持的心理療法では、「それでいい」「今のままでいい」という承認的態度が中心です。セルフワークでも同じ姿勢を自分に向けます。
◆セルフ・コンパッション(自己への思いやり)
 「この状況で苦しくなるのは当然だ」「誰でもつらくなる」と 声をかける
(クリスティン・ネフ氏の研究にて効果が確認されています)
◆ジャーナリング(書くことで整理)
 感情を「吐き出す」形で書く。正しさよりも、「自分の体験を見える化」する。具体的には「いま感じていることリスト」を作成してみます。
 「怒り」「悲しみ」「無感情」… などと自分の気持ちを素直に列挙するだけでも、脳が整理され安心感が戻りやすくなります。
③【認知の安定化】―「自己批判を和らげる」
 不安時には「自分が悪い」「耐えられない」といった思考が強まりがちになります。CBT的技法を「軽く」応用して、思考を緩めます。
◆簡易版認知行動療法
 出来事 → 感情 → 自動思考 → 反証(別の見方)を書き出します。例えば安全な部屋などで、次のように考えていきます。
「また顔がこわばっている → とても怖い → また発作になるにちがいない! → いや、今は安全な場所だ。周囲を見渡してみよう。」
◆安全フレーズを繰り返す
 例:「今はもう危険は過ぎた」「今の私は大丈夫」(解離的再体験時に有効)
④【環境的な安定化】―「安心の場を作る」
​ 支持的心理療法では、 外界における「安全な環境」の確立も重視 します。環境が人に絶大な影響を与える視点は、ソーシャルワークでも重視するところです。​
◆安全な場所のイメージ法
 心の中に、穏やかな光・自然・守ってくれる存在などのイメージをつくる。私は20年前のうつ病克己の際は、オレンジ色の温かい光をイメージしました。「ジョジョの波紋ごっこ」をしていました
◆信頼できる人・場所のリストアップ
 安心できる人(家族、友人、専門家)や、落ち着ける場所(カフェ、公園など)を紙に書き、危機時に見返します。書き出すだけで、効果が期待できます。
◆生活リズムの固定化
 睡眠・食事・活動のリズムを安定させるだけでも、脳の安全感が向上します。これは身体的に健康な人が、不摂生な生活を1週間続けたら、身体の調子が不調になってしまうことを想像できれば、納得して頂けると思います。レジリエンスを向上させるわけです。

段階 目的実践例
身体の安定グラウンディング+呼吸法
日中 感情の承認ジャーナリング・セルフコンパッション
認知の整理・環境の安心安全な場所イメージ・安全フレーズ
 このように1日の中で“自分の安全を再確認する時間”を 小刻みに持つ ことが、支持的心理療法と類似した安定化効果をもたらします。つまり、 いつも安心できる状態になりやすい わけです。
【実践上のポイント】
​​​  「自己否定のない内的対話」 こそが、支持的心理療法の本質的効果となります。セルフワークでは、技法そのものよりも 「自分を味方につける姿勢」が中心。自分を一切否定せず、味方度100%でかかわろうとする わけです。 安定化が進むと、より深い自己理解や認知修正も安全に行えるようになります。 ​​​
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Last updated  2025.10.09 19:10:59
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