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第1回 「人生の目的」・A.S.ニイル(1883-1973)「人生の目的は無い」→人生は自分で考えるものだ・実存主義におけるダーザイン(Dasein)…ふと気付いたらそこに生きていた!☆自分で、人生の目的・意味を設定していくのだ!☆人の自由を奪わない限り、自由に生きよ!・人の為に役立つ=GIVE & 自分の欲を満たしていく=TAKE☆人生はギブアンドテイクである。☆自分の出来る範囲内で、与える人生を実行しよう。アウシュビッツで地獄を見た人でも、最後まで人間の尊厳を保ち続けた人たちがいたように。☆生きる意味を見出し、日々を大切に生きよう。そのために→「有難う」と死んでいける人間は、人に与えてきた人間。臨終の間際でも人に貢献する人間である。カウンセリングは死に方を教える学問である。そして、良い死に方を考えることは、良い生き方へとつながる。第2回 人生の幸・不幸・人生の不幸=欲求が充足されていない事・人生をぼやきながら生きる人の傾向とは?①自分の願望が現実的でない為、慢性的にフラストレーションを溜めてしまう。例)全ての人に好かれたい!→自分だって嫌いな人がいる、という事実を無視。例)完全な夫婦であらねばならない!→夫婦喧嘩で生活に張りがあったから、長生きできた。②簡単に不幸と言ってしまう。 本当はただ単に快適でないか、不便であるぐらいではないのか?大げさに考えるな。☆人生に八方塞はない!(Nothing Is Awful!)byアルバート・エリス③快適な方向に向かって動こうとしない例)無職で困っている人へ助言。電話帳を片っ端から電話しまくれ!→1週間で仕事を得られた。☆自己中心的な姿勢=誰かがやってくれるだろう… から脱却せよ!第3回 プロセス主義☆結果に向かい一生懸命に生きる流れ(プロセス)が大事(具体例)夏目漱石氏が療養の為に東京に向かった時の俳句「見つつ往け 旅に病むとも 秋の富士」が意味する事。療養に向かう途中の旅路ですらも、富士の景色を楽しもう、という事。・国分先生はプロセス主義をアルバート・エリスさん(1913~2007 米)に教わった。立派な本を書かないといけない!死後残る本を!→なかなか執筆がすすまない。→エリス氏を見習い、書きたい事を、書きたい時に、書きたいように書くスタイルだと、次々と本を執筆できた。☆結果がどうあろうと、経過をもう楽しんでいる。禁欲主義=結果主義。目標達成の為に我慢。結果が大事だ!快楽主義=プロセス主義。楽しむ事は良い事だ。☆結果主義よりもプロセス主義の方がいいのではないか?第4回 おかげさま☆人の縁を得て生きている=「おかげさまで」の精神・In-Der-Welt-Sein「世界内存在」☆人は一人で生きているのではない。他との関係においてのみ生きている・自分ひとりで必死に生きてきたという感覚=幼い精神性。「幼くて愛を知らず」?では成熟するにはどうするか?①内観法人生に深く関わった人(母親、父親、親族や親友、職場の上司などの順)について1)してもらったこと2)して返したこと3)迷惑をかけたこと 以上の3つをじっくり思い出し、味わう方法。②人をケアする事人の面倒を見る事で、自分も色々してもらってきたなぁ・・・という気持ちと、人との繋がりを共に実感できる。第5回 リフレーミング☆リフレーミング(Reframing)とは、同じ事でも違う観点から見れば、違う意味がある事である。(具体例)半分あるウイスキー 「もう半分しかない」? 「まだ半分ある」?前者は否定的。後者は肯定的な観点を持っている。☆複数の意味づけをできる人=リフレーミングできる人である。リフレーミングは、人生の幸・不幸を変える事ができる。(具体例)斉藤義重先生の生徒評価 「君の絵は批評のしようが無い。但し、既存のルールに縛られていない良さがある!」(具体例)国分先生の実体験 日本では民間学者を研究するはみ出し者。ところがアメリカでは、日本人として数少ない民間学者の学問研究者だ!との評価。☆不幸にいる場合は、自らリフレーミングせよ?自らリフレーミングできるようになる為にはどうすればいいのか?①複数の価値観に触れる事。文化人類学を学べ。②レッテル貼りをしない事。例えば、「バラは赤い!」本当に真実か?枯れたバラは無いのか?つまり「今のところは~である。だが、将来は違うかもしれない」のだ。③常識に縛られないようにする。例えば、親に反抗する子供への評価。常識に縛られなければ、子供の自我の発達を認められるようになる。☆同じ事象を見ても、意味づけによって気持ちが変わってくる。第6回 人の心・78年間生きた國分先生でさえ、人のこころはわからない事が多い。従って何気なく言った事が、相手を傷つけるのも止むを得ない。?どうしたら人の心をわかるようになれるのか?①人の体験する事は自分も体験しておいた方が、察しの良い人間になれる。金、愛情、勉強、仕事、嫁姑、上司、友人の裏切り、などに苦労すると良い。但し一人で全てを体験する事は困難。そういう時は、経験者の体験談を聞くのだ。これを「耳学問」という。②「ねばならない」に自分をがんじがらめにしない事。相手を断定的に決め付ける事がある。従って、「~であるに越した事はない」へシフトさせる事。③心ならず、人を怒らしたり、悲しませたり、傷つけたりする事はある。「私が人を許すように、人も私を許してくれるに越した事はない」と考えよう。第7回 人生の事実・クラーク・ムスターカス(実存主義的心理療法家)のプレイセラピー(遊戯療法)時のエピソード。(國分先生)「もしも対象者の子供が人に見られてカウンセリングをしたくない!と駄々をこねたら?」(クラーク先生)「世の中の人はそれぞれの想いと目的をもって生きている事を説明しただろう。」☆あるがままの状況(人生の事実)を受容する事が大切である。?どんな人生の事実がありえるのか?①「如何ともし難い人生の事実」の中で、どう生きていくかを考える②愛するものとの別れ。人生は「分離」の連続である。その中でどうやって生きていくか?③嫌な人、苦手な人と共存せざるを得ない。世の中は自分の為に作られていないのだ。④人はいつか死ぬ。それを科学だけでは割り切れない。生きている時は、生きる事を楽しもう。死ぬ事はあがくことなく、正面から受け入れよう。☆つまり、自身の人生哲学を持っておく必要があるのだ。☆ナーシシズム(Narcissism 自己中心性、自惚れ、万能感)が強く残る人は、「いかんともし難い人生をどうにかしていく気概」を持ちにくくなる。☆ナーシシズムから脱却し、「人の目で、自分を見られる人」、つまり大人へと成長していこう。第8回 自己を打ち出す・従来の日本は「出る杭は打たれる」など、ややネガティブであった。しかし、これからは、自分はこうして欲しい!と主張できる面も必要だ。☆人に「~して欲しい」とためらわずに言う方が良い。・自分を打ち出す=喧嘩とは限らない! つまり☆「相手にも自分にも自己主張する権利があるのだ」・自己主張が苦手な人の理由。人から悪く思われると思う「失愛恐怖」を持つから。☆人生には「人に悪く思われてもいいから言わねば・せねばならない事がある。しょっちゅうは無いはずだが、「引くには引けない線」をハッキリイメージしておく事。(具体例)杉原千畝(外交官)… 第二次世界大戦において、ナチスドイツの迫害から逃れようとするユダヤ人たちに、多くのサインを行った人。当時同盟関係の都合、国よりサインの禁止を通達されても、失職の恐怖より人道を優先した。☆自己主張には、自分自身の哲学が必要。自己哲学があるなら自己主張訓練が有効になる。第9回 自己を開く(自己を語れ!)・霜田静志(1890-1973)先生への相談体験より「有名学者〇〇はこう言っているが、僕は~と思う」という自己を語れるスタイルになる必要性を、國分先生は感じた。・自己を語るメリット①自己を語る事によって自己を発見していく②人が近付きやすくなる(自分が何者かわかるから)③自己開示する人に触れると、その人も自己開示できるように影響を受ける。④若い人にとって、人生の問題解決のヒントとなる。具体例:桐村普次(法大教授)の研究内容:30代に良い上司とめぐりあった人は、大体重役になれていた。良い上司とは、自分の体験を惜しげもなく語ってくれる上司の事である。☆自己受容(あるがままの自分を認める事が)できている人は自己開示しやすい。但し、全ての事を受容できていない事は当たり前である。【筆者補足】『自己開示の危険性について』 私は自己開示の概念に、大学時代に出会いました。親から教わることができず、ゼロから試行錯誤で学び始めたので、苦労を重ねましたが、その分十分に実践的な研究もできたと考えています。 先生の教えを真に受けると 「誰に対しても自己開示を試みて、更なる自己受容などにつなげるべきである」という姿勢になりうるリスクを感じました。その修正案として、☆自己開示は信頼関係を結べそう(結ぶべき)な相手にたいして、信頼度が高まるにつれて次第に自己開示度を高めた方がよい。方が無難かもしれません。では信頼度を次第に高める為にはどのようにすればいいのでしょうか? <最初> 自己紹介を行う。表面的な内容を開示する。(年齢、好きな食べ物など) <その次> 相手がコミュニケーションを続けてきているとか、好意的に見えるなどの場合。ちょっとした失敗の自己エピソードや、自分の個性に関わること(例:動物の〇〇はかわいいですよね)を開示してみる。 <その次> そうしたやり取りを相手が受容してくれたり、また相手も自己開示をある程度してくれている場合、次第に自己開示の質(深さ)と量を高めてみる。 ☆要は相手を観察しながら、信頼できそうかを感じつつ行うことが大切です。不用意に相手と敵対しないうえでは大切な面となります。相手と感情豊かに話すには、この意識が邪魔をするときなどもありますので、 ☆自分の相手はどんな個性の人なのか?立場・役割のひとなのか?=友達として交流できる余地があるのか? という観点も、感情交流を豊かにしてもよいのか?という不安を感じる場合、有効な判断基準となるかと思います。最後に、そんな計算通りに人間関係など結べない!という気持ちがわくのは当然だと思います。その通りです。実際上記のように気を付けていても、上手にいかない場合もあれば、信頼関係を結べてしまう場合もあります。人間関係はお互いで作り上げるものです。☆ふれあうことのできる人生は確かに心を豊かにしてくれるが、そういう人間関係を結べればそれにこしたことはない。自分にも相手にも相手を拒否したり、認めなたくない自由がある。ぐらいに考えておく方が、気持ちが落ち着く上、失愛恐怖に陥ることなく、人間関係に過度に過敏にならないですむことでしょう。第10回 行動を起こす☆世の中、口先だけでは渡れない。行動で示せないとダメな時も多い。・「心頭滅却すれば火もまた涼し」の格言は、代表的な心理主義を表す言葉である。すなわち、心さえ変えれば問題は解決できる主義である。(カウンセリングの世界で多くみられる)だが…☆折衷主義(特定の考えに固執しない主義)から言うと、火そのものを消してしまう方が良い時もあるといえる。☆行動を起こす判断は、自分の人生哲学による。☆自分の人生の中で、価値のランキングをつけること。すなわち、「引くに引けない最後の線」を明確にしておく事。第11回 表情・美男美女でも異性にもてない人がいる。それは、表情が貧困だと人は寄ってこないのである。☆表情は心の表現である。・攻撃を受けるのではないか?と緊張している人は、表情を豊かにできない。また、恐怖が続きすぎると、本来の表情を失ってしまうのだ。・いつもニコニコしている人は失愛主義が強い人間である。相手から何かしらの愛情を欲しいと思い続けている人である。つまり、相手から奪い続けようとしている人(ギブアンドテイクの人ではなく、テイクアンドテイクの人)と言えるのだ。☆アイアン・D.サティ(英)の理論を応用して言えるのは、「いい顔とは、人に与える顔である」?どうすれば与える表情の人になれるのか?①母親の心を持っている人(柔和な顔 人をいたわる顔 共感している顔)②毅然とした、凛とした、決意を秘めた顔つき 人の不安を消し、勇気と希望を与える力がある。③無邪気な顔 お互いに安心して子供心を出せる顔・リンカーンの言葉「40歳になったら、自分の顔に自身を持て」?表情を与える上での要点は?①相手の子供心に触れる事②相手の子供心にコンタクトしていく事・道元の言葉「人を慈しむ事は、相手を子供のように扱う事だ」第12回 勇怯の差・従来のカウンセリングの主流は治療。扱う題材も悩みや不安など。夢、勇気の養成などを扱うカウンセリングが増えてきている。これをポジティブ心理学という。☆震えながらでも良い。言うべき時に言うこと。やるべき時にやることだ。☆「勇怯の差は小なり。責任感の差は大なり」である。(意味)殆どの人にとって、怖い時はみな怖い。逃げたくなることもある。だが、大事なのは、役割に従った責務を果たせるかどうか?である。(具体例)1989年のベルリンの壁崩壊時…患者を見捨てなかった医師と看護師の話。?どうやったら責務を果たせるのか?☆アイデンティティーを定めておくと良い!?では、どうやったらアイデンティティーを定められるのか?①それぞれに応じた扱いをする事で、アイデンティティーを定めていく。(具体例)九州男児として育てられた幼年期 幼くして父親を亡くした長男が、遺影をもって先頭を歩く話 →☆あたかも~の様に毎日を送る事である!②ある役割を演じている人には、責任をきちんと持たせる(具体例)鍵係となった学生の話 幼児を対象にした知能テストのやりとりの話 ☆責任と対峙して克服する事で、アイデンティティーは定まりやすいのだ。第13回 暗記のすすめ暗記のすすめ → 覚える事を活用しよう暗記は教育ではない?考える教育をしろと言うが…☆「暗記したものを全部活用して解いて行く」のだ。☆記憶が無ければ、思考はない。(言葉を知る事ではじめて認知ができる、と小林秀夫氏も指摘している)☆たくさんの知識を組み合わせる思考により、創造性が生まれる。中国の古典より「学びて思わざれば、すなわちくらし。≒頭でっかち 思いて学ばざれば、すなわちあやうし≒危険」?何を覚えていけば良いのか?①概念②概念をまとめあげたもの。すなわち理論③使い道のある事実 (例:他人の失敗、成功談など)?では覚えやすくなる技術はあるのか?①覚えたものを口に出そう②覚えたものを使ってみよう③人に教えてみよう 1~3=アウトプットしよう!④復習しよう(人は2日で半分、40日でほぼ全てを忘れる)☆何から何まで全てを覚えなくてもいい。自分の当面の問題さえクリアできればそれでいいのだ。第14回 敵のいる人☆敵から頭を下げてもらえる人になれ! 敵とは?→ 自分を否定してくる人①大槻憲二先生の教え(文学部出身で、心理学会や意思から拒否されることの多かった学者。フロイド全集を書き上げる)・敵がいる=有能だとみなされる裏返しと思え(参考:D・カーネギー 死んだ犬を蹴飛ばすものはいない)・敵が頭をさげて仕事を頼みに来るようにすればよい②霜田静志先生の教え・柳に雪折れ無し・負けて勝つ③国分先生の教え・いくら敵でも、仁義は捨てるな。・なぜ相手はこちらを拒否するのか理解する(他者理解)・敵がいる事は、自分にとってどんな意味があるのかを発見する。自己成長につながるからだ。・発奮すること。策を練って、一心不乱に努力せよ。☆敵がいる事は絶望ではない。☆敵がいるから成長できる。第15回 先を見て生きる☆先を見て今を生きる必要もあるアウシュビッツ収容所の話(ブルーノ・ベテルハイムさん(1903-1990)による)時間を教えられない状況下では、次々と発狂者が現れていった…☆時間の流れの中で今を生きることが大切☆先が見えなくなったら、我慢する力が減ってしまう☆先が見えると、今は何をすればよいのか決断がしやすい?どうしたら先の見える人間になれるのか?①年長者と多く接する (仙崎武 文教大名誉教授の体験談 勉強をしない高校生たちに、アルバイトをすすめた。彼らは喜んでバイトに行ったが、現場で中卒以下の50代労働者の低待遇を見た。学歴の有用性を肌身で感じ、勉強へのやる気がUPした。) ②過去の歴史から、推論を立てる。③自分は何がしたいのか?「志」(キャリアアンカー、自分のテーマ)をハッキリとさせている☆先も見ながら、今を精一杯生きろ。NOW & FUTURE第16回 自己肯定感☆自己肯定感、すなわちありのままの自分を肯定している事が大切人間は生きていく上で、客観的な事実だけにさらされて生きるわけではない。自分の感じ方が大切になる時がある。自己肯定感を持とう。ただし、ハッタリではダメだ。嘘は自分が心の底で感じてしまうものだ。?どうすれば自己肯定感は高まるのか?①自力で違う価値観に触れていく。自分で人や良書に出会っていく。②泥棒と人殺し以外はなんでもやってみる挑戦心を持て。つまり、ダメだと思っていた事が、意外とできることが往々にしてあるのだ。③ものの考え方が変わると、自己肯定感が高まる。(具体例)母親として失格だ→育児の仕方がダメだっただけだ。 例:自分は喘息児で甘ったれだ→普通の人より病弱の人に共感できる素質を持っている!☆自分のはたらきかけ方次第で自己肯定感は高まっていく☆自己肯定感が高まると、状況が同じでも違う人生が展開していく第17回 人生の転機☆人生の転機とは、ある偶然の為に生き方が変化する瞬間を指す。具体例…失恋、落第、日干し、離婚、死別など。つまりマイナスのイベント。☆このマイナスイベントを糧にできる人と、できない人に分かれていく。糧にするためには、四つのSが重要である。①Self(志):自分の人生における大義、すなわち志があれば、状況に流されずにマイナスイベントをバネとして成長していける。②Situation(状況):自分の近未来の状況を予測しておき、現実として面した時の失望を軽減する。③Support(人脈):人脈がある人間の方が、苦難に耐えやすい。仮に人脈が無いとしても、周囲の人間にプラスの貢献を行う。交流のチャンスがあれば、感謝しながら交流を楽しむ。苦境を認め、マイベストを尽くし、機会を逃さないわけである。④Strategy(戦略):今後の方針を見据えると共に、現在置かれている環境に置いてマイベストを尽くす。☆自分は何をしたいのか、を意識して日々を送る。☆責任を持ち、自分の地位を育てる日々を送る。第18回 人生の転機☆気合は重要である。気合とは、意図的に自分を緊張状態に置くことを指す。そして、この状態を日常で時々作りだすのである。☆気合は、役割意識が生む。・気合負けしやすい時が二つある。①相手が年上の時 ②相手が自分よりも地位の高い時だが、自分の役割を、責任を持って果たすことで、これを乗り越える必要がある。(1を打破した具体例)山本五十六長官の真珠湾攻撃前の訓示。(兵学校の先輩にも言い放つ)(2を打破した具体例)某部長。非難し続ける専務に対し、各部長の報連相が今後途絶えることになることへの覚悟の有無を確認。相手にわびさせた。☆ただし、四六時中緊張させてはならない。(具体例)吉川英治氏の「弓のつるの話(常につるを張りっぱなしでは、弓として使えなくなる)」より、遊び(緊張の弛緩)も重要。☆気合をかける瞬間を間違えない。一方気合を抜く瞬間も間違えない。第19回 死に方・生き方・カウンセリング=死に方を教える事・自分の哲学として未確立なことは、一言で明確に言い表せない。☆良い生き方とは、死を忘れるほどにすることをたくさん持っている人生である。☆することとは、心からヤリタイコトのことである。そして、ヤリタイコトを行いながら、精一杯生きる生き方を目指せ。第20回 ABC理論アルバート・エリス先生提唱:Rational emotive behavior therapyの主軸を成す理論である。Accident → Brief → Consequence出来事 → 受け取り方 → 悩み☆ある出来事に対し、どのように受け取るかによって、悩みが発生してしまう。?健全な受け止め方にするためには?①事実に即しているか?(具体例)すべての人に好かれることに越したことはないが、実際はまず不可能である。②非論理的(非現実的)な因果の展開を防ぐ③どちらでも良いなら、少しでも幸せになれる方を選ぶ。例…どもりを逆手にとってトップセールスになった人の話。☆悩む人間は、考え方が足りていない。非現実的、非論理的、多様性の欠如がそこにあるのである。第21回 立居振舞・人間関係を築く上では、敢えて行動に表すことが有効なことがある。 相手が目上の場合。目下の場合。同僚の場合。 (その時代に合わせる必要はあるだろうが)適切だと思われる行動を示すことが望ましい。 適切とは、人間関係を構築しつつ、自分が担う役割を果たせるという意味である。第22回 アイデンティティアイデンティティ=自分は何者か?と定めている意識のこと・國分先生の体験。各種理論や実務経験を積んだ結果、自分が何者かわからずに留学地に赴いた。指導者より「それはアイデンティティの問題だ!」3か月程度で自分のアイデンティティを定めることができた。☆アイデンティティが定まらない。方針が定まらず、一貫性も持てない。まして40、50代になると問題が大きくなる。教育、育児、カウンセリングなど、自らのアイデンティティを定めないと、相手にも一貫性を持って対応できない。☆自分個人は何者なのか?=Personhood(究極の自分)を定めていこう!☆職業・国籍などのアイデンティティと、Personhoodの双方のアイデンティティを持っていこう!☆アイデンティティを自覚するということは、他と比較してどこが同じでどこが違うかを絶えず考え続けることだ。なぜなら、自分ならではの個性と、他人と同様(似ている)の点の双方をおさえておき、自分と他人のアイデンティティが共存できるように、共通性を発見しておくことが大切だからだ。第23回 知識と体験・『知識と体験』 知識だけ理解しているだけでは、本当に理解していること及び活用できることにつながらない。 知識と体験が融合してこそ、はじめて実践的に言動できると言える。 ※ちなみに概念と体験が融合すると、自己理解が進んだり、揺るぎにくい自信があふれてくる。第24回 親孝行・他人が自分に興味を持ったり働きかけてくれるのは、普通にあることじゃないめずらしいこと=有り難いである。 親に甘やかされた人は、他人に感謝すること(例:他人の飯を食う)を実践していくことが重要である。 親に愛されなかった場合は、自分が大人になった上で、親を一人の不完全な人間だったと理解することである。 内観法を活用する方法も有効である。(私はこれで母親に対してはかなり感謝できるようになった)【新・國分康孝談話室要点集】【1ふれあいとは何か 要点】自己開示する勇気を持つ人生が、人とのふれあいを生みます。 自己開示とは、ひとりの人間として何を感じるか・考えるか、を相手に伝えることです。 役割・立場にとらわれずに、人として言動することが大切です。【2なぜふれあいが大事か 要点】 ふれあいにおいて相手を人として尊重することで、相手の自己肯定感を増す支援ができます。 また相手の孤独感をいやすことができます。(人を苦しめるのは、孤独・罪悪感・不安や恐怖) さらに相手に生きる上での教え(示唆)を与えることができます。 最後に以上の3つにより、自らを相手に与えることができ、自分自身(与える側)も喜びを感じることができます。【3ひとりの人間として生きるとは何か 要点】 人にもともと生きる目的はないといえます。生きる目的は自分で創るもの、発見するもの、選ぶもの、といえます。 正解は無いかもしれませんが、自分が納得できるものを手に入れることです。 人には選択・意味づけの自由があります。しかし、他人のせい・環境のせいにしていては、自らの自由を放棄することになります。【4ふれあいを縛る思想 要点】ニーチェは、間違ってもいいから自ら選択して人生の主人公になろうと提唱しています。しかし、多くの現代人は実行できてないようです。例えば「すべての人から愛されなければならない。評価されなければならない。できなければ自分はダメなんだ。」と思い込む人がいます。修正する為には「確かにそれに越したことはないが、達成できなくてもダメではない。自分も相手を嫌う自由があり、現実いろいろな人を嫌ってきた。お互い様だよね。」などと、とらえなおすとよいです。例示の偏った考え方を、イラショナルビリーフといいます。これを粉砕する勇気(courage to be)を持つことが大切です。イラショナルビリーフを自分に向けると、苦しみや欲求不満の多い人生となってしまいます。一方他人に向けると、相手を個性と尊厳のある人(person)として見られなくなる恐れが高まります。【5ふれあいを妨げるグループへの迎合 要点】 自分が人として言動するのを妨げる4要素に、1思想、2グループ、3役割、4組織があります。(今回はグループについての動画です) 他人と仲良くしていても、自他の境界を持つことです。そしていざとなれば他人に同調せずに自分を打ち出す勇気を持つことです。 周囲に同調せずに打ち出す場合は、自分の生きる意味に反しているかどうかが判断基準のカギとなります。一方やみくもに行わずに柔軟性を持たせることも大切です。どうしても打ち出すべきだ!=伝家の宝刀を抜く!という感覚が有効です。【6ふれあいをためらわせる役割 要約】「ひと(person)」同士の触れ合いを邪魔するものに、役割も挙げられます。真面目過ぎる人ほど、惑割から抜け出て、はみ出る勇気が必要なときがあります。すなわち、ひとりの人間とひとりの人間同士のコミュニケーションを目指すのです。【7組織のなかのふれあい 要約】「ひと」同士の触れ合いを邪魔するものに、組織もあり得えます。確かに組織にいる以上、組織の命を実行して貢献すべき(役割を果たすべき)です。しかし、ここぞと思える時は一人の人間として組織の役割から抜け出る勇気を持つ方が良いです。具体例として、外交官の杉原千畝さんの生きざまが参考になることでしょう。では杉原さんのような「ひと」としてふるまおうとする勇気はどこからくるのでしょうか?それは人生哲学なのではないでしょうか?【8Courage to be 要約】役割から抜け出て「ひと」として生きる為には、courage to beが有効です。courage to be とは、自分の生き方・あり方を打ち出す勇気をもつことです。ではどうすればcourage to beの勇気を持てるのでしょうか?第1にパッション(燃える想い)を持つことです。これは問題を抱える現場にいる人たちにかかわり、知り、問題の解決の必要性を感じることで高まっていくものです。第2に自己肯定感(I am OK)を持つことです。その為には、自分の弱さも認めてしまうことです。やることをやるならば、震えたり怖かったりしてもいい。自分にダメ出しをしないことです。また、多くの人をみたり、交流したりすることで、自分が過大視している人間像が、次第に変わっていきます。多くの人はみな、自分と同様に弱さや問題を抱えているのです。人とはそんなものだと安心できるわけです。そして自分自身もそんなひとの1人でいいんだ、と実感していくことも、自己肯定感を高める上で役立ちます。【9打てば響く人 要約】人とふれあうには自己開示が重要です。その為にはcourage to beの精神が大切です。自己開示は、する側と、される側の関係が成立しなければなりません。成立させる為には、どのようなコツがあるのでしょうか?第1に相手が(さりげなく)自己開示してくれている言動を察知することです。察知する為には相手と同様の経験を自分もしておくと有利です。人生においていろいろと試行錯誤することが有効です。第2に「ねばならない(べきだ)」という考え方から抜け出ることです。善悪の判断基準から抜け出ることとも言えます(不思善悪)。第3に強すぎる劣等感を上手に処理することです。劣等感をそのままにすると、相手を引き下げようとしてしまいます。(また、自己肯定感も持てないことでしょう。)【10Being is choosing 要約】ひととして生きる上で大切なのは、選び方です。Beeing is choosingです。(beeingは古い英語表現かもしれません)では何をえらんでいけばよいのでしょうか?第1に自分1人の世界をどのように運営していけばいいのか?についての選択です。第2に他者との縁をどのように生かしていくのか?それについての選択です。第3に人生の受け取り方をどのように選んでいくのか?(例:肯定的、否定的など)です。【11選び方を支える人生哲学 要約】自分が自分らしく何かを選ぶ時の原理は何か? それは人生哲学と相談することです。人生哲学にはいろいろな観点があり得ます。有用かどうか?意味があるかどうか?事実と論理に基づいているか?(論理実証主義)哲学は、自分、相手、皆さん(they)がそれぞれOKであるとよいです。 その為には、人生哲学も折衷主義が良いのではないでしょうか?その方が選択をした際に、納得しやすいのではないでしょうか?【12人生哲学の折衷主義 要約】人生ではいろいろな問題が起きます。その際、自分の哲学に根拠をおいて、生き方(対応の仕方)を選ぶことが有用です。その際、折衷主義が役立ちます。例えば、人生の苦境の時期を過ごしている場合は、その時期に対して意味づけすることで乗り越えやすくなります。自分の希望(目的)に近づく場合、意味づけよりも、有用なのかどうか?で選択することが望ましい場合もあります。自分の想像で悩んでしまっていたならば、実証主義的に問題を捉え直す方がよい場合があります。(例:悩むなら事実に基づいて悩め)つまり、人生で生じる問題は多種多様であり、問題ごとに効果的な対応の仕方(哲学の用い方)が違ってくるだろう(=折衷主義)、ということです。【13生き方・あり方のモデル 要約】生き方とは①思考 ②感情 ③行動 を選ぶことです。思考を選ぶ際は、自分の置かれている状況がどんな意味があるのかについて、選ぶとよいです。感情を選ぶ際は、よく見つめて表現する内容を定めることが大切です。行動する際は、いざというときにどんな言動ができるかが大切です。【14千万人といえども我行かん 要約】第1にふれあいはあるに越したことはないですが、ふれあいを絶ってでも行う方がよいことがあります。それは対決したくなる場面です。その際、次のようなパターンがありえます。対決のパターン1:相手のことばと言葉の矛盾を指摘する。対決のパターン2:ことばと行動の矛盾を指摘する。対決のパターン3:ことばと非言語(仕草など)の矛盾を指摘する。対決のパターン4:非言語と非言語の矛盾。対決のパターン5:行動と行動の矛盾。対決をする為には、強気が必要となります。そして強すぎるふれあいへの気持ちが障害になることがあります。第2に、自己開示が相手とのふれあいにつながらないこともありうる。それでも行おうと思えることがあります。第3に、相手に自己主張することで、相手とけんかになることがありえます。【15ふれあいのある生き方の留意点 要約】ふれあいのある生き方を目指す場合、留意点がいくつか存在します。ふれあいにはルールがあるのです。 第1に自己開示によって、相手が傷つくリスクがある点です。相手が受け入れ可能な状態かどうか?を考えることです。 第2に相手が自己開示したくない場合、それでも要求することは止めた方がよい点です。相手を苦しめてしまいます。相手には自己を開示しない権利があるのです。 第3にこちらが好意のつもりでかかわっても、相手が傷ついてしまう可能性がある点です。その際は、しっかりとフォローするようなヘルプをすることが望ましい点です。 ただし、相手を傷つけてはしまいか?といつもびくびくしていては、自己開示もふれあいも行えません。傷つけることがあることを自覚し、傷つけてしまったら修復する 努力を行い、できなければ同じ過ちを繰り返さないように考え行動することです。【16構成的グループエンカウンター 要約】ふれあいを持つために、どのような経験をすればよいのか?その方法の1つが構成的グループエンカウンターです。(構成的グループエンカウンターとは、プログラムにそってお互いがふれあい、本音で交流し、自分らしさに気づいていく活動です)現代人が抱える問題は大きく2つあるように思えます。1.当たり障りのない会話に終始してしまい、本当に自分が感じていることが何なのか?わからなくなってしまう。=自己疎外の状態になる。2.慢性の孤独感におかされている。この2つを解消する為に有効な方法だと言えます。ふれあいを取り戻して、お互いが元気になる良さがあります。すなわち「あるがままの自分自身になりきることで、(元の元気な状態に)治る」ことだと言えるのです。=to be cured is to be yourself.【17内観法 要約】 ふれあいの姿勢を養う方法の1つに内観法があります。内観法は母親(親などの大切な人)との間で1.してもらったこと2.して返したこと3.迷惑をかけたこと以上3つを丁寧に振り返っていく作業です。あくまで事実を思い出していくことがポイントです。その結果、母親などの大切な人に対する見方が自然と変わってくる効果があります。【18グループ活動・年中行事 要約】ふれあいやすい姿勢を養成する方法の1つに、グループ活動・年中行事も有効です。集団体験をすることで、役割=他人とかかわることを担う経験ができます。(とりわけ幼い時は効果が高い)集団は学校などに限定しなくても、家庭などでもよいです。家庭で時間を共有することで、孤独感を減らせます。【19論理療法のすすめ 要約】ふれあいを邪魔する非現実的な(非自己支援的な)考え方があります。論理療法(非現実的・非支援的考え方を持ってしまった結果、自分を苦しめるので、考え方を修正して苦しみに対応する心理療法)の観点から言うと、3つ挙げられます。第1に「すべての人に好かれなければならない」があります。言いたいことを言えないし、自己開示もできなくなります。現実的にすべての人の気持ち・欲求を察知して満たすことは不可能です。考え方を修正して「すべての人に好かれたらそれにこしたことはない(けれど、実際は難しい)」ぐらいに考えるとよいです。第2に「人のこころを傷つけてはならない」があります。悪意がなくても、相手を傷つけてしまうことはありえます。私たちは全知全能ではないのです。同じ過ちを繰り返さないように努力しながら、考え方を修正して「人のこころを傷つけないにこしたことはない(けれど、実際は難しい)」ぐらいに考えるとよいです。第3に「失敗すべきではない」があります。イエス・ノーすら言えないぐらいに、行動ができなくなります。私たちは全知全能ではありません。今の自分が良かれと思ってマイベストを尽くす(言動する)のです。「失敗しないにこしたことはない(けれど、実際は難しい)」ぐらいに考えるとよいです。<具体例>素晴らしい本を書こうと思わずに気楽に書くから、たくさん本を書けるのです。(Eフロム先生談 なお、これは國分先生も引き継いでおっしゃっておられました)【20ふれあいのある生き方・あり方の三大課題 要約】「ふれあい」のある生き方には原理があります。それは自己開示をする際に、人間としての生き方を語るようにするとよいと思うのです。第1に「死を意識して生きる」です。明日死んでも悔いがないように生きる。精一杯生きる。つまり生きることを充実させられるわけです。第2に「自由」です。どのように生きるか自由なので、精一杯自分が納得できる考え方、感情を味わっていく。自分の哲学に基づいて、選んでいく生き方です。第3に「責任性」です。自分の人生の結果は、自分自身で受け止めるという意識を持つ。つまり、自分が人生の主人公だと正々堂々意識して、生きるわけです。 (補足)現在では論理療法よりも、認知(行動)療法の方が有名になっています。内容は論理療法も認知療法も本質的には同じなので、どちらを学んでみてもよいかと思います。
2025.11.26
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【クライエント像】・40代女性 独身 転職3か月目・転職希望先は、異業種(未経験)の事務職・従来複数の職業を経験してきた。一箇所に所属し続けるのが好きではない。・正社員就労2社 派遣での勤務7社を経験。合計職歴23年。・将来は自分の興味・適性を感じている国家資格を取得して、マイペースで仕事をしたい。【仮想相談文】40代女性です。独身です。転職活動3ヶ月目です。私はあまり一箇所にとどまるのが好きではありません。仕事よりも力をいれたいことが生まれてもきました。ですから、正社員としての就労が2件。派遣としては7件。合計で23年程働いてきました。しかし私も年齢が高くなってきて、最近自分が柔軟でなくなってきたり、新しいことに取り組むのが苦手になってきていることを自覚するようになりました。ですからしばらくは落ち着いて仕事をしたいと考えており、退社して就職活動に集中しています。私は安定して仕事を務める一方、行政書士の資格を取得したいと思っています。将来は行政書士の資格を活用して、マイペースで仕事できるようになればいいと感じています。ですので、今までの業界・職種とはちがった新しい職種(行政書士業務に関連する)を目指すことにしました。その上で、転職活動を支援してくれるキャリアコンサルタントにも相談しながら、転職活動を始めたのですが、採用にまでいたりません。それどころか、面接行くたびに面接官から色々突っ込まれた質問をされます。腹がたったり、がっかりしています。(普通のがっかりじゃありません。すごくです…)どんなことを言われるか?というと「40代で未経験職種に応募なので、何故リスクある道をあえて選ぶのか?」「この歳で職種転換への転職は難しいと思う。40代で新人はちょっとねぇ、30代だと良いけどね。」などです。セクハラですよね?これって。とはいえ、採用してもらう立場なので、面接に行く度に心折れてしまいます。何度も続くので、「どうせ採用するつもりないのに厳しい言葉投げかけるなら、書類選考の段階で落として欲しい!」とも思っています。ずっと落ち続けているので、実務経験として行政書士に関連する経験を得るのはやめることにして、今までの職種で仕事を続けた方がよいのではないか?とも弱気になっています。今までの職種に戻っても、資格の勉強はできるので…とはいえ、次の会社では長く働きたいから、今回が最後の転職活動のつもりです。焦って妥協したくないけど、生活があるので悠長に探してる暇もありません。でも面接に行くたびに、ババア扱いされていて、面接に受かる自信がまったくありません。どうすれば合格できるでしょうか?【回答】こんにちは。転職活動を3カ月もされているのですね。転職活動単体でも、エネルギーをとても使いますし、生まれるストレスも強いはずです。その上、退職した上での転職活動ですから、いろいろと生活不安へのストレスもあることでしょう。そうしたいろいろな逆境の中、それでも何件も応募された上で面接に進んでおられるのは、相当な行動力をお持ちの方だと強く感じました。その行動力を活かしながら、効果的な方法や、今後の進路の方針などを適切に定めていって、新たな職を得て頂きたいと思います。まずは相談者様の現状を再確認しておきたいと思います。他の回答者様とのやりとりも拝見しました。・40代の女性で、退職後に転職活動に集中されている。・未経験の職種に挑戦されている。・今後は行政書士の資格取得を目指していきたい。・正社員としての就労はあきらめようとも考えている。次に企業反応からみる、相談者様の選択にたいする強み・弱みを考えて参ります。(強み)1:面接に何度も進んでいる為、従来形成されてきた職歴(以後「キャリア」と呼びます。キャリアは単に仕事のスキル・経験だけでなく、私生活で培った能力・スキル・マインド等も含めた総合的な指標と考えてください)が、即戦力性と関連のある面、実務能力の高さを感じさせる魅力なども有している可能性がある。2:通常20社ほど応募して、面接に進めなかった場合、その業界・職種における自分のニーズが無い(微少)であることの裏返しと考える方が、現実的であるというハローワークでの1つの裏指針があります。ですが、相談者様は面接に進めているので、応募書類に何かしらの魅力がある可能性がある。(弱み)3:応募書類と面接の関係性は、応募書類が自分の性能の説明書のようなもので、面接はその性能・説明書を証明するためのコミュニケーションと位置付けられます。しかし、複数の応募書類の選考が通っているのに、面接で落とされつ続けています。つまり、応募書類と面接の場でのコミュニケーションが、しっかりとつながっていない状態にあることが考えられます。※後に詳述4:年齢が高いのに新人と言うことは、戦力になってからの稼働期間が短いという圧倒的に不利な負の条件が発生します。この点はどの業界を選ぼうが、新人として入る=即戦力性を活用しない選択肢を選ぶと、必ず発生します。5:他の回答者様への返答から推察したのですが、相談者様は次の転職やキャリアアップを考えている上、それが採用側に伝わっている可能性があります。元々稼働期間が短くなりがちな環境の上、本人の特性・志向から更に稼働期間が短くなりそうだと、相手側に感じられている可能性があります。これらをまとめると、相談者様は応募書類で自分を効果的に訴求できている。また訴求力の源になるキャリアの内容自体を持っておられる。しかし、キャリア証明の方法としてのコミュニケーションでは、上手に訴求できていない。加えて稼働時間が短くなる基本的条件、更には相談者様の個性・志向で、なおのこと短くなるかもしれないと思われていいそうなわけです。ここからは私の私見になりますが、私が先ほど指摘した問題点。すなわち「応募書類と面接での訴求が上手につながっていない」という問題点を解消することが、状況の打開に向けて大切なのではないか?と感じられます。簡単に言うと、現在の応募書類が、相手の好みに合わせすぎて作ってしまっていないか?ということです。もちろん面接に進めないと、コミュニケーションの機会が設けられません。ですから、履歴書では性格かつ簡潔に自分の職歴等を提示します。そして職務経歴書において、相手のニーズを自分(が持つキャリア)が充足させますよ。満足させますよ。というメッセージを送る為に、相手のニーズをとらえた内容で作成するように指導されたのではないでしょうか? キャリアコンサルタントから助言をもらえた機会もあったようなので、そうした工夫を既にされているか、仮に指示が無くても、それをする能力をお持ちなのではないか?とは感じられます。しかし、その姿勢は「書類と本人の訴求内容とのギャップが大きくなる」という傾向を高めるリスクを持っています。これは相談者様だけではありません。多くの応募者の方々が通過するジレンマです。書類選考は通りたい。でも本当のことを書きすぎれば、マイナスポイントも相手に把握され、何より書類選考が通らないことになる。このジレンマは、本当につらいことでしょう。ですが、これは実は採用側も同じなのです。応募書類を事前に把握し、期待を感じ、いざ面接してみたら「思ったよりも応募書類とは違うキャリアを持っているようだ、人物像のようだ」と感じて落胆することが、たくさんあるわけです。だから場合によっては、その気持ちを応募者にぶつけてくるような企業も少なくありません。(企業側が高望みするのも、自業自得だとは思いますが…)ですから、このジレンマの解消として、以下の案をご提案申し上げます。提案1:再度応募書類を作成し直す。基本的には応募先の業界・業種の研究を十分に行い、ターゲットたちが求めるニーズを探り当てます。そしてそのニーズを充足するキャリアが自分にはある、ということを訴求します。ですから履歴書では、正確かつ簡潔な経歴を列挙します。そしてニーズへの対応として、職務経歴書の内容で勝負します。職務経歴書を作成する為には、自分の今までの職歴を棚卸する必要があります。そして重要なのが、「ご自身の人間力に大きく関わる部分=ベテランとしての人間力対応、応用力の発揮、役職にいなくても発揮するリーダーシップ等の訴求、につながる自分の個性などのふりかえりも大切になってきます。恐らくですが、この後者の人間力の振り返りが不十分なのではないか? それによって、応募書類と実際に面接で観られる姿が違ってしまうのではないか?という可能性を感じます。(これは、採用者側の多くが、嫌味を言ったりしてきているという反応を示していることを証拠に考えています)ですので、例えばですが楽天ブログ ボランティアキャリアコンサルティングサイトの就職活動編を読んで頂き、時間をかけてもう一度自己理解の作業をおこなってみるのは、おすすめです。その内容を、従来のキャリア(これは事実ベースで訴求できていれば、相手が評価している可能性があります)とかけわせて、書類上でも、面接上でもPRできるとよいかと思います。チャプター0と1(できれば2も)に取り組んでみて下さい。https://plaza.rakuten.co.jp/kendochourai/diary/201707250000/提案2:面接内容の反省をPDCAで科学的に行っているか?私も多くの面接の場において、削られてきた経験を持っています。この痛みがあるからこそ、他の方に経験させまいとしてキャリアコンサルタントを取得しました。本当に辛いはずですよね。でもそのつらさを「成功のための糧」にできてしまうと、流れは大幅にかわってきます。筋トレのようなものです。きついし、痛みもある。でも乗り越えると、体力がついているなどの自分に好ましい結果がついてきます。面接も同じです。相手がどのような点を質問してきたのか?批判してきたのか?くりかえし、確認してきたのか?嫌味をいってきたのか?それらを頭の中で覚えて置き、面接終了後に直ちにメモなので記録します。その後、ご飯をたべたり、休んだりします。鋭気を養った後に、それらの採用側スタッフの発言の意図を、分析するのです。1.私に求められたニーズは何だったのか?2.何が本心・本音にこめられていたのか?特に批判、嫌味は、表面的なことを踏まえても効果がうすいのです。例えば「今から新人じゃあねぇ。年くってるしねぇ~」と言われたら、その意図を考えてみます。・自分の覚悟を試された・自分の向上心を試された・自分の更なるキャリアアップの気持ちがばれた?最後の就職先でないと感じて、活躍期間が少ないって思われた?こういう分析、気づきを、1:応募書類にある程度盛り込む(1社ごとに内容を大幅に変えるのは大変なのである程度)2:面接の場でのコミュニケーション内容においては、(大幅に)十分に盛り込みながら、対応する。という作業を行うわけです。☆ベテランがPDCAを使いこなすとは、たとえばこのような対応なのではないでしょうか? 私には相談者様が必ずこれをできる力がある!と強く感じております。またこうした姿勢・能力は、かりに相談者様が40代の新人だとしても、新人ながら即戦力性もあるという存在をPRする材料にもなるのです。提案3:自分の活力を維持できているか?ストレスへの対応は、就業に成功した後も重要ですよね。就職活動期間で多大なストレスを受けていた。そして新しく入った企業でも数か月はストレスが大きい状況が続くわけです。この期間を乗り越えて、安定して仕事をできることが、相談者様の真の目標なのではないでしょうか?とすれば、現在から就職後の数か月間も見越したストレス対処方法を学んでおいて、それを明日からでも実行することがよいと思います。実行力のある相談者様には、活用しやすい方法だと思われます。詳しくは「コーピング」「レジリエンス向上」について、先ほど紹介したサイトの記事をご覧ください。(まとめ)私は相談者様のキャリアには魅力があるはずだと感じています。一方、書類と面接の場での振る舞いの連動が不十分である。その為に必要な自己理解・仕事理解が不十分である。就活に限定して発生する問題解消法としての具体策(例:PDCA)があまりなされていないことを感じました。それらは相談者様の能力・行動力の発揮によって、十分に対応可能と強く感じます。応援しています。(^^)【ポイント】1:クライエントの主訴を把握する。今回は面接に受かる方法を教えて欲しい。また自信を失っているので、支持して欲しいとも感じているはずです。2:主訴に応える具体的な案を複数提案します。クライエントが主体的に選択できる状況を作ります。もちろん、クライエントのニーズを反映させた提案内容にします。キャリアコンサルタントの価値観で、良いと思われる方法を提案することは控えます。【流れ】1:クライエントの頑張り、苦労をいたわる。2:現状を客観的に再確認する。3:(ニーズを把握しておいて)現状の強みと弱みを提示。強みはクライエントの自信を回復させる。弱みは問題の解消を狙う為に提示する。4:キャリアコンサルティング、就職活動におけるノウハウという専門スキルをベースとして、今回のクライエントが抱える問題を解消しうる対策を複数提示する。5:クライエントをエンパワメントし、勇気づけて終了。
2025.11.17
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確かに老親を自らが介護することは、本来であれば親孝行になりますし、望ましいことなのかもしれません。しかし世の中にはいろいろな事情があります。その結果、老親たちに自立した生活を自主的に送ってもらい、自分は同居せずにキャリアを形成していく(≒生活していく)ことがどうしても避けられないことも多くあります。今回は読者の方に介護・支援の必要性のある老親がいた場合、どのような助言内容を相手に提示すると効果的なのか?例示しつつ考えてみたいと思います。老親たちは自分たちだけで生活することに不安を感じるかもしれません。また今まで家族や親族などに依存して生活していた場合、自分たちだけで自立した生活を送ることに抵抗感を感じることもあることでしょう。ですので、もしも老親たち(夫婦)だけで暮らすメリットがある場合は、そのメリットを相手に伝えることが大切になります。たとえば、本人たちがプライドが高い場合。「目下の存在である別居の息子・娘にお願いごとをするなど、嫌なことをしないで済む」などを訴求できることでしょう。実際に老親だけで生活する場合、どのような問題が発生しうるのでしょうか?もちろん経済的な問題は、最優先して考える必要があります。しかし後期高齢者などの場合、生活保護を受給するという方法があります。老親の経済的支援が困難の場合は、活用することを検討してください。老親たちが住んでいる地区の福祉事務所に相談してみましょう。今回の記事で焦点を当てたいのは、よく話題に上る「経済的問題への支援以外の諸問題」についてです。諸問題とは、具体的にはどのような問題がありえるのでしょうか?以下に例示して列挙してみます。①通院などで必要な外出をどうするか?②買い物・食事をどうするのか?③健康習慣の維持をどうするか?④心配や悩み事を聞いてくれる人が少ない⑤居室内での転倒・転落を防ぐには?⑥浴室での事故を防ぐには?⑦要介護・要支援認定を受けらえるようにする。⑧同居する相手への満足度が低くなる。⑨知らない場所にいくのが不安・おっくうになる。⑩(特に将来に対する)不安を感じるようになる。⑪住環境が合わなくなってくる。⑫別居の家族・親族たちとの連絡が取れない。取りづらい。⑬受診しやすい医療機関を探せていなかった場合は?⑭ちょっとした雑用の困りごとに対応してもらえない。⑮社会的に孤立してしまうのではないか?という不安⑯病気や認知症の発見が遅れてしまう。⑰悪化させない為の方法がわからない。⑱詐欺にあう不安がつきまとう。⑲強盗などの被害にあう可能性がある。では各問題の具体的な対応方法について、具体的に考えていきましょう。①通院などで必要な外出をどうするか?・タクシーを最大限に活用する。・介護タクシーを利用すれば、車いすなどでも病院に行くことが可能になる。介護タクシーの利用方法は、いざというときにはケアマネに連絡すれば教えてくれる。しかし夜間などに発生することもありえる。事前に自分たちで調べておく方が安全と言える。・買い物の代行など、自分で外出することにこだわらないで、代行してくれるサービスを利用するという発想を持つ。 ②買い物・食事をどうするか?・要介護者に対する介護サービス(生活介護)として、買い物に行ってきてもらう。・ネットスーパーのサービスを利用する。ネットスーパーを利用できるようになるように、事前に息子・娘などのわかる人間にやり方を教わっておく。・冷凍食品を活用する。通販の冷凍食品を活用する。・宅配弁当サービスを利用する。・買い物や食事に限らず、スマホで依頼できるサービス内容は今後増える可能性がある。スマホへの切り替えと、単純な操作に慣れておく必要があると思われる。③健康習慣の維持をどうするか?・デイサービス、訪問リハビリなどの介護サービスを利用する。・痛みとつきあいながら、家事をなるべく多く行う。・移動の際は、てすりなどにつかまることを非常に意識する。・無理のない範囲での筋トレを行ってみる。テレビの情報番組などでやっている程度でよい。④心配や悩み事を聞いてくれる人が少ない・地域包括支援センターの相談員などに相談してみる。そして交流先を紹介してもらう。・医療のことなら医者、介護のことなら介護サービス先スタッフ又はケアマネジャー、に質問すると良い。・「チャットGPT」などのAIの進化が急速に進んでいる。本当に多くの質問に答えてくれるので、パソコンでチャットGPTに質問できるようにしておくと良い。・スマホを活用して、声で質問すると答えてくれるという機能がある。それを活用しても良い。⑤居室内での転倒・転落しないためには?・支援が困難な場合、すぐにケアマネに連絡する。または119番通報する。・緊急通報システムを利用できるようにしておく。※(居住地区の緊急通報システムをネットで調べた上で紹介すると良い)⑥浴室での事故の防ぎ方・高齢者男性は従来通り、介護サービスを利用し続ける。・脱衣所の整理をいつもしっかりとしておき、ちょっとしたことでつまずかないようにしておく。⑦要介護・要支援認定を受けらえるようにする。・「地域包括支援センター」に連絡すれば、紹介してくれたり、連絡先を教えてくれるので心配する必要はない。⑧同居する相手(配偶者)への満足度が低くなる。・夫婦間のコミュニケーションの質・量を十分に確保する。・場合によっては、アサーションスキルを学んでみるのも有効。・別居の家族・親族たちに対して、事前にアポイントを入れた上で、電話等で相談に乗ってもらう。・夫婦で一緒に過ごす時間を減らし、自分だけの時間を増やすようにする。・自分が好きだと思えることを、それぞれに楽しむようにする。⑨知らない場所にいくのが不安・おっくうになる。・代わりの人に頼めるのであれば、代行するのも1つの方法。・介護タクシーを利用し、半日利用などの応用的な方法を活用する。(料金は事前に確認しておく)⑩(特に将来に対する)不安を感じるようになる。・健康上、介護上の具体的な悩みについては、医師、介護士などに相談する。・役所にて、多くの住民サービスが提供できるようになっている。電話で代表にかければ、相談の概要を聞いた上で、担当部署にまわしてくれる。※それがやっかいだと思えるならば、パソコンで役所のページをインターネットで調べられるようにしておくと良い。・アポをとった上で、別居の家族・親族たちに相談にのってもらう。⑪住環境が自分たちの体の調子・生活リズムに合わなくなってくる。・ケアマネに具体的に相談する。・寝室を1階に異動させる。その為の具体的な支援は、ケアマネに相談する。・介護により適したベッドなどを、福祉用具のレンタルとしてサービス利用する。(詳しくはケアマネに相談する)⑫別居の家族・親族たちとの連絡が取れない。取りづらい。・別居の家族・親族たちにはそれぞれに自立した生活がある。その前提を意識する。・アポをとって、連絡する、相談にのる、支援にきてもらうなどの、マナーを守ったかかわりをし続ける。そうすれば別居の家族・親族たちもかかわりを嫌がりにくくなると思われる。・別居の家族・親族たちにこだわらない。緊急通報システムを活用したり、別の相談者に急ぎではない場合は、相談・連絡する。⑬受診しやすい医療機関を探せていなかった・大学病院以外に、通いやすい開業医も探しておく。・開業医の情報については『かかりつけマップ』等を手元に用意しておく。⑭ちょっとした雑用の困りごとに対応してもらえない・アポを取った上で、別居の家族・親族たちに依頼。・シルバー人材センターを利用する。この施設は、登録している高齢者を活用する制度である。家事援助、草取り、庭木の剪定、軽作業、書類整理など、様々な「信頼できる高齢者による作業」依頼が可能。 ・高齢者自立生活支援事業を利用する。行っている市区町村がある。・介護予防・日常生活支援総合事業(訪問型サービス)を利用する。掃除・洗濯・食事準備・買い物など、生活支援全般を訪問サービスとして提供してもらえる。⑮社会的に孤立してしまうのではないか?という不安がある・通所型の介護サービスを利用し、交流も行う。・アポをとって、別居の家族・親族たちに相談する。・地域包括支援センターなどに地域コミュニティを紹介してもらい、親交を深める。⑯病気や認知症の発見が遅れてしまう・物忘れ外来に定期的に受診する。・長谷川式認知症スケールを月に1回程度、お互いで確認し合う。・従来通りに定期的に病院を受診し続ける。(長谷川式認知症スケールのやり方)※引用先がわからなくなりました…◆用意するものテストを実施する際は、筆記用具とテストの評価用紙を用意します。また、テストで使用する品物を5つ用意します。例えば、時計やハサミ、皿、鍵など、互いに関連性がなければ身近なもので構いません。テストには年齢を確認する設問があるため、事前に年齢を確認できるものも用意しておきましょう。なお、テストの開始前に本人に確認することのないように注意してください。◆内容実施するテストの設問は、以下のような内容です。1. 年齢はいくつですか?2. 今日の年月日、曜日は?3. 今いる場所はどこですか?4. 今から言う3つの言葉を覚えておいてください。5. 100から7を順番に引いてください。6. 今から言う数字を逆から順に言ってください。7. 先ほど覚えてもらった言葉を言ってください。8. 今から5つのものを見せます。それを隠すので何があったか答えてください。9. 知っている野菜の名前をできるだけ多く答えてください。テストは30点満点で構成されており、20点以下の場合は認知症の疑いがあるとされています。◆認知症テスト「長谷川式スケール」を行う際のポイント前述したように、長谷川式スケールは自宅で実施することも可能です。ただし、自宅で実施する際には、正しい結果を出すために注意すべきことがあります。ここでは、自宅で行う際のポイントを解説するので、実施前に確認しておきましょう。◆テストの実施に適した環境を整える周囲に人がいる場所や人の出入りが多い環境では、設問に集中できない可能性があります。また、テレビの音なども、気が散ってしまう原因になるでしょう。正しい結果を導き出すためには、リラックスした状態でテストを受けられる環境が必要です。また、検査を受けること自体が、本人にとって大きなストレスになる可能性があります。そのため、強制されるような印象を与えないことも大切です。◆体調が万全な状態で実施する耳の聞こえが悪い状況でテストを実施すると、設問を聞き間違えたり内容を勘違いしたりする可能性があります。そのため、設問をゆっくり読むなど、耳の状況に合わせて実施することが大事です。また、認知機能は精神状態に左右される可能性があります。正しい評価を得るためには、精神が安定している状態で実施することが大切です。うつ状態などが疑われる際は、早めに医療機関を受診しましょう。⑰膝や腰の悪化させない為の方法がわからない。・理学療法士(PT)がリハビリを行ってくれる整形外科に通う。⑱詐欺にあう不安がつきまとう。・訪問してのビジネスの話は一切契約しない。話も聞かない。・先方から電話してきてのビジネスの話は一切契約しない。・警察や弁護士等を名乗る人間の話も、1分間程度で相手が話したい話題を確認し、それについて別居の家族・親族たちに確認を行う。・インターネットのサービスを利用する場合は、サービス契約時に別居の家族・親族たちに見守ってもらう状況で契約を交わす。それを継続する。⑲強盗などの被害にあう可能性がある。・訪問介護の人間の出入りを継続させておく。・別居の家族・親族たちに家に来訪してもらうように働きかける。・何かしらの業者を家にあげる場合は、関係ない部屋の扉を全て閉じておく。また、なじみの業者しか利用しないようにする。・新規に業者を使わざるをえない場合は、役所などが紹介する業者を利用するようにする。・たまに民生委員の人に玄関でよいので、立ち寄ってもらう。※民生委員連絡先も調べて教えてあげると親切と言える。老親たちが老いてから自立的な生活を送ることが必要になった場合、衣食住をはじめ、彼らが感じる不安、生きづらさは間違いなく発生すると思います。問題の内容は多岐にわたり、しかも現実的なものが多いことでしょう。しかし、それらを公共・福祉サービスを最大限に利用し、事前の準備をしっかりと行い、最小限かつ最大限の支援を親族・家族が行うことで、十分に乗り越えていくことが可能です。その結果、皆様も老親の方々も共に幸せになれることを願っています。
2025.11.15
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【衝撃的経験によるトラウマ受傷と被害者(当事者)の回復】トラウマが発生する場合、その後の経過として3パターンが考えられる。①損傷から立ち直れず、ずっと機能が低下した状態が継続する。②時間がかかるが徐々に回復していき、なんとか以前の機能レベルに戻る。③時間がかかるが、それまでとは異なる適応変化を示し、結果的に以前とは異なる適応レベルを示せるようになる。つまり、むしろ成長してしまう。大半は①か③をたどると言われている。そして多くの専門家が③の状態=トラウマ体験後の回復と成長(post traumatic growth)として注目するようになった。【トラウマによって生じる非可逆的(戻れない)ダメージ】まず幼児期や児童期において長期間強いストレス状態にさらされると、生理学的なレベルでいつも警戒興奮している状態を強いられることになる。その結果、脳に破壊的なダメージが与えられてしまう。【トラウマによるとみられる過覚醒反応と不適応行動:発達性トラウマ障害】生理学的なトラウマのダメージは、複雑性PTSDや発達性トラウマ障害という形で現れる。とりわけ発達性トラウマ障害は、次のような診断基準が示されている。①強いストレスにさらされた経験(青年期までに1年以上)②過覚醒状態を調整する通常の発達的な能力が獲得されていない③注意や行動の調整がうまくいかない。④自分や他人との関係性の調整がうまくいかない。【トラウマによるとみられる子どもの過覚醒反応とその対応】過覚醒反応としての子どもの行動像(≒パターン)には、以下のような内容が含まれる。①イライラした攻撃的言動:死ね!殺すぞ!等②注意集中困難による言動:え? なに?等③過敏な警戒反応:なんでそうなるんだ? 誰が決めた?等④驚愕反応:信じられない! マジか!? ありえん!等⑤自己破壊性の高さ:自傷行為、敢えて危険すぎる行動を行う等⑥睡眠障害これらは指導者や支援者からの叱責、追及的姿勢、禁止、抑止、制圧などの姿勢によって、さらに悪化されてしまう特徴を持つ。見えない何かの理由によって、トラウマとなっており、その結果の「問題行動」なのである。その仕組みを今一度思い出し、当事者と支援者が一緒になって鎮静化を考える姿勢が重要となってくる。当事者は悪い人(子)ではない。悪い言動をしているが、それはトラウマがさせているのだ、という仕組みを意識して頂きたい。眼鏡をかけるのである。【性的虐待事例の緊急保護からの行動像】性的虐待のケースでは、特に初期対応における調査保護の実施が重要である。また調査は直後からしばらく継続されることも重要となる。性被害にさらされた当事者(子ども)は、特に無力感、否認、矮小化(自分がちっぽけな存在だとする)で、自分のこころをなんとか守ってくることが多い。ところが、当事者たちの子どもながらの懸命な防御態勢を、児童相談所などが行う被害調査の実施は、一気に吹き飛ばしてしまうのである。客観的には問題改善に進めるはずが、当事者にとっては今までの心をまもるバリアが消し飛んでしまったわけである。これがショックを生み、不穏な状態へと追いやる結果になる場合がある。そしてこの不穏な状態、対人暴力、対人トラブルもまた、性加害によってもたらされたトラウマが原因していることを忘れてはならない。【性加害された子どもへの中長期的支援】性加害された子どもは、障害にわたってトラウマ性の生きづらさに繰り返し悩むリスクを負ってしまう。それゆえ、支援者は常に当事者がそのリスクを背負っていることを意識し、関連する問題行動の出現に関心を向けておく必要がある。場合によっては支援者とのコンタクトが、トラウマのリマインダーになりかねないことにも留意すべきである。一見平穏に見える日常生活における当事者の言動から、支援者はトラウマの影響や不穏を察知することが望まれる。特に①睡眠状態 ②起床時の容易さ ③食事のおいしさの状態把握は、観察を助けてくれる。【トラウマ・インフォームド・ケアの観点からみた初期課題】当事者が子どもの場合、基本的に施設処遇でチームケアによって支援される。だがこのブログ記事は、成年がセルフケアの一環として読んでくださっている可能性がある。故に対象者を子どもに限定しない視点で説明したい。第1段階としては、生活全体において。すなわち日常生活において、安心・安全が確保されている状態。これを確保することである。衣食住に(大きな)不安がない。そうした環境が今後継続しそうである状態。自分が安心できる居場所がある。こうした状態をベースにすることで、当事者のリマインダーを減らすことができる上、本来のレジリエンスの向上なども期待できる。コーピングする余力も増すことだろう。第2段階として、仮にトラウマが影響した問題行動が発生した場合、そのストレス反応が自然な反応であることを認めることである。自分を責めないことである。その問題行動はトラウマが原因しているのであり、大切なのは今と将来(今後)、問題行動をどう解消していくか? 改善していくか? それに向けて意識を向けて、実行へと移していくことである。第3段階としては、トラウマ・愛着上の問題に対して、専門的かつ具体的なケアを実践する段階である。①対人関係の問題、相手と自分の境界を区別する(=自我の確立を助ける)、という問題に対しては、心理教育的な記事を読んだり、認知行動療法のセルフワークを実践したり、ソーシャルスキルトレーニングを実施したり、カウンセリングを受けたりする。②リラクセーション能力を向上させる。具体的には自立訓練法を試す、マインドフルネスを実践してみる、初心者向けのヨガをやってみる、ストレッチを実践する、呼吸法を試してみるなどの対応が考えられる。③間違って習得した対人行動の修正を行う。これは一人だと難しい為、カウンセラー等の支援が特に有効になる。これにソーシャルスキルトレーニングを組み合わせるとなおよいと思われる。④トラウマ性の症状・行動の確認。心理教育として記事を読む、などが挙げられる。第4段階は、トラウマ体験後の回復・成長の段階である。第3段階までを実践した方々には、対人関係におけるレジリエンシーのある関係性を、従来の方法にとってかえて、新たに習得することができている。それは生活環境の安全確保の継続や、対人環境の安全確保を確保する環境調整などとあいまって、トラウマ体験からの回復だけでなく、成長をもたらすのである。もちろん成長した状態でも、トラウマが完全になくなったわけでもなければ、完璧になったわけでもない。当事者は必要なときに、いつでも専門家から支援をうけられるようにしておくことが大切である。セルフケアでやりきったあなたに対しては、いつでも必要な内容・教えを再学習できるツールを準備しておくとよい。(参照)『トラウマ体験後の回復・成長 ~トラウマ・インフォームド・ケアの考え方~厚生労働省「平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業」
2025.11.09
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【トラウマを抱える当事者たち】トラウマを抱える者たち、とりわけ子供たち(以下「当事者」と表現)においては、成育過程での愛着の形成不全やトラウマの衝撃によって、情緒発達が未成熟であったり、恐怖や不安に圧倒されて感情全般が抑圧されるリスクを抱えてしまう。それでも感情を他者に適切に伝えられるようになる為には、①自分の状態に気づく。受け入れる。②自分の感情に気づく。そしてそれらを名付ける。③それを表現したり、調整したりするスキルを習得する。という3ステップを踏むことが望ましい。当事者にとって、生活の中での大きな音、怒鳴り声、緊張場面などは、過去のトラウマを思い出すリマインダー(≒きっかけ)になってしまう。リマインダーの影響により、当事者たちは不穏になったり、フラッシュバックを起こしたりする。やっかいなのは、何気ない視線やほめことばですら、ときにリマインダーになりうる点である。なぜなら「また裏切られてひどく傷つきたくない」という心の防御が働くからである。だから「ほめられた。嘘にちがいない!」とこころを守ろうとするわけである。当事者のこの特徴は、支援者を「怒っても、ほめても、いずれも通用しない状況」に陥らせる。その結果、支援者たちを疲弊させる大きな要因の1つになっている。【トラウマの「メガネ」で「見える化」を目指す】当事者の「問題行動にみえる言動」の背景(根底)には、過去の逆境やトラウマ、喪失による慢性的な過覚醒などがある。イメージとしては氷山にたとえることができる。氷山はごく一部の小さな部分だけ水面上に見えているが、その大部分(本体)は水面下に隠れていて見えない構造をしている。トラウマも同じである。問題行動に思える部分は、トラウマ全体から見ればごく一部分にすぎないのである。そこでトラウマをケアしていく為には、見えない背景(根底)の部分も明らかにしていくことが求められる。これを「見える化」という。そして見える化を達成する為の「メガネの役割」を果たすのが、トラウマ・インフォームド・ケアなのである。※但し支援者が一方的にトラウマの内容について問いただそうとすべきではないので、注意が必要である。トラウマ・インフォームド・ケアにおいて大切な点の1つは、当事者たち(家族等を含む)も、支援者も、双方ともにトラウマについてある程度知っているという状況にすることである。風邪を例に挙げよう。もしも風邪という病気の概要を知らなかったら、発熱してセキも出ているような得体のしれない具合の悪さの中、病院に連れていかれ治療されることに恐怖を感じるかもしれない。受診を拒否することもあるだろう。風邪だとわかるからこそ、安心して治療できるのである。つまりトラウマには生きづらさを生む特徴がある。そして当事者たちが何かしら、トラウマの影響を受けている可能性がある。それを当事者たち、関係者たち、支援者たちが知っていることが望ましいのである。【トラウマケアの3段階】TICには、多くの人に広く周知されていて、活用されうる状態になっていることが望ましい特徴がある。つまり予防も重要な目的としている技術である。TICの段階は3段階に分かれる。第1段階:一般的なトラウマの理解と基本的対応(Informed)全ての人を対象にする。トラウマ・逆境の理解と生活環境に及ぼす影響についての一般知識を持って関わる。第2段階:トラウマに対応したケア(Responsive)リスクを抱える人を対象にする。被害の影響を最小限に抑え、健全な成長と発達の機会を最大化する為の支援第3段階:トラウマの特化したケア(Specific)トラウマの影響を受けている人が対象。特定の介入(例:カウンセリング)により、人生を統合していく支援(一般の方々のトラウマケアのイメージはこれ)第1段階はトラウマの予防の目的を含んでおり、多くの人をトラウマの悪影響から守るという意味で、非常に重要である。トラウマによる生きづらさを抱えた人が、生活をしやすくする為の障壁(邪魔なもの)を無くしていくアプローチと言える。第2段階では、TICをベースにしながら、トラウマの影響を受けた人(リスクのある人)に対して、個別のケアが提供される。いわば早期発見・早期治療となり、二次予防的な性格を有している。被害の影響を最小限に抑え、成長と発達の機会を最大化することが狙いである。第3段階では、強い影響をトラウマから受けている人が対象となる。つまり特化したケアが提供される。例えば心理療法、薬物療法などが該当する。そして被害体験を人生に統合していく働きかけをする。TICを実践する上で大切な要素が4つある。英語の頭文字から取った「4つのR」である。①Realize:トラウマについての知識をもって「気づく」②Recognize:どんな影響を受けているのか「認識する」③Respond:適切な「対応をして」④Resist re-traumatization:再トラウマを「予防する」※「」内の英訳が各英単語となるつまり、トラウマの知識を持つことで、トラウマの影響を見過ごすことなく認識できる。その認識に戻づいて適切な対応をすれば、支援対象者を傷つけて、当事者に更なる心のけが(=トラウマ)を負わせることがなくなり、再トラウマを防ぐことができるという取り組みである。トラウマから悪影響を受けている当事者たちは、悪影響を受けている事実、その結果自分が抱えている生きづらさ。その双方に気づけていないことがとても多い。自責感、自己否定感が強い為である。それらは、トラウマからの回復を邪魔してしまう。そんな機会が日常生活で多く見られうるのである。だからこそ、支援者だけでなく、当事者たちや関わる人たち(家族等)も、トラウマの性質、影響、適切な対処方法を知っておくことが大切になってくる。これがTICを広く周知する必要性の高さの理由である。【トラウマ体験とその影響を理解する】トラウマになりうる経験は、非常に多くの人が実際経験している。しかし全てがトラウマになるわけではない。それはなぜだろうか?米国物質乱用精神保健サービス局はトラウマの概念について「3つのE」で説明している。①Events:どんな「出来事」があったのか②Experienced:どんなふうに「体験」したのか③Effects:どんな影響が起きているのか例えばとある兄弟が、空手家の父親から厳しく叱責されていたとする。これが出来事にあたる。そして高校生だった兄のAは、日本一の空手家になるという父の夢を達成する為の伝承者になるための特訓だという体験をしてきた。一方、小学生だった弟のBは、理不尽に自分の自由を奪われてしごかれているという体験をしてきた。その結果の影響として、Aは全国大会の上位入賞者の常連になるという影響を受けた。一方Bは、父を恨み、厳しく言動する人間には極端な反応を示すようになる影響を受けた。これは事実として起きた現象が、当事者の受け取り方に応じて、異なる影響を及ぼすというプロセスを生むわけである。とはいえトラウマを生み出す可能性がある事実について、当事者なりに体験してしまったわけである。思い出したくないと否認したり、思い出すことができないほどに抑圧している場合もある。その為、支援者側としては、まずは支援の初期段階で「こんな経験をする人は少なくない」という心理教育を実施しつつ、相手の生きづらさや苦労などを理解し、寄り添う姿勢が大切となる。幼少期に発生した事実ほど、当事者は客観的に理解することが困難である。事実を体験した時の年齢(幼さ)、状況、認知の特徴によっては、「圧倒される恐怖」「絶望」「支配される屈辱」などを感じるリスクがある。それらは事実が発生した後において、周囲が適切にサポートを提供しない場合、更に予後が悪くなる。つまり第3段階のトラウマに特化したケアが必要になってしまう。【逆境的小児期体験と発達への影響】いずれにせよ、幼少期の体験は、人生に大きな影響を与えるものである。そして不幸なことに、18歳までに虐待や家族の機能不全を数多く体験するほど、成人期以降の心身の疾患や社会適応の状態を悪化させ、暴力の連鎖や寿命の縮小につながることが児童期逆境体験に関する研究で明らかにされている。つまり安全でない環境だから、こどもはつねに危険に備えて、無理やり覚醒レベルを上げてこどもながらに懸命に生きざるを得ないのである。サバイバルに殆どの要素をつぎこむ当事者たちが、身体的・社会的な成長に使うエネルギーを持てないことは容易に想像できよう。しかも生理的にも脳・神経系発達への深刻なダメージが発生する。こうした逆境やトラウマを経験すると、自然な反応としてトラウマ反応や症状が生じる。解離やフラッシュバックなどである。その際外部からは、当事者がぼーっとしている、あくびをしている、切れやすくなっている、というような様子に感じられる。当事者に話をきいても、彼らは無力感、絶望感を抱いていたり、自他を責めていたり、ときに自傷行為に走ることなども、ある意味自然な結果とも言える。しかもその際、当事者たちは苦しみ続けているのである。別の反応としては、無自覚にトラウマと類似した行動や関係性を繰り返すという「トラウマ関係の再演」も起きやすい。これもまた、当事者の心を守ろうとする反応の1つである。自分が受けた被害を、他者にやりかえすという行動。(例:性加害されたので、性加害し返す)被害時にできなかったことを、他の場面・他者に対してふるまおうとする行動。(例:安易な過剰暴力)再演に陥った当事者たちは、支配する-される(やる-やられる)という関係性に執着し、それを繰り返してしまい、健全な人間関係を構築できなくなってしまう。再演に陥った当事者たちの認知や対人関係パターンが上記のようにであると理解できれば、当然支援者たちもそれに巻き込まれるのは、容易に想像できるだろう。当事者は支援者を素直に信用できない。だから、いろいろと試して、揺さぶってくるのである。からかい、裏切り、攻撃、挑発など。それに感情的に、威圧的に支援者が反応すれば、当事者たちは「ほれみたことか。やはり支援者などと言っても、信用できないのだ!」という悪循環になってしまうのである。支援者側としては、再演の仕組みを知り、いかに巻き込まれないように対応するかが重要となる。【TICの実践】TICは、現在の問題行動を、トラウマの視点から理解するアプローチである。それは前述の氷山のたとえ通り、見えない部分を見える化して対応するアプローチである。ただし見える化するといっても、当事者のトラウマの記憶をやみくもに掘り起こすことを前提にする対応ではない。要はその問題行動はトラウマが関係しているかもしれないな?という視点をまず持つことである。当然ながら、トラウマを原因としないケースも多数ある。それが理解できていれば、例えば当事者たちに教育的なかかわりを行う際でも、指導力を発揮した言動の矯正・修正よりも、相手はなぜできないのだろうか?という理由を理解していくという姿勢につながることだろう。また相手がなぜそのように捉えてしまう(認知してしまう)のか?理解しようとする姿勢にもつながるはずである。そして「3つのE」を活用して、支援者は当事者と一緒にまず事実確認からスタートさせていくことが望ましい。その事実に対する認知(感じ方・捉え方)を話題にした段階になったときには、単に相手の感情に寄り添うだけでなく、感情の結果起こした言動を支持することも有用となってくる。たとえば支援対象の当事者が、親の非常に理不尽な言動があった為に、非常に怒り(感情)、口汚く親を批判して罵った(言動)場合。「それは親とはいえ、厳しく言い返しても仕方がないよ。言い返しても当然だよ」というような支持をすることで、本人の自信回復につながりうる。その上で「馬鹿にされた」「無価値扱いされた」などの認知に対して、より生きやすくなる考え方、行動の仕方を一緒に考えたり、心理教育したりすることが望ましい。具体的な対処法としては、リラクゼーションをはじめとするコーピングという概念を学び、実践することが望ましい。また認知(考え方)を変えていきやすくするには、認知行動療法も有効と言える。いずれにせよ、トラウマに関する問題は、当事者、当事者にかかわる家族等、支援者の三者がいずれも巻き込まれることになる。だからこそ、TICの骨子である「トラウマについて知っておく。トラウマがどのように悪い影響を当事者に与えて、その結果当事者たちはどんなことを問題行動として起こしがちなのか」を踏まえた支援が必要となるのである。(参照)『トラウマインフォームド・ケアを学ぶ~トラウマのメガネでみてみよう~』厚生労働省「平成30年度 子ども・子育て支援推進調査研究事業」
2025.11.07
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前回の7章の2回に渡り、ペドフェリア治療・問題行動を止める為の対応を話題として解説させて頂きました。ペドフェリア傾向の思考、性嗜好を持ってしまうのは、その人が自動的に考えてしまうスキーマという認知を行ってしまうことが原因です。そしてそのスキーマが形成される上で、特に大きな影響を与える要素が2つあります。 第1に幼少期からの養育環境です。両親(養育者)たちにどのような育てられ方をしたか。その家族はどんな関係性をお互いにもてるシステムだったのか。家族としての機能はしっかりと発揮できていたのか。そうした面です。 なお家族がシステムとして機能するとは子どもの側の視点で確認すると、例えば次のようになります。①役割を分担できている為、子が親に適切に保護される。 ②良好なコミュニケーションをとれているため、絆が深まり、対立などの問題も解消しやすい。③互いに支援しあい、調和できている。精神的に安定しやすく、協調性も育みやすい。 第2に社会が持っている文化、メッセージなどです。例えば私が子どものころは、「男だったら泣くな」だとか、「男はだまってサッポロビール」だとか、そうしたメッセージが流行していました。もちろんそれらにも、強さを求めて向上する傾向が強まる等の利点はありますが、重要なのは人(特に幼児から青年にかけて)が社会から強く影響されるという点です。 榎本クリニックの斎藤氏によれば、全ての性暴力は、根底に男尊女卑の思考パターンが潜んでいるとのことです。小児性加害者たちの多くは、こどもを「かわいい」と評価するそうです。もちろん我々もそうですが、彼らはその傾向が顕著です。そこには「子ども(女児)は無力で逆らわない存在である」という考え方が反映しているわけです。この考え方は、男尊女卑と根っこを一部共有しているわけです。 なぜペドフェリア(傾向のある)方々は、そこまで子どもにこだわってしまうのでしょうか?それは心の根底に恐れがあるからだそうです。実は自分に対する自信など、全くないわけです。不安で仕方ない。それをごまかして毎日を必死に生きているのです。一見すると余裕をもって、真面目に生きていそうな人が患者には多いとのことですが、彼らの内面は不安・恐怖・自信喪失で荒涼しているのです。 ペドフェリア(傾向のある)方々は、絶対に自分をおびやかすことのない、かわいい存在が、異常なほどに大切になるわけです。事実、彼ら/彼女らには、虐待をはじめとする逆境経験を有する者が非常に多いとのことです。 彼らは自分を受け入れて欲しいのです。ですから性加害を行った者たちのが告白する際、子どもが「受け入れてくれた」「わかってくれた」「必要としてくれた」などと感想を言うそうです。自分の存在意義を認めてもらえたと思い込もうとしているわけです。 彼ら/彼女は、何を一体そんなに恐れているのでしょうか? その極度の恐れの対象は「成熟した異性」です。成熟した異性は十分な判断能力を持っていますし、その考えを実行に移す能力も持っています。ですから、彼ら/彼女らは、成熟した異性から「嫌だ・ダメだ・無価値だ」と判断され、その考えに基づいた言動をされてしまうリスクがあるわけです。それは、自尊感情などが極度に低い彼らにとっては、本当に耐えがたいことでしょう。 そして我々が気づかなければならないことがあります。それはこの問題の構造が、果たして一部のペドフェリア(傾向を持つ)方々にだけ当てはまるのか?ということです。そうではないようです。 日本は随分と改革されてきた面があるのも事実ですが、2025年現在、まだ男尊女卑の文化が根強く残っているように思います。男尊女卑の文化とは、女性に未熟さや力の無さや「かわいさ」を求め続ける社会です。社会全体が基本的にその風潮があるわけですから、自信を十分に養えていたり、自我がしっかりと確立できているなど、十分に精神的に成熟した以外の者たちは、全てペドフェリア患者の予備軍であるといっても、過言ではありません。実はペドフィリア(傾向を持つ)方々と、そうでないはずの大人たちの境界は、ないと言っても過言ではないのです。 相手を低い存在、ダメな存在だと決めつけて、自分の気持ちを安定させるという構図の防衛機制(適応規制)を「引き下げ」といいます。とても良く観られるもので、その場の効果はかなりある防衛機制です。しかし、これを続けることは、ペドフィリア傾向を持つ者たちを維持・増産し続けるようなものです。私たちは小児に限定せず、力の弱い方々も認めて大切にするという姿勢に変化していく必要があります。個人レベルでも、社会レベルでもです。 そうして社会を変えていくことは、多くの人が抱えている生きづらさの解消にもつながるはずです。これは私の推測ですが、恐らくペドフィリア傾向を持つ方々には、ペドフィリア傾向以外にも、生きづらさを抱えているのではないか? と強く感じられます。なぜなら、ペドフィリア傾向はあくまで、自分のこころの傷、不安、恐怖を癒すための方法の1つにすぎないからです。 たとえばアディクション問題(アルコール使用障害、買い物依存、摂食障害など)は、併発する主要な問題の1つとなりえます。それほどまでに、ペドフィリア(傾向を持つ)方々は、つらさを抱えながら、毎日を必死に生きているわけです。 繰り返しになりますが、彼ら/彼女らがペドフィリアになってしまったこと。その原因は(幼かった)彼ら/彼女らにはどうすることもできなかったはずです。つまりペドフィリアになってしまったことには、責任があるとは思えません。 しかし、ペドフィリア(傾向)がある以上、それを最低限行動に移さないようにする人としての責任は確実に存在します。私たちは、お互いの人権を尊重することが大切なのです。その為にどのような意図をもって、専門的かつ具体的に対応すべきか? 私はそれを今回の「ペドフィリア(小児性愛)」シリーズで語ってきました。(とりわけ7章で詳説しました) ペドフィリア問題の解決は、恐らく親(養育者)との関係性の改善や清算などが絡むなど、人生上の大きなテーマとなるはずです。当然簡単には解決しないことでしょう。しかしながら、長期戦を覚悟しながら、意図を持ち、効果的な方法を「実行し続ける」ことができれば、確実に改善へと向かえる問題です。私はみなさまの取り組みを、心底応援しています。そして、改善の効果が実感できるほどに、あなたの人生が開けていくことも切望しています。応援しています。
2025.11.01
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前回の行動療法的・ソーシャルワーク的視点とは別に、今回は心理療法的視点に基づく対応法を考えていきます。但し今回の記事の特徴としては、具体的な方法までを詳述することができません。従って、各療法などの概要を説明した上で、最終的にセルフワークとして取り組む際の方向性(ゴール地点)を提示するという意図で、情報提供させて頂きます。 「ペドフィリア」を心理的アプローチによって対応する為には、まずペドフィリアそのものについて、更に詳しく理解する必要があります。ペドフィリア傾向の多くは後天的要因と関連していると考えられています。具体的には以下の通りになります。1. 発達・神経心理学的要因:脳の発達異常や機能的差異 一部の研究では、性対象の選好や衝動制御に関わる脳領域(前頭前野や扁桃体など)の機能差が示唆されています。2.神経発達障害との関連 ADHDや自閉スペクトラム症などの発達特性が影響する場合があります。特に衝動制御や社会的認知の偏りが関係すると考えられています。3.性的学習・経験の影響:児童期の性的経験や曝露 性的虐待を受けた場合、性的興奮の対象や性的認知の偏りが形成されることがあります。4.ポルノグラフィや性的コンテンツへの過度な曝露 発達期に不適切な性的刺激に晒されると、性的嗜好形成に影響する可能性があります。5.心理・人格的要因:感情調整能力の低さ フラストレーションや孤独感に対処する手段として性的対象への幻想や性的嗜好が固定化されることがあります。6.対人関係スキルの不足 同年代との健全な関係構築が困難な場合、心理的距離を縮める手段として児童への関心が歪むことがあります。7.自己肯定感の低さ 「他者のコントロールや支配で安心感を得る」傾向と関連することがあります。8. 社会的・環境的要因:孤立・社会的サポートの欠如 孤独や疎外感が強い場合、児童に対する性的関心に心理的な逃避が生じる可能性があります。9.文化的・家庭環境 性に関する不健全なメッセージや性教育の欠如も影響します。 つまり、ペドフィリア傾向は生物学的要因、心理的・発達的要因、社会的環境要因が複雑に絡み合って形成されると考えられます。単一の要因で考えずに、個々の背景に応じた総合的な理解が必要です。 加えて、各項目が形成された原因もまた、多岐にわたる可能性があります。例えば、自己肯定感が低いのは、幼少期から父親が厳格すぎて批判的出会った上、スポーツでの挫折経験、振るわない学業成績が重なっているというような具合です。◆重要な他者たちとの振り返りについて 確かに総合的に捉えることは重要なのですが、それは一方で時間や労力などが大変になりすぎてしまいます。ですから振り返ることが特に有効な要素に絞って、セルフワークとして振り返る作業が重要となってきます。 まず最初に重要となってくるのが、重要な他者との歴史です。両親(養育者)を中心として、今までどのような関係性、かかわりあいをもってきたのか? それを冷静に、具体的に、多角的に見つめ直してみることです。 その際は、自分が安心感を感じられる場所で行うことを強く推奨します。関係者が絶対に訪れない場所(例:図書館、ネット喫茶など)が望ましいと言えます。 また、段階的に振り返ること。一度に全部書こうとせず、幼少期→学童期→思春期→成人期の順で分けて作業が有効です。 加えて、視覚化する。図や色、線を使うと関係性や感情のパターンが見えやすくなります。また、感情が動いた場合は、必ず休憩・気持ちの整理を行うことも大切です。場合によっては、安全性を重視し、必要に応じて心理士・カウンセラーに相談しましょう。 重要な他者たち(家族など)との関係を振り返る方法としては、以下の方法が挙げられます。1. ジェノグラム(家族図)を作ってみる。概要:家族構成や重要人物との関係を図式化する方法。家族関係の質(愛情・葛藤・疎遠など)も記入できます。特徴として、世代をまたいだ家族関係のパターンが見えます。愛着スタイルや対人関係パターンの理解に役立ちます。 やり方は、自分を中心に家族・養育者・親しい人物を図に描く。各人との関係の質(良好・緊張・疎遠など)を線や色で表す。良好なら青、険悪なら赤など。そしてイベントや重大な出来事を補足的に書き込みます。イベントなどは補助的でOKです。2. ライフライン・ワークを作ってみる。今度は、イベントや重大な出来事を具体的に追っていきます。生涯を通じての出来事や感情を時間軸上に書き出す方法です。特徴として、幼少期から現在までの成長、トラウマ、喜びなどを視覚化できます。特定の人物との関わりの影響も把握できます。 やり方は、横軸に年齢、縦軸に感情の高低(幸福感・悲しみ・恐怖など)を書きます。各年齢での重要出来事と関わった人物を記入します。そして、感情の変化パターンや傾向を振り返ります。(ライフライン作成の記入の仕方)横軸:年齢(0歳~現在)縦軸:感情の高低(幸福/不安/悲しみ/恐怖など)各年齢での主な出来事・経験を書き込むその時関わった重要人物(両親・兄弟・養育者・先生・友人など)を記入出来事の感情評価(-5〜+5など)を書き込む(記入例)4歳 引っ越し・幼稚園を転校する 母に無理やり車に入れられた 母 -27歳 運動会で褒められる 父 +3最終的に、重要な他者ごとに、トータルの評価値が表れます。マイナスであるほど、相手に対して嫌な気持ちを感じてきたことを表します。3. 愛着・関係性振り返り 幼少期の主要養育者との関係を振り返ります。ライフライン作成を行った後だと、効果的かつ効率的です。安定/回避/不安/混乱の各要素に対して、記述していきます。そして以下の3点について、自分の本音から感じたことを表現します。どんな言葉・態度で愛情を受け取ったか:葛藤・否定・不安を感じた場面:これらの体験が現在の自分にどう影響していると思うか:4.自己洞察・気づきについて総合的に考えていきます。まずは以下について、気づいたことを説明していきます。・幼少期~現在の自分の行動・思考・感情パターン:・強み・資源:・サポートが必要な領域:・今後どのような関係を築きたいか:◆各心理療法を組み合わせて、総合的に理解していこう あなたの努力の結果、自分なりに本音を踏まえながら、自分の幼少期から今までを振り返ることができたと思います。まずそのこと自体が、とても素晴らしく、勇気の必要なことだったことでしょう。私はあなたの行動力、意志力、そして勇気を最大限に賞賛したい気持ちで一杯です。 ペドフィリアでは、重要な他者との関係が十分に作られなかったことが原因することが多いと言えます。そしてその原因は、あなたではなく、むしろ相手側(両親・養育者他)にあるケースも珍しくありません。ですから、まずは現在のあなたと重要な他者との関係・かかわりについて整理したり、かかわり方を変えることが、間接的ではありますがペドフィリア治療に有効になってきます。 対人関係療法(IPT:Interpersonal Psychotherapy)は、ペドフィリア(小児性愛傾向)そのものを直接的に治療する方法ではありませんが、虐待体験に起因する「対人関係の歪み」や「自己認知の偏り」を修正する上で、有効な補助的アプローチとなり得ます。 対人関係療法は、もともとうつ病治療のために開発された心理療法で、焦点は「過去」ではなく「現在の対人関係」に置かれます。そして、ペドフィリア傾向を持つ人の中には、幼少期に虐待(身体的・性的・情緒的)を受け、愛着や自己認知が歪んだまま成長しているケースがあります。 そこで、「他者との関係のパターン」「感情の表現の仕方」「自分の価値や安心感の感じ方」、などに焦点を当てることで、過去の虐待体験が、今の関係性にどんな影響を与えているかを“安全な場”で理解・再構築していくことが可能になるのです。 したがって、トラウマ体験の「直接的な再体験」や「曝露」は行いませんが、被害の影響を間接的に修正することができるのです。 次に併用する心理療法が、トラウマ・インフォームド・ケア(TIC)です。これは、トラウマが個人に与える深刻な影響を理解し、その影響を踏まえて医療やケアを提供する方法です。このケアの要点は、トラウマを経験した人が抱える心と体の痛みを認識し、適切にサポートを受けることにあります。セルフワーク中心であれば、セルフケアをすることです。 トラウマは心と体に長期的な影響を与えるため、患者に安全で安心できる環境を整えることが不可欠です。こうした配慮を通じて、患者が自分自身の体験や感情を理解し、受け入れやすい状況を作り出します。 トラウマ・インフォームド・ケアに関しては、こども家庭庁が公開しているWEBサイト『わたしに何が起きているの? ~自分についてもっとわかるために~ 支援者用ガイド』が、わかりやすく作られています。そもそも読んでもらう対象が、実際に虐待を受けた子どもたち自身です。【ガイドの概要】 このガイドは、虐待やさまざまな被害を受けた子どもたちが、トラウマや逆境について知り、自分自身の状態を理解するための心理教育用の教材として作成されました。イライラや落ち込み、やめられない行動や自他を傷つけてしまう行為がなぜ起こるのか? 子ども自身がわかるように、支援者が一緒に読みながら、トラウマの影響について理解を深めていくものです。 このガイドでは、トラウマと言う表現を使わずに、敢えて「こころのケガ」という表現で説明しています。「自分はおかしいのかもしれない」「自分がダメな子だから」といった子どもの否定的な自己イメージが軽減され、「自分はひとりではない」「自分の行動は変えていくことができる」という前向きな気持ちが持てるようになることで、子どもの回復や成長が促すことが目的です。 トラウマに関する心理教育をおこない、こころのケガをしていることに気づき、適切な対処法を学ぶことよって安全感や安心感を高めるアプローチは、トラウマインフォームドケア(Trauma-Informed Care;TIC)と呼ばれます。TICは、トラウマのエピソードを扱う専門治療とは異なり、健康や安全に関する基本的な情報を共有することを目的としており、いつでも、だれでも、実践できるものです。 とくに、こころのケガをした子どもたちと関わる現場においては、子どもたちの行動の背景にあるトラウマについて理解し、適切に対応することで、再び子どもを傷つける“再トラウマ”を予防しなければなりません。トラウマの観点から理解する「トラウマのメガネ」を用いて子どもの行動をみると、それらは“問題行動”というよりトラウマ反応であることがみえてくるかもしれません。こころのケガの影響について、支援者が子どもとともに考え、その子どもに役立つスキルを一緒に練習していきましょう。 「トラウマのメガネ」を使うと、第1に子どものことがわかりやすくなります。対人トラブルや暴言・暴力、生活上の不適応や体調不良といった子どもの行動や状態の背景や理由がみえやすくなることで、子どもを理解しやすくなります。子どもと一緒にこころのケガについて話し合うことで、子どもは自分の気持ちや状態に気づけるようになります。また支援者が子どもを理解することで、子どもは支援者に「わかってもらえた」と感じ、前向きな気持ちになれるかもしれません。 第2に子どもへの対応が変わりやすくなります。子どもの行動や状態を“問題行動”ととらえると、支援者の叱責や禁止、生活上の制限が増えていきます。もちろん、危険な行為を制止したり、ルールに則った対応をしたりすることは、子どもや周囲の安全を守るために欠かせません。 しかし、普段のかかわりにおいて、叱ったり、制御したりするばかりでは、子どもは更なる心のけがを負ってしまいやすくなります。“問題行動”の背景にあるトラウマを理解せずに支援しても、効果が得られないばかりか、さらに状況が悪化するという悪循環が生じます。 お互いの安全感や安心感が高まるやりかたに変えていくために、日常での関わりや指導法を「トラウマのメガネ」を用いて、見直していきましょう。 第3に支援者の安全を守りやすくなります。こころのケガを負った子どもたちに対応することで、支援者もまたトラウマの影響を受けます。多忙さによる過労や、日常業務のストレスに加え、子どもや保護者からの暴言や暴力にさらされたり、挑発的な態度や不穏な状態(リストカットや自殺未遂など)に対応したりするのは、だれにとってもつらいことです。子どもたちの回復する姿が見られず、日々、目の前で起きているトラブルへの対処に追われていると、心身共に消耗してしまうこともあるでしょう。 業務上、だれにも生じる影響に自覚的であることで、自分の健康状態や支援の質を保つことができます。つまり、トラウマインフォームドケア(TIC)は、子どもと支援者の安全と安心を守るために役立つアプローチなのです。Part.Ⅰ:オリエンテーション:~子どもへの心理教育に取り組むまえに~Part.Ⅱ:『わたしに何が起きているの?』:解説Part.Ⅲ:安全な組織づくりに向けてPart.Ⅰ:オリエンテーション:~子どもへの心理教育に取り組むまえに~ 子どもに『わたしに何が起きているの?』を使った心理教育をおこなうまえに、支援者が心理教育の目的をよく理解し、自分自身の準備性を高める必要があります。支援者同士で読み合わせをして、子どもにどんなふうに心理教育をおこなえばよいか、イメージをつかんでみましょう。 こころのケガについての心理教育のポイント。こころのケガとはどのようなものか、また、どんな影響が生じるのかを説明することを心理教育といいます。子どもの被害体験や状態について深く尋ねるのではなく、「一般的には、こうなることが多い」「多くの子どもがこうした症状をかかえている」という情報を伝えます。心理教育は、こころのケガについての一般的な情報を伝えるものです。 子どもは、こころのケガとなる原因となったできごとだけでなく、その影響で表れている症状についても、「自分だけに起こっていることだ」と思い、「人に知られたら恥ずかしい」と感じていることが少なくありません。 そうした体験をしたのは「あなただけではない」と伝えるために、「実は、たくさんの子どもが経験している」という事実とともに、「こころがケガをしたなら、だれでもそうした症状が出るもの」という心理教育を繰り返すことによって、子どもは自分の体験や状態を少しずつ理解していきます。 安心できると、自分の症状について話せるようになる場合もあります。こころのケガによる症状を理解するための取り組みは、無理にやるべきことではありませんが、反対に「なかったことにすればよい」というものでもありません。子どもが支援者との安全な関係性のなかで、自分の状態に気づけるようになることが心理教育の目的です。 また、子どもの発達や年齢にあった心理教育の仕方を工夫することが大切です。 こころのケガをすると、次のようなこころやからだの反応が起こることがあります。こわい、悲しい、つらい、イライラする、腹が立つ、心臓がドキドキする、めまいがする、涙が流れる、叫びたくなる、どなり散らしたくなる、走り出したくなる、息苦しくなる、だれとも話したくなくなる、静かにひとりになりたくなる、まわりのことが遠くで起こっていることのようにぼんやりしてみえる などです。 全体を読み合わせたら、順番に、それぞれの感想を共有しましょう。子どもが「自分にもあてはまる」と話したときに、「そうなんだね、こころのケガをしているのかもしれないね」と受けとめます。支援者自身も、冊子を読むことでいろいろな気持ちや反応が生じるかもしれません。それもまた自然なことです。詳しくは、Part.Ⅲを読んでみてください。 心理教育をしているときの子どもの様子をよく観察しましょう。たとえ自分のことはまだ話せなくても、支援者が伝える内容には関心を向けていたり、集中して聞いていたりする場合も多いものです。子どもの様子をみながら、子どもが不安や緊張を感じているようなら、リラクセ―ションの練習につなげるとよいでしょう。 こころのケガは、こころとからだの不調、行動面の変化として表れることがあります。こころのケガのために、イライラしやすくなり、衝動的で攻撃的な言動が増えることがあります。対人関係がうまくとれなくなったり、他者を傷つけたり、適切な距離がとれなくなったりします。自己否定感や否定的な気分によって、自傷行為や依存的な行動が増えることもあります。これらはしばしば「症状」というよりも「問題行動」とみなされることがあります。 冊子を読むときは、子どもが内容を理解できているか、言葉の意味がわかっているのかを確認しながら進めます。子どもの能力や体調、心理的な状態に気を配りましょう。子どもの理解に合わせて、簡単なことばで言いかえたり、わかりやすい例を挙げたりして、サポートしてください。 子どもが落ち着きを失ったり、不安そうな様子をみせたり、イライラするといった不穏な状態になったら、子どもに今、何が起きているのかに関心を向け、おだやかな口調で、子どもの状態を尋ねてみましょう。 子どもは冊子の内容が自分にあてはまると思うと、こわくてソワソワしたり、緊張してイライラしたり、読み合わせをやめたくなったりするかもしれません。こころのケガの話を聞くのは、つらいできごとを思い出すことになるかもしれないからです。 子どもが話を聞こうとしなかったり、「自分には関係ない」と言い張ったりすることもあるでしょう。ふざけたりして話をまじめに聞かないとか、反抗的な態度などがみられるかもしれません。こころのケガの話を聞いて、そうした反応が起こることは自然な反応のひとつです。 いずれの場合にも、「あなたの場合はちがうかもしれないけど…」「あなたにあてはまるかどうかは、はっきりわからないけど…」と言いながら、「こんなふうになる子は、けっこう多いんだって」などと間接的な伝えかたをしていきます。そして「今、どんな感じがしているの?」とおだやかに尋ねてみましょう。 子どもの状態によっては、一緒にリラクセーションをやって、子どもと支援者が一緒に気持ちを落ち着かせる練習をしましょう。Part.Ⅱ:『わたしに何が起きているの?』 『わたしに何が…?』をページごとに解説しています。事前に目を通したうえで、冊子を使ってください。子どもと話し合うときには、子どもの考えや気持ちに関心を向けましょう。子どもに合わせた伝えかたを工夫してください。子どもと支援者がお互いに安心して話し合えるという体験そのものが回復を後押しします。 Part.Ⅱの目的は、子どもに本ガイドが何のためのものかを説明するためです。こころのケガをした子どもは、自分がおかしくなってしまったと思いがちです。また、自分でもどうしてすぐに調子が悪くなったり、いろいろなことがうまくいかなかったりするのかがわからず、自信を失っています。だれにも理解してもらえないと感じて、ひとりぼっちだという孤立感を高めていることもあります。 「あなたは、ひとりではありません」というメッセージを伝えながら、大人が一緒に取り組んでいく姿勢を示して、子どもを安心させましょう。<ポイント>●自分のこころやからだに起きていることを理解すると、子どもは「自分だけがおかしいのではない」「だからうまくいかないのか」と思えるようになります。●しかし、これまで、こころのケガについて考えないようにしてきた子どもにとっては、「こころのケガ」という言葉を聞いただけで不安になってしまう場合もあります。●また、「自分にはいいところなんてない」といったように、強い自己否定感をいだいていると、自分のことは人に知られたくないとか、話したくないと思うものです。自分のことを話すと、怒られたり、バカにされたりするのではないかとおそれて、不安になる子どももいます。 子どもがこうした抵抗や不安を感じるのは、もっともなことです。「こういう話をすると、何かイヤな気持ちになるんだね」と、子どもの気持ちや考えに耳を傾けてみましょう。子どものペースに合せて、進めてください。 「こころのけが」=心身の不調は、なんらかの原因によって引き起こされること、そして、不調に対してはケアが必要であるという基本的な考えを子どもと共有します。 「こころのケガ」をイメージしやすくするために、まずは身近な「からだのケガ」を例に挙げています。からだのケガは、だれでもすること、そして、ケガへの手当(処置)が必要であることを伝えます。 からだがケガをしたらなんらかの症状がでるのはあたりまえであり、必要な手当(処置)を受けるのは当然であることを子どもと確認しましょう。 からだのケガを例にしながら、こうした基本的な考えを子どもと確認しておくことで、③以降の「こころのケガ」の理解をしやすくなります。 からだのケガをしたり、手当(処置)を受けたりすることは、なんら恥ずかしいことではないと確認しておくことで、「こころのケガ」にまつわる恥の感情を見直しやすくなるでしょう。 もし、子どもがからだのケガを「本人の不注意だ」と言ったり、「自分はからだのケガをしたときに怒られた」という体験を語ったりしたら、その気持ちや考えについてよく聴いてみてください。 ケガをしたらどうなるかな?について、からだのケガを例に挙げて、ケガをすると一時的にでもできなくなることがあるという基本的な考えを子どもと共有します。 からだのケガによって、入浴や移動といった日常動作が困難になったり、休養をとらなければならなくなったりすることを、具体的な例で説明しています。 そして、からだのケガによって「うまくできないこと」は、怠惰や意思の弱さによるものではなく、あくまで身体的な機能が原因であることを子どもと確認しましょう。 からだのケガの場合、ケガが目に見えやすく(内臓の損傷など見えにくいものもありますが、レントゲンやMRIなど「からだのなかが見える機械」を使うことができます)、周囲もねぎらいの言葉をかけやすいものです。ケガをした本人はつらくても、助けてくれる人もいます。こうした経験があるか、子どもに尋ねながら、「ケガのつらさ」や「助けてもらえた、もしくは助けてあげたときの気持ち」を話し合ってみましょう。 こころだってけがをするんだって。からだだけではなく、こころもケガをするという基本的な考えを子どもと共有します。「こころが折れる」「血がにじむ思い」という表現があるものの、実際には、からだのケガと異なり、ケガの状況は目に見えにくいという特徴があります。 もし、「こころが折れる」といった表現の理解が難しい場合は、「こころがヘコむ」など、その子どもにわかる言いかたに変えてみましょう。 「そうだね、こころは目に見えないけれど、こころがヘコんで、つぶれてしまったような、苦しい感覚はたしかにあるよね」と、こころのケガを感じ取りやすくなるような言葉かけをしてみてください。 こころのケガは、周囲から見えにくいだけでなく、自分自身でもわからないものであるという基本的な考えを共有することで、子どもが自分の状態に目を向けていく動機を高めていきます。 こころのケガになりやすい体験は、「とてもこわいこと(客観的な危険性)」「すごくつらいこと(主観的な苦痛)」「自分ではどうにもできなかったイヤなこと(コントロールできない状況)」のいずれかであることが多いと説明します。どれも、ショックを受けるできごとです。 たとえ、そのときは苦痛を感じられなかったとしても、感覚や感情がうまく感じられなくなること自体が強いショックによる反応といえます。 こころがケガをするかもしれないできごとについて。こころのケガになるかもしれない具体例を挙げることで、こころのケガに関する一般的な知識を得て、けっして稀なことではないと知ることで、子ども自身の体験を整理しはじめるためのきっかけにします。 いずれも、子どもが経験しやすいできごとです。ここでは、子ども自身が体験したことについて、具体的に話をさせる必要はありません。「こういうできごとが、こころのケガになるんだね」「『こんな経験をしているこどもって、けっこういるんだって」そうなんだね。知ってた?」というふうに、一般的な情報として心理教育を行ってください。 子どもが自発的に、「私はこれ」と話したり、□欄にチェックを始めた場合は、話されたことを聴くだけでかまいません。子ども自身が、「私も!」と話し始めることはめずらしいことではありません。 ここでは、「あなたにも、そういう経験があったんだね」と、受けとめましょう。 でも、こころがケガをしているかって、どうすればわかるの?について。こころのケガをしていることに気づかないまま、こころの苦痛が行動に表れていることがあるという基本的な考えを共有します。一般にみられやすい子どもの行動化について理解します。 行動化の具体例としては、「暴言や攻撃的な言動」「暴力」「引きこもり」「過呼吸(過換気症候群 )」を表しています。子どもに「これは何が起きているところだろう?」と話し合うための材料にしてください。 「暴言や攻撃的な言動」や「暴力」は、そうした言動をとる(加害)こともあれば、受けやすくなる(被害)こともあります。イラストを見ることで、子どもはさまざまな場面を思い浮かべるでしょう。「そんなふうにも見えるね。あなたは?」と、話し合うことができます。 子どもが「自分もあった」と話し始めたら、「そんなことがあったんだね。こころにケガをしたのかもしれないね」と受けとめてください。 これらの行動化は、必ずしもこころのケガだけが原因で生じるものとは限りません。あくまで、こころのケガのサイン(兆候)のひとつとして捉え、「こういう行動は、こころのケガによるものかもしれないね」と伝えるとよいでしょう。 いろんな行動の裏には、こんな気持ちがあるかも?について。こころのケガによって生じる否定的な感情や思いについて、基本的な理解を共有します。例をもとに、子どもと話し合いをします。こころがケガをしたあと、ネガティブな気持ちをいだきながらも、うまく表現できない子どもは少なくありません。「こんな気持ちになることがあるんだね」と、例をみていきます。 否定的な感情や不快な気分が強まったり、孤立感が生じたりします。行動の裏にあるさまざまな気持ちについて話し合いながら、「こころがケガをしているときは、そういう気分になるもの」「とてもつらい気持ちだったんだね」と伝えてあげましょう。 自分の感情や思いがわからなくなることも、感情麻痺というこころのケガの影響のひとつと考えられます。自分の気持ちがわからないからといって、苦痛を感じないわけではなく、むしろ自分がおかしくなってしまった、自分でもどうしていいかわからないと思って、とまどう子どもが多いものです。 こころのケガの悪循環について。こころのケガによって生じた症状や行動に対して、周囲から叱責や非難をされ、ますます自責感や不信感が強まってしまうという悪循環が起きやすいという基本的な理解を共有します。 こころのケガによって、怒りや否定的な気持ちが強まり、自分でも行動がコントロールできなくなることがあります。それはこころのケガによる症状ですが、“問題行動”とみなされやすいものです。 子どもがこころのケガをしていることを、周囲の大人が気づいていないことがあります。こころのケガは、からだのケガと違って外から見えにくいからです。そのため、大人は、手当(処置)よりも叱責(処罰)をしやすくなります。その結果、子どもはますますイライラして、自信を失ったりしてしまいます。 子どもと一緒に「こんなことあった?」「こころのケガがあると、周囲との関係性がどんどん悪くなってしまうことがあるんだね」と話し合ってみましょう。あわせて、支援者自身がこの悪循環に陥っていないか、考えてみましょう。支援者がよかれとやってきたこと(「子どもの将来のために注意した」「どんな理由があっても、集団の規律は守らせなければならない」「周囲に示しがつかない」など)もあるでしょう。 もし「しかたがない」「こどもがちゃんとしさえすれば…」といった自己弁護や自分の行動を正当化したい気持ちが起きたら、同僚やSVに話して、落ち着いて考えてみましょう(Part.Ⅲ を読んでください) こころのケガは、からだにも影響することがありますについて。こころのケガによって生じやすい身体的な反応や生活面への影響について基本的な理解を共有します。 こころのケガによって、体調不良が起きたり、生活のリズムが崩れたりすることがあります。それによって、さまざまな問題が起こりやすくなります(例えば、不眠によって昼夜逆転の生活になり、不登校になるなど)。 子どもがそれまでどんな生活をしてきたのか、今はどうなのか、話し合ってください。具体例としては、「無気力、集中力の低下」「息苦しさ、疲れやすさ」、「疎外感」「不眠、抑うつ気分、不安」「ゲームへの依存」を表していますが、答えはありませんので、子どもに「これは何が起きているところだろうね?」と話し合うための材料にしてください。 これらは、必ずしもこころのケガの影響であるとは限りません。まずは、身体症状の診察や検査を受けることが大切です。身体的な病気の可能性の確認が優先されます。 こんなことって、なかったかな?について。こころのケガによる行動化(アクティングアウト)は、本人なりの対処法であることについて、子どもと支援者で共通認識を持つために、基本的な理解を共有します。 行動化には、いわゆる問題行動や非行とみなされるものが少なくありませんが、こころのケガを体験した子どもにとって、その環境を生き抜くためにやらざるをえなかった、自分なりの対処法といえます。そうせずには生きられなかった子どもの生活や境遇を理解しましょう。 この点が極めて重要であり、これはペドフェリアを有する患者にとっても、完全に有効となる理解になります。性加害は許されることではありませんが、性加害をしたいと思うようになった背景は十分に理解しましょう。 これらの対処法は、つらい気持ちを紛らわすための一時しのぎとしては効果があったはずです。イライラやさみしさをしのげるという効果があったのだと気づくと、それらの行動化が、苦痛、無力感、孤立感などを感じないための対処法だったことがわかりやすくなります。 「そのときは、気分がよくなったり、すっきりしたんだね」と、子どもなりの対処法を認めることが大切です。但し、ペドフィリア患者については、それは悪しき自己治療行為であったことをしっかりと受け止めることが大切になります。辛かっただろうけれど、対処法を大人として完全に間違えてしまったわけです。 自他を傷つけるような不適切な対処法について、支援者が頭ごなしに禁止したり、否定したりするのではなく、そうした行動をとらずにはいられなかった子どもの気持ちに耳を傾けましょう。子どもが「理解してもらえた」と実感できてこそ、「もっといい対処法に少しずつ変えていこうかな」と思えるようになるものです。 こころの痛みやつらさをやわらげるために、について。安全な対処法を紹介し、具体的なリラクセーションのスキルを一緒に練習します。呼吸法と筋弛緩法は、いつでもどこでも、一人でもできる安全な方法です。一緒にやりながら、生活のなかで使えるようにサポートしてください。 リラクセーションをやりたがらない子どもは少なくありません。「やっても無駄」「そんな方法では、自分の強いイライラは収まらない」「気を抜いてはいけない、危険だ」と思っているのかもしれません。 逆境的な環境で生きてきた子どもは、つねに緊張しているため、リラックスする感覚がわからないこともあります。こうしたリラクセーションへの抵抗感こそ、こころのケガによる影響であると理解する必要があります。「これまでイライラすることばかりだったら、そんなの効果ないって思うのも当然だろうね」「ずっと緊張していたら、リラックスどころじゃないものね」と心理教育をしながら、「少しずつやっていこう」と励ましていきましょう。 リラクセーションの効果を感じにくい子どもには、気持ちの強さを表す温度計のワークや、実際に心拍数を測るというバイオフィードバックを活用したりして、少しでも数値が変わったという客観的な指標を用いるのも役立ちます。 生活のなかで何度も練習できるように、引き継ぎなどを工夫しましょう。生活の担当者(寮担当者、里親、保護者等)とも、冊子の内容を共有し、同じ視点を持って子どもを支えられるようになることが望まれます。 だれとなら話せるか、子どもに尋ねてください。また、この冊子を読み終えて終わりにするのではなく、今後も一緒に取り組んでいこうと伝え、継続的なケアにつなげてください。Part.Ⅲ:安全な組織づくりに向けて 組織全体でTICに取り組んでいくためのポイントを知り、安全な組織づくりをしていきましょう。支援者自身のこころのケガに対する感じかたを自覚しておくこと、支援者も自分自身への適切なセルフケアをおこなっていくこと、組織としてそうした取り組みをサポートすることが、効果的なTICの活動を支えることになります。 だれにとっても安全・安心な生活環境や関係性を築いていくことは、子どもの回復のみならず、支援者の健康や支援の向上につながります。 こころのケガを扱うための支援者と組織のありかた、について。このガイドは、子どもが自分のこころのケガの影響に気づくためのものですが、その前提として、支援者が子どものこころのケガの影響に気づいていること、さらには、支援者自身がこころのケガについての自分の感じかたを自覚している必要があります。 だれでも子どものこころのケガの話を聴くと動揺させられたり、自分自身のこころのケガの反応が起こったりします。支援者へのサポートやセルフケアがとても重要です。そしてこの部分が、セルフケアによってTICを実践しようとするペドフィリア患者の方々にも有利に働くわけです。 だれでも、人生のなかで、程度の差はあれ、なんらかのこころのケガを体験しているものです。この冊子を読むことで、自分自身が過去にこころのケガを体験したときの苦痛や緊張感などを思い出して、ストレス反応が生じることがあるかもしれません。 もしも、こころのざわつきが強く、自分でも苦痛に感じるほどだったり、冊子についても「何の役に立つのかわからない」といったイラ立ちを感じたりするようなら、あなた自身のケアについて、専門家に相談しましょう。 こころのケガについて子どもと支援者が安心して話せるようになるには、支援者であるあなたと組織のみんなが安全・安心を感じていられる必要があります。 支援者がチームになって、子どもの回復を支えていくことが求められます。支援者もまた、チームや組織に守られていなければなりません。 支援者自身が子どもへの支援について感じたことや思うことを、同僚やSVにも率直に話せること、職員会議で自由に意見を言えること、また、子どもが“問題行動”を示したことで、担当職員が責められたりすることなく、何が起こったのかを職員みんなで話し合い、共有できるような組織の文化・風土を築いていくことがTICを進めていくための組織の目標です。こころのケガを扱っていく組織においては、組織の活動の場自体やメンバー1人ひとりの安全や安心を守ることが大切であるという価値観を共有することが求められます。 長くなりましたが、重要な他者との関係・かかわりを見直し、新たな人間関係(断絶も含む)を築いていく為の対人関係療法。そして自分の心の傷を、自分の心を守りながら、認めて受け入れていく為のトラウマ・インフォームド・ケア。この2つをご紹介してきました。そして最後に紹介するのが、「認知行動療法」になります。 ご存じの方もおられるかもしれませんが、認知行動療法は自分を苦しめる歪んだ考え方を発見し、効果的に修正していくことで、生きづらさを解消していける心理療法です。しかも自分で行うことができるセルフワーク性も強く持っています。 また行動療法の性格ももっているので、マインドフルネスなどの瞑想的な方法をはじめとして、「コーピング」としても有効に活用できる内容がある心理療法でもあります。 私が長年認知行動療法を実践・心理教育などをしてきて、最も失敗するパターンの1つが、自分の本音をとらえていない場合です。ですから認知行動療法といえども、しっかりと自分を理解しつつ受け止め、本音を把握してあげる。その上で、歪んだ認知を修正できるとき。高い効果が見込めるのです。 ペドフィリアの寛解・治療を目標とする場合、長期戦になるかもしれません。しかし、適切に対応し続ければ、波を描きながらも、右上がりに効果は高まっていきます。カンの鋭い方ならわかるかもしれませんが、ペドフィリア治療の対象になる原因は、ペドフィリア以外の生きづらさ全般を同時に駆逐する威力も有しています。あなたの人生が開けていくことを、心から願っています。
2025.10.31
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ペドフェリア患者の方々は、(再び)社会生活を送る必要があります。本来、彼ら/彼女らを受け入れる社会体制を十分に整えておく必要がありますが、2025年現在は明らかに不十分です。ですので、ペドフェリア患者の方は、自分でペドフェリア治療の支援をしてくれる施設(例:精神科クリニック)を受診したり、セルフワークをベースとした自己変革トレーニングを続けることなどが大切になってきます。今回は主に「行動すること」「ソーシャルワーク」を視点の中心にして、対応方法を解説していきます。治療には3つの要点があります。順を追って説明していきましょう。①再発を防止すること(リラプスプリベンション)②薬物療法を実施すること。③社会人として責任を取ること①再発の防止(犯罪行為の抑止) 再発の防止(犯罪未遂ならば犯罪行為の抑止)に向けて行うことは、まず再発させた引き金が何だったのか? それを客観的に、自分の弱さを受け入れながら振り返ることです。 次に自分と向き合うことです。ペドフェリア行為には、当人にとって非常に大きな「効果」がありましたね。それは「辛すぎる自分の状況を癒す」という自分本位の効果でした。それによって、自殺をせずに人生を生きてこられた方もいらっしゃるかもしれません。 しかしペドフェリアによる行為自体、こどもの人権を踏みにじり、長い人生に渡り甚大な悪影響を与えてしまうわけですから、そうした「一時的な悪のオアシス」を捨ててでも、ペドフェリアを抱える自分に向き合わねばなりません。それは嫌なこと、苦しいこと、怖いことでもあるでしょう。それらはペドフェリアを乗り越え、幸せな人生を送れるようになるための「生みの苦しみ」でもあります。 それでも苦しいことにはかわりないでしょう。だからこそ、そうした場合に有効になるのが①同じ悩みを抱えたグループでのわかちあい、や②カウンセリングにおけるカウンセラーからの温かい受容となるわけです。前者の①は精神科クリニックにおいて主催されていることがあります。後者の②については、単に知識を豊富なだけでなく、本当に気持ちが温かく受容的な「ひと(カウンセラー)」に支援してもらうことが有効です。②薬物療法 ペドフェリア自体を治す特効薬はありません。ですが、ペドフェリアを抱えていても、自分の工夫などを併せて行うことで、辛い日常生活を送らないですむようになる投薬は可能です。処方せんが必要なレベルの薬物ですから、投与の種類や量は精神科医が(本人と協議の上で)診断した上で、決定されます。精神科クリニック・総合病院の精神科等の受診が必要です。③社会人としての責任を取りつつ日常生活を送れるようになる とても不幸なことに、ペドフェリアの方々は何かしらの原因があって、ペドフィリアになってしまいました。ペドフィリアになったこと自体は、ペドフェリアの方々に責任はありません。むしろ大変不本意な方々も少なくないように思えます。 しかし、人として、社会人として、自分だけでなく他者(の人権)も同時に大切にしながら日常生活を送る為には、加害行為をしたいという欲求・衝動をコントロールする必要があります。つまり自己管理を徹底することで、こどもに危害を与えないことに対しては、とても大きな責任があるわけです。 責任を取る為には、第1に他者に現状を説明することです。こどもに加害をしてしまうリスクが高まったときに、正直にカミングアウト(告白)することです。告白の相手は、グループワークの仲間であったり、精神科医であったり、カウンセラーだったりします。十分に信頼できる関係性があれば、家族(親、配偶者等)でも大丈夫です。 告白自体が、当人のストレスを一時的に大きくやわらげてくれます。これをカタルシス効果といいます。更に告白行為には、周囲からの様々なソーシャルサポートを受けられるという強みも伴います。 第2に「いつの日か本当に謝罪と贖罪ができるようになる」ことです。「いつの日か? とんでもない! すぐに真摯に謝罪して贖罪を始めろ!」と主張する方々が少なくないかもしれません。しかし、そうした主張は、当事者を一時的にひっこめたり、反省しているような言動を演技させたりするだけで、返って再犯のリスクを高めてしまうそうです。(『「小児性愛」という病 斉藤章佳氏著より) 斉藤氏によれば、刑期を終えた加害者の中には、被害児童は存在しないそうです。被害者の存在は、鮮やかなほどに抜け落ちており、なかったことにされているそうです。なぜならその方が、加害者にとって生きづらさを(一時的に)解消しやすいからです。自分の生きづらさを解消するために、悪の間違った行為としてペドフェリアにすがっている。「自分を守る為の悪しき、倫理に反した鎧」を脱ぎ去ることは、とても辛いことなのでしょう。 ソーシャルワーク的視点からペドフェリアにかかわる際、「まずはとにかく問題行動を抑止して管理する」ことが最初の目標となります。これはペドフェリアに限らず、他のアディクションにも観られることですが、症状の再発は、変容して修正していこうとする中で「必ず発生」します。再発は発生することを前提にするのです。(再発を「スリップ」といいます。) ペドフェリアの方々は、歪んだ認知と共になんとか現実社会を生きてきました。だからこそ、歪んだ認知は非常に強力です。どんなに「次こそは絶対に児童に危害を加えないぞ!」と本気に決意出来ていても。心から決意出来ていても。本物の決意であっても、それだけでは再発を防げないのです。 「確かに変わりたい。ペドフェリアを止めたい。でも実は… 実は変わりたくもないんだ…」この相反する気持ちを、実は自分が本音で持っていること。その本音への気づきがなければ、謝罪や贖罪など夢の話です。そして「変わりたい」という気持ちが、「意図された適切な工夫・かかわり」によって次第に強化されていく。更には「もう性加害したくない!」という内なる動機。いわば当事者の強みを引き出しながら、その強みを行動変容につなげていくわけです。 意図された適切な工夫・かかわりどはどういうものなのでしょうか?具体的には再発防止を意図した専門的なプログラムを実行することになります。例えばリスクマネジメントプラン(RMP)が挙げられます。これは再発防止のための具体的計画です。自身がどういう状態のときに再発してしまうのか?を把握して、リスクの高まったときにどう対処するか。自己管理するか。それを事前に決めておくものです。 このRMPは毎月更新するようにします。なぜ毎月の更新が必要なのでしょうか?第1に人は忘れてしまう生き物だからです。しかも実は本音で忘れてしまいたいという気持ちも抱えているわけですから、なおのこと「反復して常に意識においておける」ように助けてあげないといけません。 第2に当人のおかれた環境が、常に変化する可能性があるからです。とりわけネガティブなストレスが一気に増大する場面があります。例えば就職できた、けんか、離婚や別居、大病の発生、大切な人の死、重度の疲労、過重労働など。そうした環境の変化は、本人のとって著しく再発しやすくさせてしまうわけです。 明らかに厳しい状況に変化してしまった場合は、3か月間程度は毎週末、ゆっくりと安心できる状況を作ってRMPを更新するぐらいでもよいかもしれません。またその時に大切にしたいのが、そうした苦しい状況にいることを、信頼できるひとと共有することです。先ほどの告白(カミングアウト)と同様です。【リスクマネジメントプラン(RMP)の一例】※写真でUPしたかったのですが、できませんでしたので、以下の通りに掲載します。 作成日 年 月 日 性加害者再犯防止のためのリスクマネジメントプラン(RMP)◆前回から今回にかけて発生したイベント「就職したが、職場に慣れるのに苦労している」◆再犯リスク要因の整理カテゴリ 内容(自分に当てはまる点・注意点)感情面 不親切な先輩への怒り・孤独感・慣れない仕事へいらだち・性的衝動を感じた認知面 自分も被害者だと正当化・虐待した親に責任転嫁したくなった行動面 児童ポルノで自慰行為してしまった・近所のA児童公園に立ち寄ってしまった社会面 不安定な生活・不十分な収入・解雇の恐れ◆再犯リスクを高める自分ならではの「危険サイン」(トリガー)①性的空想が強くなる ②ストレスが増えて眠れない ③孤立し、他者と話さないといけないというプレシャーが強くなってしまう。できないとダメ人間だと感じる。◆危険サインが出たときの「早期対応行動」性的衝動が強まる → 散歩・支援者に連絡・呼吸法・安全な場所に行く孤独感が強くなる → カウンセラーに連絡する グループワークに休まず参加する◆再犯を防ぐための「支援ネットワーク」①信頼できる人 → Aカウンセラー・B精神科医 ②支援団体 → CグループワークのDさん、Eさん③公的支援 → 地区担当保健師のFさん(ソーシャルワーカー)◆日常生活の安定化プラン仕事・生活リズム:早めに出社して、満員電車を避ける。朝マックする。(多少お金をかける)もっと自分から積極的に質問してみようかな? 感謝の言葉も口にしてみよう。睡眠・食事・運動の習慣:寝る前にストレッチする。7時間以上寝るようにする。趣味・安心できる活動:推しのアイドルの配信を楽しむ(但し夜9時半まで)週単位で行うセルフチェック項目:駅までの徒歩時間を、やや早めのウォーキングにする。◆「安全な自分」を維持するための考え方・誓い①「人の尊厳を守る行動をとる。人とは自分と他人の両方とする。」②「孤立しない・助けを求める。信頼できる人にはいつでも弱音を吐く」③「リスクのある状況に近づかない。児童公園は避ける。行きたくなったら、手をアイスノンで冷やす。」☆今回のRMPのポイント①就職して対人ストレスが増えたり、慣れないイライラが増えたことに対応している②収入が発生したから、使いすぎずに有効に活用するように意識してみた。③自分なりの職場定着に向けた工夫を取り入れてみた。随時見直そう。◆再発までの心の動き 再発に至るまでには、段階をふまえた心の動きが生じます。それは①トリガー(引き金)が引かれる。きっかけが起きる。②思考・感情が動き出す。③欲望が強くなる。いわば渇望状態となる。1.トリガーが引かれる。 トリガーは自分でも意図なないことになりえます。内的・外的な要因に大別できます。内的とは主に、自分の気持ちが影響を及ぼします。孤独感。劣等感。怒り。イライラ。そうしたものです。一方外的とは、当人を取り巻く周囲の環境が要因となりえます。日頃から児童公園に行ける状況になる。登校する児童を見かける場所に住んでいる、などです。2.思考・感情が動き出す。 例えばあなたが元受刑者であった場合、刑務所というペドフェリア対応を上では非常に好ましい状況で過ごしていたわけです。例えば周囲に全く児童がいないわけですから、外的にトリガーをひくような環境ではありません。しかし今のあなたには、内外にトリガーを引く状況にいるわけです。するとそうした刺激が、今度はあなたに次のような思考・感情を生み出します。「今晩だけ児童ポルノで自慰行為をしてしまおう」「児童公園で子供たちと遊んで、頭をなでるぐらいなら良いだろう」 つまり、今後エスカレートする可能性が極めて高い思考・行動をしてしまうわけです。そしてそれは、あなたに根付いてしまっている「子どもと性的な接触をしたい」という欲望を刺激し続けてしまいます。しかもその欲望は、心理的な支援を行わない限り、消えることがないものです。※心理的な支援については、次回以降解説を予定しています。3.強い欲望状態(渇望)となる。 問題行動の一歩手前の状況と言えるでしょう。こうした状況で、とどめの何かしらが更にトリガーとして発生した場合、あなたは再び性加害を行う可能性が高くなってしまいます。たとえば重度の睡眠不足、過重労働の継続、過去のいじめ・虐待などのフラッシュバック、劣等感などのしつこい継続、児童ポルノを視聴してしまう、大切な人との不仲、強い自己否定(無価値感)などです。◆強い欲望状態を鎮める為にはどうするか? まず絶対に有効なのが、そもそもこの渇望状態に至らないことです。つまり、最初のトリガーポイントを上手に対応して、性加害に関する具体的な思考・行動を起こさないように自分をコントロールすることが、非常に重要となります。圧倒的に高い効果・省エネルギーでの対応ですむからです。つまり「治療よりも予防の方が、圧倒的に効果的かつ楽である」わけです。 またソーシャルサポートを強めることは、確実な対抗策となります。治療医師との絆、カウンセラーとの絆、保健師をはじめとする支援スタッフとの絆、親、兄弟、配偶者との絆。同じグループに参加する相性の良い人との絆。いろいろな絆を感じて、活用できるほど、ペドフェリアに立ち向かう際の苦しみを減らすことができるでしょう。 しかし、そうした予防をすり抜けてしまった渇望がある場合、具体的な対応策の方針としては、第1に即効性のある具体的な行動で対応すること。第2に渇望を生み出す仕組み自体を改善することは期待できないが、現在感じている渇望の度合いを低下させることができるMCC法(Motivational Cognitive Counseling:動機づけ認知カウンセリング法)を、使いやすくしたものを活用します。 即効性のある具体多岐な行動とは、行動的なコーピングと同じ意味です。たとえば、輪ゴムで手の甲を強めにはじく。冷たい氷などを用意しておき、それを首筋などにあてる。自分に効果があって、用意も楽で、すぐに実行しやすいものを事前に数種類用意しておくことが有効性を高めます。なお斎藤氏によれば、音楽を両耳で聴くようにすると、周囲の状況を察知しにくくなって逮捕されるなどのリスクが高まる為、むしろ衝動の抑制として働く効果があるそうです。 使いやすいMCC法は、下園先生が提唱している「プチ認知行動療法」と似ているように私には感じられます。考える割合の高いという面倒くささや知的さが、認知行動療法には求められる傾向がありますが、その弱点をやわらげ、簡単かつ即効性のある内容にしている側面があります。(ただし、認知の歪みの根本を修正するには不足しているとも感じます)【MCC法ワークシートの作成例】 作成日 年 月 日 認知の歪みにチャレンジしよう!◆今回あなたがチャレンジしたい、認知の歪みを明記しよう「子どもに性的にかかわることは、相手の喜びにもつながっているはずだ!」①この考え方が正しいという事実・根拠はあるだろうか?・ある。かつて見た児童ポルノの中に、児童が喜んでいる場面を見たからだ。②この考え方に反する事実・根拠はあるだろうか?・その児童はそもそも自主的に出演したのだろうか?恐らく無理やりだろう。・その児童の相手は、児童が愛して、安心できる相手だったろうか?恐らく違うだろう。・そもそも児童は仲の良い友達と遊ぶよりも、その行為の方を自主的に選んだろうか? 知らない大人に撮影されることを好むことはまずないだろう。③この考えを信じて生まれるメリットは?・自分の罪悪感を少し薄めることができる。④この考えを信じて生まれるデメリットは?・自分を問題行動にかりたてる悪い刺激となりうる。・ずっと自分をペドフェリアから卒業させなくする。・さらなるエスカレートと、逮捕などのリスクがどんどん生まれる。⑤この考えは、再犯のリスクを低めるだろうか?高めるのか?・低めるわけがない。どんどん高まってしまう。⑥この考えは、誰かを傷つけたり、苦痛を与えたりしないだろうか?・見た目は快感を感じていると見えても、内心は嫌悪感で一杯なのだろう。 後に心の病で苦しむ元被害者がたくさんいると習った。・むりやり自分の欲望に従わせている。相手を人だと大切にしていない。⑦こう考えることは、どんな気分をもたらすか?いい気分?悪い気分?・自分はダメ人間だと思える。ダメ人間には子どもぐらいしか相手にされ ないだろうと思える。・しかも実は、子どもに無理やり迫っているんだ。⑨後になって、更なる問題行動につながるだろうか?・当然エスカレートする為、非常につながることだろう。⑩その状況で、他人はどう考えるだろうか?・その児童ポルノの映像が、犯罪行為に見えているのだろう。・映像を作成した者どもが、犯罪者集団である(暴力団関係者など)と捉えるのだろう。⑪もしもグループワークの仲間が同様に考えていたらどう助言するだろうか?・児童ポルノに逃げたいほどに辛いんだとしたら、それを分かち合わないか?・覚醒剤みたいなものだよ。一時楽になるだけで、今後はむしろ地獄だよ!◆以上を踏まえて、どのように考えを修正して、行動していけばいいのか?やはり、ペドフェリアを行う続けること、それを助けてしまうような考え方を持ち続けることは、自分にとても毒だとわかった。今回の反省内容を、次に同じことを想ったらすぐに活用しよう。 また、すぐに使えて即効性のあるプチ認知行動療法の1つとして、事前にAIにラショナルビリーフ集を作っておいてもらうという方法があります。ラショナルビリーフとは、事実に基づいていて、自分の助けになる考え方です。ポイントはAIに作ってもらう点です。圧倒的な速さで、優れた内容をたくさん作ってくれます。試しにChatGPTで作成を頼んだところ、以下のようにできました。これを朝起きたとき。昼休み。寝る前などに味わいながら読むとよいでしょう。1回5分未満で終わってしまうはずです。【以下ChatGPT引用】※たったの2分未満で作成されています。ペドフィリアによる児童性加害抑止のためのラショナルビリーフ例(簡潔に箇条書き)「児童への性的行為は法律違反であり、刑務所に入れば自由も生活も失う。」「加害をすれば被害者の人生を破壊し、罪悪感や後悔は一生消えない。」「性的欲求は、自分や他者を傷つける方法ではなく、安全で合法的な方法で管理できる。」「欲求に従うことは短期的な満足しか得られず、長期的には自分を破滅させる。」「児童への接触は決して許されず、距離を保つことが自分と他者を守る唯一の方法。」「問題に直面したら、専門家やサポートグループに相談することで、安全に欲求をコントロールできる。」「感情や欲求は『やめられないもの』ではなく、適切な方法で調整できる。」「児童に手を出せば、家族や友人、職場の信頼もすべて失う。」「自分の性的欲求は、被害者の安全より優先されるものではない。」「加害は短期的な快楽に見えても、後悔と刑罰という代償が必ずついてくる。」「児童を守ることは、社会での自分の居場所を守ることでもある。」「衝動が強くても、時間を置き、安全な方法で気持ちを整理すれば行動は変えられる。」「性加害を防ぐことは、自分の人生と未来を守る最も確実な方法だ。」「想像上の行動でも、危険な思考を放置すれば行動化する可能性が高まる。」「自分の欲求を他者に向けず、支援者や安全な方法にエネルギーを向けることが成熟した選択。」「加害の誘惑に負けるたびに、人生は小さな破滅を積み重ねていく。」「被害者の人生を守ることは、倫理的な責任であると同時に、自分を守る最短の道である。」
2025.10.31
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HSPとは感じすぎてしまう人のことです。感受性が豊かすぎるわけです。この個性を上手に活用すれば、情緒豊かに多くを感動できる人生が待っています。しかし「あまりにいろいろなことを感じて反応しすぎる」という欠点も有しがちです。 HSPの良さをそのままにして、発生しがちな欠点・デメリットに対して、どのように対応していけばよいのでしょうか?その為には、基本方針として①対応の方向性(望ましい心理的な姿勢)について、確認して実行する。②認知行動療法を活用して、日々使えるラショナルビリーフ(合理的信念)を作成しておく。それを起床時、就寝前などに実践する。この2点が有効だといえましょう。 方向性を考える上で、最重要な視点は、「察知した悪意への反応を、自分の価値観で選び直す。取捨選択する」ことになります。HSP者の知覚は非常に鋭敏です。他者の不誠実や敵意のわずかな兆候すらも感知できます。 そこで「気づいたこと(感知)」と「それに反応すること」は別ものであるとして、明確に判断するのです。鋭敏に感知しつつも、「敢えてそれに反応するかどうか?」「どのように心理的距離を取るか?」を自分の価値観・判断に基づいて、対応していきます。 それゆえ、方向性における基本方針を箇条書きにすれば、①「察知した情報を、すぐに『相手の悪意』として「確定」しない」②「一歩引いて、第三者の視点から観察する」③「自分の価値・安心を他人の意図に委ねない」この3つを、日々の意識ポイントにするとよいことになります。 上記3つの要点を把握しながら、日常生活において最大効率で実践するにはどうしたらよいのでしょうか?いつも安定していて、無駄が少なく、十分な効果も期待できる。それらに応える実践方法の1つが、認知行動療法に基づく「ラショナルビリーフ(合理的信念)」の確認作業になります。 確認作業をするには、事前にラショナルビリーフを作成しておかないといけません。今回は複数例示させて頂きました。これらは基本的(汎用性が高い)内容になりますが、皆様は更に自分の個性、置かれた状況を研究して、自分にのみ当てはまるようなカスタマイズしたラショナルビリーフを作成すると良いと思います。(ラショナルビリーフ例)1「私は他人のすべてを理解する必要はない。私の平穏を守る方が大切だ。」 → 他人の意図の読み取りすぎをコントロールする意図。2「人の悪意を感じ取っても、私はその悪意の中に生きる必要はない。」 → 感知と巻き込まれを切り分け、自分と他人の境界を明確にする意図。3「私の感受性は弱さではなく、方向づけ次第で人を支える力になる。」 → 強みとしての面の再確認を意図。4「他人の言動はコントロールできないが、自分の反応は選べる。」 → 認知行動療法(多くの心理療法)の中心的考え。5「一瞬の違和感をすぐに判断せず、確かな情報が集まるまで保留にしてよい。」 → 早期決断の負担を減らすリフレーミングを意図。思い込みを抑制する効果がある。6「感じ取ることと、背負うことは違う。」 → 他者の感情や悪意を“自分の責任”にしない。彼らの有する問題はかれらの責任である。7「相手の不機嫌や不誠実は、私の価値を下げる証拠ではない。」 → 他者の状態と自己評価を切り離す意図。道理・良心に外れて不機嫌・不誠実を働く者には、およそ彼らが自ら対応すべき問題を抱えている。8「誰かの影に気づいたときは、まず自分の光を確認すればよい。」 → 人生の主人公が自分であり、自分は幸せになってよい。その力も有している。安全基地は無事であるという再確認作業を意図。9「私は“感じたこと”を事実と“同一視”しなくてよい。」 → 感覚は情報の一部に過ぎない、という科学的な視点。10「完全な理解よりも、ほどよい距離が関係を育てることもある。」 → そもそも不信感などを感じる相手に対して、過剰な共感や洞察欲求を緩める。省エネ。11「世界には悪意もあるが、それ以上に中立と善意も存在する。」 → 注意が“脅威”に偏りがちな思考のバランスを整える意図。一度自分にとって中立・善意の存在をまとめてリストアップしておくとよい。12「私は安心を感じる権利がある。どんな状況でも、呼吸を整える自由がある。」 → 外的刺激に左右されない内的安全基地を意識する意図。13「他者の悪意に気づける私だからこそ、優しさの尊さも知っている。」 → 感受性の高さという“副作用”を、意味づけで統合(自分ならではの良さに変換)。14「私の敏感さは、私の物語の一部であって、全てではない。」 → 自己定義を“敏感さ”から解放し、多面的な自己へ。これも統合の一つ。15「私は警戒ではなく、洞察・(科学的)分析によって自分を守る。」 → 反応的防御から、観察的判断へ。即時的主観から客観へ。16「悪意を正確に見抜くより、誠実な人との関係を育てる方が私の時間を豊かにする。」 → 注意の方向性を建設的に転換。事実、明らかに人生の質は向上しやすくなる。17「私は“見抜く人”である前に、“選び取る人”であってよい。」 → 直観の使い方を「防御」から「選択」へ昇華。18「私はHSP特性を意図なく振り回されるのではなく、意図をもって使いこなして人生の質を高める」 →認知行動療法を活用する意義・方向性を共に再確認しています。 いかがでしょうか? 1~18までをコピーして、19以降にあなたならではのラショナルビリーフを作成して、1回数分で完了するラショナルビリーフ集を作り、唱読などを行いつづけるわけです。これは向上心が凄まじい野球少年が、毎日意図をもって質の高い素振りを繰り返すようなものです。高い効果が期待できます。
2025.10.23
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レジリエンスを築く10の方法(アメリカ心理学会) 1.親戚や友人らと良好な関係を維持する。 2.危機やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ないようにする。 3.変えられない状況を受容する。 4.現実的な目標を立て、それに向かって進む。 5.不利な状況であっても、決断し行動する。 6.損失を出した闘いの後には、自己発見の機会を探す。 7.自信を深める。 8.長期的な視点を保ち、より広範な状況でストレスの多い出来事を検討する。 9.希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する。 10.心と体をケアし、定期的に運動し、己のニーズと気持ちに注意を払う。 キャリアコンサルタント更新講習を受けた際に、良い内容だったので転載致しました。ではいくつか補足をさせて頂きます。2「耐え難い問題としてみない」について。事実から離れて絶望などをしないということになります。例えば私は先日まで入院していました。苦痛は大きいけれど、命にかかわる病気ではありません。 その事実について、同部屋のガンに罹患した人生の先輩が、私にむかって「言葉の贈りもの」として助言してきた内容もこれです。「死ぬわけじゃないんだ。後ろを向かずに前を向いて生きていけ」という助言でした。私も大いに同感しました。つまりリフレーミングをした結果、過度に絶望的に考えずに済んだわけです。6「損失を出した闘いの後の自己発見」。とても大きく損失したわけですから、自然とその損失に対して意識が向かいやすくなるのは自然なことです。しかし大きな損失を経験して乗り越えていくと、①違った視点の獲得 ②成長できた面の発見 などをとても行いやすくなります。 たとえばある人が、恋人を何かの理由で永遠に失ったとします。一方で、とても多くの方から支えたり、助けてもらえました。「確かに彼女はもういない。でも私は、多くの人のおかげで今まで生かされてきたし、これからも生きられるんだなぁ…」という新たな自己発見、成長した自分との出会いがまっているわけです。
2025.10.22
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人は強い恐怖、不安などを感じると、心が著しく不安定になってしまいます。強い恐怖・不安を感じた直後の混乱した状態を急性期(もちろん恐怖・不安も感じ続けています)といいます。急性期が収まれば、次第にストレスや問題に対して、様々な対応をすることができるようになります。そうした対応の効果が上がりやすくなります。ですから、混乱した状態の急性期をスムーズに乗り越えることができれば、それだけ問題の解決・緩和が早まるわけです。 もちろん急性期に対して、認知行動療法に限らず、介入的な要素が強い解決志向アプローチ(療法)なども適切に用いれば、急性期でも有効になりえます。ただし適切に実行しないと、効果が上がらないだけでなく、むしろ対象者をより混乱させるリスクも存在します。 ですから、少し時間と労力が多くかかってしまいますが、まず混乱した急性期を「鎮める」為の対応を行う方が、急がば回れ的に効果を発揮することがあるわけです。 当ブログは自分で対応したいというセルフワークを希望する方が少なくありません。急性期の対応は専門家の支援を得る方が安全ですが、今回はセルフワークでも効果が得られるように記事を作成したいと思います。【支持的心理療法の「セルフワーク版」】 支持的心理療法では、カウンセラーが「安全基地(safe base)」の役割を担います。クライエントの気持ちを安定化し、自己肯定感を保つ支援を行います0つまり鎮静化させるわけです。セルフワークでこれを行う場合「自分自身が自分の安全基地になる」という視点が大切になります。<安全・安心を回復するセルフワークの4つの柱>①【身体の安定化】―「今ここ」に戻る 急激な恐怖や不安は、クライエントに解離傾向や転換症状を引き起こすことがあります。「心身の乖離(かいり)」が起きている状態でもあります。いつもの自分と全く違う状態になってしまっているわけです。ですから、まずは「身体感覚を取り戻す」ことが、最初の安定化の鍵です。◆グラウンディング 足裏を床に押しつけ、重心を感じながら「私はここにいる」と意識する。立位が難しいときは、座ってお尻の面を意識したり、仰向けになる場合は体幹全体などの重さを意識してもかまいません。◆呼吸法(腹式呼吸・4-・-8呼吸など) 息を吸う4秒 → 止める0~7秒 → 吐く8秒。副交感神経を優位にすることができます。止める部分に幅があるのは、息苦しさが発生する個人差を調整する役割を持たせてあります。◆温覚刺激 ホットパック・温かい飲み物・毛布で身体の輪郭を感じる(安心感を回復)。38~40度の温浴。②【情動の安定化】―「自分の感情を否定しない」 支持的心理療法では、「それでいい」「今のままでいい」という承認的態度が中心です。セルフワークでも同じ姿勢を自分に向けます。◆セルフ・コンパッション(自己への思いやり) 「この状況で苦しくなるのは当然だ」「誰でもつらくなる」と声をかける。(クリスティン・ネフ氏の研究にて効果が確認されています)◆ジャーナリング(書くことで整理) 感情を「吐き出す」形で書く。正しさよりも、「自分の体験を見える化」する。具体的には「いま感じていることリスト」を作成してみます。 「怒り」「悲しみ」「無感情」… などと自分の気持ちを素直に列挙するだけでも、脳が整理され安心感が戻りやすくなります。③【認知の安定化】―「自己批判を和らげる」 不安時には「自分が悪い」「耐えられない」といった思考が強まりがちになります。CBT的技法を「軽く」応用して、思考を緩めます。◆簡易版認知行動療法 出来事 → 感情 → 自動思考 → 反証(別の見方)を書き出します。例えば安全な部屋などで、次のように考えていきます。「また顔がこわばっている → とても怖い → また発作になるにちがいない! → いや、今は安全な場所だ。周囲を見渡してみよう。」◆安全フレーズを繰り返す 例:「今はもう危険は過ぎた」「今の私は大丈夫」(解離的再体験時に有効)④【環境的な安定化】―「安心の場を作る」 支持的心理療法では、外界における「安全な環境」の確立も重視します。環境が人に絶大な影響を与える視点は、ソーシャルワークでも重視するところです。◆安全な場所のイメージ法 心の中に、穏やかな光・自然・守ってくれる存在などのイメージをつくる。私は20年前のうつ病克己の際は、オレンジ色の温かい光をイメージしました。「ジョジョの波紋ごっこ」をしていました◆信頼できる人・場所のリストアップ 安心できる人(家族、友人、専門家)や、落ち着ける場所(カフェ、公園など)を紙に書き、危機時に見返します。書き出すだけで、効果が期待できます。◆生活リズムの固定化 睡眠・食事・活動のリズムを安定させるだけでも、脳の安全感が向上します。これは身体的に健康な人が、不摂生な生活を1週間続けたら、身体の調子が不調になってしまうことを想像できれば、納得して頂けると思います。レジリエンスを向上させるわけです。【セルフワークの進め方(構造化)】段階 目的 実践例朝 身体の安定 グラウンディング+呼吸法日中 感情の承認 ジャーナリング・セルフコンパッション夜 認知の整理・環境の安心 安全な場所イメージ・安全フレーズ このように1日の中で“自分の安全を再確認する時間”を小刻みに持つことが、支持的心理療法と類似した安定化効果をもたらします。つまり、いつも安心できる状態になりやすいわけです。【実践上のポイント】 「自己否定のない内的対話」こそが、支持的心理療法の本質的効果となります。セルフワークでは、技法そのものよりも「自分を味方につける姿勢」が中心。自分を一切否定せず、味方度100%でかかわろうとするわけです。安定化が進むと、より深い自己理解や認知修正も安全に行えるようになります。
2025.10.09
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支援制度は正確に理解しておかないと、思わぬ形で利用できない場合があります。なぜルールが複雑になっているのか? その理由の1つには、行政側の財政負担を減らす目的があります。安易に医療支援でお金を使ってもらいたくないという本音(現実的に、財政は確かに厳しい)が、行政側にもあるわけです。 その典型の1つが、高額療養費における1件21000円ルールだと感じます。これは専門性の高い資格取得用のテキストにも殆ど出てこなかった内容です。自分が希望する支援を頼りたい場合、①十分に自分で確認するか、②事前に該当部門・組織に確認しておく方が無難だと思います。(本当に困っている状態で、まじめに相談してくる人であれば、役所等も誠実に対応してくれるはずです) 本題に入りますが、高額療養費における1件21000円ルールとは、以下の内容になります。「高額療養費制度における70歳未満の「1件21,000円ルール」とは、70歳未満の方の自己負担額については、1つの医療機関または診療科ごとに21,000円以上のものだけが合算の対象となるルールです。 このルールは、高額療養費制度における自己負担額の計算方法の一部です。 高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、1ヶ月(月の初めから終わりまで)で自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額が公的医療保険から支給される制度です。なお、自己負担限度額は、年齢や所得によって異なります。」 平たく言えば、1回1万円の医療費の自己負担があって、その月に100回支払ったとしても、高額療養費としてのカウントは0円であるという話です。ですから例えばAYAの方や、大病をした後に就労しはじめる人等は、自分が適用になるかどうか、しっかりと確認しておくことが大切です。 なお、仮に高額療養費という方法が使えないとしても、別の公的支援は複数存在します。使える制度をしっかりと活用していくという姿勢で、辛い状況を乗り越えていかれることを願っています。そうした(公的な)支援サービスを利用する際の相談先としては、役所(電話でも対応)が良いかと思います。
2025.09.30
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ペドフェリアの再犯率はとても高いという特徴があります。再犯を犯した犯罪者(前回の犯罪は同じ種類でなくても良い)の割合は、小児わいせつ型が約84%、小児と強制的に性的な行為を実行する型は約94%に上ります。 特に全く同じ種類の犯罪を犯した者に限定したデータに絞ると、小児と強制的に性的な行為を実行する型はデータがないそうですが、小児わいせつ型で約85%となっています。(法務省総合研究所調査による) つまり、何ら有効な対策・治療を行わない場合、小児への性犯罪が再犯される(初犯を含む)可能性は、とても高いと言わざるを得ません。そうした非常に強い再犯性を有するペドフェリアの再犯に対して、我々はどのように対応することが望ましいのでしょうか? 結論を先に申し上げると、犯罪者当人への治療の実施、再犯防止に向けた心理プログラム提供などのトレーニングの実施、当人を取り巻く生活環境の調整や介入、そして社会・文化的な改善。それら「全て」を総合的に提供することが必要となってきます。ソーシャルワーク的視点で言えば、まさにミクロ・メゾ・マクロという視点からのかかわりが大切になってくるわけです。 ミクロ・メゾ・マクロにおいて、最も重要となるのはやはりミクロの関りです。つまり、再犯者当人へのかかわりとなります。ここでまず確認すべきは、以下の2点になります。①性犯罪を犯すという行動化をしたのは、犯罪者自身の責任である。②ペドフェリアの性犯罪者の人権を全く配慮しないような状態を強いると、再犯率は低下しないという事実がある。 ペドフェリアの性犯罪は、犯罪の中でもとりわけ卑怯で人外の行為であるというようなイメージが持たれる犯罪です。事実私も理性抜きではそう感じます。それだけペドフェリアの性犯罪者は、「人間ではない、最低のくず野郎だ」などというレッテル(スティグマ)を貼られてしまいます。確かに彼らの犯した犯罪は、最低でくず的です。しかし、そのように彼らを遇し続けることは、再犯率を低下させないという矛盾を引き起こしてしまうのです。 先ほど再犯率は非常に高いとお伝えしましたが、再犯率が下がるペドフェリアの性犯罪者群がいます。それは仮釈放の者たちです。彼らは仮釈放をするにあたり、本気で反省していることが認められる必要があります。そうした者であれば、社会に復帰する際に身元引受人が見つかりやすいなどの良い環境が生まれやすくなります。 一方、刑務所を満期出所した者は、お金、家、身柄引き受けが全て無いという3条件がそろいやすい事実があります。本人も十分に反省していなかったり、犯罪に対する認知変容が成果を見せていない状態になります。その結果、再犯率は非常に高いままとなってしまいます。 あなたならどうでしょうか? 先ほどの3条件がそろってしまった状況で生活できますか? そんな状況は出所者に過大なストレスを与えてしまいます。強すぎるストレスへの「非常に不適切なコーピング(対応方法)」として、再犯するという悪い環境が整ってしまうのです。ですから、理性と知恵を発揮して、ペドフェリアの性犯罪者に対しても何かしら有効に対処していくという姿勢が、再犯防止には有効になってきます。 現在法務省において、そうしたペドフェリアの性犯罪者に対して、服役中に「性犯罪再犯防止指導(R3)」や、保護観察所における「性犯罪処遇プログラム」が提供されています。特に性犯罪処遇プログラムは、内容が良いにも関わらず、提供される期間が短い(≒量が少ない)うえ、全てのペドフェリアの性犯罪者に提供されていないだろうという問題点があります。 とはいえ、専門的知識を適切に活用したプログラムを活用すること。参加したり、受講したりして、①自分がなぜペドフェリアの性犯罪を行ってしまったのか? その原因を自分・環境の視点から探る。②自分がペドフェリアの性犯罪に関していつのまにか有している認知の歪み(考え方のくせ)を自覚し、修正する。③ペドフェリアの性犯罪は、犯罪者自身のつらい成育歴などが影響しているケースがとても多い為、過去のトラウマ、虐待経験などをはじめとする自分の心の傷を把握し、心理療法などを活用してそれらを少しずつ克己していく。④受診し(または受診できるようにつなげてもらい)、性欲をコントロールする為の服薬を実施する。というような行為が効果的となってきます。そして重要なのは、そうした取り組みは数年から十数年かかるような長期戦になることが多いので、焦らず、逃げず、着実に進めていくことが大切になります。周囲(主に公的か?)からの支援も重要となります。 そんな迂遠な方法ではなく、強制的に(介入的に)、外部が強制して対応すればよいという考えかたはもちろんあるでしょう。実際韓国において、性犯罪者(小児限定か不明 『「小児性愛」という病出典)の再犯率が17%から約2%に低下した事例もあります。 一方メーガン法を制定し、性犯罪者を歴然と公表して情報共有したアメリカにおける性犯罪の再犯率は、殆ど下がっていない事例もあります。 ここからは私見ですが、外部の介入は有効な選択となりえます。介入内容を十分に検討した上で、次のような対応が望ましいと思われます。①既に行われている性犯罪処遇プログラムをもっと広い対象に実施し、また提供期間も長期間にする。(場合によっては断続的に数十年単位)②性犯罪再犯防止指導を、出所間近に必ず復習されるようなタイミングで提供する。③日常生活を送るようになった状況でも、断続的にプログラムで提供される内容を復習し続けることができる社会的環境(行政・福祉サービス。再犯防止施策の性格も有する)を提供する。④ペドフェリアの性犯罪者を生まないように、人のこころをきずつけることが危険であるという心理教育を社会で広く行う。日本にはまだ「心理学」「カウンセリング」って怪しいものだ、というスティグマが色濃く残っています。⑤地域移行支援・地域定着支援を行う専門職に対する、ペドフェリアの性犯罪者対応の特別講習・研修を実施する。(まずはここから。社会全体のスティグマをやわらげるのは、相当に骨が折れるはず) そして今回のペドフェリアシリーズの記事は、ペドフェリア犯罪の予防、再犯防止におけるセルフワークに貢献できるよう、作成しているのです。これが微力ながらも私のマイベストです。
2025.09.28
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【事実報告】日時:2025年9月25日 午前10時40分頃 相手:北九州市教育委員会 学校保健課 男性職員様より 方法:電話でヒアリングを実施。話題:ムスリム児童に対して豚肉を提供しない対応をしたのか?に関する真偽について調査致しました。①令和7年2月度に1度だけ、「ニコニコ給食」というイベントが実施された。②「ニコニコ給食」は、普段クラスのみんなと一緒の給食を食べられない児童全員が、同じ給食をみんなで食べられる機会を提供する意図のイベントであった。③従って、アレルゲンで給食を食べられないこどもや、豚肉が入っていて給食を食べられないこどもなどに対応させる為に、確かに豚肉を抜いた配慮もされていた。④つまり「ニコニコ給食」は、ムスリム児童に対して豚肉を提供しない配慮がなされたが、ムスリム児童への配慮に限定したイベントではなかった。⑤従来「ニコニコ給食」は1回しか実施されていない。今後の実施はヒアリング時点で、未決定である。⑥なお、令和7年9月・10月度の給食において、豚肉の提供は「14回」された・される予定である。この点からも既にムスリム児童に限定した配慮を「実施しているわけではない」事実を理解したもらいたいとのこと。【私の見解】 私は北九州市はムスリム児童に限定した対応をしてはいないと感じました。「ニコニコ給食」は試験的なイベントである上、その意図はソーシャルインクルージョンであったと判断します。つまりアレルゲンをもったこどもや、豚肉を食べられないムスリムのこどもなど、全ての子供に配慮した、みんなで同じ給食を食べるという分かち合いの経験を、教育上の視点から提供したものであったと判断します。 國分康孝先生によれば、同じ食事を分かち合うという原体験は、相互の関係性を強化したり、対人関係構築力の向上にも寄与するとのことでした。私も教育心理学、発達心理学上の視点で同意します。 くわえて、ソーシャルワークの視点においても、北九州市の試験的企画(ニコニコ給食)はソーシャルインクルージョンを目指した極めて健全な実践であったと感じられました。むしろ賞賛・支援すべき実践ではないでしょうか?
2025.09.25
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ソーシャルスキルの中には、相手との関係性をきずくために、お世辞ではなく本心から相手をほめるという技術があります。文字にすると簡単にできそうですが、意外とこれは難しいものです。例えば私が十数年前にしでかしてしまったエピソードがあります。 かつて介護施設で働いていたときの話です。そこに入浴支援をしてくれている看護師さんがいました。彼女は元大学病院勤務経験もある方でした。容姿としては美人でした。そして、入浴支援をする必要上、あえてラフな格好をしていました。その姿は、私には「可愛いなぁ」と思えました。ですから思わず「女子力ありますね!」という表現でほめました。 その瞬間、看護師さんの表情はとても曇りました。 それから私は彼女から冷たい言動を急にされるようになりました。正直嫌がらせもかなりされました。なぜでしょう?ここからは私の推測なのですが、看護師さんは「ラフな格好をしているときに、女子力が高いわけがない。嫌味を言うヤバい人間だ」などと感じたのではないでしょうか?こうして私は彼女が本当に美人だし可愛い容姿をしているという意味を込めて、今後さらに同僚として親密に協力していきたいと考えていたにもかかわらず(彼女は既婚者です)、相手はむしろ逆のメッセージとして捉えてしまったわけです。その結果、私たちの業務連携は殆ど不可能になりました。 なぜ私の言動は不興をかってしまったのでしょうか?原因の1つには「女子力」という言葉の曖昧さが働いたように思います。最近ではジェンダー問題もあって、なおのこと「女子力」という言葉にポジティブなイメージが無くなってきているように感じますが、こうした言葉は受け取る側によって意味が異なりやすい面があります。 定義があいまいな言葉を投げかけられたとき、ポジティブに受け取る人もいれば、「外見や性別役割で評価された」と不快に感じる人もいるわけです。特に賞賛の内容が、「見た目」や「女性性」へ言及されるケースでは。容姿やファッションに関する褒め言葉は、相手の価値観次第で「評価された/ジャッジされた」と感じやすいと考えられます。また職場などの公的関係においては、プライベートに踏み込みすぎた印象を与えがちでもあるかと思います。 では、今後どのような点に注意すればいいのでしょうか? 対応策その1としてほめる対象を「努力・行動・スキル」にすることが挙げられます。例えば「丁寧にケアしてくださってありがたいです」「今日も予定通りに入浴支援が終えられそうです。スムーズに行ってくださってありがとうございます。」 こういう表現で評価(感謝)されても、相手は嫌味に受け取りにくいことでしょう。もちろん、それがお世辞ではなく、事実に基づいている部分があることが大切です。(お世辞も有効なケースはありますが、活用レベルが高くなりますので、別の機会に。あまり書きたくないけれど) 対応策その2は「Iメッセージ」を活用する方法です。Iメッセージは主語を私にすることで、断定的な表現にすることを避ける技術です。アサーションなどで用いられます。この方法を「主観的な感想」の前置きとするわけです。例えば「私にはこう感じました」と主観を明確化することで、押しつけを避けられるわけです。 とはいえ、「ラフな格好が逆に、私には可愛らしく感じました」とIメッセージで賞賛したとしても、相手は気持ち悪いと思ったかもしれません。正直2か月ぐらい勤務したぐらいのタイミングで、私が相手から言われる場面を想像してみたら、気持ち悪いと感じました。やはり、外見を褒めたいときは間接的・控えめにする方が無難でしょう。 対応策その3は、関係性(ラポール)を徐々に深めていく姿勢をとり、最初の段階ではプライベートに踏み込んだ内容をからませないという方法です。あくまで仕事上の話題(成果、技術、姿勢、行動)に、意図して無難に行うことが有効です。それを続けていけば、初歩的な信頼関係(≒とりあえず敵ではないようだ)ぐらいの関係を築けることでしょう。ちょっとプライベートや感情交流を交えた賞賛をするならば、この段階になった上で、その後ちょっとずつ行ってみることが無難です。そして相手の反応をしっかりと確認していきます。スモールステップの応用とも言えますね。 対応策その4は、言葉遣いを意図して正確に行うという方法です。相手をほめたいとき、「明るい印象ですね」「爽やかに見えますね」など、相手の解釈がずれにくい言葉を選んで伝えます。それでも、相手の小さな反応を見落とさないようにしましょう。残念なことに、実は…ほめられた相手側に心理的・精神的な問題がある場合、メッセージを歪んでとらえてしまう方々が、意外といらっしゃるからです。 ほめる目的は基本的になんでしたか? 円滑に協調できるような関係性を築いて、仕事などの目的を達成しやすくする為でしたね。(もちろんそれ以上に親密になれる場合、それは幸運ですし、人生を豊かにもしてくれるでしょう。ありがたいですね)【まとめ】①「女子力」など曖昧で価値判断を含む言葉は避ける。②外見よりも行動・スキルを褒める方が安全で誠実に伝わる。③褒めたいときは「私には〜と感じられます」と主観表現を加えると、誤解を防げる。
2025.09.24
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ペドフィリアを持つ方々の全てが実際の犯罪行為を行うわけではありません(予備軍になっている可能性は十分にありますが)。ですからペドフィリアを持つ人の中でも、だれが、いつ、どこで、どのようにして子供に加害行為をするのかについて、我々は良く知っておく必要があります。 こどもを守る立場の人、とりわけ保護者などにすれば、ペドフェリア患者からこどもを守る為の予防につながります。また、あなたがペドフェリア(的傾向を自覚している等)であれば、「説明にあるような環境に自分を置かないようにする」ようにしつつ、ペドフェリアの治療を行いましょう。そうして日頃から意識しておくことが、子どもをまもり、あなたの人生の破滅も防ぐ予防となりえます。 まず小児ごうかん型、小児わいせつ型の犯罪行為について、全体的にみれば親族を含め、お互いにしっている者同士という関係で多く発生しています。また外見に対する偏見も重要です。いかにもあやしいという人ではなく、平凡で柔和のような人に多く観られるそうです。また親族以外の面識の発生については、インターネットでの出会いが過半数を占めています。 こどもへの性加害を行う者たちの特徴には、職業を通じて行う者が多数と言う特徴があります。職業とは具体的には、教師、保育士、学童クラブスタッフ、スポーツインストラクター、ボーイスカウトなどの指導者、芸能プロダクションの経営者・指導者等が挙げられます。 これらの職業に共通している要素は何でしょうか?それは権力関係を利用できる点です。かれらはいわば「先生と言う否定できない存在」です。またこうした者たちには、子どもたちの将来に関する生殺与奪の権限を持っている者もいます。部活動、スポーツ教室、音楽教室などにおいて、キャリアの成功に向けてかれらの支援・承認が極めて重要である状況に陥るわけです。※ただしこれらの職業の方々の名誉のために、敢えて申し上げます。彼らのほとんどは、実際に誠実に志を高くして取り組んでいる方が多いと私は思っています。 子供への性加害は、形に現れにくいうえ、盲点をかかれることが多いといえます。盲点の1つめは、ペドフェリアは12歳以下の男子をターゲットにしているケースも多いという点です。ペドフェリアが対象とするこどもの特徴を思い出してください。それは「13歳以下で思春期前の児童」でしたね。つまり性的成熟がすすんでいない、男女差がない状態のこどもを対象にするわけです。従って「うちのこどもは男の子だから、大丈夫」という安心は、基本的に危険だといえます。 第2に職業が男女に平等に開かれた結果、リスクが高まるケースです。例えば男性の保育士が女児の着替えを手伝うことに関する問題があります。確かにジェンダー問題視点で男女の平等を考えれば、男性保育士への偏見は避けるべきです。一方ペドフェリア問題における子供の防衛という観点では、リスクは実在します。 第3に性加害をする多くの先生・指導者は「いい先生」だと評価されている点です。教育熱心で、子供達からも好かれています。先ほど小児性加害をする者のイメージが、平凡で柔和な者が多いという事実がここでリンクすると私は思っています。 こうした盲点を踏まえた上で、小児加害者たちに犯罪を行わせないように、とりわけ保護者、学校関係者を中心に、反抗が行われる「環境」を改めて確認していきましょう。「犯罪機会論」という考え方があります。これは「犯罪が成功するチャンスがあったから、犯罪が生じた」という考え方です。 犯罪が好発する時間帯は「下校時間」となっています。場所については「人目につかないところ」となっています。とりわけトイレは要注意といえましょう。私も意外だったのですが、たいていの小児性加害者は自身の生活県内で加害行為をするそうです。なぜでしょうか? それは生活県内の方が犯罪を行う上で必要となる情報量が圧倒的に多くなるからだそうです。たとえば、A小学校の児童はB通りを通って帰る子が多く、その途中にはC、D児童公園がある。Cの特徴は… Dの特徴は… だからEちゃんの場合はCの方が… という風に、見知らぬ土地では不可能な犯罪への段取りを、現実的に行えてしまうリスクがあります。 しかも小児性加害者は、卑怯でずるがしこい一面を持っています。自分の性的対象になるこどもに、やみくもに手を出そうとしません。犯罪行為を他の者に言わなそうな子供をねらいます。またその際の口止めとしても、こどもの泣き所をついた説得や脅迫をしてきます。「おとうさん、おかあさんが悲しむだろうねぇ」「おとうさん、おかあさんに叱られちゃうよねぇ」「いい子にしてなかったのが、ばれちゃうね」「きっと〇〇ちゃんのことを、きらいになるだろうね」などと、子どもに対して口外したら自分がダメで悪い子になる上、親などからの愛を失うという恐怖を利用するわけです。 以上から、我々が犯罪を防ぐために行える具体的アクションを考えていきましょう。①子供の通学圏内のトイレの巡回・声掛けを強化する。 これには商業施設なども含まれますので、企業側の協力も重要となってきます。また同じ時間の巡回にすることで、小児犯罪者が巡回回避の時間帯を学習してしまうので、それを防ぐランダム巡回が重要です。②こどもに対して、性犯罪から身を守る性教育を幼児のころから行う これは一見すると、非常に抵抗感を感じる方が多いかもしれません。私も最初はそうでした。しかし、具体的に体のどの部分を触られたら性暴力になるのか? と教える方法は、とてもわかりやすくて良いと思いました。すなわち「学校でプールに入るときに着用する水着の部分を触ろうとしてきたら、それは性暴力なんだよ」と教えるという方法です。相手が押さなければ、水着を着た男女の絵をかいて、教えてあげるとわかりやすいことでしょう。③こどもとの日頃のコミュニケーションを行う際に、②の知識を活用する 日頃から子供に対して恐がられている保護者の人は、こどもを性犯罪から守る上で大きなハンデを背負っていると言わざるを得ません。それでもコミュニケーションは重要な予防・問題発見方法です。 いつもと違って元気がない、不安だという様子を見逃さない(ビジネスマンで管理職の方は、「ラインケア」を思い出してください)ことは重要です。 その際は、まず子供と絶対に保護者側が守る約束をしましょう。「本当のことを言っても、怒ったり、嫌いになったりしない」という約束です。その上で、②の水着ゾーンに対して、だれかが触ってきたり、嫌なことをされていないか? 確認してみるといいでしょう。 保護者でさえ、上司や権力者に詰問されると、本当のことを答えづらいことでしょう。ましてや子供は余計にいいづらいことを踏まえてください。④従来から行われている子供をまもる対策に何かしら貢献する 小児性加害の問題が取り上げられるようになってから、長い年月が経過しています。既に実施されている対策も複数あるはずです。それらの質を落とさないようにして継続する、盲点を洗い出すというバージョンアップも有効になるでしょう。
2025.09.21
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児童ポルノとは「18歳未満の児童のわいせつな写真・動画やデータ」のことです。ここでいう「わいせつ」には服を脱いでいる状態から性交まで含まれ、それらが視覚で認識できる描写は児童ポルノとされます。※精神医学的見地では、ペドフェリアは通常思春期前の13歳以下を対象にしますので、年齢層に若干のすれ違いが発生します 一方、アニメや漫画などの二次元のわいせつ画像や動画については、児童ポルノ法の規制対象外となっています。ただし、これらを不特定多数の人に公開するとわいせつ物頒布罪(刑法175条1項)により処罰される可能性があります。 以上は『ベリーベスト法律事務所川崎オフィス』『グラディアトル法律事務所』のホームページに記載されていた内容(2025.9.20現在)です。(※は私の補足) 但し当サイトにおいては、アニメや漫画などの二次元のわいせつ画像や動画についても、児童ポルノに類する存在であると定義致します。その上で以下の記事をご覧ください。 榎本クリニックを受診したペドフィリアの方々のほとんどは、児童ポルノから何らかの影響を受けていたそうです。斉藤PSWによれば、痴漢は痴漢を題材にした動画などによって、自分も痴漢をしようとは思いにくいそうです。トリガーポイント(きっかけ)としては、あくまで偶然触ってしまったことが多いとのことです。 しかし、児童ポルノと実際の加害行為の結びつきは、痴漢と比べて圧倒的に強い特徴をもっているそうです。もしも児童ポルノという禁断の果実を口にしなければ、子どもを性の対象として見てしまうという認知が歪みを妨げることができたかもしれません。(もっともそれに加えて、精神医学・心理学的介入は必要だと思いますが) ペドフィリアの方々が楽しんでいる児童ポルノは、こどもたちの犠牲の上で成り立っています。そうした児童ポルノに需要がある為、さらに新しい児童ポルノが生み出されます。その結果、こどもたちは児童ポルノの作成に関して被害を受けるだけではありません。児童ポルノを視聴した結果、それがトリガーポイント(きっかけ)となり、ペドフェリア患者たちに実際の性加害を起こさせるという重要で悪しき問題点を抱えています。 また児童ポルノが生み出す加害者と生じる被害者(こども)の数の割合は、1:1ではありません。児童ポルノを視聴した人が1人が、ときに数千人ものこどもに性加害することもあるとのことです。 もちろんペドフィリアと診断された方々は、その殆どが生まれながらのペドフィリアではありません。社会の中でそれぞれ動機を学習し、身につけ、強化していきます。児童ポルノはそのきっかけになっているわけです。児童ポルノによって、「こどもは性的な存在である」というメッセージを受け取ってしまい、認知をさらに病的に歪めていってしまいます。 あなたはそれでもペドフィリアを続けたいと思うかもしれません。「法律ではアニメや漫画は禁止されていないじゃないか! だからアニメや漫画でペドフィリアを続けるぞ!」と感じてしまうかもしれません。しかし恐ろしいことに、榎本クリニックにペドフィリア治療で訪れた患者たちの多くは、対象を本物の子供(人間)なのか、架空のキャラクターなのか、明確に区別することなく児童ポルノを所持していたそうです。 私はそれもそのはずだと思います。なぜなら、ペドフィリアはそもそもこどもを人として尊重しない病気(精神疾患)だからです。法律は完璧な基準ではありません。そんな不完全なもので犯罪に規定されていないからといって、アニメや漫画などでペドフィリアとしての言動を続けることはやめるべきです。なぜなら、彼らをペドフィリアにしてしまった社会のしくみ、システム、文化などを悪いままに継続する手助けをしてしまうからです。ペドフィリアを新たに生み出し、維持することに加担することになってしまいます。 繰り返しますが、生まれながらにペドフィリアである人は殆どいません。ペドフィリアになった方々は、不幸な成育環境や社会・文化の影響で罹患(りかん:病気にかかってしまうこと)してしまったのです。ペドフィリアになったことは、彼らの責任ではありません。ペドフェリア的行為は厳禁ではありますが、彼らにも苦しみやつらさはあることでしょう。同情すべきでないかもしれませんが、私はそれでも同情してしまいます。(それでもペドフィリアは厳禁です) しかし、ペドフィリアとしての言動をすることは、こどもたちを守る上で厳禁です。特に大人になったペドフィリアの方々であれば、ペドフィリアを生み出す状況を、自ら創り出し、維持しないようにする社会人としての使命があるのではないでしょうか?そう思って頂きたいです。 しかもその努力は、ペドフィリアの方々自身の治療にも役立つわけです。つまり子どもたちも、ペドフィリアの患者たちにも、WIN-WIN(共にメリットがある)関係なのです。
2025.09.20
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【注意:自分は共依存だからダメなんだ!と決めつけず、問題を知り、成長していくために学ぶことを踏まえて読み進めてくださいね】 本来「依存」は、安心感や支えを求めて誰かに頼ることであり、人とかかわるうえで自然な感情です。一方共依存とは、本人と、特定の相手がその関係性に依存しすぎており、その人間関係に囚われている関係を指します。すなわち「人を世話・介護することへの愛情=依存」「愛情という名の支配=自己満足」といえます。共依存者のうち依存される方は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出しがちです。一方依存する方は、相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平穏を保とうとします。 共依存にある状況では、本人が相手に依存し、また相手もも本人のケアに依存するために、その環境(人間関係)が持続すると言われています。たとえばアルコール依存の夫は妻に多くの迷惑をかけますが、同時に妻は夫の飲酒問題の尻拭いに自分の価値を見出しているような状態です。 こういった共依存者は一見すると献身的・自己犠牲的(要は望ましいこと)に見えますが、実はかりに本人が病気になっている場合、本人を回復させるような活動を邪魔してしまい、結果として患者が自立する機会を阻害しているという自己中心性を秘めています。 共依存者の多くは、お互いの依存を健全なる愛や支援などと捉えて判断する人がいます。しかしこの概念が覆るとき。つまり思い込みだったと気づく時、両者は苦痛や疲労や無力感などを背負います。 また他者より、共依存という関係を否定されたり責められると、強烈な自己否定感から精神的安堵を求め、更に強い共依存の関係を求めやすく、その行動や言動を改善する事とは逆に、共依存であることをあおってしまう場合もあり、最悪の場合は自殺する者もいます。つまり共依存の関係を強化させて、自分のこころを不安にさせることから逃げようとするわけです。 そのため治療の場においては、第三者の適切で繊細な支援やケア、または共依存の歪みの克服をする機会でもあり、それまで学ばなかったことを新たに学びを得るための心理教育などが必要となります。 最初アルコール依存の治療で使われ始めた共依存という概念は、アルコール依存以外への概念の広がりをみせています。ギャンブル依存症の家族、ドメスティックバイオレンス(DV虐待)、機能不全家族などにも見られる現象であると言われています。 単にアルコール使用障害患者家族との関係だけでなく、「ある人間関係に囚われ、経済的、精神的、身体的に逃れられない状態にある者」としての定義が受け入れられています。具体的には次のような状況が考えられます。・暴力をふるう夫とそれに耐える妻のDV関係・ギャンブル、アルコール依存者の求める欲求・借金を本人に代わり穴埋めする家族(子を含む)・存在価値や承認欲求を満たすために支配的となる親からの無償の愛を受けたい子供の親子関係が逆転すること・家庭以外になると相手から自身の存在価値や承認欲求を認められたいために依存と愛の区別がつかないことで、愛されることが目的となっている恋愛関係 この観点から、自立できない子供のパーソナリティ障害・恋愛における自己愛的な障害にまで共依存の概念が検討され、使用されるようになっています。 共依存関係は、一見すると献身的に見え、共依存者は「だって私が見捨てたらあのひとは生きていけない」などの発言をすることが多く観られます。しかし行き過ぎて自身以外の他人の世話をすることは、結果として当人や双方の能力を奪い、無力化し、その人の生殺与奪を自分次第とする支配になり得るのです。その人らしさを大切にせずに、無視しているわけです。愛情という名に「完璧に支配しているという快感」を得たいというエゴイズムが隠されています。 共依存について正しく理解すれば、他者と自己との分離、精神的な自律に役立ちます。しかし、共依存に対する誤った認識を持つと、「自分が共依存であるからいけないんだ」という考えにより自らを追い込む可能性があり、注意が必要です。<共依存者に観られやすい特徴>・他人の面倒を見たがる(強迫的世話焼き)・自己の価値を低く見る・抑圧的である・強迫観念にとらわれやすい・相手をコントロールしたがる・現実を直視できない・何かに依存せずにはいられない・コミュニケーション能力に乏しい・他人との境界があいまいである・信頼感を喪失している・怒りの感情が正常に働かない・セックスが楽しめない・行動が両極端である 共依存の二人は、自己愛の未熟な人間が多いと言われたり、パーソナリティ障害であるケースが多いと言われていますが、これはアルコール依存症やアダルトチルドレン、それにパーソナリティ障害の精神病理から導かれたところが大きいです。その理由として、共依存者も被共依存者も、他者の価値に依存する傾向が多いということが言われています。 例えば、アダルトチルドレンにおいては、両親が自分の評価のために子供を利用し、そのため子供は大人になっても両親からの自立に困難が生じるようになり、自分自身の力のみで自立ができなくなりがちです。また、パーソナリティ障害においては、そもそも親が子供に依存的であることが多い。アダルトチルドレンと同様、大人になると子供は他者に依存して、その他者に自分の要望を過度に期待するケースがみられます。それと同時に「これではいけない、これでは駄目だ」等、完璧主義が故に過度に自身を抑圧する状態に陥り、解決の糸口を見出すどころか、一時的に状況が悪化する可能性があります。 だからこそ、自分たちが共依存と言う問題を抱えていることを認めて、(適切な支援を受けながら)解消に向けて取り組む方が安全なのです。共依存の問題点は、被共依存者が回復する機会を失うことだけでなく、共依存に巻き込まれた者がストレスを抱え込み、精神的な異常を訴えたり、さらには関係性に悩んでしまう点です。<共依存のパターンと人物像>①ドン・キホーテのふたり 共依存は、家族、職場、友人など様々な関係において確認され、ロマンチック、対等、コミュニティ関係などで見られます。彼らは、相手への責任という鏡に映った自分を愛するナルシストです。 この関係における共依存者の目的は、パートナーの欲求を実現させるために極端な自己犠牲を行うことです。共依存関係は不健康な関係であり、本人だけでは自律性や自給自足を獲得することができず、自分の充足を果たすことを最愛のパートナーに依存しています。無意識に自分よりも他人の人生を優先しているのは、多くの場合では自分の価値を他人に依存しているのであり、それは誤った考えです。②育児における親子間の共依存 育児において養育者は、ある種の自己犠牲奉仕が必要であり、子どもの欲求に答える必要があるのだが、しかし養育者の自己奉仕精神が不健全・破壊的なレベルに達していると、その親子の関係は共依存関係となってしまいます。 一般的に、子どもの(感情的・身体的な)欲求をくみ取って世話する親はよい養育者とされますが、共依存の親が行う世話は、効果性に乏しかったり有害であったりします。子どものニーズをくみ取ることは必要ですが、それは子どもの成長において一定期間のみであり、共依存の親はそれを継続してしまうのです。その一方で、自己中心的な共依存の親も多くおり、それらは子どもの感情やニーズを無視し、虐待し、辱め、共依存に至らしめます。※後で詳しく説明します。 では共依存関係は今後、どうしていけばいいのでしょうか? 適切に治療されないと、さらなる深刻な問題を招く可能性があります。それらにはアルコール依存症、薬物依存症、摂食障害、性依存症、心身問題、自己破壊行動、自己敗北性パーソナリティ障害などが挙げられます。 共依存者は、アグレッシブな人々や、さらにストレスフルな仕事・関係に引きつけられる傾向があり、将来さらなる問題を起こすことが多く、医療が必要であっても自ら受診することは少なく、キャンペーンを行っても反応せず、また非共依存よりも所得が低い傾向があります。 社会が安全でないという共依存者の認識は、社交不安障害などに発展することがあり、たとえば社会恐怖、回避性パーソナリティ障害、苦痛的な人見知りが挙げられます。ほかストレス関連する障害もあり、たとえばパニック障害、大うつ病、心的外傷後ストレス障害が挙げられます。 共依存関係は、機能不全家族などで育った人々が陥りやすく、また医療者と患者といった関係においても出現します。また自分自身は健全であると思っていても、他者を操作する被共依存者との共依存関係を改善させるのは容易ではありません。よって専門家のアドバイスを受けるのが望ましいといえます。 援助の方針ですが、全ての専門家が同意する標準的な治療手法はないでしょう。共依存からの回復のための手法には様々なものがあるからです。認知行動的な心理療法が選ばれることもあれば、抑うつ症状に対して薬物療法が選ばれることもあります。 まず自分たちが共依存関係なのだろうか?とふりかえったり、カップル間で話し合ってみることは大切でしょう。そして共依存関係に陥っている場合は、当事者は共依存関係について自ら判断するのではなく、第三者である専門家を交えて共依存について対処が望まれます。 対策は、アルコール依存症やアダルトチルドレン、それにパーソナリティ障害などの対策と重なるところがあります。正確には共依存への対策は存在しません。共依存を引き起こしている心の問題を治していくことで、併せて共依存を治していくことになります。ただし、その依存性の問題を正面から取り組む場合には、個別のいくつかの対策がカウンセリングなどを通して行われる場合があります。 共依存を引き起こす心の問題の解消に向けて、集団精神療法、自助グループなども活用できます。例えばAA(アルコホーリクス・アノニマス)が有名です。匿名でお互いを否定しないルールの下に参加し、が開発した12ステップのプログラムをベースとしています。一人じゃないという感覚も、治療や自己成長にとても有効です。 共依存者については、何が最善の結果なのか、自らが本来の援助の目的と異なった依存関係を必要としていないか、依存関係が自らの生きる目的となっていないかを再確認する必要があります。イネーブラーの立場から降り、パートナーに暴力を振るわれたら家を出る、警察に通報するといった態度も必要になることがあります。相手への本当の愛情(=相手の立ち直り)を発揮するわけです。 共依存の原因となるパートナー(被共依存者)への対応としては、一定の距離を置きながら援助されます。被共依存者は、援助が少ないことに見捨てられた気持ちを抱く可能性もあるが、「自分の人生は自分で切り開いていくしかない」と気づかせることが、結果として被共依存者の回復につながります(底付き、直面化といいます)。被共依存者は支援を受けることに感謝し、関係者を操作することなく、自分自身の置かれている境遇を受け入れることが、回復の第一歩です。 共依存には特効薬のような治療方法はありませんが、いくつかの行動を起こすことで徐々に状況を改善できます。共依存の主な克服方法は、以下の4点です。①小さなことでも自分自身で判断する②自分の生い立ちを振り返る③グレーゾーンを作る④カウンセリングを受ける①小さなことでも自分自身で判断する 日常生活には、決定しなければならないことがたくさんあります。献立は何にするのか、休日はどこに出かけるか、些細なことでもそれを誰かの判断に頼るのではなく、自分で判断することを習慣にしていきましょう。「自分のことは自分で判断することができる」「自分をコントロールできる」という経験を増やしていくことが大切です。②自分の生い立ちを振り返る(支援者などと共同で取り組む方が安全です) 共依存に陥ってしまう原因は、子どもの頃の家庭環境に多く見られます。生い立ちを振り返って、家族や家庭環境など子どもの頃のことを、ノートに書き出してみるのも共依存の克服に効果的です。子どもの頃の経験や感じていたことを明確にしてみることで、共依存になった背景が見えてくるかもしれません。また幼少期に虐待などを受けていた場合、心理的な負担が強いので、支援者やカウンセラーからのサポートを確保しておく方が安全でしょう。③グレーゾーンを作る 共依存に陥りやすい人の傾向に「〇〇であるべき」「こうでなければいけない」といった思考(白か黒か・0か100かなど)があります。凝り固まった思考を変えてみて、白か黒かだけではなく、妥協点や中間点のグレーゾーンを意識してつくってみるとよいでしょう。認知行動療法には、この白黒思考を修正する高い心理教育効果が期待できます。④カウンセリングを受ける 共依存は関係性が濃い状態のため、客観的に物事を見られる専門家からアドバイスをもらい、健全な関係性を取り戻すのも効果的な克服方法です。外出が難しい場合や面と向かって話すのが難しい人は、オンラインカウンセリングがおすすめです。【親子間の共依存について】親子間の共依存に観られる主な言動には、次のようなものがあげられます。・親の問題を子どもに解決させようとする・思い通りにならないとイライラして子どもを責める・子どもが自分の思い通りの存在になるように過剰な期待を押し付ける その結果、子ども側も、親に逆らうことで怒られる(または悲しませる)という恐れから、自分のやりたいことを我慢したり、やりたくないことでもムリにやったりしてしまうことがあります。そして、親はいつまでも子どもを管理しようとし、子どもは知らず知らずのうちにコントロールされてしまうのが親子の共依存です。 共依存が起こりやすい親子の特徴として、以下のようなものがあります。①親の口出しが多く考えを押し付ける②子どもが身の回りのことを母親に頼っている③子ども扱いをやめられず自立を受け入れられない①親の口出しが多く考えを押し付ける 親がなんでも口出しをして考えを押しつけてくると、親子の共依存が生まれやすくなります。 たとえば、進学先や就職、休日の過ごし方まで細かく口出しされ「あなたのためだから」と正当化されると、子どもは反論できずに従うしかなくなります。親の期待に応えようとムリを重ねた結果、次第に自分の気持ちがわからなくなってしまうでしょう。 このように、親の考えを一方的に押しつける関係性では、子どもが自立できず共依存を深める要因になります。②子どもが身の回りのことを母親に頼っている 子どもが日常生活のささいなことまで母親に頼っていると、親子の共依存が進みやすくなります。このような関係では、母親が「自分がいないとこの子はダメ」と感じやすくなり、子どもも「お母さんがいないと不安」と依存を深めていきます。 たとえば、洋服のコーディネート、通勤の準備、食事の手配など、成人しても自分で決められない状態が続いていると、自立の機会が失われてしまいます。その結果、母親も子どもも「相手がいるから自分の存在意義がある」と感じるようになり、親子の共依存が進みやすくなってしまうのです。③子ども扱いをやめられず自立を受け入れられない 母親が子どもをいつまでも「子ども扱い」することで、自立心や自己決定の感覚が育ちにくくなります。これは、母親が「子どもは自分が思う通りの存在でいてほしい」と無意識に期待してしまうことが原因です。 たとえば「そんなのムリに決まってる」「あなたにはまだ早い」といった言葉で挑戦を止めたり、進路の選択に過干渉になったりするケースが挙げられます。 こうした関係が続くと、子どもも「お母さんの意見を優先したほうがいい」と考えるようになり、親との共依存が深まりやすくなるのです。共依存が起こりにくい親子の特徴として、以下が挙げられます。①適度なコミュニケーションをとっている②母親が父親を信頼し良好な夫婦関係を築いている③温かく思いやりのある養育態度で子どもに接している①適度なコミュニケーションをとっている 親子の共依存を防ぐには、干渉しすぎずちょうどよい距離感でかかわることが大切です。実際に対面での会話に限らず、メールや電話といった友だちのようなやりとりを続けている親子ほど、子どもの自立心が育ちやすい傾向があります。 物理的に離れていても適度に連絡を取り合い、必要なときには頼れる関係性が子どもに安心感を与えてくれるためです。このように距離はあっても、こころのつながりを感じられる親子関係が、自然なかたちで子どもの自立を後押ししてくれます。②母親が父親を信頼し良好な夫婦関係を築いている 母親が父親に対して信頼や尊重の気持ちを抱き、夫婦関係が安定していると親子関係にもよい影響があらわれやすくなります。良好な夫婦関係が築けていると、母親が子どもを精神的な支えとしないため子どもは「家庭は安心できる場所」と感じて、自立しやすくなります。③温かく思いやりのある養育態度で子供に接する 親子における共依存関係では、母親が娘に依存するケースが発生しやすくなります。依存される側(娘)は、「大切にされているはずなのに、なぜか苦しい」 母親の干渉や重い期待に対して、このような想いを抱えてしまうのです。温かく思いやりのある養育態度で子どもに接することが大切です。 温かく接してもらった経験は、子どもの「自分は大切にされている」という実感につながり、自立の土台になります。たとえば、子どもを否定せず寄り添ったり「あなたなら大丈夫」と信じる姿勢を見せたりすることで、子どもは自分自身を信じられるようになるでしょう。 このように温かな態度で接する親の存在は、子どもが健全な距離感を保ちながら自分らしく育つ支えとなります。 親子の共依存関係が続くと、子どもは支配されている感覚や息苦しさを抱えやすくなります。その結果、自分で判断したり行動したりすることに自信を持てず、抑うつをはじめとした精神的な不調につながりやすくなるのです。【共依存の親子チェック】 以下のような思いに心当たりがある場合、親にコントロールされ共依存の関係になっている可能性があります。▢ 親から否定されるとひどく落ち込んでしまう▢ 親の世話をするのは私の役目だと感じることがある▢ わたしの気持ちよりも親の気持ちが大切だと思うことがある▢ 本当は嫌だけど責任を感じて親の愚痴を聞いていることがある▢ 親から離れたいけど見捨てるみたいでできないと感じてしまう▢ わたしのせいで親を傷つけてしまったかもしれないと感じることがある▢ 親から離れたことで寂しい思いをさせたら申し訳ないと感じることがある▢ 見捨てられそうで怖いから親が喜びそうなことをしようと思うことがある▢ 親は自分の力で生きられないから私が助けてあげなければと感じることがある▢ やりたいことをやっていると親を裏切っているようで申し訳ないと感じることがある 当てはまる項目が多いほど、無意識のうちに親との関係に縛られている可能性があります。いま感じている違和感を大切にしながら、少しずつ自分の気持ちに正直になりましょう。 親子の共依存から抜け出すには、あなた自身の気持ちを大切にすることがなによりも重要です。以下のように、親と自分の間に境界線を引くイメージを持ちましょう。・自分の予定を優先する・親からの連絡をムリに返さない・会う頻度や連絡頻度を自分で決める・「親が悲しむから」を決めごとの理由にしない・親に頼まれたことでもやりたくないことは断る 最初は罪悪感や不安を抱くかもしれませんが、自分をすり減らす関係を見直すことはあなたの人生を大切にする前向きな一歩です。たとえ親との関係であっても、自分の気持ちや生活を守ることはわがままではありません。「親を大切にすること」と「自分を犠牲にすること」は違うのです。少しずつあなた自身に正直になりながら、ムリのない距離感を築いていきましょう。その積み重ねが親子関係をより健やかにととのえる力になります。【カップルにおける共依存】 最後にカップルにおける意味合いについて詳細に説明しておきたいと思います。カップルにおける共依存では、お互いの境界線があいまいになり、健全な自立が損なわれたまま、相互に不健全な依存を繰り返す関係として現れることが多いです。共依存カップルでは、どちらか一方が(あるいは双方が)相手なしではいられないと感じ、相手の問題を自分の問題として抱え込んだり、相手の期待に応えようと無理をしたりします。 恋愛における「依存」は、相手に頼りたい、一緒にいたいという自然な感情を含む場合もありますが、「共依存」はさらに複雑で、相手の行動や感情に自分の幸福が過度に左右され、自分自身の心身の健康や自立が損なわれる状態を指します。そこには、相手をコントロールしたいという願望や、見捨てられることへの強い不安が根底にあることが多いのです。【共依存カップルの主な特徴】①恋人を最優先する・自分たちの世界に閉じこもる②自己肯定感が低く、相手の顔色をうかがう③行動を束縛する、またはされる④相手の問題行動を助長・容認する①恋人を最優先する・自分たちの世界に閉じこもる 共依存的な関係にあるカップルは、恋人をあらゆることよりも最優先する傾向があります。友人や家族との予定をキャンセルしてでも恋人と一緒にいることを選び、自分の趣味や仕事、個人的な目標よりも相手の都合や要望を優先します。 その結果、二人だけの閉鎖的な世界に閉じこもりがちになります。これは、外部からの干渉を避けたい、あるいは二人だけの関係に安心感を求めるためです。しかし、多様な人間関係や社会とのつながりが失われることで、視野が狭まり、関係性がさらに硬直化するリスクが高まります。自分の世界が相手一人になるため、相手への依存がますます深まってしまうのです。 この特徴は、一見すると「深い愛情」や「一途さ」のように映ることもありますが、健全な関係においては、お互いがそれぞれの人生を持ち、それを尊重し合いながら共に時間を過ごすバランスが重要です。共依存の場合、このバランスが崩れ、どちらか一方、あるいは双方が外部との関わりを意図的、あるいは無意識的に断ってしまうのです。②自己肯定感が低く、相手の顔色をうかがう 共依存的な傾向を持つ人は、自己肯定感が低いことが多いです。自分には価値がないと感じているため、相手に認められることや、相手から必要とされることで、一時的に自分の価値を確認しようとします。そのため、常に相手の顔色をうかがい、相手の機嫌や反応によって自分の感情や行動を決定します。「相手が喜ぶなら」「相手に嫌われたくないから」といった理由で、自分の本音や感情を押し殺し、相手の期待に応えようと無理をします。相手が不機嫌になると、自分が何か悪いことをしたのではないかと過度に心配し、不安になります。 この特徴は、相手を思いやる優しさとは異なります。自分の内側に確固たる自己価値の感覚がないため、相手の評価に自分のすべてが左右されてしまうのです。これは非常に疲弊する生き方であり、長期的に見ると自己犠牲の上に成り立つ関係となり、最終的には関係性の破綻や自身の精神的な不調につながる可能性があります。③行動を束縛する、またはされる 共依存カップルでは、相手の行動を過度に制限したり、逆に自分が相手から束縛されたりすることが頻繁に見られます。これは、相手への不安や見捨てられ不安が強いために起こります。 具体的には、頻繁な連絡を要求したり、居場所を常に把握しようとしたり、異性との連絡や友人との外出を厳しく制限したりするといった行動が挙げられます。スマートフォンのチェックや、許可なく個人的な持ち物を見ることも束縛の一種です。束縛する側は、相手をコントロールすることで安心感を得ようとしますが、される側は自由を奪われ、息苦しさを感じます。 一方で、束縛される側も、その関係から離れることへの恐れや、相手なしではいられないという感情から、不自由な状況を受け入れてしまうことがあります。あるいは、相手の束縛を「愛されている証拠」だと勘違いしてしまうこともあります。 健全な関係では、お互いのプライバシーと自由を尊重し、信頼に基づいた適度な距離感が保たれますが、共依存の関係ではこの境界線が崩壊し、支配や管理といった側面が強まります。④相手の問題行動を助長・容認する 共依存カップルの最も特徴的な側面のひとつに、相手が抱える問題行動(アルコール依存、ギャンブル依存、借金、嘘、浮気、暴力など)を直接的、あるいは間接的に助長したり、容認したりしてしまう点が挙げられます。 これは、共依存的なパートナーが、相手の問題を解決しようと奔走したり、問題の存在を隠したり、問題から生じる後始末をしたりすることによって起こります。 例えば、相手が借金をしている場合、その肩代わりをしたり、嘘をついて周囲から隠したりします。相手がアルコール依存症であれば、酔って起こしたトラブルの謝罪をしたり、飲み過ぎを咎めるどころか、飲める環境を整えてしまったりします。 なぜこのような行動をとるのでしょうか?それは、相手の問題を解決しようとすることや、相手から「救い主」として必要とされることに、自身の価値を見出しているからです。また、「相手がいないと生きていけない」「この人を一人にしたらもっとひどくなる」といった恐れや責任感、そして見捨てられ不安が根底にあります。 しかし、この行動は相手が自分の問題と向き合う機会を奪い、結果的に問題行動を継続させてしまうことになります。これは「助ける」行為ではなく、お互いを泥沼に引きずり込む行為と言えるでしょう。【あなたは共依存?カップル度チェックリスト】以下の項目について、正直に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。1. パートナーの気分や言動によって、自分の感情が大きく左右される。 2. パートナーなしでは、生きていけない、あるいは自分の人生が成り立たないと感じる。 3. パートナーのために、自分の友人や家族との付き合いを減らした(減らされた)。 4. パートナーの頼みを断ることが非常に難しく、無理をしてでも引き受けてしまう。 5. パートナーの機嫌が悪くなるのが怖くて、本音や意見を言えないことが多い。 6. パートナーの行動を頻繁に把握しようとする(メッセージのチェック、居場所の確認など)。 7. パートナーから、行動や人間関係を厳しく制限されている。 8. パートナーが問題(借金、飲酒、浮気など)を抱えているが、それを隠したり、後始末をしたりしている。 9. パートナーを「自分が支えなければならない」「自分にしかこの人は救えない」と思っている。 10. パートナーとの関係性で、常に疲弊感や息苦しさを感じている。 チェックリストの結果については専門的な診断ではありませんが、上記の項目に「はい」と答えた数が多いほど、パートナーとの関係が共依存の傾向にある可能性が考えられます。0~2個: 共依存の傾向は低いかもしれません。3~5個: 共依存の傾向が見られます。関係性について一度深く考えてみる価値があります。6個以上: 共依存の傾向が強く、深刻な状態である可能性があります。一人で抱え込まず、専門家への相談を検討することを強くお勧めします。 このチェックリストは、あくまで現状を認識するための一つのツールです。重要なのは、結果に囚われることではなく、この結果を元に自分たちの関係性について話し合ったり、必要であればサポートを求めたりすることです。 なぜ、お互いを支え合うはずのカップル関係が、共依存という不健全な形になってしまうのでしょうか。共依存に陥る背景には、個人の内面に抱える課題や、過去の経験が深く関わっていることが多いです。ここでは、共依存カップルが生まれる主な原因について掘り下げていきます。幼少期の経験や心の傷 共依存の根深い原因の一つに、幼少期の経験や、その時期に受けた心の傷があります。特に、以下のような環境で育った人は、共依存的な関係性に陥りやすい傾向があります。①機能不全家族: アルコール依存症や薬物依存症の親を持つ家庭、精神疾患を抱える親を持つ家庭、慢性的に争いが絶えない家庭、過干渉やネグレクト(育児放棄)がある家庭など。このような環境では、子どもは親の世話を焼いたり、家庭内の問題を隠そうとしたりすることで、自分の安全を確保しようとします。 その結果、自分自身の感情やニーズを後回しにし、他者の問題に過度に関わるパターンを身につけてしまいます。これは、大人になってからの人間関係でも、他者の問題に介入し、その世話を焼くことで自分の価値を見出すという形で現れることがあります。②愛情不足・見捨てられ体験: 幼少期に安定した愛情が得られなかったり、物理的・精神的に見捨てられた経験があったりすると、強い見捨てられ不安を抱えるようになります。 この不安から、パートナーに過度に依存したり、パートナーを失うことを極度に恐れたりします。相手の顔色をうかがい、どんな不健全な関係であっても、一人になるよりはマシだとしがみついてしまうことがあります。③過干渉・過保護: 逆に、親からの過干渉や過保護な環境も、共依存の原因となることがあります。自分で物事を決めたり、責任を持ったりする機会が少なかったため、自立心が育たず、大人になってからも誰かに依存しないと生きていけないと感じてしまうのです。 これらの幼少期の経験は、アダルトチルドレンという概念とも関連が深いです。機能不全家族で育った人が、大人になってもその影響を受け、人間関係や生き方に困難を抱えることを指します。アダルトチルドレンは、共依存的な関係を築きやすい特徴を持つことが多いです。 共依存に陥る原因は、幼少期だけではありません。過去の人間関係や恋愛において築いてきたパターンも、現在の共依存関係に影響を与えることがあります。 例えば、過去に依存的なパートナーと関係を持っていた経験がある場合、その関係から抜け出せないまま、あるいは抜け出したとしても、再び似たような依存的な関係を選んでしまうことがあります。これは、不健全な関係が「普通」だと認識してしまったり、そのような関係の中でしか自分の存在意義を見出せなくなってしまったりするためです。 また、過去に自己肯定感を大きく傷つけられた経験がある人も、共依存に陥りやすい傾向があります。いじめやパワハラ、過去のパートナーからの精神的な虐待などにより、「自分には価値がない」「どうせ誰からも愛されない」といったネガティブな自己認識を持つと、相手からのわずかな肯定や必要とされる感覚に強くしがみついてしまいます。そして、相手の顔色をうかがい、相手の期待に応えることで、失われた自己肯定感を補おうとします。 トラウマ体験も、共依存の原因となることがあります。過去のショックな出来事により、他者を信頼することが難しくなったり、見捨てられ不安やコントロール欲求が強くなったりすることがあります。これらの感情が、パートナーとの関係性において、過度な依存や束縛という形で現れることがあります。 共依存関係は、しばしば自分自身の内面に抱える強い不安や寂しさを、相手との関係性で埋めようとすることから始まります。つまり不安や寂しさを埋め合う関係といえます。 一人の時間や、一人でいる状態に対する耐性が低く、常に誰かと繋がっていないと落ち着かないと感じる人が陥りやすいパターンです。 このような人は、自分自身の心の隙間や不安定さを直視することが怖いため、パートナーを自分の心の穴を埋める存在として位置づけてしまいます。パートナーと一緒にいることで、一時的に不安や寂しさが紛れるため、その関係性に深く依存していきます。 そして、パートナーが離れていくことを想像すると、耐えられないほどの不安や恐怖を感じるため、どんなに不健全な関係であっても、それを維持しようと必死になります。 パートナー側も、同様に不安や寂しさを抱えていたり、誰かに必要とされたいという願望が強かったりする場合、お互いの心の隙間を埋め合うように共依存の関係が深まります。これは、表面上は「お互いを深く愛し合っている」ように見えることもありますが、実際はお互いを「心の安定剤」として利用している状態に近いと言えるでしょう。 このような関係では、どちらかが少しでも自立しようとすると、相手は強い不安を感じて引き止めようとし、結果として共依存のサイクルが強化されてしまいます。 共依存を続けると、その後どのようなリスク(危険性)をもってしまうのでしょうか?共依存関係は、始まった当初は「深い愛情」「強い絆」のように感じられるかもしれません。しかし、その不健全な構造は、時間と共に必ず歪みを生み出し、最終的には関係性そのものや、関わる個人の心身を深く傷つけます。ここでは、共依存カップルがたどる可能性のある「末路」と、関係を続けることによるリスクについて解説します。①どちらか一方、または両方の精神的な破綻②関係性の悪化や依存対象の喪失③社会的孤立や自己実現の停滞①どちらか一方、または両方の精神的な破綻 共依存関係は、関わる個人の精神に深刻なダメージを与えます。常に相手の顔色をうかがい、自分の感情やニーズを押し殺す生活は、計り知れないストレスとなります。その結果、うつ病や不安障害、適応障害などの精神疾患を発症するリスクが高まります。自分の人生の主導権を相手に明け渡している感覚から、無力感や絶望感に苛まれることもあります。燃え尽き症候群のように、相手のために尽くし続けた結果、心身ともに完全に消耗してしまうケースも見られます。 また、共依存関係では、自己破壊的な行動に走る可能性も否定できません。過食や拒食、自傷行為、アルコールや薬物への依存など、心の中に溜まった苦痛やストレスを発散しようとする形で現れることがあります。 これは、健全な方法で感情を処理したり、問題を解決したりするスキルが育たなかったり、関係性から抜け出すエネルギーが残っていなかったりするためです。つまり、共依存は、表面的な関係性の問題だけでなく、個人の尊厳や心の健康そのものを蝕んでいくのです。②関係性の悪化や依存対象の喪失 共依存関係は、長期的に見て関係性を悪化させる可能性が非常に高いです。健全な成長や変化が妨げられるため、お互いに対する不満や resent(恨み、憎しみ)が蓄積されていきます。束縛やコントロールは、信頼関係を破壊し、自由を奪います。 相手の問題行動を容認し続けることは、その問題を解決不能なレベルまで悪化させるだけでなく、問題を持つ側が「自分はこのままでいい」と誤った認識を持つことにつながります。問題を持つ側がさらに深く依存症などに陥り、回復の見込みが薄れていくこともあります。 また、共依存関係は、依存対象の喪失という残酷な末路を迎えることもあります。相手に問題行動(借金、飲酒、ギャンブルなど)が深刻化した場合、物理的に関係を維持できなくなることがあります。逮捕されたり、病気で倒れたり、最悪の場合は命を落としたりする可能性もゼロではありません。あるいは、相手が共依存の関係から抜け出す決意をし、一方的に関係を断つこともあります。 依存対象を失った側は、自分の人生の軸を失ったかのように感じ、激しい喪失感や混乱に陥ります。自分一人では何もできない、生きている意味がないと感じ、さらに精神的に不安定になるリスクがあります。これは、愛情に基づく関係ではなく、お互いの弱さや病理に依存し合っていた関係であることの悲しい結末と言えるでしょう。③社会的孤立や自己実現の停滞 共依存カップルが二人だけの世界に閉じこもる傾向は、社会からの孤立を招きます。友人や家族との関係が疎遠になり、外部からのサポートや客観的な視点が得られにくくなります。孤立は、関係性の異常さに気づく機会を奪い、共依存のサイクルを強化してしまいます。 また、共依存関係は、個人の自己実現や成長を著しく妨げます。自分の時間やエネルギーのすべてをパートナーのために費やし、自分のキャリア、趣味、学びたいこと、やりたいことなどを後回しにしてしまうからです。自分の夢や目標を諦め、パートナーの人生や問題にばかり関わっていると、自分自身の人生が空虚に感じられるようになります。 このように、共依存は単なる恋愛の形の一つではなく、個人の心身の健康、社会とのつながり、そして自己の可能性を閉ざしてしまう深刻な問題です。この関係を続けることは、お互いを成長させるどころか、共に衰退していくリスクをはらんでいます。末路を避けるためには、問題に気づき、早期に関係性の見直しや治療に取り組むことが不可欠です。 共依存から健全なカップル関係へ抜け出す方法について。共依存関係に気づき、その末路やリスクを理解した上で、次に考えるべきは「どうすればこの関係から抜け出せるのか?」ということです。共依存からの回復は容易な道のりではありませんが、不可能ではありません。お互いが自立し、尊重し合える健全な関係を目指すための具体的なステップをご紹介します。ステップ1:自覚 共依存から抜け出すための最も重要な第一歩は、自分自身が共依存の状態にあることを、事実として自覚することです。「自分は大丈夫」「これは愛情だ」といった否定の気持ちを手放し、チェックリストの結果や、これまでの関係性で感じてきた苦痛や息苦しさにしっかりと向き合う必要があります。 この自覚は、自分を責めるためではありません。現状を正確に認識することで、初めて変化のためのエネルギーが生まれます。「なぜ自分はこのような関係を選んでしまうのか」「なぜ相手から離れられないのか」といった問いかけを自分自身に投げかけ、その根底にある感情や思考パターンを探ることが大切です。 パートナーが問題行動を抱えている場合、その問題が解決すれば共依存も解消されると考えるのは誤りです。共依存は、関係性全体と、それを築いている個人の心理的な課題に根差しています。相手を変えようとするのではなく、まずは自分自身がこの関係性においてどのような役割を担い、どのような心理状態にあるのかを理解することが、健全な関係への第一歩となります。自覚することは、痛みを伴うかもしれませんが、回復への扉を開く鍵となるのです。ステップ2:自分自身のケアと境界線の設定 共依存からの回復には、自分自身の心身のケアを最優先することが不可欠です。共依存関係にある人は、しばしば自分自身を後回しにしてきました。まずはそのパターンを断ち切り、自分を大切にする練習を始めましょう。 具体的なケアとしては、十分な睡眠と栄養、適度な運動といった基本的な健康管理はもちろん、自分の好きなことや楽しいと感じる時間を作ることも大切です。趣味に没頭する、友人とおしゃべりする、一人の時間を静かに過ごすなど、パートナー以外の活動に意識的に時間とエネルギーを使いましょう。これにより、自分の世界がパートナーだけではないことを実感し、自己肯定感を高めることにもつながります。 そして、非常に重要なのが境界線の設定です。これは、パートナーに対して「どこまでなら受け入れられるか、どこから先は受け入れられないか」という自分の限界を明確にし、それをパートナーに伝えることです。例えば・パートナーからの過度な連絡要求に対して、「この時間は返信できない」と伝える。・パートナーの借金の肩代わりはしないと決める。・パートナーの感情的な不安定さに対して、自分がすべてを背負う必要はないと理解する。・パートナーの非難や攻撃的な言葉から、距離を置く。などが挙げられます。 最初は罪悪感や見捨てられ不安から、境界線を設定することに抵抗を感じるかもしれません。しかし、健全な関係では、お互いが適切な境界線を持ち、それを尊重し合います。境界線を設定することは、パートナーを突き放すことではなく、お互いが一人の人間として尊重し合うために必要なステップなのです。最初は小さなことから始め、徐々に自分の境界線を明確にしていきましょう。ステップ3:相手とのコミュニケーションの見直し 共依存関係は、しばしば不健全なコミュニケーションパターンによって維持されています。回復のためには、パートナーとのコミュニケーション方法を根本的に見直す必要があります。まず大切なのは、自分の本音や感情を、非難的にならずに伝える練習をすることです。 「あなたが〇〇だから、私は△△だ」という「Youメッセージ」ではなく、「私は〇〇と感じている」という「Iメッセージ」を使うように心がけましょう。例えば、「あなたはいつも私を責める」ではなく、「私はあなたの言葉を聞いて、悲しい気持ちになった」のように伝えます。 次に、相手をコントロールしようとする言動をやめることです。パートナーの行動や感情を変えようとすることは、共依存の典型的なパターンです。相手には相手自身の人生があり、その責任は相手自身にあります。相手の言動に一喜一憂するのではなく、一歩引いて見守る姿勢も必要です。 また、建設的な話し合いの場を持つことも重要です。お互いの気持ちや考えを正直に伝え合い、関係性の課題について共に考える時間を作りましょう。ただし、感情的になったり、一方的な非難になったりする場合は、一旦中断する勇気も必要です。 相手が変化を望まない場合、コミュニケーションの見直しはさらに難しくなります。しかし、その場合でも、自分自身が取るべき行動や、設定すべき境界線は変わります。相手に変化を期待するのではなく、自分自身の健康と安全を守るために、どのような選択をするべきかを考える必要があります。場合によっては、関係性そのものを見直すことも、健全な未来のためには必要な決断となるかもしれません。補足:専門家(カウンセラー等)への相談 共依存は、個人の心の深い部分に関わる問題であり、一人で解決するのが難しいケースもあります。そのため、専門家(カウンセラー、心理士、あるいは精神科医)のサポートを受けることは、共依存から抜け出すための非常に有効な手段となります。相談するメリットには・客観的な視点の提供 関係性の歪みや、自身の不健全なパターンを、第三者の専門的な視点から指摘してもらえる。・適切な知識とスキルの習得 共依存のメカニズム、自己肯定感を高める方法、境界線の設定方法などを学ぶことができる。・安全な場所での感情の整理 誰にも話せなかった内面の苦痛や感情を、安心して話せる環境で整理することができる。・個別の状況に応じたアドバイス 一人ひとりの抱える具体的な問題や背景に合わせたサポートを受けられる。・幼少期の心の傷への取り組み 共依存の根源にある幼少期のトラウマや心の傷に向き合い、癒すためのプロセスをサポートしてもらえる。・関係性の見直しへのサポート パートナーとの関係をどうするか、離れるべきか続けるべきかといった難しい判断をサポートしてもらえる。 どのような専門家を選ぶかは、状況によって異なります。カウンセラー、精神科医、保健師、精神保健福祉士、社会福祉士(適切な相談先の紹介)などが候補になります。公的なサービスであれば無料で相談できます。一方有料であれば、相談者様の都合にあわせた内容にしやすくなります。 まずはお住まいの都道府県に設置されている精神保健福祉センターに無料電話して、相談先を一緒に考えるのも1つの方法です。 専門家への相談は、決して「恥ずかしいこと」や「弱いこと」ではありません。むしろ、自分自身の問題と向き合い、より良い人生を送るための賢明で勇気ある選択です。パートナーと共にカウンセリングを受ける「カップルセラピー」、まずはご自身一人で相談を始めること、双方ともに有効です。【おわりに】 とても長い記事になりました。読んでくださってありがとうございました。共依存は、お互いに相手に頼りすぎることが問題でした。健全に支え合える関係になれるよう、一歩ずつ読者様もパートナーの方も成長していけばいいのです。 人としての成長を目指す場合、大体長い時間がかかるものが多いです。共依存問題の解消も、魔法の杖・特効薬というものはありません。一方、適切な工夫や実行を続ければ、必ず効果は上がっていくものです。そしてそこには、単に共依存問題が解決するだけでなく、人生の質が全般的に向上するという嬉しいおまけもついてきます。 あなたなりのペースで、共依存問題の解決に向けて工夫を続けていきましょう。私も応援しています。 ※参照サイト①『こころの耳』厚生労働省②Wikipedia③『こころけあ』公認心理師 櫻井 良平記事監修④『おおかみ こころのクリニック』浅田 愼太郎精神科医 監修⑤あしたのクリニック五反田院WEBサイト
2025.09.18
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ペドフィリア(小児性愛)は精神疾患です。世間からの評価がとても低く、差別されたり、憎まれることも当たり前のように観られる精神疾患です。 性障害専門医療センターSOMECの福井氏によれば、男性のうち5%はペドフィリアではないか?という見解を示しています。MSDマニュアルプロフェッショナル版での解説では、最大3%を占めるとされています。またネットフリックスで放映されている『良心の糾明: 聖職者の児童虐待を暴く』では、聖職者のうち7%が性虐待をすると証言されています。 かりに5%と設定して、日本における男性の生産人口だけで考えても、130万人のペドフィリアがいることになります。実際は10代前半の者、65歳以降でも該当する者が含まれうる為、更に人数は多くなることになります。本当にものすごい数です。 これほどの方が罹患してしまうペドフィリア。彼ら/彼女ら(女性は割合がとても少ないとされます)は、なぜペドフィリアに罹患してしまうのでしょうか?以下の解説は、榎本クリニックにて臨床的にかかわり続けている斉藤章佳氏の著作『「小児性愛」という病』を参照しつつ行います。 第1の視点として、ペドフィリアは先天的である可能性があります。つまり、生まれながらにペドフィリアにとてもなりやすいという点です。確かに生物としての生存戦略として、成熟したメスを獲得する能力が無い場合などに、早熟なメスを選択する可能性はあるかもしれません。もちろん生殖行為としてかなり効果が低いわけですが、遺伝子に生存戦略として組み込まれている場合、その誘因を除去することはできません。 しかし、ペドフィリアによる小児への加害行為は犯罪であり、今日の文明社会では決して許されないことです。しかもペドフィリアを有する本人の幸せ・安全・可能性などを大きく損なう可能性もあります。ですので、かりに一部の方が先天的に誘因を持っているとしても、それを言い訳にすることはできません。※私の例で恐縮ですが、私は遺伝子検査の結果、本当ならば筋肉がややつきにくい遺伝子を持っています。ですが私は筋トレを継続し続けた結果、一時期背筋力が233㎏になりました。今も筋肉量はケガをした部位を除けば多くなっています。私たちは人間としての工夫ができるうえ、その為の意思も持てることを忘れないでくださいね。 第2の視点として、社会・文化・環境が、ペドフィリアに罹患させる悪影響を有している点です。痴漢行為の方がわかりやすいのですが、仮に先天的に痴漢をする誘因を持たずに生まれたとしても、日本の文化や社会のありかたが、当人を影響するわけです。 男尊女卑、女性蔑視の文化的側面。痴漢という行為の存在を知ること。ストレス発散として痴漢を選ぶことが実際に起きている事実(報道などで)。そうした環境により、痴漢という行動が学習され、実行されてしまうわけです。 第3の視点として、ペドフィリアを有する者の養育過程(育った過程)において、本人をとても苦しめるような逆境が存在した可能性です。とりわけ本人が無力であった小児期における逆境経験は、本人に①もっと努力すればよかったという罪悪感や、なにをしても無駄という無力感を植え付けてしまいます。 似たような負の影響をもつ存在として、何かしらの犯罪被害にあうこと、大規模で危険な自然災害に罹災すること、悪質ないじめにあうことなども、逆境経験と同様の効果を持ち得ます。 逆境に話をしぼりましょう。逆境経験は大きく3つに分類できます。逆境①は「機能不全の家庭で育った」ということです。 本来家庭はこどもにとって、人格が守られ、大事にされて、適切な保護や養育を与えられる場所です。ところが機能不全の家庭では、こうした機能が働きません。機能不全には様々な形態がありますが、例えばアルコール使用障害者が養育者である家庭などが該当します。アルコール使用障害の家庭では、高頻度で児童虐待やDVが起きるとのことです。 また恐ろしい話ですが、不適切な教育(マルトリートメント)の内容に応じて、こどもの脳が変性してしまう部位が異なることが判明しているそうです。 逆境②は「いじめの被害体験」です。閉鎖的で逃げられない空間で行われる卑劣な行為の為に、自尊心などが大いに傷つけられてしまいます。成人してからも、その恨みが消えないとしても、それは自然なことです。それを昇華して活用することができればいいのですが(例:いじめのつらさを知った者が、カウンセラー、ソーシャルワーカー、教師等として、人を大切にしながら実践に精を出すケース。)、人によっては恨みの感情などが、自分よりも弱い存在である小児に向かうことがあるわけです。 逆境③は「同世代の女性との挫折経験」が挙げられます。女性に明確に拒絶されたり、自分の劣等感や実際に恵まれていない容姿や経済力を理由に自主的に女性へのアプローチを諦めてしまうなどの挫折経験を味わいます。その結果、一部の方は同世代の女性を嫌悪・攻撃対象にしてしまうのです。それは反面、拒絶・否定されることへの大きな恐怖の現れでもあります。 もちろんいわゆる失恋経験などは、本来ならば成人として成熟していく上で当たり前のように経験されるものです。しかし「挫折」としかとられられない方は、家庭で愛されなかったり、安全を確保されなかったり、自己肯定感を持てないなどの問題を抱えている可能性がありそうだと私は思います。※私なんて「数十人」に振られましたが、良い経験になっています… 家庭内で行われる性虐待は、支配する・支配されるという、逃れることのできない絶望的な環境において行われます。例えば自分を慰める行為を強制的にやらさせる、(暴力的な)夫婦の営みの姿を故意に毎晩のように見せつけるという事例です。 そんな性虐待をされたこどものこころは、ひどく傷つきます。こわれてしまってもおかしくないほどでしょう。逃れることもできないその苦しみを、こどもは何とかしてやわらげたり、消そうとするのです。まさに生きる為のサバイバルアクションなのです。 たとえば猫などの動物を虐待する場合。また兄弟姉妹において、自分よりも年少の者に性加害をする場合などが起き得ます。猫を虐待できるような環境だった。年少の兄弟姉妹がいた。そういう環境上の偶然と、サバイバルアクションをせざるを得ない過酷な環境が「たまたま」組み合わさって、本人をペドフィリアに罹患させ、更には加害行動を実行させるわけです。 恐ろしいことに、本人は最初からペドフィリアを望んでいたわけではないのです。むしろ本人の意図とは反しているにもかかわらず、有害で偏った性的嗜好を学び実行し、最終的にペドフィリアに罹患して加害行為をしてしまうわけです。ペドフィリアに依存状しているとも言えるでしょう。 彼ら/彼女らがペドフィリアになってしまったこと。そのこと自体には、彼ら/彼女らに責任はありません。むしろ彼ら/彼女らを苦しめた「真の原因・加害者」がいるわけです。(その加害者たちも、実は「被害者」でもあり得るのですが…) ただし、だからといってペドフィリア行為を許すわけにはいきません。ペドフィリアの原因が先天的であろうが、後天的であろうが、それは関係ありません。唯一重要な目標は、「ペドフィリアを行わないようにはたらきかけたり、当人が工夫をすることで、こどもたちをまもること」だと言えます。 その結果、ペドフィリアを有していた人たちも、苦しみから抜け出せていけます。薬物療法、心理療法、リハビリテーション、ソーシャルスキルトレーニング、自助グループ参加等を通じて、彼ら/彼女らもまた、自身のペドフィリアを治療するだけでなく、自身の傷や苦しみも少しずつ癒えていくだろうからです。
2025.09.15
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私が多くを学んだ國分康孝先生の臨床に対する姿勢の1つ。それは「折衷主義」というものでした。これは簡単に言うと、「その事例(クライエント)に対応するために、一番よい方法を実践すると良い。そのためには、各種理論、技術などの良い所ばかりを併せて提供すると良い」という考え方です。具体的な説明の方がわかりやすいと思います。一つ例を出してみましょう。 たとえばあるクライエントが、自分の不登校の問題と、親の精神的ケアの問題を同時にかかえているとします。2つの大きな問題があるという時点で、何かひとつの理論・方法に絞ってしまうことは、問題を包括的に捉えて解決できなくなる可能性が強まります。 なぜなら、仮にクライエント本人のメンタル面の改善を目指しても、問題を引き起こす環境が手つかずでは、改善が困難なだけでなく、改善後も容易に再発しやすくなるからです。加えて、親の問題は別の問題として対応しなければならなくなります。 このような事例においては、私であれば①本人の不登校の問題・キャリア形成の問題を支援するキャリアコンサルタント視点②本人の苦痛を受け止めつつ、レジリエンス向上、コーピング向上を目指すカウンセラー視点③本人及び家族が置かれている環境を包括的に捉えて分析し、環境面の改善に働きかけるソーシャルワーク視点 この3つを使って対応します。とりわけソーシャルワーク視点はキャリアコンサルタントやカウンセラーには不慣れな概念かもしれませんが、キャリアコンサルタント研修でもソーシャルワーク視点の講義が行われており、より質の高い折衷主義の実践が有効となっています。だから我々には、不断の学習・資質の向上、自己理解などが求められるわけです。※参考までに更新講習について情報を提供します。なお悠久の風様より、利益等は一切頂いていません。悠久の風 キャリアコンサルタント更新講習 藤田廣志先生 では折衷主義として具体的に、どのような内容が盛り込まれると良いのでしょうか?今回例示した事例では、①:キャリアアップ(キャリアコンサルティング視点)②:家族機能の回復・家族への支援(家族カウンセリング、ミクロソーシャルワーク視点)③:クライエントのストレスをやわらげたり、自己決定を支援する(カウンセラー視点)④:ストレスに上手に対応する力を高める(心理教育、カウンセラー視点)⑤:「応援・支援してくれる存在」を増やす(環境への介入 ソーシャルワーク視点)が大切になりそうだと感じます。※なお、ソーシャルワーク視点における具体的な支援者としては、例えば以下が考えられます。①経済的な支援をしてくれる組織及び人の協力を得る。◆役所の障害福祉課のスタッフ◆生活保護(保護事務所のスタッフ)◆生活困窮者自立支援制度(スタッフ)②生活困窮者自立支援制度(学習支援に関わるスタッフ)③子ども家庭支援センターのスタッフ(あなた、お母さんへの支援)④若者サポートステーションのスタッフ、利用者の若者たち⑤NPOが運営しているフリースクール(今の高校に在籍しながら、追加で利用できるはず)【まとめ】 なにより大切にして頂きたことは、クライエントのこころを大切にすることです。相手を尊重し、気持ちを大切にする。それがキャリアコンサルタント、カウンセラー、ソーシャルワーカーに関係なく、絶対に求められるものになります。その上で、専門的知識・技術を折衷的に活用することが大切になってくると私は思います。 支援・援助者たちも人間ですし、それぞれに問題や苦しみを抱えていることでしょう。またそれは自身の問題等だけでなく、置かれている環境なども大きく影響していることでしょう。ベテランの人ほど、そうしたストレスに長年さらされていると思います。 対人支援・援助をして下さる方々に対して、改めて深く感謝すると共に、クライエントだけでなく、人を大切にする(本人、職員、関係者等も含む)姿勢を思い出し、専門技術を折衷的に活用して頂きたいと強く願っております。自己覚知を怠ったり逃げて、自己満足的・自分の権威付けの為に疑似支援をすることは止めてくださいね。
2025.09.12
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薬物依存の怖さの1つは、自分でコントロールが効かない状態になってしまうこととても多い点です。 フェンタニルはとても効果が強い上、依存性が極めて高い薬物(オピオイド系鎮痛剤)です。とあるユーチューブの動画で「正しく使えば安心」だと、動画の最初で断言していました。それは完全に間違っています。 医師をはじめとするスタッフが、施設や環境の整った状態に置いて、あくまで治療の為に限定的に使用する場合に限り、「およそ安全」という薬物です。 たとえ専門的な知識を持った医師・看護師などでさえ、快楽目的で1回でもフェンタニルを使用した場合、薬物依存になってしまうリスクは、非常に高いものです。依存の結果、非常に高い確率で亡くなってしまいます。 フェンタニルを使わざるを得ないような苦しみを、もしかしたらあなたは抱えているのかもしれません。私も人生でいろいろと辛いことが多かったので、気持ちはわかる気がします。苦しみをそのままにして、フェンタニルの使用を止めてください、と言うつもりはありません。「コーピングについて」という技術があります。自分に合うものを見つけて、それらを実行して苦しみをやわらげたり、一部無くしたりしながら、ご自分の人生を少しでも幸せなものにして頂けたらと思います。私に何ができるか、わかりません。でもみなさまを応援したいとは思っています。
2025.09.10
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自分をありのままに理解して、受容できるとき。本当に驚くほどの安心感や自信がうまれてきます。またトラウマなどを解決の対象にする際も、事実(本当のこと)として分析できるので、緩和・解決策を立案・実行するときに、驚くほど効果が高まりもします。 一方で、自分の引け目・トラウマと向き合うことは、自分に相当な精神的ストレスがかかります。場合によっては、今のあなたでは無理である可能性もあります。就職活動、メンタル問題の解決、終活、人生の質を高める作業など、前向きなキャリア形成として取り組みたいとき。または(やむを得ず)取り組む必要性が高いとき。そうした場合は、専門性の高い相談支援職(例:キャリアコンサルタント、公認心理士等)と一緒に取り組む方が、安全かつ効果的でしょう。 もしもあなたが自力で課題に向かえると感じる場合。まずあなたが行うことは、人生全体を通じて、自分の引け目・トラウマがどこにあるのだろうか?について、把握することです。 量が多い場合は、特に自分を苦しめたものに焦点をしぼって当てることになると思います。一方、せっかくの機会だから、自分に負の効果を与えてきた引け目・トラウマ候補を全て把握したいと思う方もいることでしょう。 ですが、どちらのスタイルで行うにしても、検討対象がもれなく整っていることが大切です。言い換えると、検討対象の一覧表があると、あなたの取り組みがより効果的になるわけです。今回は検討対象の一覧をみなさんに提示したいと思います。【トラウマ・引け目の有無を確認するための対象候補一覧表】①家族関係・養育環境・親からの虐待の有無(精神的・身体的・育児放棄(ネグレクト)・性的)・過保護や過干渉 自主性を認めてくれない ありのままをみとめてくれない・親自身が有する精神的問題や精神疾患等・兄弟姉妹との関係性 比較、差別、競争、阻害、性犯罪的②学校・同世代の人間関係・いじめ 仲間外れ ひどくからかわれた・スクールカーストでの底辺の経験・学力、運動能力、容姿などの劣等感・障害の有無とそれに対する周囲の反応・教師からの不適切な扱い③恋愛・結婚・性的な経験・恋愛したい気持ちになれない・恋愛できる環境になかった・失恋 裏切り 不倫・DV パートナーからのモラハラ・同意がない性的な行為による精神的受傷・性的自身の無さ 交際人数 性的行為上の技術 相手の満足度 自分の満足度④仕事・社会経験・いじめ パワハラ モラハラ リストラ アカハラ(指導者、教授など)・希望先へ就労できない・安定した職種・職業・地位(正社員等)になれない・就職や転職上の失敗・貧困、生活苦の経験⑤身体・健康面・病気・障害・慢性的な体調不良・容姿や体型に関する劣等感・性機能や加齢に伴う衰えへの不安・遺伝性のある疾患を親族が有している⑥社会的な立場・人間関係・結婚、就労状態、子どもの有無に関するプレッシャー・孤独、友人関係の喪失・社会的地位や収入面での劣等感・ひきこもり ・自分自身のソーシャルスキルの低さ(親の教育力不足、教育至上主義家庭等)⑦事件・災害等の被災 偶発的体験(犯罪)・事故や災害・犯罪被害・重大な失敗や他人への(意図しない)加害行為・身近な人(やペット)の死、喪失体験⑧自己像・アイデンティティ・自尊感情、自己肯定感の低さ・LGBTQによるアイデンティティ確立の苦労・性的指向・発達障害(ADHD、ASD等)や精神疾患(うつ病、統合失調症等、依存症)の罹患・宗教的・文化的な価値観の違い(例:宗教の2世信者)・自分をみつめた結果感じられること(例:自分は理屈ばかりで実体験や事実を重なっていないなぁ:自己一致の不足:ロジャース) 長くなりましたが、これだけの引け目・トラウマ候補があります。ですから、自分のおかれた状況や、目的によって、取り組み方を変える必要があります。 例えば就職活動における自己理解として行い、自信や人間力を高めて内定を獲得するというような目的の場合、就活上必要な要素に焦点を絞る方が時間が不足しなくなります。 一方あなたがカウンセラーなどと一緒に、自分の心理的問題の解消に取り組むような場合は、幅広く取り組んだ方がよい場合もあります。いずれにせよ、やみくもに全部に取り組もう!という姿勢は、危険や負担が強くなりすぎるので避けた方が賢明です。 こんなに自分の引け目・トラウマがあるなんて… 本当に自分はダメだなぁ… 本当に良いことなんて起きるのか?と、及び腰になった方も多いかもしれません。たいせつなことなので繰り返しお伝えしますが、引け目・トラウマを認め・受容する。さらには対応策まで実行する。それは人に、自信や成長をもたらします。 私の例をあげましょう。たとえば私は、病気で貯金が105円になってしまったことがあります。それでも親からは理不尽な家賃の請求などを受けたり、当時は本当に辛い思いをしました。ですが、私はその経験を受け止めています。だから、その結果起きている・身につけた能力を活用できています。 たとえば私は節約するのが全く苦になりません。お金をどこに重点的に使うか(投資するか)、自然と考えられます。つまり「お金を上手に使う力・意識(リテラシー)」が、めちゃくちゃ高まったのです。また、一杯1000円を超えるような美味しいラーメンを食べたとしたら、きっとあなた方よりも数倍幸せな気持ちになれていることでしょう(笑)【まとめ】 自分と向き合うこと、理解すること(自己理解、自己覚知などと言います)は、大変な反面、人生を豊かにしてくれる側面もある行動です。助けが必要ならば、支援者に寄り添ってもらいながら、取り組んでみてくださいね。応援しています。
2025.09.08
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日本語はとてもむずかしいですよね。ですから、もしもあなたがまだ小学校2年生よりも年下の場合、またはことばを使うことがとくいではない場合は、大人にむけて、じょうずに自分のつらさをせつめいするのがむずかしいかもしれません。 そうしたときに、よくおきることがあります。それは、あなたの心のつらさやくるしさが、あなたの体のつらさになってでてくることです。本当にびょうきのようになってしまいます。 たとえば、おもなしょうじょう(びょうきのないようのこと:症状)として、つぎのようなものが考えられます。・おなかがすぐにいたくなったり、げりをしやすくなってしまう。・すぐに(いつも)おしっこをしたくなってしまう。・いがいたい。・気持ちわるくなって、はいてしまう。・頭がいたくなってしまう。・ねつがでてしまう(たとえば38度など)・せきがとまらなくなる。・ひふが赤くなったり、ぽつぽつができて、かゆくなる。・かみの毛がたくさんぬけたり、まるいかたちにかみの毛がぬけてしまう。 なぜ、このような体のしょうじょうがでてしまうのでしょうか?それは、そのままずっとなにもしないでおくと、もっとあなたの心や体がきけんになってしまうからなのです。だから、あなたの体が「今はわたしの心や体があぶないんだ(ピンチなんだ)!」と伝えようとしているのかもしれません。 そうしたばあいは、おいしゃさんにみてもらいましょう。そしておいしゃさんに、じつは学校などでつらいこと・くるしいことがあると、そうだんしてもいいのです。
2025.09.07
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【ちゅうい】じぶんひとりだけでじゅんびをすると、ふあんになりすぎることがあります。そうしたばあいは、ムリをしないようにしましょう。 だいたいの場合、そうだんする前にじゅんびをしておくほうが、そうだんのないようが良くなりやすくなります。そうだんをするためのじゅんびとは、話のないようをじぶんなりにまとめてみることです。 もしもあなたが小学校4年生ぐらいよりも小さい人ならば、そうだんの話のないようをまとめることはむずかしいことでしょう。じゅんびをしなくてもよいので、おとうさん・おかあさんなどにじっくりと話をきいてもらってくださいね。 もしもあなたが小学校5年生ぐらいよりも大きな人であれば、自分なりにそうだんのないようをまとめてみましょう。 まとめるときのコツは、紙に書き出してみるということです。頭の中だけでやろうとしないことです。頭の中だけでやろうとするのは、あまりにむずかしいことです。言い忘れてしまうことも、たくさん出てきます。ですから、紙にかきだすわけですね。また、紙に書き出すときに、しぜんと頭の中のなやみや、もやもやなどが、せいりされてすっきりすることが多くなります。 ではどのように話の内容をかけばよいのでしょうか?それは「いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どれぐらい・どのように」というようそをもりこんで書くとわかりやすくなります。これをむずかしく言うと「5W2H」といいます。 最近は小学校5年生から英語も学んでいると思うので、しょうかいしておきますね。①なやみの内容、困ったことがおきたことについての「いつ:時間」(When)②どこでおきたのか。どこでこまっているのか?についての「どこ:場所」(Where)③だれがしてくるのか?についての「だれ:人物」(Who)④なにをしたのか。なにをされたのか。などの「なにを:たいしょう(対象)」(What)⑤なぜしたのか なぜされたのか、などの「なぜ:りゆう(理由)」(Why)ここまでが「5W」です。英語の頭文字が全部Wで、それが5つあるからですね。⑥どのぐらいの量なのか、という「量」(How)⑦どうやってという「方法」(How)Howにもいろいろな意味があるのですが、2つがじゅうようなので「2H」となります。つまり、5W+2H=「5W2H」となるわけです。では作り話で、メモを作る例をあげてみましょう。これはある少年が、クラスメイトのA、B、Cにいじめられていることをかりに考えた例です。いつきょ年の冬ぐらいからかなどこで学校で 休み時間の教室とか、帰り道とかだれがAくんとBくんとCくんなにをぼくのことを「●●」とわる口をいうようになった。帰り道だと、たまにランドセルをバーン!とたたいてくることもある。なぜわからない。でも「じゅくにいくやつなんて、ちょうキモイじゃん!」ってよく言われる。どれぐらいわる口は毎日いわれる。 帰り道も会えばぶたれたりする。だからいっしょにかえらないようにしてる。どうやってAくんたちが教室から出ていくまで、ぼくは家に帰るじゅんびをわざとゆっくりしてる。メモはじょうずでも、へたでも、問題はありません。そうだんするためのじゅんびとして、役立てば、それで十分なのです。
2025.09.06
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【注意】記事を掲載する時期が、不登校問題と重複しています。ペドフィリアを有する人の年齢層には10代前半も含まれる為、本来はそうした年齢層を意識して、文章表現を優しめにした情報を提供すべきです。しかし時期的に、今回は読者層を大人に限定して作成しています。今後時機を見て、文体の簡易化を行う予定です。 ペドフィリア(小児性愛:なおペドフィリアには「愛」などなく、いわば「小児対象性的暴力」等の表現の方が適切だと言えましょう)を有する人には、基本的に何かしらの問題点(例:発達障害)がある可能性が高いこと。または成育歴が不適切であったこと。それらの可能性が高い点については、前回の記事でお伝えした通りです。 そしてそうした問題を抱えている人が、ペドフィリアを実行することを「促進する要素」とはいったい何なのでしょうか。それを認知行動療法の視点から申し上げると、彼ら(ペドフィリアを有する女性は、調査上少ないとされています)の認知が酷く歪んでいるからと言えます。ここで復習ですが、認知行動療法における認知の歪みを確認しておきます。①非現実的であり、論理的な因果関係も成り立たない。②非妥当的であり、独善的過ぎる為、他人の共感を得られかったり、犯罪を犯しうる。③非自己支援的であり、自分を不幸へと導く考えである。④上記の理由により、本人にかかわる他人(例:家族他)、組織、社会などを不幸にしやすい。こうした内容を反映する考え方(=認知、信条、ビリーフ)となっています。 例えば、あなたはとても美味しいと評判のラーメン屋に長時間並んだとします。しかしもうすぐ食べられるというところで、品切れになってしまいました。その際【A:歪んだ認知】を持つ人間と、【B:適切な認知】を持つ人間ではどのように捉え方が違ってくるのでしょうか?【A:歪んだ認知を持つ人間の感じ方】「ふざけるな!この私をさんざん待たせた挙句、結局品切れになっただと!?これだけ長時間待ったのだから、なんとしても私にもラーメンを提供すべきだろう? 待ち時間を補償しろ! 補償しなければ、SNSにこの店の悪行を暴露してやる!」と激怒し、実際にSNSにUPした上、彼はラーメンを食べることはできなかった。【B:適切な認知を持つ人間の感じ方】「あぁ、もう少しだったんだけどな。残念だし、疲れたなぁ。1時間前に並ぶのでは不足なのかもしれないな。忙しくて悪いけれど、店の人に並ぶ時間の目途をきいてから帰宅しよう。」と状況を現実的に把握して、時間のめどを調査した彼は、次回ラーメンを食べることができたのであった。AもBも「自分の希望がかなわかった」わけですが、そこから感じる感情、思考、行動、以降の結果は全くちがったものになっていきます。Bはそれほど嫌な気持ちにならない上、次回は美味しいラーメンを食べられています。もちろん幸せだったわけです。 以上は認知の歪みの具体例提示でしたが、次にペドフィリアを有する人々によく観られる「歪んだ認知(IRB)」を確認してみましょう。そしてどのような問題点があるのかを、一緒に確認していきましょう。※なお、歪んだ認知の内容は『「小児性愛」という病 それは、愛ではない 斎藤章佳氏』を参照しています。IRB1:こどもが相手が同意してきた、認めてきた、誘ってきた。だからいいんだ。問題点:子供は、判断力・自我・コミュニケーション能力等が明らかに不足しています(或いは無い)。つまりペドフィリアを有する人のこと、その人の言動を適切に判断したり、言動を選択して実行することもできません。また仮にそのこどもが淡い恋愛的な気持ちを持ったとしても、それが果たして年齢差がとてもある、自分を人間として大切にしてこないような人間に対して、向けられるものでしょうか?IRB2:黙っているので、受けれ入れているに違いない!またおしゃれをしている。私を誘っているにちがいない。問題点:相手の行動や様子を(故意に)ひとつの視点でしかとらえようとしていません。理不尽で(理解不能な)暴力やかかわりをしてくる人間に対して、恐怖で声がでないという反応は極めて自然な話です。またこどもが来ている服装は、親が選んだり、おしゃれで友人などからの受けが良いから着ているという理由が自然です。IRB3:相手が顔を赤らめた。好きだから赤面したのだ!問題点:破廉恥な行為をされて羞恥心を感じているだけの可能性が極めて高いです。相手の状況・様子を自分の都合の良い解釈でとらえているだけと言えます。IRB4:我々の関係は純愛関係だ、恋愛関係だ、などと一方的に決めつける。問題点:性加害してくるような自分を、子どもだけは受け入れ愛してくれると思い込む時点で、相手の心情や様子を十分に観察していたり、心情を酌もうとしていません。IRB5:明るみにでなければ、大丈夫だし、続けてられて幸せだ。親にばれなければ大丈夫だ。子供が秘密にしてくれていたら、快楽を続けられる。だから、口止めしておけばいい。子供は素直だし、脅したり、金を与えればいい。問題点:相手を「超格下」扱い。つまり人として見ていませんし、もはやモノや人形やペットとでもみているかのような関係性を持とうとしています。こどもの親の悲しみ・愛情などの感情も全くくみ取れていません。IRB6:こどもの無力さにつけこめばそれでいい。どうせされていることの意味がわからない相手だからいいはずだ。問題点:3歳児だったとしても、非日常的で自分が安心できないような経験は、記憶に残り続けて、成長と共に、数年後から数十年後において、その記憶が発言することが精神医学臨床にて確認されています。IRB7:特別なことではなく、たまたま相手が小児だった。問題点:だからなんでしょうか? お金が全くない。たまたま金持ちが目の前を横切った。だから強盗殺人してもいいのでしょうか?IRB8:相手にもメリットがあるはずだから、いいはずだ。問題点:ペドフィリアを有する人のかかわりは、そのすべてが相手の心身に大きなダメージを与える行為であることを受容すべきでしょう。たとえばこどもが口止め料のお金をもらうことですが、お金に対する悪いイメージを持つ、お金の適切な使い方の経験を阻害するなどの問題点があります。IRB9:子供は無力で、素直で、従順で、自分を傷つけることは無い。ペットの飼育感覚だ。問題点:確かに子供は無力で、素直で、従順で、自分を傷つけることは無いでしょう。だから大人たちはこどもを守り、健全な成長を促す者なのではないしょうか? 無力だからつけこむ。無力だから守り育てる。どちらが妥当な因果として成立するでしょうか?飽きたペットを捨てることと同義になっています。命(人間)の軽視です。IRB10:成長に伴って、今後性的な知識を得たり、経験をするのだから、自分がしてあげよう。問題点:ペドフィリアを有する人間よりも、はるかに適切で、知識があり、こどもの安全を確保し、健全な成長を促すことのできる指導者・教員などが既に存在しています。IRB11:児童を対象にした性的に刺激を与える刊行物・動画(いわゆる児童ポ●●)などは、現実の子供を傷つけないはずだし、実際犯罪を犯すわけがなく、むしろ犯罪を犯さない為の発散として活用できているはずだ。問題点:こどもを人としてみなさず、人権を無視した姿勢で生きること自体がまず問題だと言えます。また精神医学の臨床データから、ペドフィリア治療のクライエントの内、実に95%が児童ポ●●を有していたとの結果となっています。更にこどもとの性的な関係の妄想が、行動へとエスカレートされるリスクがあると言われています。IRB12:LGBTと同列に扱われるべきだ。問題点:LGBTの人たちは、皆自分の意志で交際相手を選んだり、相手の申し出を受け入れたりしています。つまりお互いに主体性を持った者同士の関係です。ペドフィリアは、主体性のないこどもを無理やり性の対象にしています。全く同じではありません。IRB13:(現状非公開 綾)【注意:以上のIRB1~13は、被害にあったこどもが実際にどのように感じていたかについて、診察・カウンセリング等にて確認されたものです。実在の被害であり、執筆者の想像ではありません) どうしてもペドフィリア問題を扱うと、ペドフィリアを有する人に対して批判的になってしまいがちです。そして彼らを「最低の人間」だとレッテル貼りしてしまいがちです。そうして「自分はダメで悪い人間なのだ」というレッテルを貼られた人たちは、とても苦しい思いをしていることでしょう。自信も失うことでしょう。 それだけではありません。そういった社会的なスティグマ(ダメで悪い存在だとレッテルを貼られた状態)をつけられたペドフィリアを有する人たちは、彼らがかかわる人間たちを恐れ、憎み、信じないなどの姿勢でかかわろうとすることでしょう。つまり「他人を人間だとみなせない」状態で生きるのかもしれません。 もちろん、彼らも自由意思でそうするのではないでしょう。ペドフィリアをするのは、自分が辛いから。昔の傷が癒えていないから。今が生きづらいから。様々な理由があるはずです。同情はできませんが、気持ちはわかる気がします。 繰り返しますが、それでも同情はできません。こどもの心身に大きなダメージを与えるような暴力は許すことはできないからです。 しかしペドフィリアを有する人たちも、その「精神疾患」から現実的に立ち直ることは可能です その為の心理療法、精神医学、ソーシャルワークなわけです。どうか自分自身で適切に工夫して、ペドフィリアという克服すべき問題を乗り越え頂きたいと思っています。※今後、治療を促進する内容の記事を執筆予定です。【参照】『「小児性愛」という病 それは、愛ではない 斎藤章佳氏』
2025.09.05
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そうだんするのは、ゆうきがいるかもしれません。もしかしたら、今日はゆうきがでなかったかもしれません。こんどの土日にそうだんできないかもしれません。でもだいじょぶです。その次の土日にそうだんできればいいんです。人によっては、土日の次の月よう日にそうだんしたい、とつたえることができるかもしれません。なぜなら、あなたには、きっとゆうき(勇気)がねむっているからです。この文を書いている私は、とてもおくびょうです。ふあんにもよくなります。だから、若いころから、勇気をきたえることをたくさんしてきました。なんどもやろうとして、なんどもできなかったようなけいけん。わたしはたくさんしてきました。だから、もしもそうだんしたいのに勇気が出ない人がいたら、あなたの気持ちはわかるようなきがします。でも、こんなおくびょうで不安にもなりやすいぼくでも、いろいろと勇気をだしてやってきました。きっとあなたの中にも、勇気がねむっているはずです。もしもあなたがつらいならば、勇気をだして、お父さん・お母さんなどの身近で信じられるひとや、せんもんのこうてきな人たち(やくしょなど)にそうだんしてくださいね。そうだんさき(相談先)は下をえらんでくださいね。そうだんさきのいちらん(相談先一覧)
2025.09.05
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お父さん・お母さんなどにそうだんできると、なやみをかいけつする上で良いですね。私のはなしをいろいろと話をきいたけっか、あなたは「たしかにそうだんしたほうが良さそうだな」と思えたかもしれません。でももしかしたら、お父さん・お母さんなどがとてもいそがしいときがあります。 そういう場合で、もしもあなたが今日・明日と学校を休みながら、安全にゆっくりすごせるならば、休んだうえで、土曜日や日曜日にそうだんするとよいかもしれません。なぜならば土曜日や日曜日は、会社が休みの人が多いからです。また、会社以外の用事が入っている人は、自分の用事であるならば、それを中止して、あなたの話にじっくりとつきあってくれるだろうからです。 そのかわり、お父さん・お母さんなどの人にも、あなた以外の人とのつきあいなどがあります。急にやくそくをことわることは良くありません。ですので、前もって、土曜日か日曜日に大切なそうだんがあるので、時間をあけておいてほしいとおねがいしておくとよいでしょう。そうすれば、お父さん・お母さんなどは、やくそくをことわるときに、相手の人に前もってつたえることができるからです。
2025.09.04
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こんにちは。夏休みが終わって、多くの学校が始まりましたね。そういうじょうきょうですから、中にはどうしても学校に行くのがイヤな人。苦しすぎる人。そういう人もいるかもしれません。 もちろん、学校にはむりをして行かなくてもだいじょうぶです。しばらく休んだとしても、(公立の)小学校や中学校であれば、いつでもまた行くことができます。けいさつなどにたいほされるとか、そういうこわいこと・あぶないこともおきません。だから安心してくださいね。 今回私がみなさんに対して心配になったこと。それは、もしかしたらこのブログを読んでくれているあなたが「なにかの理由でお父さん・お母さんなどの育ててくれる人にそうだんできないじょうきょうにいるのではないか?」ということです。くわしくせつめいしていきますね。 第1の心配は、お父さん・お母さんなどから、たたかれたり、つねられたり、かみの毛をひっぱられたりなどのイタイと感じること(ぼうりょく:暴力)をされていないだろうか?という心配です。 もちろん、もしもあなたがとてもわるいことをしてしまったとき。そのわるいことに対して、世の中の人たちのほとんどが「それはたしかにわるいことをしてしまったね…」と同じように思うような場合。もしかしたら、たたかれることもあるかもしれません。これをたいばつ(体罰)といいます。(ちゅうい:ほうりつ(法律:ルールのこと)では、たいばつはきんしされています)お父さん・お母さんも人間ですから、1年に1~2回ぐらいは、そうしたことがあるかもしれません。 でも、あなたがイタイと感じるぼうりょくを、いつもしてくる場合。それはとてもこわくて、不安で、かなしいことですよね?ぼうりょくをしてくる人は、たとえお父さん・お母さんであっても、安心してこまったことをそうだんできませんよね? 第2の心配は、お父さん・お母さんなどから、あなたのこころがとてもきずつくことを、されていないだろうか?という心配です。 これもさきほどと同じです。もしも多くの人が「それはきつくしかられたり、ちゅういされたりするのもしかたないですよ。だってあなたが、わざとわるいことをしたんですから」などと思うような場合。そういうときは、こっぴどくおこられるなどして、あなたの心がきずつくこともあるかもしれません。それはしかたないときもあります。 でも、いつもあなたの心をきずつけてくる場合。それもやっぱり、こわくて、不安で、かなしいことですよね?たとえお父さん・お母さんであっても、安心してこまったことをそうだんできませんよね? 第3の心配は、お父さん・お母さんなどが、あなたのことをほとんど助けなかったり、せわをしてくれないのではないか?という心配です。 もちろんあなたは赤ちゃんではないですから、自分でできることもたくさんあるかもしれません。でも、お金をかせいだり、お金を使って買い物をしたり、料理をしたり。そういうことは大人だからこそできることですよね。 またこどもはできないことが多いですから、それらを助けたり、世話をするのは、大人がやらなければならないことです。これを大人のせきにん(責任:ちゃんとやらないといけないこと)といいます。 もしもお父さん・お母さんなどが、大人のせきにんをはたさなかったら、あなたはとてもこまってしまいますよね?助けてもらいたいとおもっても、いつも助けてくれないわけですから、あらためてそうだんしてみよう!という気持ちにはならないですよね。※本当はもう一つ心配があるのですが、今回はしょうりゃくします。ですから、もしもお父さん・お母さんなどの育ててくれる人が①あなたにぼうりょくをいつもふるってくる②あなたの心をきずつけてくる③あなたをいつも助けてくれない。せわをみてくれない。こういう場合は、ほかの信じられるちゃんとした大人にそうだんしてみてください。 そうだんするときは、お金はかかりません。電話のりょうきんもかかりません。そうだんしてくれる人は、ちゃんとした大人です。しっかりと学び、大人としてのせきにんをはたしている人たちです。ぜいきんという大人たちがはらっているお金ではたらいている人が多いです。だから安心できるのです。 今回もそうだんできるところのいちらん表をのせておきます。電話だけでなく、ラインやチャットなどでもそうだんに乗ってくれます。だから安心してください。私をふくめて、多くの大人があなたをおうえんしています。一人でなやまないで、私たちをたよってくださいねそうだん先はこちら「そうだん先いちらん」
2025.09.03
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認知行動療法は私のブログの読者の方であれば、何度も登場してきた心理療法の1つですね。自分にとって生きづらい感情や行動を引き起こしている考え方・捉え方に気づき、その考え方・捉え方を修正する心理療法です。行動を起こすことも併せて行われます。修正する上でのポイントは①現実的な内容にする②自分を助ける内容にする(自己支援的)ことになります。①②を踏まえて修正できた自分の考え方・捉え方を「ラショナルビリーフ」と言います。 例えば私が直近で執筆した「ペドフィリア(小児性愛)」に関する記事の中で、ペドフィリアを有する人が事前に性的な衝動を覚えそうになる状況を予測して、それを回避するための対策をしておくと良いと助言しました。対策の1つとして、認知行動療法を挙げておきました。 記事ではそこまでの情報提供で終わっています。その部分に共感・納得できた読者ならば、「たしかにその通りだ。認知行動療法は役に立ちそうだ。でもどうやってラショナルビリーフを自作できるのだろうか?」と迷ってしまったかもしれません。そういう時にも役立ちうるのが、AIです。今回もチャットGPT(GPT-5)を使ってみましょう。(あなた)ペドフィリアを有している人が性衝動の高まりを抑制することを促進するようなラショナルビリーフ(自己支援的であり、現実的でもある)の具体例を、いくつか教えてもらえませんか?(ChatGPT:)とても臨床的に実践的なご質問ですね。ペドフィリアのクライエントに対して「性衝動を抑えることを促進するラショナルビリーフ(合理的で自己支援的な信念)」を作るときには、自己の安全確保他者(児童)の権利と安全の尊重現実的な社会生活の維持を軸に置くことが大切です。●具体例(ラショナルビリーフ)「衝動は一時的なもの。行動しなければ、やがて波は必ず引いていく」 衝動を「永遠に続くもの」と捉える非合理信念を修正する。「子どもに手を出せば、自分の人生も、相手の人生も破壊する。衝動を抑えることが最大の自己防衛になる」 リスクを明確に意識し、「抑制=自己保護」と捉える。「自分には衝動を選択的に扱う力がある。思考が浮かんでも、行動に移さないことは可能だ」 「衝動=行動必然」という非合理信念を修正。「成人対象の性的関心を育てることは、自分にとっても社会にとっても安全で健全だ」 ポジティブな代替対象を強化する方向に。「性的衝動を適切に扱えることは、自分の成熟と強さの証になる」 抑制を「我慢」ではなく「自己成長」として位置づける。「衝動を抑えられた経験は、自分の自信につながり、次にまた抑えられる力になる」 成功体験を自己効力感につなげる。●臨床での工夫ビリーフは抽象的でなく 「自分の言葉」で表現できる」 ように整理すると効果が高まります。「カード化」して持ち歩き、衝動が高まったときに繰り返し読んでもらう方法も有効です。このように情報提供してくれました。本当に優秀です。正直な話、私よりも数十倍速い時間で、ラショナルビリーフを作成してくれました。ちょっと恐ろしいけれど、本当に頼りになる存在です
2025.09.02
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今回の話題はペドフィリア(小児性愛)になります。世間では著しく悪いイメージがつきまとう話題になります。ですからみなさんが堂々と学べる機会が少ないはずの内容になっています。 しかしこの状態が続けば、ペドフィリア(小児性愛)を持っている人たちの治療や、なにより被害を受ける子供たちを守ることが困難になります。そこで今回はなるべく内容を簡単にしながら、多くの人にわかりやすく理解してもらえるようにしたいと思います。 【小児性愛症 08 MSDマニュアルプロフェッショナル版より】 ペドフィリア(小児性愛症)は、思春期以前の小児(通常13歳以下)を対象にして、性的な行為を含む性的興奮、反復的な妄想、それらを行いたい衝動、実際に起こす行動などをもつ状態をさします。つまり女性として未熟な小児を性の対象にしてしまうわけです。 女性として未熟な子供は、まだ性交などの準備が心身共にできていません。そうした相手に対して、一方的に性の対象として働きかけるわけですから、相手の心身に対して大きなダメージを与えてしまいます。またそうした「卑劣なかかわり」をしてしまう自分を悪人だという罪悪感を持つなど、自らも著しい苦痛を感じてしまうおそれもあります。 ペドフィリアがある人の男女の割合は、男性が成人人口の最大3%、女性はとても少ないと言われています。性の対象が小児だけになってしまう場合を「専従型」、小児だけではない場合を「非専従型」(つまり大人の女性と恋愛することも、あわせてできるわけです。だから外見ではペドフィリアを有する人だと判断しにくいのです)とよびます。 ペドフィリアが起きてしまう場合、ペドフィリアを有する人が、対象の小児の知人や家族などになっていることが大半です。 強引なペドフィリアを行う人は、反社会的パーソナル障害などの精神的な問題が併存しています。つまり悪いことをしやすい人が、強引なペドフィリアもしやすいということです。 ペドフィリアを有する人の症状は、その後どうなっていくのでしょうか。何もしなければ、基本的にはペドフィリアを抱えたまま過ごしていきます。そうした人たちには特徴があります。①うつ病や、物質依存を併せてもっている場合が多い。 ※物質依存:アルコール、カ大麻やかくせい剤などの薬物、などに頼りすぎている状態②家族間のこころのきずなが不健全で、家族同士のつながりも機能していない。③夫婦間の仲が悪い④発達障害(ADHD、自閉症など)、不安症、PTSDなどの心の問題を抱えている場合が多い。 【“背景にあるのは支配欲” 子どもへの性暴力なくすため 加害者心理に迫る NHKより】 ペドフィリアの人が、性の対象にするこどものことを「かわいい」と評価する意図には、次のような内容が含まれます。①小児は自分(ペドフィリアを有する人)を絶対におびやかさない存在(≒こわくない存在)②小児は小さくて、支配しやすい③現実的な人同士のかかわりの意識がなくて、ゲーム感覚の面がある④ペドフィリアにかんするかかわりを成功させると、達成感・飼育感を得られる ではこうした意図をもってしまうペドフィリアを有する人たち自身にみられる特徴はどのようなものなのでしょうか?つぎのような傾向があります。①家族から虐待を受けたことがある②いじめられた経験がある(家族からに、限らない)③自分もかつて性被害にあったことがある つまり、ペドフィリアを有する人たち自身も、不幸な経験をしており、苦しみを抱えているわけです。その苦しみをのがれようと、正義や道徳にとても反する方法として、無力な存在である小児を性の対象としてかかわり、その結果自分の強さや価値を再確認しようとする一面があるのです。それは正義や道徳に著しく反する方法である一方、自分の苦しみを直そうとしたり(自己治癒)、自信を持とうとする行為(自己肯定感の向上)でもあったわけです。 ペドフィリアの行為は、行動療法的な性格をもっています。簡単にいうと、やればやるほど(考えれば考えるほど)に、余計にペドフィリア的な気持ちになりやすくなったり、行動しやすくなってしまうのです。 さらにはとてもゆがんだ考え方・捉え方をするようになってしまいます。ペドフィリアに関する言動は悪くない・もっともなことだと自己正当化するようになってしまいます。また小児側も望んでいた、誘っていた、などと主張するようになります。こうなってしまうと、小児のことを人間ではなく、まるでモノ・人形のようにとらえるようになってしまうわけです。 こうした考え方・とらえかたを修正する方法があります。その代表格が認知行動療法になります。認知行動療法を実行しても、完全にペドフィリアをしたくなるような気持ちの発生を抑えることはできません。ですが、少なくともペドフィリア的な問題行動を起こすことは抑えられるようになります。※参照先『AIにラショナルビリーフを作ってもらおう』 たとえば危ない状況になった場合は、行動面の変化として①その場から離れる②トイレなどの個室に逃げ込み、気持ちを落ち着かせる③メンター※にすぐに連絡するなどの、簡単に実行できて、効果が高い行動をおこなうことができるわけです。※メンターとは、ありのままを受け止めてくれて、安心できる上、適切な対応策も一緒に考えたり、教えてくれる人<補足> 「あっ! この状態(気持ち)は、ペドフィリアをとてもやりたくなってしまうパターンだ!」と危なそうな状況をあらかじめ予想しておき、そうなった場合に適切に回避できるように訓練しておく、修正済みの良い考え方を用意しておくという認知行動療法の実行は、とても良い方法だと言えます。この姿勢は問題を引き起こすシステムを把握して介入していくという第3の認知行動療法的な対応だと言えるでしょう 児童ポルノをみることは、小児を人間としてみなくなることを意味します。人間ではなく、性欲を消費して満たすための対象としてとらえる姿勢を、促進してしまうのです。【性犯罪に関する施策検討に向けた 実態調査ワーキンググループ (第11回)より】講師:斉藤章佳氏(精神保健福祉士 榎本クリニック)<注意> 講義者の斎藤氏がデータ収集した環境は、見ず知らずの関係で行った患者が9割以上受診するクリニックでした。従って榎本クリニック(以下「機関」と呼称)を受診する患者は、一般的に多いとされる顔見知りによるペドフィリアの実行には当てはまらないケースが多くなるので、それを頭に入れておいてください。<注意>このワーキンググループで発表された内容で、上記の内容とすでに重った部分は、多くを省略しました。 NHKの番組でも取り上げた通り、児童ポルノを見ることは、単に小児を性欲の対象としてとらえるように助けるだけでなく、性犯罪などをひきおこす引き金にもなってしまいます。いわゆるトリガーポイントになってしまうのです。実際、榎本クリニック(以下機関と呼称)を受診したペドフィリアを有する患者の95%以上が、児童ポル ノを所持した経験がありました。 性暴力は、単に性欲だけではなくて,それ以外の様々なきもちよい要素(快楽)が、ぎゅーっと集まった(凝縮した)行為です。※それが専門的に支援する必要性を高めています。 おどろくことに、性犯罪を犯す人たちは、世間ではまともにみえる人たちがとても多いとされています。たとえばチカンをした人は、四大卒で妻子がいるサラリーマンが最も多くなります。そして、盗撮も四大卒で妻子がいるサラリーマンが最も多いのです。 世間では「ペドフィリアの人間を治療しろ!」「刑務所から二度と出すな!」などと、ペドフィリアを有する人だけが注目されています。しかし、本当にかれらを治療して、健全な社会復帰をうながす場合は、ソーシャルワークとしての対応も必要不可欠です。つまり、社会内での治療だけでなく、彼らが社会内で再び再犯せずに生きていく社会側の基本的な仕組み作りが大切になってくるわけです。 性犯罪治療の領域で一番遅れているのは,薬物療法だと思われます。抗精神薬に よる薬物療法を行い、それによって性欲を減らして,いわゆる認知行動療法プラスアルファの『転ばぬ先の杖』(≒補助)として,治療に取り組んでいる患者も存在します。機関では8割の患者が薬物療法を受けており、例えばADHDが有する衝動性を上手にコントロールできているケースがあります。 精神疾患の治療においては、同じ病気を持つ者同士が心を開いて語り合い、共有し合うという仲間同士の活動(自助グループ)が有効になることが多いです。しかしペドフィリアの話は、本当に話題にしにくい特徴があるため、この自助グループ活動が機能しません。 エビデンスに基づく治療と、根気強いセラピストによる支援の継続が両立すれば、どんなハイリスクな性犯罪者も必ず変わることができると言えるそうです。エビデンスに基づいた治療の三原則とは、リスク,ニーズ, 治療反応性の原則となります。 ペドフィリアを有する人たちには、発達障害圏の人が増えています。いわゆる自閉症スペクトラム、ADHDやASDの人たちです。この辺りを背景に持った、軽度発達障害や軽度知的障害の方が増えてきています。さらには重複した複数の障害を有している人も増えています。こういう対象者に特徴てきなのは、従来の認知行動療法はあまり効かないということです。 ですから彼らの治療にかかわるためには、学習スタイルや彼らの思考パターンをしっかり理解した上で対応していかないといけません。でないと治療を受けることを止めてしまいます。 治療上取り組む順番は重要です。具体的には、リスクマネジメントが第1段階。その次に認知のゆがみの修正。最後に被害者への責任について取り入れてやっていきます。そうしないと、患者の人たちが被害者の声に耳を傾けなかったり、逆に反発したり、自責の念にとらわれて自分を責めすぎてしまうなどの状態が引き起こされやすくなります。いずれも、治療の上ではとてもマイナスとなってしまいます。 「リラプスプリベンションモデル(再発予防モデル)」では、問題行動が再発しやすい状況や引き金を特定して、それに対する対処行動を学習します。併せて認知のゆがみの修正も図るという方法です。 リラプスプリベンションモデルは実践的です。やりやすくて、効果がでやすいということです。再発というのは,その瞬間で起こるのではなくて, 日常生活のつながりのプロセス(≒流れ)の中で起きています。彼らの日常生活の人間関係などがきっかけになりやすいので、刺激に対する反応の仕方を学び、実行するわけです。具体的には①スケジューリング(時間の流れを意識しながら学習計画を立ててみる)②モニタリング(自分の工夫・行動の様子を自分で観察してみる)③コーピング(実際の工夫の実行)④シェアリング(自分の観察結果を他の人(例:カウンセラー)と共有する)という方法になります。新しいことを学び,それを実行して,うまくいったときに自己肯定感が上がる(自信を感じる)。こういう体験は、ペドフィリアを起こしにくい自分へと成長させる上で、とても大事です。 コーピングには耐性があります。例えば電車の中で最初は保冷剤を握れば、衝動が収まっていた人も、次第に保冷材ではおさまらないようになっていくことはよくあります。ですから、コーピングは1種類じゃだめです。機関では300種類から選ぶようになっています。 グッドライフモデルとは、その人自身がどう幸せになっていくか? 将来どうなっていきたいか? 性暴力という方法を使わず、どのようにしてなりたい自分になっていくか? これらを実現していくためのプログラムです。つまり理想の自分のイメージをえがき、どのように実現していくのか?それを考える哲学の部分だと言えるでしょう。 キーパーソン(NHKの番組では「メンター」と言ってました)には条件が3つあります。①トリガーにならない人。同居している家族でも、本人にストレスを与えるなどして、引き金になるような人がいるからです。②その人の過去の犯罪歴を知っていること。だからこそ、今感じていることを、ありのままに安心して伝えることができるわけです。③危ないときにちゃんと相談できる人です, ペドフィリアをしないようにする新しい自分への成長を目指すことは、すばらしいことです。しかし、実行することは決して簡単なことではなさそうです。実際機関においては、2000名の受診者の内、約半数がすぐに治療をやめてしまうそうです。(でもこの記事を読んでくださっているあなたなら、きっと続けられると私は信じています) 確かにペドフィリアを有する人も、不幸な過去があったのかもしれません。今も苦しみを感じているのかもしれません。とはいえ、ペドフィリア自体が子供の心身に大きなダメージを負わしてしまうものであり、社会正義や道徳などから著しく離れたことでもあります。かれらには虐待経験などの考慮すべき背景があるのは事実かもしれませんが、加害行為の責任とは分けて考えるべきでしょう。重要なのはまず加害行為を止めることなのですから。 大げさに(過剰に)ペドフィリアを有する人を病気の人扱いして、病人として囲い込んでしまうことは、本人が自分の責任として加害行為の責任を負って生きていくことなどを妨げてしまいます。【まとめ】 ペドフィリアを有する人は、自身が傷つき、自信を失い、苦しんでいる可能性があります。しかも発達障害などのハンデもたくさん有しているかもしれません。 そんな自分を救う為に。苦しさをやわらげるために。自分よりも圧倒的に弱く、傷つけてこないはずの小児を性の対象として支配し(かかわり)、心身に大きなダメージを負わせて、小児を人間としてあつかわない状態になっています。 そうした状態に対して、ペドフィリアを有する人自身が、適切な治療や支援を受けたり、確実な方法(エビデンスベースドの方法 リプラスプリベンションモデルや認知行動療法等)を実行していくことが大切です。小児を守り、人としてかかわり、きずつけないために。自分の苦しみをいやし、無くし、幸せになるために。【もしもあなたがひがいをうけている方のこどもだったら】 とてもつらかったでしょうし、こわかったり、かなしかったり。いろいろとくるしかったことでしょう。でもあなたを助けてくれる大人もかならずいます。もしもこまっているならスマホや電話から189とかけてみましょう。じどうそうだん所につなげてくれて、あなたのひみつを守りながら、そうだんにのってくれます。
2025.09.02
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「押してダメなら、引いてみな?」ということわざを知っていますか?これは、ある方法ではうまくいかない場合、別の方法をためしてみるとうまくいくことがあるというメッセージがこもったことわざです。みなさんは学校生活でしょっちゅうためされることは(テストなどで…)「たった1つしかないせいかいを、いかにはやく、せいかくに答えられるか?」という力をためされますね。でも現実の世界はちがいます。答えは1つだけではなく、たくさんある場合もよくあるのです。ですから「学校に行く」という方法が良くない場合、「学校に行かないで別の何かを実行する」という方法をえらんでもいいわけです。「学校に行かないかわりの別の方法」には、いろいろな方法があります。①しばらくお父さんやお母さんなどとしっかり相談などをしながら、今の問題を考えてみる。②公的な(お役所などのしっかりしているところ)相談できる人に相談してみる。③フリースクールに通ってみる。④不登校の人を助けてくれる制度を使ってみる。例:不登校特例校学校だけが、大人になるための学び・経験を教えたり、ていきょうしてくれるわけじゃありません。「でも… 学校に行けないなんて… きっと私は成長できないにちがいない…」 もしかしたら、あなたはそんなふうに感じているかもしれません。でも実際は、なんとかなるものです。たとえば、私はこの数日間、学校にいくのがつらすぎるひとを助ける活動をしてみました。このブログで相談先の情報をつくって、それをXで紹介し続けたのです。するとやがてXから「あなたは人間ですか?」と何度も質問されるようになりました。(失礼ですねw) ついには今のままの方法ではXを使っちゃいけません、と注意されてしまいました。(商売のためのPRにでもかんちがいされたんだと思います)わたしはあきらめたでしょうか?はい、いちぶはあきらめました。いままでのやり方は、Xが許さないとのことなので止めました。そのかわり別の方法として、1つずつ新しい記事を作って、新しい情報を盛り込みました。その上で次に紹介する相談先いちらんの情報『あなたのそうだんさきのいろいろ(あなたの相談先一覧表)』を、みなさんに紹介し続けることにしたのです。9月5日ぐらいまでやろうと思っています。つまり上手に逃げて、工夫して別の作戦でうまくやった!ということですね。ですからみなさんも、学校にいくことだけがすべてじゃないことに気づいてくださいね。一時期お休みしてもいいし、別の方法で学んでもよいのですから。
2025.09.01
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「学校からにげてもいいんですよ」と言われても、なにかわるいことをしているのではないか…とあなたはかんじませんか? もしかしたら、それは日本人ならではのこせいなのかもしれません。どうやら私たち日本人は、昔からにげることがあまりとくいではないようなのです。ぶしどう(武士道)という生き方では、あまりにげることはオススメされていません。かつてたいへいようせんそう(太平洋戦争)のときも、日本人はこうふく(降伏)しないようにめいれいされました。またかみかぜとっこうたい(神風特攻隊)というじばくこうげき(自爆攻撃)をするようにめいれいされたこともあります。私はチャットGPTにもしつもんしてみました。すると①日本人は他人とのわ(和)をみださない(つまり、他人とおなじようにふるまったり、考えたりすること)ことをじゅうしするけいこうがある。②はじをかくことをとてもきらうので、にげることはひきょうであり、はじである!と思ってしまう。③日本人はまじめでせきにん感がつよいので、にげるとはせきにんをなげだすということにつながると感じる。と答えてくれました。もちろん人生では①がんばることが大切なじきは、たしかになんどもある②まなぶことによって自分をせいちょうさせることはじゅうよう③にげるクセをつけないことは大切というじじつがあります。あるていどたいへんなことであれば、にげるのではなく、くふうしてのりこえるほうが大切かもしれません。たとえば私のついさっきおきた例ですが… 私は年おいた母親から、問題の原因を、りふじんにわたしのせきにんにされました。わる口もいわれてしまいました。はらが立ちましたが、私はにげませんでした。同じことが起きないように、工夫しました。つまりストレスを感じて、おこったけれど、にげずにくふうしたけっか、よいことがおきて、せい長もしたわけです。しかし私は「とりかえしのつかない」ような大きなもんだい・しっぱいはしないほうがよいと思っています。たとえばいのちをおとしてしまう、立ちなおるのに長い時間がひつようになってしまうような場合です。こうした場合は、勇気を出してにげることが大切なのです。日本はせんそうに負けましたが、せん後、世界ゆうすうのけいざい大国にせい長したり、長年せんそうをおこさないで平和にくらすことができたりしました。つまり、一時のとりかえせるしっぱいは、くふうや学びで十分とりかえせるのです。あなたが本当に学校にいくのがつらいなら、行かなくてもいいのです。そのかわり今こまっていることやもんだいなどを、しんらいできる人たちにそうだんしてくださいね。また、あなたがあんしんしておちついたならば、学校とは別の学び、トレーニング、にちじょう生活でのくふうなどをじっこうしてくださいね。わたしたちはおうえんしています。
2025.09.01
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今日から9月になりました。今日から学校が始まる人も多いことでしょう。くりかえしますが、命が一番大切です。いのちをけずってまで、学校にむりに行くひつようはありません。もしも、あまりにもつらい、こわい、くるしい場合は、今日は学校を休んでもかまいません。とりあえず今週休んでもかまわないぐらいです。そのかわりにしてほしいこと。それはお父さんやお母さんをはじめとして、だれかしんらいできる大人にそうだんしてほしいということです。もしかしたらお父さんやお母さんが学校に行くのを強く求めてくるのかもしれません。そしてあなたの話をきかないのかもしれません。そんな場合は、お父さんやお母さんさん以外の人にそうだんすればいいんです。そしてあなたがおちついたとき。学校以外でも、あなたの成長をうながす勉強・まなび、トレーニングはできるんですよ。いのちをけずる無理はぜったいにしないでくださいね。私に学校を休んでもいいとみとめられたと、お父さん・お母さんに言ってもよいです。あなたが安全・安心して日々をすごせることを、願っています。
2025.09.01
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夏休みや冬休みがおわったあと、また学校にいかないといけないとおもってるあなた。それはふあんだし、いやだし、こわいし、ほんとうは行きたくない。もしもあなたがそうおもっていても、それでよいのですよ。その気もちは、あなたをきけんからまもってくれるSOSの気もちなのかもしれません。たいせつなのは、しんらいできるちゃんとした大人にそうだんすることです。むりをして、ひっしに学校に行こうとすることではありません。だからあんしんしてください。こんかいは、あなたがしょうがくせいでも(もちろん中学生・高校生でも)、じぶんでそうでんできるばしょをおしらせすることにしました。もちろんお父さん、お母さん、学校の先生、ほけんしつの先生などにそうだんしてもいいんですよ。でも、もしかしたらなやみをきいてくれないかもしれない。そういうときは、ほかのちゃんとした大人にそうだんすればよいのです。みなさんはわたしたち大人とちがって、LINE(ライン)などをつかうことがとくいな人が多いとおもいます。ラインなどでやりとりするほうが、あんしんできる人も多いとおもいます。ですから、「そうだんするのだから、でんわをしたり、ちょくせつ会わないといけない」とおもいこまないようにしてくださいね。あなたがあんしんできるほうほうで、そうだんをしてみてください。【こどもほんにんが、そうだんするあいて・ばしょのいちらん】<あなたが小学生のばあい> ①学校の先生:学校にでんわしてみよう(夏休みでもでんわできるよ)②ほけんしつの先生:学校にでんわしてみよう(夏休みでもでんわできるよ)③こどもかていしえんセンター:電話ばんごうがわからないばあいは、スマホでしらべるとわかるよ。④親子のためのそうだんLINE:ラインでもそうだんできるよ。こどもかていちょうがやっているよ。親子のためのそうだんLINE⑤おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさんなど。⑥じどうかんのひと。ちょくせついっても、だいじょうぶだよ。⑦とうきょうときょういくいいんかいの、いじめそうだんホットラインにでんわもできるよ。0120-53-8288です。⑧とうきょうといがいにすんでいるひとは、24じかんこどもSOSダイヤルにでんわもできるよ。0120-0-78310<あなたが中学生・高校生の場合>①担任・副主任・学年主任等:信頼できる人ならば、学校の様子をわかってくれた上で相談にのってくれる利点があるよ。②保健室の先生:医療やからだのことも詳しいよ。看護師みたいな面があるよ。③スクールカウンセラー:授業に出なくても、スクールカウンセリングだけを受けることもできるよ。学校に希望するといいよ。高校だと利用しにくい場合もあるかもしれない。④教育委員会の相談窓口:各都道府県で対応しているよ。例えば検索エンジンで「東京都 教育委員会 相談窓口 電話番号」などと調べるとわかるよ。⑤いのちの電話:とくめい(自分の本名をいわない)方法での相談になるよ。問題解決は難しいかもしれないけれど、悩みをきいてくれたり、ヒントをくれるかもしれないよ。いのちの電話⑥SNS・チャット相談:あまりおすすめできない(サービスの質の問題)。ただし、とくめいでラインなどで手軽に相談できる強みはあるよ。⑦フリースクールなどの団体(例:NPOなど):相談にも乗ってくれる可能性がある。⑧両親や祖父母などに相談する方法もあります。⑨児童館の職員。(法律上児童は18歳未満を指します。また児童館スタッフが、あなたの相談に適切な機関や人を紹介してくれることもできます)⑩東京都に住んでいる方は、いじめ相談ホットラインに電話できます。0120-53-8288⑪東京都以外に住んでいる方は、24時間こどもSOSラインに電話できます。0120-0-78310注意:教育委員会の連絡先一覧を載せようとリンク先を調べましたが、スマホなどで検索するほうが速い可能性が高いです。全国教育委員会一覧(抜粋)【電話りょうきんが無料(0円)の安心できるそうだんさき】①いのちの電話 (ナビダイヤルもあるので注意。ナビは有料です。)https://inochinodenwa.org②NPO法人自殺対策支援センターライフリンクhttps://lifelink.or.jp/inochisos/③よりそいホットラインhttps://www.since2011.net/yorisoi/
2025.08.25
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今回の記事は何かしらの理論(学術的な内容)とは離れた内容になります。つまり私が「えぇ? これは意外とすごい効果があるぞ!」と思えた発見を皆様に提供したいと思います。 私はこの一か月ちょっと、メンタルヘルス的には決して良いとは言えませんでした。原因は精神保健福祉士実習にて、指導者にひどいセクハラを受けたからです。(複数の精神保健福祉士有資格者は、そろって指導者側に大変問題がある言動だったと私に同意してくれています。) でも私はマイナス面ばかりを思い込まないようにしました。その実習からも学べたことはあまりに多くありました。そもそも私は学びを得ようと実習に赴きました。多くの社会人は資格取得の条件だから無難にこなす方が多いそうですが、私は自分の実力を高めて後年のカウンセリングに活用したいと強く感じていました。だから自分のベストを尽くして、リスクを冒しても実習に臨み、その結果多くを学べたわけです。そのかわり、受けたこころの傷も大きいものになりました。 私はその傷から逃げずに、ちゃんと自覚しました。ですから私は自分をクライエントとみなして、セルフカウンセリングを行いました。そして傷をいやすために有効な行動を考え出して、実践してきました。1.セルフカウンセリング(リフレーミング実施含む)2.コラム法の実施(認知行動療法)3.規則正しい日常生活(レジリエンス向上)4.十分な睡眠、筋トレの再開(レジリエンス向上)5.麻雀など、楽しむ時間もちゃんととる。6.日々を充実させる。資格取得勉強の継続、心理教育啓蒙ボランティア継続(=当ブログ運営他)7.将来に向けた活動の開始(就職活動準備、起業準備他) などなど… 単に計画しただけでなく、実際にこれらを実行に移してきたわけです。それでも、私のメンタルヘルスの調子はどうもいまひとつでした。けっこう頻繁に、嫌なことを思い出したり、嫌なことをしてきたひとたちをやっつけるようなイメージを持ったりしていました。 「まぁ仕方ない。やれることはやっているし、私にもレジリエンス(元に戻ろうとする力)も十分あるだろうから、時間が解決したり、資格取得したら大幅に悩みは消えるだろう」そう自分をなぐさめながら、日々を過ごしていました。そんな日々が続く中、私は不意に思い出しました。①朝のメンタルトレーニング(2種類)を止めてしまっている。②寝る前の良いとこ探しトレーニングもやめてしまっている。 それらは高い効果があるので、実習を上手にクリアするために、最近まで続けてきたことでした。そして実習が終了したので、私はいつのまにかそれらを止めてしまっていました。本当に無自覚でした。 私はそれらを再開しました。その後私は、近所の人たちが会話している場面に出くわしました。普段なら挨拶してひと声かけるぐらいで、別の家事などに入っていくのですが、今日は私もその輪に加わって話をしました。 大した話などしない、世間話です。でもお互いを心配し合ったり、安心して笑顔で話せたり。そんな内容も含まれる数分間でした。たったのそれだけ。 それなのにどうでしょう? 私の気持ちはとても幸せになって、ほんわかしたのです。「なるほど、信頼・安心できる他人と直接に交流することは、こんなに効果があるものなのか」とびっくりしたのです。 私は知識として「孤独は体に毒である」と知っています。でもまさか、ふれあいのある状態が、こんなに人を励ましてくれるなんて… 私には本当に予想外だったのです。 なぜ私は普段あいさつだけにするところを、今日は近所の方とふれあうことにしたのか? それは朝のトレーニングにて國分康孝先生に「ふれあいについての心理教育」を受けたからだったのです。 理論を学び、実戦で味わう。この両立が最も効果が高いことも、私は知っていました。経験もしてきました。でも、どうやら忘れていたようです。人生は日々、学ぶことだらけだなぁ。今日はしみじみとそう思いました。人は忘れます。基本をおろそかにします。反省ですね。
2025.08.22
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國分康孝の談話室 第1回 「人生の目的」 ①人の自由を侵さない上で、自分で人生の目的を設定する。 ②人の役に立ち、人から取って生きていく。 ③死に方とは生き方。生に執着する人と気持ちよく死んでいく人の違い。 ④診察時間、食事を譲ったユダヤ人の話。國分康孝の談話室 第2回 「人生の幸・不幸」(東京成徳大学) ①願望に無理・非現実的である。 ②大げさに簡単に不幸だと断言する。 ③状況を改善しようと動かない。(失業と電話帳片っ端の話)①~③は人生を不幸だと感じやすい。國分康孝の談話室 第3回 「プロセス主義」 ①結果の内容ではなく、そこに至るまでのプロセス(を楽しむこと)を大切にする。 ②生きることは楽しいことでよいことだ。悔いが無い人生を。國分康孝の談話室 第4回 「おかげさま」 ①人は縁を得て生きている。他との関係で生きている。(実存主義:世界内存在) ②人として成熟して人のありがたさを知るには、内観療法(特にお世話になった養育者)、人へのケアの実践でのつながりの実感が有効。國分康孝の談話室 第5回 「リフレーミング」 ①ものは考えよう。違う観点から見れば不幸だと思えることは違う意味になる。 ②文化人類学の学習など、複数の価値観に触れる。 ③レッテル貼りや常識で視点を固定しない。國分康孝の談話室 第6回 「人の心」 ①國分先生ですら人の心はわからない(部分が残る) ②それゆえ他人の心を傷つけることはやむを得ない。但し不完全だが対応策はある。 ③1つは共通して体験しそうなことを体験すれば察しが良くなる。(感受性向上) ④~ねばならないという信条に注意する。≒自分は正しいと信じ込む。國分康孝の談話室 第7・8回 「人生の事実」 ①如何ともし難い、あるがままの事実を受容しないといけない場面が人生にはある。 ②愛する者との別れの際にどうするか?人生は分離の連続である。 ③嫌な人・苦手な人と共存せざるをえない。(他人は自分の欲求を満たす為に生きていない) ④やがて死は必ず訪れる。生を十分に楽しみ、死を受け入れる。その姿勢が日々の生活の充実・貴重さを生む。 ⑤これら人生の事実を対応するのは、自らの人生の価値観である。ナーシシズムから脱却することが重要であり、他人から自分がどう見られているかをイメージできるように成長した方が良い。國分康孝の談話室 第9回 「自己を開く」 ①自己を語る=アウトプット=考えが明瞭化する。自己を発見する。 ②自己開示がお互いの安心を作る。相手の自己開示を促す面がある。人が近づきやすい。 ③若い人への教育効果がある。ふれあいのある師弟関係。 ④自己受容している部分が広い人ほど、自己開示が行える。國分康孝の談話室 第10回 「行動をおこす①②」 ①視点・捉え方を変えて対応する心理主義には、問題原因の根本を解消する効果はない。 ②問題原因を解消した方が効果的な場合は、行動を起こして解消してしまう。心理主義と折衷せよ。 ③行動を起こす判断は、人生哲学による。勇気をもった行動の際はなおのことである。 ④引けない線を明確にしておく姿勢が、決断力、勇気、行動力を生む。 國分康孝の談話室 第11回 「表情①②」 ①絶えず不安・恐怖・緊張が続く人(外界に身構える人)は、良い表情になれない。 ②いつも愛想が良い人は、愛をもらいたいばかりの人。奪い続ける人。 ③いい顔とは「人に与える顔」である。 ④母性の柔和な共感的顔。毅然とした決意を秘めた勇気と希望を与える顔。無邪気な顔。 ⑤3つの顔が触れるのは、相手の子供の心(素直な本心)となる。國分康孝の談話室 第12回「勇怯の差①②」★カウンセラーの矜持 ①こわいのは皆同じだ。その上で自分の責任を果たせるのか? ②自分のクビがこわくて、カウンセラーが務まるか! ③覚悟や矜持は、自分のアイデンティティから生まれる。 ④日頃から〇〇のように言動し続けると、〇〇のアイデンティティを身につけられる。 ⑤役割を持つ場合、責任と伴わせる(持つ)ように調整する。 ⑥CPはマニュアル通りにするのではなく、自分の判断で言動する役割である。國分康孝の談話室 第13回 「暗記のすすめ①②」 ①暗記で覚えた記憶(材料)が無ければ、思考できない。創造性を発揮できない。 ②思いて学ばざればすなわち危うし。 ③時代が変わっても内容が変わらない概念・理論・使い道のある歴史(事実)を学べ。 ④覚える為には口に出す、実践で活用する、人に教える、復習する等のアウトプット重視。國分康孝の談話室 第14回 「敵のいる人」 ①敵とは?→ 自分を否定してくる人 ②大槻先生の教え:敵がいる=有能である・敵が頭をさげて仕事を頼みに来るようにすればよい ③霜田先生の教え:柳に雪折れ無し・負けて勝つ ④國分先生の教え:敵にも仁義をきる。相手の否定理由を知る。新たな意味を見出す。発奮して成長する。 ⑤絶望する必要はなく、敵がいるから成長できる。國分康孝の談話室 第15回 「先を見て生きる①②」 ①戦後復興を予測して訓示した青年将校の話 ②ベテルハイム(ユダヤ) 時計が無い・自殺・クリスマス解放の話 ③先が見えることで耐性が向上する・今すべきことがわかる ④年長者との接触で将来が見えやすい。 ⑤仙崎先生のアルバイト許容(50歳の中卒) ⑥過去の歴史から学ぶ(カウンセリングが医師限定→CPOKに) ⑦自分がしたいこと(志)がはっきりしている。國分先生のキャリア変遷。國分康孝の談話室 第16回 「自己肯定感」☆自己肯定感、すなわちありのままの自分を肯定している事が大切人間は生きていく上で、客観的な事実だけにさらされて生きるわけではない。自分の感じ方が大切になる時がある。→ 自己肯定感を持つのだ☆ハッタリではダメだ。何故なら、ウソだからだ。偽物だからだ。☆どうすれば自己肯定感は高まるのか?①自力で違う価値観に触れていく。自分で人や良書に出会っていく。②泥棒と人殺し以外はなんでもやってみる挑戦心を持て。つまり、ダメだと思っていた事が、意外とできることが往々にしてあるのだ。③ものの考え方が変わると、自己肯定感が高まる。(例:自分は喘息児で甘ったれだ…→ 普通の人より病弱の人に共感できる素質を持っている!)☆自分の働き方次第で自己肯定感は高まっていく☆自己肯定感が高まると、状況が同じでも違う人生が展開していく國分康孝の談話室 第17回 「人生の転機」☆人生の転機とは、ある偶然の為に生き方が変化する瞬間を指す。☆このマイナスイベントを糧にできる人と、できない人に分かれていく。糧にするためには、四つのSが重要である。1.Self(志) 自分の人生における大義、すなわち志があれば、状況に流されずにマイナスイベントをバネとして成長していける。2.Situation(状況) 自分の近未来の状況を予測しておき、現実として面した時の失望を軽減する。3.Support(人脈) 人脈がある人間の方が、苦難に耐えやすい。仮に人脈が無いとしても、周囲の人間にプラスの貢献を行う。交流のチャンスがあれば、感謝しながら交流を楽しむ。苦境を認め、マイベストを尽くし、機会を逃さないわけである。4.Strategy(戦略) 今後の方針を見据えると共に、現在置かれている環境に置いてマイベストを尽くす。つまり「プランドハプンスタンス」そのものと言える。國分康孝の談話室 第18回「気合い負け」☆気合は重要である。気合とは、意図的に自分を緊張状態に置くことを指す。そして、この状態を日常で時々作りだすのである。そして気合は、役割意識が生む。◆気合負けしやすい時が二つある。①相手が年上の時 ②相手が自分よりも地位の高い時だが、自分の役割を、責任を持って果たすことで、これを乗り越える必要がある。◆ただし、四六時中緊張させてはならない。気合をかける瞬間を間違えない。気合を抜く瞬間も間違えない。國分康孝の談話室 第19回「死に方・生き方」カウンセリング=死に方を教える事良い生き方とは、死を忘れるほどにすることをたくさん持っている人生である。いい死に方(=生き方)とは、死を忘れるような打ち込める使命をもって、精一杯生き続けるそのプロセスと言える。國分康孝の談話室 第20回「ABC理論」アルバートエリス先生提唱の論理療法。Accident → Brief → Consequence出来事→ 受け取り方 → 悩み◆ある出来事に対し、どのように受け取るかによって、悩みが発生してしまう。健全な受け止め方にするために①事実に即しているか? 悪例:全ての人に好かれるべきである!②非論理的な因果の展開を防ぐ③多様に解釈できる場合は、少しでも幸せになれる方を選ぶ。 例…どもりトップセールスマン 日干しで論文作成チャンスととらえた方☆悩む人間は、考え方が足りていない。つじつま合わせせず、絶えず考えて生きていくのだ。國分康孝の談話室 第21回「立居振舞」人間関係を築く上では、敢えて行動に表すこと立ち居振舞いが大切である。相手や状況に応じて適切な振る舞いが大切となる。基本骨子は相手を大切にすることである。また相手との人間関係の構築と自身の役割遂行を両立させるものとなる。例えば相手が目上であれば、礼儀や挨拶において明確に相手を尊重する言動が望ましい。相手が同格であれば、時間を守ったり、情報を提供する。相手が目下であれば、余裕のある振る舞いで相手が安心して頼れるようにふるまう。また上の立場の服装・言動を心がける。國分康孝の談話室 第22回「アイデンティティ」自分個人は何者なのか?=アイデンティティ(Personhood)を定めることが大切だ。☆アイデンティティを自覚するということは、他と比較してどこが同じでどこが違うかを絶えず考え続けることだ。自分の個性と他人との共通点をおさえ、社会生活の上で自他が共存できるように、共通性を発見しておくことだ。國分康孝の談話室 第23回「知識と体験」知識だけ理解しているだけで体験が無ければ、生意気になる。一方、体験だけでは迷い(無明)を生んでしまう。教育とは体験であるといえる。(ひな祭りの人形をしまう話)知識と体験が融合してこそ、はじめて実践的に言動できると言える。(特に実存主義)※ちなみに概念と体験が融合すると、自己理解が進んだり、揺るぎにくい自信があふれてくる。國分康孝の談話室 第24回「親孝行」他人が自分に興味を持ったり働きかけてくれるのは、普通ではない=有り難いことである。親に甘やかされた人は、他人に感謝すること(例:他人の飯を食う)を実践していくことが重要である。親に愛されなかった場合は、自分が大人になった上で、親を一人の不完全な人間だったと理解することである。内観法を活用する方法も有効である。(私はこれで母親に対してはかなり感謝できるようになった)※親が精神疾患や発達障害などを有していて、明確に問題を有していたり、養育力が著しく低いケースもありえます。その視点が不足した面がある先生の助言かもしれません。新・國分康孝談話室第1回「ふれあいとは何か」 ①この企画を始めた理由。 ②一人の人として感じたことを自己開示する勇気を持とう。新・國分康孝談話室第2回「なぜふれあいが大事か」 ①孤独感 ②罪意識 ③不安・恐怖からの脱却を支援できる 自分も嬉しい。新・國分康孝談話室第3回「ひとりの人間として生きるとは何か」 ①人生には正解は無く、自分で納得できる意味を創る必要がある一面がある。 ②その結果、選択の自由、人生の意味づけの自由を得られる。新・國分康孝談話室第4回「ふれあいを縛る思想」 ①気力を発揮して、不適切な思い込みを打破して、自由になる。 ②ありたい様な生き方をする勇気を持つ。新・國分康孝談話室第5回「ふれあいを妨げるグループへの迎合」 ①集団から離れる孤独の恐怖に勝って、自分一人の世界を築き、必要時に打ち出す。※aloneness:但し度が過ぎると奇人となる。 ②自分の生きる意味づけを絶えず自ら行う。新・國分康孝談話室第6回「ふれあいをためらわせる役割」 ①ひとりの人間どうしとしてつながるために、自分の役割(ペルソナ)から抜け出す勇気が必要なときがある新・國分康孝談話室第7回「組織のなかのふれあい」 ①お前は自分のクビが恐いことで、カウンセラーとして務まると思うのか! ②精神医学から臨床哲学へ(パーソンとして生きる)新・國分康孝談話室第8回「Courage to be 」 ①自分を認めたところから強さが生まれてくる ②実体験はパッションを生んでくれる新・國分康孝談話室第9回「打てば響く人」 ①他者が自分を開いたときに、その意図を感じ取れる人。 ②共感しやすい多様な経験、すべき(善悪)に縛られない、劣等感からの解放※見当はずれな「魚を食べた批判」新・國分康孝談話室第10回「⑩Beeing is choosing-」 ①在り方・生き方の基本 在り方とは人生選択の仕方が反映される ②自分独自の在り方・過ごし方 人とのかかわり ビリーフを選ぶ新・國分康孝談話室第11回「⑪選び方を支える人生哲学」 ①自分の人生哲学=判断基準を培っていけ。例えば心理学派も多様。 ②人生哲学も折衷主義(統合)した納得できるものがよい。自分流に。新・國分康孝談話室第12回「⑫人生哲学の折衷主義」 ①前回(第11回)の具体例提示。 論理実証主義での「事実に基づいて悩め」新・國分康孝談話室第13回「⑬生き方・あり方のモデル」 ①生き方とは、思考、感情、行動を選ぶこと(being is choosing) ②思考とは、自分のおかれている状況の意味を考えること。 ③自分の本音を見つめることが、感情表出の際に重要になり得る。新・國分康孝談話室第14回「⑭千万人といえども我行かん」 ①ふれあいをもてなくなるリスクがあっても、勇気を出して自己開示・対決等をする場面がありうる。新・國分康孝談話室第15回「⑮ふれあいのある生き方の留意点」 ※ふれあいには最低限のルールがある。 ①相手の立場・能力等を配慮して自己開示しないと、相手は受け入れられない・傷つく可能性がある。 ②自分と同等の自己開示を「要求する」「迫る」ことは禁忌。例:思い出すだけでトラウマなど。 ③好意のつもりでも相手を傷つける可能性あり、最後までフォローすべき。 ※ただし人の心はわからない。相手を傷つけずに生きることもできない。 ※ミスを修正し、再発を防ぐ姿勢を心がける。新・國分康孝談話室第16回「⑯構成的グループエンカウンター」~受容状態こそ一番の治療~ ①ふれあい体験をさせるには構成的グループエンカウンターが効果的 ②自分の本音に触れ続けない環境は、自分の本音に気づけない自己疎外を生む。 ③ふれあい不足は慢性の孤独を生む。無理せず、ありのままの自分を受け入れる。新・國分康孝談話室第17回「⑰内観法」(△) ①内観法の概要と、実施して起きた効果の紹介。新・國分康孝談話室第18回「⑱グループ活動・年中行事」(△) ①人に良くしてあげて感謝されるという感情体験(集団内で生まれる)が不登校にも有効。 ②集団経験をつんで、ふれあえる力・姿勢を少しずつ養っていく。家庭内でも年中行事を利用可能。新・國分康孝談話室第19回「⑲論理療法のすすめ」(先生は元優等生) ①ふれあいを妨げる考え方(イラショナルビリーフ)について ・全ての人に好かれるべき(自己表現を阻害 全ての人のニーズの把握・充足は不可能) ・人のこころを傷つけないべき(我々は神ではない 再発防止に努める) ・失敗すべきではない(よいことは時代・文化などで不定である)新・國分康孝談話室「⑳ふれあいのある生き方・あり方の三大課題」 ①死を意識して生きる(明日死んでも悔いがない立派な生き方を目指す) ②どう生きるかという自由を活かせ(生き方とは選び方) ③自分の選択に対する責任性を持つ。+それを実践した求道者同士の交流
2025.08.22
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自分にとって負担があること、いやなことを続けるのって、つらいですよね。あなたはそうじゃありませんか? とはいえ、もしもそんな負担の強い嫌なことが、自分が今後人生を幸せに生きる上で必要なことだったらどうしましょう? なんとかして、それを実行したいところですよね。 私が今回皆さんにお伝えしたいのは「絶対に続けるべきだ!」と完璧主義的に決めつけるのを止めた方が良いということです。なぜなら辛いことを完璧に続けてやり通すなんて、人間にはおよそできないからです。 私は実習が終わってから、8月8日より筋トレを再開しました。筋トレは自分の体力を上げるために、必要不可欠なのですが、私にとっては筋肉痛になるときがあるし、だるくなるし、疲れるし、負担が強い面もあります。でも今日までの10日間で、さぼったのは昨日の1日間だけです。なぜなら絶対に毎日筋トレを続けよう!とは思わなかったからです。 なぜ続いているのか?考えてみました。理由その1は、最初は少しずつ始めていく為、意外と辛くないからです。私の場合も初日は以前の10%程度の量の筋トレしかしませんでした。それでも筋肉痛が発生したりしましたが、軽い筋肉痛なので、日常生活も大した負担になりませんでした。(現在25%ぐらいに上昇) 理由その2は、毎日じゃなくていいかわりに、自分の最善の限りで続けたい!という意思を強くもったからです。100%なんて無理なのは当たり前。でも無理なく、最大限はやっていく。バランスのとれた意志の強さは大切かもしれません。 かつて金メダルを獲得したハンマー投げの室伏広治氏も、非常に飽きっぽい性格なので、我慢して同じ練習を続けなかったそうです。しょっちゅういろいろな練習をしては、結局いつのまにか毎日のように練習をしていたとのこと。 また100歳に近い高齢ながら、世界記録をバンバン作っていった陸上競技をしていたおばあさんが、なぜ陸上競技を長続きできたのか?インタビュアーから質問された際「いつも必ずやると思わない方が、長続きする」とハッキリと答えておられました。 強い意志を持つという人間のすばらしさと、どうせ完璧になんてできるわけないという人間の弱さを上手にバランスをとりながら、あなたも自分で自らを幸せにする課題などに取り組んでみませんか?
2025.08.17
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MBTIという性格検査の一種があります。これはユングのタイプ論をもとにしています。ただし検査の実行者を分類して終わりというものではありません。実行者たちが無意識で行う自分の認知スタイルを理解し、自分自身の心を成熟させ、他人への許容度を高めるための「羅針盤」の役割を果たすことが、最大の目的とされています。現状を知り、更なる成長を促し、人生を成功へとつなげる役割を目指しています。※なおMBTIの結果は、MBTIの専門家に支援を受けることが必要であると協会は主張しています。 自己理解を助ける性格検査・心理分析の方法は多くありますが、私はこのMBTIも十分に価値のある方法であると感じています。今回は私が試しにMBTIを行ってみたので、その上での考察を皆様にお伝えしたいと思います。 まずMBTIについては、「16personalities」にて基本的に無料で行うことができます。自己理解を更に深める部分や、自分のキャリア形成についての核心に迫る部分等は、有料での開示ができるようになっているようです。(私は有料で試していないので、詳しくはわかりません) 私の実施の総合結果は「建築家」というカテゴリーと判断されました。次に私の長所がまとめて分析されました。次に私の性格の特徴が抱えているリスクについても分析されました。それらの指摘は鋭いものでした。なぜなら、私に自覚があり、改善し続けている面があったからです。また3年前の私であれば、気づけないような指摘も含まれていました。(例:(私は)単刀直入なコミュニケーションや論理的な議論を好む。そのため、たとえあなた自身は相手や物事を深く気にかけていても、他の人には「ひょうひょうとしている」または「距離を置いている」と誤解されることがある。) 次に実行者の将来(キャリアパス)についての助言がなされます。将来、どんな職場や場面で活躍できそうか?を教えてくれるわけです。キャリアパス上の強みや弱みもそれぞれ教えてくれます。そして、今度はキャリアパスを進むうえでの短所やリスクを教えてくれます。 次に自己成長を話題にして助言してくれます。ここも今までと同様に、長所と短所を教えてくれます。なお、自己成長にとっては、長所の強化と短所の修正(私見ですが、短所を長所にまですることは無いと思いますが)が共に大切です。 最後に人間関係を話題にして助言してくれます。他と同じく長所と短所を教えてくれます。無料版では以上の内容となっています。協会が主張するように、実行の上でMBTIの専門家にフォローしてもらうと更に効果があがる上、内容の誤解や、MBTIが抱える問題点が有するリスクを減らすためにも有用でしょう。(注意:くどいようですが、MBTIの内容は十分に有効であることは間違えありません。) ではMBTIが抱える問題点とはどのようなものでしょうか?これには少なくとも2点あげられます。第1に(全てのテストで共通の弱点ですが)、回答者の回答が不正確、不誠実などの場合、当然ながらテストの結果も、不正確な内容になります。第2に(これも各テストに共通かもしれませんが)テストで判断された内容を、判断の背景を反映することなく、ストレートに評価してしまう点です。ちょっとわかりにくいはずなので、詳しく説明させてもらいます。 例えば私の問題点としてMBTIは次の2点を指摘してきました。「感情よりも論理を優先する」「相手の感情に鈍感」確かに私の行った選択肢に基づけば、結果はこうなるのはよくなります。しかし、私の行った選択には、私の人生上の長い歴史がつまっています。では「感情よりも論理を優先する」件について、もう少し詳しく説明しましょう。 私はかつて非常に感情的な人間でした。論理や冷静さよりも、信念(≒思い込み)に基づいて、衝動的に言動するような性格でした。それは自分を生きづらくしたり、他人にも迷惑をかける性格でした。それを私は認知行動療法に出会って実践するなどの長い時間をかけたトレーニングを行ってきた結果、今ではなるべく論理的に冷静に物事を捉えようとする姿勢が習慣になったのです。何も考えずに理性も発揮しなければ、私は非常に感情的な人間になってしまうことを、テストは反映してくれません。 もう一つの件について、私は自分の感性だけでなく、相手の感情にも非常に敏感です。これは私にHSPという個性があるため、なおさらです。そうした過敏性について、私は認知行動療法などのトレーニングによって、生きづらさを解消できるように「鈍感力」を強化してきたのです。また自分の人生観において「他人から好かれる人生ではなく、自分がありたいように生きる人生を生きなさい」という國分康孝先生の教えを30年以上実践してきた結果でもあります。その結果、他人の感情を感じすぎないようにする。そもそも意識や焦点を当てすぎないようにするような習慣が育ったわけです。とてもつらい苦境に立たされる場合などは、いとも簡単にそれらの悪癖がよみがえったりします。【まとめ】 MBTIに限らず、信頼性が高く、実績の高い性格検査の内容は、皆素晴らしく、学びに満ちていて、活用する上で十分すぎる価値がつまっていると私は強く感じています。しかし完璧な性格検査・心理テストは、この世にありません。今後も生まれないことでしょう。 必ず(その回の)検査の結果には、間違いや指摘忘れなどがありえます。それを補う為には、検査に100%頼り切るのではなく、①自分でもしっかりと自分自身を見つめてみる②信頼できて実力もある他者にも自分について教えてもらう(注:プロでなく家族等でも可能)③複数の検査や分析方法と組み合わせる(バッテリーといいます)などを行いながら、総合的に自分をみつめることが大変有効です。そうした自己理解は、真の自分にかなり近づく内容になることでしょう!※もっとも自分の成長や環境の変化などで、数年以上経つとまた変化するかもしれないのですが…
2025.08.17
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心理教育とは、自分が抱える問題を解決したり、自分の生きづらさを無くしていく為に有効な心理学などの知識を学ぶことです。今回はAIを使って自分で心理教育を行った場合の、AIを使う利点、欠点などについてお伝えしたいと思います。 では私が最も力を入れている「認知行動療法」を話題に、検証してみたいと思います。認知行動療法は、およそ次の3つの特徴をもった心理療法です。①気持ちを変える特徴:考え方を変えることで、あなたを不幸にしたり、必要以上に生きづらくする気持ちも変える。(認知の修正)②行動を変える特徴:行動を変えることで、上記と同様の効果を得たり、問題を生む環境を変えたりできる。(行動の変容)③受け止め方を変える特徴:問題や現状の受け止め方を変えて(例:マインドフルネスの実施)、気持ちを変える。(瞑想などの東洋的方法) その上で、まず検索エンジン(ヤフー)で「認知行動療法 やり方 自分で」というキーワードを入れて検索してみました。一番上の結果はスポンサーであり、クリックするとアマゾンの書籍コーナーが紹介されました。なのですぐに閉じました。次にいくつか下に厚生労働省が発信しているサイトをみつけたので、閲覧してみました。しかし、残念ながら私には理解しにくい内容で、構成もわかりにくいと感じられました。なので、すぐに閉じました。 最後に上から2番目のサイトを閲覧しました。するとその記事は、公認心理士等を取得している方が執筆したものでした。見た目はある程度すっきりしていました。説明の内容は学びが多くて丁寧でした。しかも説明文にはしっかりと認知行動療法の3つの特徴(上の①~③)が含まれていました。但し問題点もありました。それはそのサイトにたどり着くまでに時間がかかる上、「とても文字数が多い文章だった。(約4500文字)」という点です。 長い文章を読むことになれている人、理解しよう!という気持ちが高い人などにとっては、とても適したサイトだと思います。反面、活字が得意ではない人や、すぐに結果を知りたい(試したい)人にとっては、始めるのが大変というデメリットもありそうでした。 ではAIではどうだったでしょうか?AIに同じようなリクエストをしてみると、一発で約650文字程度で簡潔に教えてくれました。しかも文章と言うよりは、半分レジュメのような文体で見た目にもわかりやすく教えてくれました。 内容は上記の①に絞った内容となっていました。そのかわり②と③についての記述は見当たりませんでした。また①の内容について、なぜその方法が有効なのか? その説明(エビデンスといいます)がありませんでした。つまり、認知行動療法のやり方だけをとても簡単に、わかりやすく示したマニュアルのような情報が提供されていました。 従って、長い文章は読みたくない。とりあえず試してみたい。すぐに効果が出ればそれでいい、というようなニーズを持っている人には向いていると感じられました。一方効果を生む仕組みの説明がないので、安定して使用したり、誤解しないで活用したりする場合に、リスクがあると思いました。加えて、②と③は記述に無いので、行動療法の部分や、第3世代の認知行動療法の部分(例:マインドフルネス)についても、知ることはできませんでした。【まとめ】 基本的に何か1つの情報だけを信じたり学んで、それが正しいと思ってしまうことは、何事もリスク(危険)がつきものです。ですから、何かの心理教育の話題(例:認知行動療法)を調べる際は、★複数の情報源から学ぶことは、とても大切だと思います。一方皆さんは毎日忙しい中、心理教育を学ぼうとしているのかもしれません。その場合は、学びの効率の良さも大切になってきます。以上から私が今回提案するAIを活用する方法は、次のようになります。ステップ1:まずAIに質問して、示してきた概要を理解してみる。ステップ2:その内容に興味がある、或いは効果が期待できると感じた場合、今度は十分な文字数で説明されたサイドを学んでみる。※その際、執筆者がちゃんとした方か確認しておきましょう。ステップ3:できれば最低でももう1つ、別のしっかりと説明されたサイトを学ぶ。ステップ2で学べた内容が間違いないことを確認しながら、追加情報も学んで行く。ステップ4:この方法はとても良さそうだ、と思える場合、更に本などで学んで行く。完璧な方法ではないけれど、ちゃんと学ぶことを前提にした場合、効率の良い方法だと思います。
2025.08.15
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セルフソーシャルスキルトレーニングとは、自分自身で自らのソーシャルスキルについて検討し、修正していく作業を指します。手順としては1紙面上などで自分の言動を思い出して書き出したり、あるいはその様子を思い出しながら動画で撮影します。2その内容について、問題点があったと思われる点を発見します。3なぜ問題があると思われるのか? 自分なりに理由を明確につけます。4問題のある言動を修正した案を考え出します。5それらを考え出した後に一人でロールプレイング(練習)したり、実生活の場で修正案を試したりします。 セルフソーシャルスキルトレーニングを行う上で最も支障となりうる点の1つは、主観から抜け出すことが難しい点です。自分で正しいと思えて、上手に対応できているとも思えて、しかもみんな(世の中)にとっても良いことだと思えてしまうようなことに対しては、特に批判的な視点をもつことができません。そんなときにとても有効なのがAIの活用なのです。では今回も具体例を挙げて、AIがどのように助言・指導してくれるのか? 確認してみましょう。(今回の使用AIはGPT-5です) セルフソーシャルスキルトレーニングの方法は「メタ認知」と呼ばれる方法を使いました。簡単にいうと、「自分の反応パターン(≒失敗パターン)」を客観視してみる、という方法です。具体的にはまず、A~Dの4つの要素にわけて、自分のソーシャルスキルに問題があったと感じられる場面を分析してみます。【Aいつ】どんな状況で【Bなにを】自分はした/言ったか【Cどう】相手は反応したか【Dどうする】それを踏まえて、今後どうするか? そして私は最初、自分の力だけで(=自分の主観のみで)次のように分析しました。A利用者X様と初対面でとても仲良くなった。新しい就労先でのX様の苦労話を傾聴しながら、相手の強みを引き出すように優しく対応していった。そしてX様からも、珍しくいろいろな自己開示をされた場面。Bその面談の後、離れたところで職員Yさんが何かしら騒いでいた。その中で「本当に利用者Xさんが好きなのはY職員なんだから」という施設長のフォローも聞こえてきた。私は数日間の実習の立場でもあるので、深入りはせずに気づかないふりをした。Cその後Y職員は、私に対して表面的には有効な感じで接してきた。でも、何かの折に自分への悪意(攻撃心)を垣間見せた言動を行ってきた。D※この面談の後でわかったことなのだが、利用者X様は、職員Yの担当でした。①私はカウンセラー歴が長いので、まだ20代半ばと思しき職員Yさんに対して、傾聴モデルを示してあげようと考えた。しかし結果は逆となり、職員Yさんは私から学ぶどころか、X様と私の交流の件で嫉妬してきたのかもしれない。②十分に状況を確認できない現場では、あまり急に自分の能力を全開で発揮した言動をしないほうが、周囲の人も安心なのではないだろうか?以上のプロセスを終えた私は、セルフソーシャルスキルトレーニングを終えました。そして、AIにこの振り返りについての是非を質問しました。するとAIからは、次の点についての指導がありました。③福祉現場では「担当の利用者との関係形成」は、その職員の専門領域・やりがいと直結するため、他者(利用者)への急な介入は感情的に受け止められやすい。わかっているようで、わかっていませんでした。言われたらわかるのですが、自分からは気づけませんでした。こんな大切なことが、自分の主観による分析では気づけなかったのです。なぜなら主観には、いつのまにか、自分の価値観、経験、置かれている環境が影響するからです。そしてAIの援助を受けられた結果、私はさらに次のことを学べました。④確かに私は学ぶことが好きで、学びに対する勇気を持っています。かつて小学校2年生の子供に言葉に関する考え方で会話した際に、完敗したことがありました。私は腹を立てたりせずに完敗を認め、その子たちの将来を楽しみに思いながら、この経験から多くを学びました。でも、他の人が小学校2年生に完敗したら、同じように認めて学べるだろうか?いや違いますね。★私には「他人も自分と同じように考える・感じるはずだ」という思い込みがあったのです!その事実を、やっと実感を持って受け入れることができました。今後は相手の個性、置かれた環境などから、どう感じるのか?想像してみよう。【終わりに】 もちろん④については自力で気づける日を迎えることができたかもしれません。しかし、人生の時間は限られています。そしてソーシャルスキルを高めることで、あなたが生きやすくなり、周囲の人も連携して幸せになるとしたら(あなたとのかかわりが円滑になるからです)、私はAIをセルフソーシャルスキルトレーニングに導入する方が効果的であると提言したいのです。
2025.08.13
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今回の企画は、AI(チャットGPT:GPT-5)を活用してセルフカウンセリングをしてみたら、どの程度有効に活用できそうか?その検証を行い、皆様に情報提供することが目的です。ではさっそく始めてみましょう。今回は以下の内容で、チャットGPTを相手にしてセルフカウンセリングを実施してみました。※なお試験的にセルフカウンセリングを実施する旨について、チャットGPTの同意を得ています。(相手は無機物かもしれませんが)【架空の設定の人物と、その人物が抱えている悩みを相談文にして相談します】 私は50歳男性です。妻子はいません。現在非正規雇用の製造業の仕事をしています。もう20年ぐらい働いてきました。月々手取りで20万円ぐらいの収入があります。単調な仕事で面白みはありません。会社での人間関係も、ドライと言うか、ビジネスライクと言うか。何かしらの絆があるようには到底思えません。 そんな日々の生活の渇きを潤すために、私は数年前からカウンセリングの通信教育を始めてみました。そして去年、おかげさまでユーキャンという会社の「心理カウンセリング」の資格をとることができました。 私は完全に出世コースから外れていますし、何も起こらない毎日が味気なくて仕方ないです。このまま死んでいくんでは、何のために生まれてきたのか?わからない毎日です。確かに今の生活は安定しているようにも思えますが、ケガや病気でいつ働けなくなるかもしれません。 ですから、肉体労働ではないカウンセリングの仕事を始めてみようと思うのですが、私はカウンセラーになれそうでしょうか?ネットで情報を調べたら、転職の際はできれば今の仕事を続けながらの方が安全策とのことです。私もそうしてみようと思っています。ネット中心に情報を収集しようと思っています。でも、面接などが入ってくると、就職活動に本腰を入れられないのではないか?とも感じています。思い切って退職してしまった方が、就職活動に集中できるというものなのでしょうか?よいアドバイスをもらえたら、幸いです。【するとAIより、以下の内容が助言として返答されました】ChatGPT:まず、ここまでの経緯やお気持ちを整理すると、あなたは長年製造業で働きながらも、単調で人間的なつながりを感じにくい職場環境の中、心理カウンセリングの資格を取得され、人生の新しい方向性として「カウンセラー」という道を考えておられます。背景には「このまま同じ日々が続く虚しさ」「将来への不安」「もっと意味のある時間を過ごしたい」という動機があると感じます。① カウンセラーになれる可能性結論からいうと、なれます。ただし、「資格を取った=すぐ仕事になる」わけではなく、特に心理系は実務経験やネットワークがないと、最初は仕事の場が限られます。心理カウンセラーとして活動する道はいくつかあります。・民間団体やNPOのボランティアから始める・副業としてオンライン相談(スキルシェアサイトや電話相談サービスなど)を試す・カウンセリングルームのアシスタント的な業務で現場を知る・自分のサイトやSNSで情報発信し、少しずつ信頼を積み重ねるこうした「小さく始める」方法なら、今の仕事をしながらでも可能です。② 退職か、続けながらか心理的には「一気に飛び込みたい」気持ちと、「生活を守りたい」気持ちの両方が混ざっているように思います。私から見ると、続けながらのほうが安全で、現実的に可能性が広がります。理由は3つあります。1カウンセラーの仕事はスタート時の収入が不安定で、生活基盤がある方が挑戦しやすい2転職活動中に焦りが強まると、条件の悪い職場を選びやすくなる3今の収入があることで、学びやボランティアなど「経験を積む活動」にもお金と時間を回せる③ 現実的な次のステップ案情報収集を継続→求人情報、カウンセリングの現場見学、オンライン相談サービスの仕組みなど副業・ボランティアで経験を積む→「仕事にするための経験値」を少しずつ集める活動の土台を作る→HPやSNSを立ち上げ、実績やプロフィールを整理転職タイミングは生活費の目途が立ってから→半年〜1年分の生活費を貯めたら、本格移行を検討もしよければ、次は**「カウンセラーになる」という夢に向けた不安やブレーキになっているもの**を掘り下げて、どう取り除くか一緒に整理してみませんか?これをやると、転職か続けながらかの判断が、もっとクリアになります。【チャットGPTの提案に従って、更に相談文を追加しました】あなた: 実は私には中学校時代に、苦い思い出があります。私は内気で、付き合う友人も少ない少年でした。でも私には親友のAがいました。しかし、Aのお母さんがある日急死してしまったのです。その結果、次第にAは不良になっていきました。そんなAに対して、私は親友だと言っていたにも関わらず、ちゃんと助けることはおろか、Aに誠実に向き合うことすらできませんでした。次第に不良になっていくAが恐くなって、Aから逃げてしまったんです。 そして社会人になったころ、Aがバイク事故で死んだと聞きました。暴走族まがいのことをしていたので、自業自得だと思おうとしました。ですが、もしもあのとき、Aをちゃんと助けていられたならば…という気持ちが消えることはありませんでした。 それも手伝ってか、私は余計に人にかかわることが恐くなりました。そしていつの間にか何十年も時間がたってしまったんです。このままでは、私は人と絆を作ることもできずに死んでしまいます。そんな人生なんて、空虚じゃないでしょうか?意味なんてあるのでしょうか?【追加の相談文に対して、以下に助言が追加されました)ChatGPT:あなたが今語ってくれたことは、とても重く、長い時間をかけて心の奥で抱えてきた痛みだと思います。Aさんとの出来事は、単なる「昔の思い出」ではなく、あなたの人間関係への姿勢や、自分をどう評価するかに深く影響してきたように感じます。① 当時のあなたを見直す視点中学生だったあなたには、大人のような対応力も、カウンセリングスキルもありませんでした。親友を助けたい気持ちはあったけれど、恐怖や無力感が勝ってしまうのは自然なことです。「助けられなかった=自分が悪い」という思い込みが、長年あなたを縛ってきたのかもしれません。② 罪悪感がもたらす影響Aさんの件は「未完了の体験(未解決の感情)」として残り、人との関係で「また裏切ってしまうのでは?」という不安深い関わりを避ける傾向自分の人生に意味を見いだしにくくなる感覚につながってきたように見えます。③ 意味を見いだす方向性心理学では、こうした過去の痛みを**「価値や使命に変える」**ことで、空虚感から抜け出せることがあります。あなたの場合、Aさんとの経験は「人の心に寄り添う力を持ちたい」という思いにつながっている。これはカウンセリングを学んだ動機の一部にもなっているはずです。つまり、Aさんとの物語は「過去の失敗」ではなく、「これからの使命」に転換できる可能性があります。④ 今できる小さな一歩「あの時の自分は無力だったが、今は違う」という前提で動く小規模でも、人の話を聴く場に関わる(傾聴ボランティア、オンライン相談など)Aさんへの「心の中での弔い」をして、新しい関わりを始めるもしこのままセルフカウンセリング形式で進めるなら、次のステップとして**「Aさんへの罪悪感が、今のあなたの行動をどう制限しているか」**をもう少し掘り下げてみると、前に進むヒントが出やすくなります。この掘り下げ、やってみますか?【以上で試行は完了】【考察1】まずクライエントである相談者の心情については、漏らすことなく受け止めていました。もちろん行間の気持ち、文面に表れない真の主訴などはわかるはずもありませんが、相談文にきちんと明記することができる場合、AIはきちんとそれらを受け止めてくれます。対応策の提示においても、柔軟性や現実性があるように感じました。カウンセラーになるのか、ならないのか。仕事を辞めるのか、やめないのか。認知行動療法でいうところの「白黒思考」を行うクセがあるクライエントにしたのですが、白黒思考に巻き込まれることはありませんでした。クライエントの希望の実現の可能性を現実的に把握しているように感じられました。その上で、その希望を安全に、かつ実現の可能性を高める具体的な提案がきちんとできていました。またこのクライエントは、遅めではありますが中年の危機を迎えている設定でした。そしてカウンセラーになるという、やや現実離れした目標・手段によって、自分の人生の意味の無さ・空虚さを満たそうとしている設定でした。従って、そうした自分の心の中の空虚さなどに気づくことができれば、必ずしもカウンセラーを目指す必要はなく、今の仕事を続けながらも、例えば「趣味を楽しむ。その際にできる仲間との交流を楽しむ」というような方法でも、人生の空虚さを満たせる可能性がある設定でした。この点にまで、AIがたどり着くのかどうか?※緊急で、更にもう少しセルフカウンセリングを続けることにしましょう。【以下に追加の相談文を入力しました】 Aへの罪悪感ですか。確かにAには悪いことをしたと思っています。でも私も苦しかったんです。結局親しい関係になる人など、親を除けばできませんでした。私はひどく孤独だったんです。でも、ふとしたきっかけで学んだカウンセリング。カウンセリングが行われるとき、私と相談者は気持ちと気持ちがふれあう気がするのです。治療の上の関係かもしれないけれど、人の絆を味わえるような気がしたのです。 私は残り少ない人生になって、なぜか急に、とても寂しくて孤独な人生を送っていることに気づいてしまったのです。もっと絆を味わいたい。その時、相手も癒したい。だからカウンセラーになることが、良い方法に決まっているんです。【AIからの返信です】ChatGPT:今のお話を聞いて、あなたがカウンセリングに惹かれる理由がとてもはっきり見えてきました。それは「生きるための仕事選び」というよりも、もっと深いところ――長い孤独の中で求めてきた “人との絆” を取り戻すための道として、カウンセラーを目指しているということです。① あなたが感じている「確信」Aさんの件で、人と深く関わることに恐れを持つようになったその結果、孤独が長く続いたしかしカウンセリングを学び、「安全に心を通わせる感覚」を経験できたこれこそが、自分の人生を取り戻す方法だという感覚があるこれは職業選択の動機として非常に力強いです。人は「意味のある理由」があると、困難な道でも続けられます。② ただし、この強い動機には落とし穴も心理学的には、自分の心の渇きを満たすためだけに他者を癒そうとすると、負担や燃え尽きが早く訪れることがあります。特に、クライエントとの関係が「自分の孤独を埋める手段」にもなってしまうと、境界線があいまいになりやすい。でもこれは、「動機が間違っている」ということではなく、その渇きを仕事と生活の両方でバランス良く満たす工夫が必要、というだけです。③ 次の一歩の提案安全な絆の練習の場を増やす カウンセリング以外でも、趣味や学びの場で「軽い交流」を積み重ねてみるカウンセラーの道を“並走型”で進める 今の仕事を続けつつ、小規模に実践(ボランティア・オンライン・地域活動)Aさんとの出来事を“原点”として語れる形にする 罪悪感だけでなく、「その経験が今の自分の支えになっている」という物語に書き換えるあなたの強い動機は、大きなエネルギー源です。それを「仕事だけに頼らず」「安全な形で活かす」ことができれば、カウンセラーとして長く活動できる可能性が高まります。もしよければ、このあと**Aさんとの出来事を「罪悪感の物語」から「使命の物語」に書き換えるワーク」**を一緒にやってみませんか?そうすれば、今の強い想いがさらに安定した土台になります。【以上で終了】【考察2】 このクライエントは、カウンセリングに関して勉強不足なので仕方ないのですが、一言で言うと「自分の為にカウンセリングを活用する」という姿勢を持っていました。カウンセリングの本来の目的は「カウンセリングを利用するクライエントが、自分の力を発揮し、自ら選択しながら、自分らしく生きられるように支援すること。つまり相手が幸せになるように支援すること」です。 もしも今後、話がもっと展開しても、AIが相談者の自己中心性を指摘・指導できない場合、クライエントが必要とする気づきを得られないことにつながるリスクがあります。 一方クライエントを傷つけるような表現は、全く見られませんでした。受容の姿勢としては非常に優秀です。だからこそ、AIが間違えた方向性を提案した場合。または必要となる修正に関する指摘を行わなかった場合。クライエントには有害な状況が生まれるリスクもあります。そうしたリスクを減らすためには、多分★自分からAIに対して、具体的なリスクについてどう考えるか?と質問すると良いでしょう。では最後に、AIに対して質問してみましょう。【以下の内容で質問してみました】 長々と相談につきあってもらい、ありがとうございました。でも思い出したことがあったんです。カウンセリング講座の最初の方に、カウンセリングは相手が幸せになれるように支援する行為である、と学んだ気がします。 でも、私はもしかしたら、自分がむなしくて、さびしいから。自分の人生が無意味に思えてこわかったから。だから私は、自分の気持ちを満たすためにカウンセリングを利用しようとしていたのではないか?と感じました。 私の今回の相談内容で、カウンセリングを利己的に活用しようとしている姿勢以外に、悪いと感じる姿勢、気持ちは他にありますでしょうか?ChatGPT:ありがとうございます。あなたがここまで率直に自分の気持ちを振り返って話してくださったこと、まずとても尊敬します。まず、大前提としてカウンセリングを志す動機に「自分の寂しさを癒したい」「人生の意味を見つけたい」という気持ちがあることは、ごく自然で人間らしいことです。動機の中に「利己的」な部分があること自体は、決して「悪いこと」でも「間違い」でもありません。しかし、その気持ちが問題になるのは・自分の気持ちを満たすために相手を利用してしまう危険があるとき・クライエントとの境界線が曖昧になって、自分の感情に振り回されてしまうときこうした場面で、相手に負担をかけたり、自分も燃え尽きたりするリスクが生じます。あなたの場合、今この段階で大切なのは自分の動機を正直に見つめること→今それができているので、大きな一歩です。「動機の利己性」を自覚しつつ、カウンセリング技術や倫理を学び続けること→プロとしてのスキルは、自己と他者の境界を守る力になります。自分の寂しさや空虚感は、仕事以外の生活や人間関係でも少しずつ満たす努力をすること→仕事だけに期待しすぎないことが長続きの秘訣です。他に悪い気持ちや姿勢があるか?私がここまで聞く限り、あなたは自分を厳しく責めすぎている面があると感じます。罪悪感や恐怖から自分の内面を否定しがちですが、むしろ「自分の弱さも含めて受け入れること」が、カウンセラーとしても人間としても重要です。【以上で終了】【考察3】 相談者側から、具体的に問題点があるか?と質問する。 またはほかにも悪い点・欠点があるのではないか?教えて欲しい、と要望する。そうしてはじめて、AI側も指導や修正点の提示を行ってきました。ですが、これらは相談者が1.ある程度自分の問題を冷静に理解できている2.気持ちが傷つきすぎたり、不安になりすぎずに、自分の欠点も受け入れる姿勢を持っているなどのコンディションでないと★AIのやさしさ(≒一切批判してこない、別の視点からの問題提起をしてこない)に流されて、重大な問題点・改善点を見逃すリスクも残してしまうように感じました。つまり相談者に十分なコミュニケーション力、自己理解力などがあるほど、より効果的にAIをセルフカウンセリングで使えるという面が強いと感じられました。 またAIは相談者の「カウンセラーになりたい」という話題を中心に据え続けました。本当はカウンセラーになる以外にも絆を作る方法はたくさんあるという話題にもたくさん触れてほしかったのですが、部分的にふれた程度でした。ですので、相談者(あなた)はAIが回答してくれた文面を熟読して、AIが軽く触れた部分について、自分としては大切だと感じられた場合、その気持ちや気づきを明確にAIに返答することが望ましいそうです。
2025.08.12
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ADHDを持っている・いないに限らず、全ての人は失敗するものです。そして問題が解決されない場合や大きくなってしまう場合によく生じていることは、・問題の原因をはっきり把握していない・問題の原因を解消・緩和する為の方法・工夫を知らない(考えていない)・方法や工夫を実行できていないという3つのパターンだと言えます。ADHDがある方は一般的に衝動性が高く、思ったこと・感じたことをすぐに実行に移してしまう傾向があります。しかし実はこの個性(能力)には長所と短所があります。 ADHDを有する場合、例えば迅速に専門的な役割を果たす仕事(例:外科医、看護師、弁理士、消防士、整備士、警察官)、短期的に人当たりの良さが必要となる仕事(例:営業、販売、コールセンター員)、業務サイクルが比較的に短く情熱が必要な仕事(例:アーティスト、クリエイター、ライター)、特別な知識や技術、集中力が必要な仕事(例:建築士、研究者)において、活躍しやすい※と言われています。※(杉山崇 神奈川大学人間科学部教授 1級キャリアコンサルタント 臨床心理士)※『ハーバード式 大人のADHDパーフェクトガイド』法研 しかしADHDに伴いがちな症状。例えば不注意、多動性、衝動性などがマイナスに働いて、職場やチームに溶け込む際の支障になるケースもあり得ます。繰り返しますが、それらの個性はマイナスだけでなく、プラスにも働く可能性があります。ですから本人のもつ個性・強みと、職業のニーズが合っている状態(マッチングといいます)を創り出せた場合、むしろADHDを有する人は活躍できるわけです。それでも、そうした活躍できる場が広く一般的に広まっていないのも、恐らく事実だと思われます。 ですので今回は、ADHDを有する方々が、ADHDによって足を引っ張られてきたと感じている場合、その状況を改善・修正していくための方法を助言することが目的となります。ではさっそく具体的な方法を確認していきましょう。1.「トリプル・ループ学習」的な視点をもって振り返る トリプルループとは「私の価値観や信念は何か?それはこの組織に合っていたか?」という視点で、問題が生じた状況を振り返ってみることです。上司や組織の価値観と、自分の価値観・スタイルとの“ミスマッチ”に気づくために有効です。ADHDを有する方は、得意不得意が共に極端でハッキリしている傾向があると言えます。ですからもしも就労環境が「不得意ばかりある環境」であると判明したならば、その環境を何かしら変えていく行動・工夫も大切になるわけです。職場への合理的配慮を求めたり、転職などが具体策の一例と言えましょう。2.「メタ認知」:自分の“反応パターン”を客観視してみる あなたは次のようなケースでどのように対応しましたか?「指導者の感情的な態度に、どう反応していたか?」「相手の顔色を読みすぎていた?それとも読み取るのが難しかった?」「自分の言動が、どう誤解される可能性があるか?」つまりどのような過程を経て過去に失敗したのか? あるいは、どのような過程を経て失敗しそうなのか? 双方について、具体的な場面を思い浮かべながら振り返る(想像する)のです。その際は、【いつ】どんな状況で【なにを】自分はした/言ったか【どう】相手は反応したか【どうする】それを踏まえて、今後どうするか?をワークシート的に記録(≒学習の為に振り返る)するとよいでしょう。3.自分の「トリガーパターン」を知る 「メタ認知」の視点で自分の言動を振り返る作業と、とても似ている作業になります。自分がトラブルになりやすい状況・行動のパターンを把握することが目的です。トリガーポイントをひいてしまう場面で共通して言えることは「善意での行動が誤解されやすい」点です。例えば・相手の為に!よりよい結果を求めて!話に割り込む(興奮して話しすぎる)・相手の成長や安全を願って!コミュニケーション上の表現がストレート(言い方が鋭くなる)・場の空気より「正しさ・道徳・効率性等」を優先してしまうこうした自分の他人へのかかわり方を、日頃の活動で把握するようにして、無理なく修正し続けていくことが大切でしょう。4.誤解されにくい「ソーシャル表現」を身につける ソーシャルスキルを少しずつ確実に高めていくことは、 ADHDの特性を悪く目立たせず、円滑にコミュニケーションできるようになる上で、極めて効果的です。日頃から(といっても、毎日やると大変なので、週末の1日の30分とかを振り返る時間にあてましょう)メタ認知やトリガーポイントの研究を行いながら、さらには具体的な対応方法も学び、研究して、試してみるわけです。 あなたに信頼できる人がいて、その人が一定のソーシャルスキルを持っているならば、自分の特性を踏まえ「感情的な人との関わり方」や「指示の受け止め方」をロールプレイ(要は場面を想定して寸劇してみる)することが有効でしょう。 ストレートな発言で苦労している人は、アサーションスキル等を学んでクッション言葉で包むことで、印象を随分と変えることが可能です。例えば「これは効率悪いですよ」ではなく、「これはちょっと私には難しかったのですが、このやり方の強みを教えて頂けますか?」などと言えば、あなた自身が気づかけなかった利点を把握出来たり、相手に非効率性を考える機会を与えることができうるわけです。 メタ認知やトリガーポイント研究が進むと、相手に不興を買いがちな「いつもの悪いパターンの自分の言動」がつかめてくることでしょう。そうした場合は、それら「衝突しやすい表現」を、「相手に配慮した表現」に変換する練習をするとよいでしょう。手順はまず書き換え例を10パターン程度作文して作っておきます。次に音読しながら口癖として定着させるとよいでしょう。つまり一人でロールプレイングをするわけです。しかもあなたが日頃使っているあなたらしい表現になるでしょうから、自然さが増すことも期待できます。5.適切な「自己開示」の技術を身につける この技術の目的は、自分の特性を説明し、配慮を得るとともに、お互いの信頼を築くことにあります。自己開示の際は「共感を呼ぶ形」で行うと、むしろ関係が深まりやすくなるでしょう。なお自己開示とは、自分に関する情報や感情などを相手に意図的につたえることです。【基本的なステップ①~④】①相手に誠実な面がありそうか。あなたを部分的にでも受け入れる面がありそうかを見定める。(挨拶、ちょっとした雑談への反応で判断する。最低でも一週間以上は観察する。)②上記の様子見で大丈夫そうな場合に、自分の特性を正直に伝えてみる(ADHDという障害名ではありません。あくまで「特性」です。ADHDで生まれやすい個性の部分を伝えます)③そのせいで迷惑をかける可能性があることも伝えてみる④どう配慮してもらえると助かるかを簡潔に伝える例えば次のようになるでしょう。「私は集中力の波が大きく、最初はやや空回りすることがあります。ただ、ご指摘をいただければすぐに修正しますので、お気づきのことがあれば遠慮なく教えていただけると助かります。」6.最初の「信頼貯金」の作り方 この方法の目的は、 加入後、早い段階で“感じのいい人”と思ってもらうための方法です。あたらしい組織・チームに入った際は、まずは「聴く力」と「感謝の表現」を徹底するのが最も効果的です。ADHDの方は「発信力」はあるが「聴く力」を意識的に使う必要があります。最初の3日間は、“自分の話”を2割以下に、“相手の話”を8割以上聴くことを目標にしましょう。 その後の一週間は自分の話を3割程度にあげても良いでしょう。そして最初から数えて10日間は、自分の衝動性を抑えると同時に、先ほどの5で大切になった部分「相手に誠実な面がありそうか。あなたを部分的にでも受け入れる面がありそうかを見定める。」観察の期間にもあてましょう。 相手の話を聴く為のトレーニング方法としては、聴いた内容を3点メモする習慣をつける(話の要点・感情・背景)と良いでしょう。こうすれば、自然とあなたからの発話を抑えることができます。聴いている最中に質問したくもなるでしょうが、質問は最後にまとめて行うとよいでしょう。 相手に感謝するトレーニング方法としては、例えば「○○さんのおかげで助かりました」と具体的な感謝を伝える練習をするとよいでしょう。これも一人ロールプレイングが行えます。感謝の表現を10個ぐらい考え出して(あなたらしさが出る表現が望ましい)、口に出して「さらっと自然に言える」と良いでしょう。軽く微笑むことができると、なおよいでしょう(なお無理して微笑しなくても、次第にできるようになります)7.信頼を取り戻す「リカバリー技法」を学んでおこう この方法の目的は、失敗してしまった時に、信頼を修復する方法を学ぶことです。私は冒頭でも皆様にお伝えしました。人は必ず何かしらを失敗します。それは人らしさであり、当たり前すぎることです。特にADHDの特性上、失敗や誤解はゼロにはできません。だからこそ「失敗時の対応力」が重要になるのです。「リカバリー技法」のポイントは、「言い訳」ではなく「共感」「責任」「改善」の3つの要素を入れた表現を行うことです。 では3つの要素を取り込んだ謝罪の際の具体例を確認してみましょう。「先ほどは、自分でも言いすぎたと反省しています。ご不快にさせたなら本当にすみません。今後は確認してから発言するよう気をつけます。」8.信頼できる第三者との「自己覚知」 もしもあなたに信頼できるスーパーバイザーやカウンセラーがいるのであれば、「自分を責める」のではなく「自分を知る(自己覚知)」時間を持ちましょう。彼らと共に、「私はここで何を学んだか?」「次に同じことが起きたとき、どう対応するか?」といった振り返りをおこなうわけです。それらをこなすことができたら、必ず次の成長につながることでしょう。補足:非民主的・トップダウン型組織で、あなたはどう対応していけばいいのか? 普通の組織・チームに溶け込むことでも難しいあなたにとって、もしも非民主的・極端なトップダウン型組織で活動しないといけなくなったらどうするのか。本来だったら、転職や合理的配慮の相談などによる環境変化に働きかけることが大切になります。しかしこうした組織・チームでは、いつも以上に相談などは難しくなってしまいます。そうした際に、次の3点を頭の片隅においておき、いざというときに対応策を考え出して実行する助けにして頂けたら幸いです。①上司の指示の「裏の意図」まで読む力 上司の言っていることを真に受けてはいけません。真に受けない為には、周囲の人たちがどのような姿勢で上司と接しているのか? どのような言動で業務に取り組んでいるのか? 朗らかな会話が上司とあるか? 安心感が漂っているのか?緊張感が漂っているのか? そうした「上司の言動以外の言葉にならない情報」に注目することが有効です。②自己主張と協調のバランス(アサーティブネス) 確かにその組織・チームでは自己主張はしにくく、過度に協調を求められることでしょう。しかし、どこかで「譲れない一線」を自分で設けておくことは重要です。その一線は、あなたが自分自身に対してはっきりと説明できるもので、あなたの価値観を反映したものであることが望ましく、威力も発揮することでしょう。③「反対意見」を“否定”と受け取られずに表現する工夫 こうした組織・チームでは別の意見を言うことですら、反抗的とみなされるリスクがあります。ですから、相手の機嫌を損ねない表現を日ごろから研究しておくことが大切でしょう。工夫その1:「共感・尊重」を前置きする例:「○○さんのご意見、とても勉強になりました。そのうえで、少し異なる視点をお伝えしてもよろしいでしょうか?」〇〇さんの立場や意見を尊重していることを明確に伝えることで、防御的に受け取られにくくなります。工夫その2:「“確認”や“補足”として」伝える例:「確認させていただきたい点があります」「補足の観点として、こういった可能性もあるかと思いました」 異論を対立ではなく“視野を広げる一助”として表現することで、建設的な対話になります。工夫その3:「問いかけ」の形で伝える例:「もしこういった場合には、どのように考えられるでしょうか?」意見の違いを“質問”として出すことで、否定的な印象を減らすことができます。(私はこれをよく使います)工夫その4:「立場や前提の違い」を説明する例:「私は○○という立場でお話しすることになりますので、少し違う視点かもしれませんが…」 意見の違いを「背景の違い」として提示することで、ぶつかりを和らげられます。工夫その5:「言葉を柔らかく」言い換える ストレート→柔らかい表現へ「違います」→「少し解釈が異なるかもしれません」「それはおかしいです」→「別の可能性も考えられるかもしれません」「反対です」→「他の視点から見ると、こういう見方もできると思いました」【終わりに】 今回は(も?)長い情報提供になってしまいました。こうした対策の実行では「理論と実践(実行)」が両方とも大切です。それが一番効率よく対応でき、あなたを成長させることでしょう。辛いことや大変なことも多いかもしれません。でもあなたなりに乗り越えられることを願っています。私はあなたの味方・応援者です。そして私以外に、身近に味方がいれば、あなたの困難や苦痛はさらにやわらぐことでしょう。あなたの成功と成長を願っています。
2025.08.08
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「当事者研究」ということばをご存じでしょうか?これは主に北海道の浦河べてるの家(精神障害をもつ人たちの共同体・コミュニティ)を中心に発展した、日本発のソーシャルワーク・アプローチです。当事者研究の基本的な考え方は「問題の専門家は当事者本人である」というものです。いいかえると、精神的・社会的に困難を抱える人は、他者(例:カウンセラー、ソーシャルワーカー)に分析・治療される対象ではない。自分自身でその問題を観察、分析し、共有し、工夫を重ねて困難に向き合っていく存在と自覚すること言えます。★「支援してもらう存在」から、自分自身が「研究者」「実践者」になるわけです。具体的な実践方法は、仲間や支援者との対話の中で、自分の問題(例:幻覚、不安、依存、ひきこもり等)について、研究していきます。問題の経過、きっかけ、特徴、パターン、対処法を客観的に整理していきます。その際にユーモアの精神も取り入れます。困難のある人生ですが、楽しく幸せなものにしていくという側面があるからです。そして自分の研究テーマを明確にしながら、さらに他者と交流して語っていくわけです。発表や記録、研究ノートの作成、ときには学会での発表や、書籍の発行なども行われます。「当事者研究」には代表的な言葉やスローガンがあります。◆自分の問題に自分で取り組む◆べてるの家には「治す」専門家はいません。「治る力」がある人がいます。◆悩みは宝(研究材料、人とつながる糧、自分らしさの一部、自己表現方法とできる可能性)◆弱さを絆にこうした「当事者研究」は現在、いろいろな領域に広がっています。精神障害、依存症、発達障害、ひきこもり、家族問題などの多様な分野で応用されています。以上が「当事者研究」にかんする、概要になります。そして以下に、私の考え・思いを追記していきますね。私は「当事者研究」という視点について、本当にもっともな視点だと強く感じました。それはかなり昔に気づいたある教訓を応用できたからです。その教訓とは次のようなものです。「本は確かに多くを教えてくれる素晴らしい教材です。しかし本の内容は、読者全てに向けて発信されています。ですから①一般的な内容(≒なるべく多くの人に当てはまりそうな内容) ②特定の読者層に向けた内容(≒特定から外れると学び等が少ない・無い)ものになりがちです。つまり、本の内容を全て理解はしながらも、どれを共感したり、受け止めたり、考えたりするのかは、読み手が自分自身で行う必要がある。」という教訓でした。つまり★本の内容は、全てをうのみにして実践しても、良い学びや成果があるわけではないということでした。要は自分次第の部分が必ず残るわけですね。この教訓が「当事者研究」と出会ったときに、私は「当事者研究」に強く共感したわけです。そしてもっともな方法であることを感じられたのです。自分自身について。好き嫌い、経験してきたことなど、雑多な情報が本当に膨大にあるわけです。もちろん無意識に関することなどは自覚できないかもしれませんが、それでも自分自身についてのあれこれを、世界で一番知っている存在はだれなのか? それは読者様(自分自身)ですよね。あなたに関わってくる重要な他者について。養育者たち(例:父母)だったり、パートナー(例:配偶者)だったり、親友だったり。そんな彼ら/彼女らについて、自分とかかわるときの性格、自分とかかわるときの特徴、自分とかかわってきた今までのやり取り内容などを、非常によく知っている存在。 それは読者様(自分自身)ですよね。あなたが生まれ育ってきた環境。場所や地域、経済状況、かかわった人たち、文化などが、本当に複雑に入り混じりながら、あなたの人生に影響を与えてきました。そうした複雑な状況・経緯(いままでどのように経過してきたか?)について、非常によく知っている存在。 それも読者様(自分自身)ですよね。確かに精神科医、カウンセラー、ソーシャルワーカーなどの専門家は、たくさん学んできていますし、専門性も高い人たちです。ですが専門家たちには、「当事者研究」の視点から考えると、決定的な弱点が存在します。それは「専門家たちは一般的な専門性が非常に高いだけ」という点です。あなたに限定した、あなたへの理解、あなたの重要な他者への理解、あなたが経てきた環境への理解等については、あなたより知っていることはないのです。もちろん専門性を発揮して、あなたの無意識の一部を把握して対応したり。カウンセリングで明らかになった部分から、あなたが知らない対応法を活用しながら支援したり。そういう一部の場面で、専門家があなたよりも「良く知っている」ことはありえます。当然治療、支援などで頼もしい存在になることもあります。ですが自分自身の専門家であるあなた様には、あなた自身に限った全てを理解・把握している点において、かなうはずもないのです。しかも自分自身について、専門家などの相手に対して十分に伝えることは、本当に大変で時間がかかる作業になりがちです。かつて私はカウンセリングや相談支援を受ける機会がありました。その際なるべく効率的に自分の両親(重要な他者)について、説明をしようとしてみました。しかし十分に伝えきろうとするには、本当に時間がかかりました。また不十分に伝わっている部分、相手に真意が伝わっていない部分もたくさんあったように感じられました。※それでもカウンセリング等では大切なやりとりですし、問題の解決や緩和にはとても有効です。つまり、日頃から自分自身の問題に対して「当事者」として研究しながら日々を大切に生きていく方が、問題に適切に対応できる可能性があるわけです。<まとめ>確かに専門性の高い専門家には、あなたの抱える問題を解決・緩和する支援能力があります。しかし専門家たちは、あなた限定の最高の支援者ではありません。あなたの全てを知っているわけでもありません。むしろ、あなた自身の全てについて多くを知っているのは、「当事者であるあなた」なのです。ですから今後ご自分の抱える問題や生きづらさなどの困難と向き合う際は、向き合い方の一つとして「当事者である自分も、問題を乗り越える最重要メンバーの1人なんだ!」という意識をもって対応して頂きたいと思います。きっと今まで以上に効果があがることでしょう。
2025.07.31
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介入とはクライエントに対して、何かしらの働きかけを行うことです。そして私がこの数年間、福祉施設に実習に赴き、カウンセラーとソーシャルワーカーの介入姿勢に大きな違いがあることに気づきました。きっかけは、ソーシャルワーカーがカウンセラーをひどく嫌っているケースが立て続いたことです。(約2年間の実習にて、ソーシャルワーカー指導者4名中2名が該当しました)カウンセラーを嫌っているソーシャルワーカーのお二人は、お互いに素性を全く知らない上、関係性もない方々でした。しかし、彼らの主張は非常に似通っていました。つまり一部のソーシャルワーカーには共通して持たれやすい概念だったと思われました。彼らによると、カウンセラーは言葉を無遠慮に用いて、クライエントに安直にかかわろうとする。安直とは、相手の安心を妨げたり、相手が受け入れようとするスピードを無視したり、触らないで欲しい部分について触れようとする、とする意味あいです。一部のカウンセラーはそのようにクライエントとかかわろうとしているそうです。確かに彼らの視点には、クライエントを尊重したり、リスクを高めない面では、とても説得力のある内容だと思います。第1に、カウンセリングの種類によっては、クライエントに介入的であったり、意図的に問題との直面化を図る面があるからです。認知行動療法にもその傾向があります。カウンセリングの際に、クライエントの気持ち、様子をしっかりとくみ取りながら、カウンセリングの進行自体を優先しない姿勢が大切だと思われます。第2にカウンセリングには、カウンセラーが変容を迫る側、教える側という関係性がみられることがあります。(基本的にカウンセリングでも望ましいことではありません)それに対して、ソーシャルワークは「対等な関係」「クライエント中心」を非常に重視します。第3にカウンセラーは、問題の主な原因がクライエントとかかわる環境、社会状況、社会的背景等であったとしても、クライエント(及びその家族)に原因があるとみなしすぎる傾向があります。つまり生物・心理・社会モデルを十分に踏まえたカウンセリングを行えていない傾向があるのです。先日のキャリアコンサルタント講習においても、多くのキャリアコンサルタントは初めて聞く概念だと言っていました。参加していた臨床心理士も、その視点を学んでいないという反応でした。第4にカウンセラーが用いる言葉には、ときに暴力性や操作性が感じられる点です。たとえばクライエントに対して「今あなたがお感じの考えは、歪んだ認知から生まれています」と断じた場合、その表現にはクライエントを傷つけるリスクや、カウンセラーが望ましいと思える理想像に一方的にクライエントを誘導するリスクがあるわけです。第5に問題のあるカウンセラーが少なくない点です。私はメールカウンセリングを主に、数年人のクライエントさんとかかわってきました。その相談の中で「それはひどい」と思えるようなカウンセラーの対応実例をたくさん見てきました。カウンセラーが燃え尽き症候群にかかっているのでは?と思えるようなひどいケースも複数ありました。そうした事例に出会ったクライエント(のご家族)は、ひどく傷ついているケースも少なくありませんでした。以上のように、ソーシャルワーカーたちが実際に主張するような問題点が、カウンセラーの側にある可能性は確かにあります。そうした問題提起に対して、カウンセラーは真摯に受け止めて、修正を図っていく必要があるでしょう。もちろん私も、その中に含まれます。ただし、そうした強い批判を展開した2名のソーシャルワーカーには、彼ら自身が著しい心的問題を抱えているように、強く感じられました。先日終えた実習先の指導者は、私のカウンセラー的なクライエントへのかかわりを介入だと断じ、「実習生も支援者のはしくれなのだが、あなたは自慰行為支援者※だ!」と嘲笑して断じてきました。※本当は横文字でえげつない表現「福祉にかかわる人間には、みなすねに傷を持っているものだ」とかつて寿町の指導者様が助言して下さいました。私が実習先で出会った彼らも、恐らく「大きな傷をすねに負っている方」なのだと思います。その上で最後にこう締めくくりたいと思います。我々はカウンセラーであろうと、ソーシャルワーカーであろうと、専門性が高い存在です。だからこそ、クライエントへの影響力は非常に大きなものになります。それゆえ、常に自分の言動が「本当にクライエントの幸せにつながるものなのか?」という問いを持ち続けること。そして「自分が絶対に正しいはずで、相手に自分が良いと思えることを一方的に押し付けない」という戒めを、常に心の中に持っているべきです。指導者であっても人ですから、つらいでしょうし、認めたくないのかもしれませんが、自分の心の弱さと向き合うことを忘れてはいけません。それはキャリアを積んだ状態であれば、実力や影響力が増していますから、なおのことです。たとえ解決志向アプローチ、ブリーフセラピー、認知行動療法、キャリアカウンセリングを使用して実際に介入的な言動をするとしても、それらの言動が持つリスクを自覚すべきだと私は強く思います。
2025.07.22
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福祉実習先においては、トップダウンで抑圧的な組織に配属されることが少なくありません。加えて実習における合否を決定する指導者側と、弱みを握られる実習生という上下関係が生まれる為、実習生が指導者からパワハラを含む人格攻撃を受けることもありますし、現場で散見されるとのことです。こうした状況は、トップダウン的管理が強い企業にもよく見られます。もしも実習生のあなたがこうした十種先に派遣されることが決まった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。それについて今回情報提供したいと思います。なお本記事は、ChatGPTを参照した上で製作致しました。ADHD等の発達障害等を抱えるなど、実習先で十分にソーシャルスキルを発揮できない場合、実習期間への適応は困難になることが考えられます。例えばかりに読者のあなたにADHDがある場合、次のような問題を感じやすいことでしょう。①集中力の持続の困難②不注意によるケアレスミス③感情的反応を受けやすい環境での過剰なストレス反応④優先順位づけの難しさや予定管理の混乱これらが実習の場面や対人関係の摩擦に影響している可能性がありえることでしょう。このような背景がある中で、感情的・不適切な指導者からの対応を受けると、さらにストレスが大きくなるのは当然のことです。「自分が悪いのかもしれない」「不適切な反応を招いてしまったのでは」と自己責任的に感じやすいのも、ADHDの特性やこれまでの経験(例:新入社員として就労した先で、仲間としてなじめずに苦労した)に由来していることも少なくありません。① あなたの特性は「弱み」ではなく「個性」です社会福祉や臨床心理の分野では、むしろ多様な認知スタイルを持つ支援者が増えることが大切です。例えばADHD的特性は、「多動性」や「注意の散漫さ」だけでなく、「情熱」「観察力」「柔軟な発想」といったポジティブな面もあります。② 不適切な指導は、あなたの責任ではありませんたとえ支援者側が未熟な点や特性を抱えていたとしても、それを理由に人格を傷つけるような指導は正当化されません。(例:「実習生も支援者のはしくれなのだが、あなたは自慰行為的な支援者ですね!自己満足をする為にやっているだけですね!」と嘲笑※して、実習生側の考えを傾聴せずに決めつけて発現する)。やはり指導者には「適切に伝える責任」があると言えるでしょう。※事実は外来語での表現でしたが、楽天ブログの規定に反する為に「自慰行為的」としてあります。③担任やグーグルマップの評価欄などから、情報を収集しておくかりにあなたの実習先が、パワハラが行われる組織であったとしても、事前の情報把握や準備(例:ソーシャルスキルを再確認しておく)を十分に行うことで、脅威は低減できることでしょう。その為にも、事前の情報収集・事前準備は有効だと言えるでしょう。もしかしたらあなたは、日頃の努力の成果が出てきている結果、「場の空気」(少なくとも違和感)は感じられるようになっているのかもしれません。そして、それに「どう対応するか」にまだ迷いがある状態(ソーシャルスキルの発揮が不十分)なのかもしれません。相手の真意を読み違え、誤解や緊張が生まれるケースは十分にありえます。 こうした課題への対応策として、以下のような対応策が考えられます。① メタ認知(自分の思考や感情のプロセスを俯瞰)を強化するたとえば場の空気を読んだときに、それを即「事実」と捉えるのではなく、「今、私はこう感じた。けれどこれは相手の真意とは限らない」「ここで反応する前に、一呼吸おいて他の可能性を考えてみよう」というように、自分の感情や思考を“ひとつ外側から観察する習慣”をつけると、対人誤解を減らしやすくなります。(具体的方法の候補)・毎日の出来事を【事実/感情/解釈】に分けて記録する(いわゆるCBTの日誌形式)・週1回の「振り返り時間」を設け、自分の解釈が妥当だったか再確認する② 「確認する勇気」を持つ(アサーティブ・コミュニケーション)誤解を減らすには、「空気だけでなく、言葉で確かめる」ことも有効です。例:「先ほどのご指摘、私は○○という意味で受け取ったのですが、もし違っていたら教えていただけますか?」「Iメッセージ」を活用したこのような言い方は、攻撃的でも受け身でもなく、「自己主張と他者尊重のバランス」を取るアサーティブな方法です。(アサーティブな伝え方の練習方法)<期間:2~4週間程度>目的:反応を「自己主張+尊重」の形に修正する力をつける◆よくある場面を想定した定型文フレーズをつくっておく - 「確認させていただきたいのですが…」 - 「少し考えてから返事させてください」 - 「私はこう受け取ったのですが、合っているでしょうか?」◆ 実際の職場・実習で「使える場面が来たら使ってみる」小さな実験◆ 使った後に、日誌に「どう感じたか」「相手の反応は?」を記録③ 「即応」ではなく「反応の猶予時間」をつくるADHD特性を持つ方は、場にいるときに過剰に即応しようとしがちです。特に空気を感じた時に「何か言わなければ」「謝らなければ」と焦る傾向があります。その際には、「一度持ち帰って考える」→「後から確認・対応する」というスタンスも選択肢です。その場で無理に結論を出さず、1日後などに冷静に対応する習慣をつけるわけです。④ 信頼できる他者とのフィードバック関係を育てる実習中でも、客観的な助言をくれる実習担当者や学校教員、あるいは同じ志を持つ仲間に定期的に状況を話すことで、自分の「解釈の癖」や「反応のズレ」に気づくきっかけになります。また従来培ってきた人間関係の中におけるスーパーバイザーやメンターを健全に頼ることは有効です。他者からのフィードバック環境づくりを目指す目的:自分だけの視点に頼らず、外部の鏡で見直す力をつける・信頼できる実習担当、上司、メンターに「今の対応どうでしたか?」と聞いてみる → 1回/週を目標に・自分がミスしたときに「どう伝えたら誤解が減るか?」を一緒に考えてもらう・就労移行支援/発達障害支援センターなどの対人支援プログラム(SSTなど)にも可能なら参加⑤反応のズレや思い込みのパターンに気づく土台をつくる<期間:3カ月程度> CBT式の「コラム法」を活用して、自分の反応を「事実」「解釈」「感情」に分けて記録する。つまり認知行動療法を実践し続ける自主的な訓練を行う。その際は週末に1回振り返る。 「自分の解釈は妥当だったか?」「他の見方はできるか?」と確認する習慣づけることも有効です。また「自分が誤解しやすい状況TOP3」「反応しすぎた場面」などを把握しておくことも有効です。⑥反応の「待ち時間」をつくる目的:即反応によるミスや誤解を減らす・ 気まずさや焦りを感じた場面で「1分間深呼吸→一度黙る」を練習 →「今すぐ答えなくていい」「あとで返しても大丈夫」と自分に言い聞かせる・困った場面では「その場で結論を出さない選択肢」を持つ → 例:「この件、いったん整理してまた共有しますね」⑦「感情」と「行動」を分けて捉える上司や権力者の態度や指示に対して「心の中で感じる違和感やストレス」は自由に持って良いです。しかし、行動としては組織のルールや役割に沿うことに注力し、感情的に反応しない工夫をしてみることです。例:「理不尽に感じるけど、ここではまずは指示通り動こう」 →感情は自分の中で吐き出す(信頼できる人に話す、メモに書くなど)⑧「最低限守るべき行動基準」を明確にしておく自主性を発揮しづらい環境では、組織のルールや暗黙の了解をまず守ることが最重要です。 例:言葉遣い、服装、時間厳守、報連相のフォーマットなど この「守るべき基準」を理解し、ミスなく守ることに注力すると、余計な摩擦を減らせます。⑨「観察と模倣」を段階的・計画的に行う周囲の人の言動や反応を、まずは客観的に観察し、何が「良し」とされているかを意識的に記録します。その中から、影響力のある人や長くいる人の行動パターンを真似る(模倣)とよいでしょう。模倣は「丸パクリ」ではなく、「自分らしく安全に適応するための学習」と捉えつつ、あなたの個性もほんの少し加えることで、自然な対応に見られやすくなるでしょう。⑩ 「謙虚さ」「従順さ」はパフォーマンスの一つの戦略と考える謙虚や従順は「弱さ」ではなく、組織の中で生き抜くための社会的スキルです。ただし、自己肯定感を保ちつつ使い分けることが重要です。外面と内面のバランスを保ち、「心の中は違っても、表面は適切に振る舞う」ことが大切です。⑪「権力者への迎合」は節度を持って使う過度なへつらいは自尊心を傷つけるので避ける方が望ましいと言えます。しかし、相手の「喜ぶポイント」や「関心事」を理解し、会話の中でさりげなく触れるなど「心理的距離を縮める工夫」は(残念ながら)有効です。⑫「自分の領域(譲れない線)」を見極める適応と迎合は違います。心身に深刻なストレスや不正が起きる場合は、 →第三者に相談する、環境を変える検討も必要となることでしょう。⑬ストレスマネジメントをしっかり行う環境に適応することは、精神的負荷が大きいので、コーピング、レジリエンス向上、リラクゼーション法の実行、趣味を楽しむ、相談先確保などでオフを大事にするとよいでしょう。また基礎体力を日ごろからあげておくことも、ストレスコーピング上非常に有利になります。心と体はつながっています。【まとめ】もしもあなたが適切に振る舞ったとしても、指導者側・実習施設側に問題がある場合、あなたは苦労するかもしれません。福祉の実践には強いストレスが発生します。その環境が彼らにそうした言動をさせやすいという背景があります。また心の問題や福祉に携わる人は、そのほとんどが「自分自身に何かしらの心的な問題を抱えていたり、いわゆる「脛に傷を負っている」方がとても多いです。その上、もしかしたらあなたには、発達障害などの問題があるのかもしれません。例えば「空気を読めるようになったが、それに適切に反応できない」「相手の真意を読み違えることがある」という点は、実はADHD特性を持つ多くの方が経験している共通の課題です。でも、それは「努力しても改善しない壁」ではなく、段階的な行動の積み重ねで十分に「適応スキル」として育てていける分野です。この実習を契機として、更にクライエントに役立てる人間へとあなた様が成長されることを、切に願っています。
2025.07.18
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従来心理学や精神医学ばかりを学んできた私が、ソーシャルワークを学んで一番役立っていること。それは☆環境も人に非常に大きな影響を与えるという気づきでした。そんな環境ですが、実は私たちはその影響を気づいたり、俯瞰(ふかん)したり、感じることが難しいようです。 なぜこうしたことが起きるのでしょうか? それは私たちの多くにとって、環境は毎日当たり前のように生じたり、存在している、とても慣れ親しんだもの・状態になっているからです。 人はいつもと違ったり、目だつようなもの・存在に対しては、比較的気づきやすい特徴を持っています。(それでも気づかない場合もたくさんあります)また自分の安全をおびやかすと感じるようなものに対しても、比較的気づきやすい特徴をもっていることでしょう。 しかし、そうしたいつもとちがう変化や、安全をおびやかすものでさえも、人間の「慣れる」能力、いつもと同じように過ごそうとする能力(ホメオスタシス)などが影響すると、気づきにくくなるように私には思えています。 なお2025/7/14時点で、チャットGPTを使用して調査した所、以下の返答が返ってきました。 1. 慣れ(習慣化 / 順応)同じ刺激に繰り返しさらされると、感度が鈍くなる性質があります。例:電車の騒音、部屋のにおい、オフィスの不便な動線など。「それが普通」だと無意識に思い込んでしまうため、問題として認識されにくくなります。 2. ホメオスタシス(恒常性維持機能)これは身体や精神の状態を一定に保とうとする生体の仕組みです。例えば、生活が多少不便でも「今の状態を維持したい」という無意識の働きが、問題点への対応を鈍らせます。変化や改善にはエネルギーが必要なので、無意識に回避する傾向も生まれます。3 . 認知バイアスいくつかの典型例を挙げます:確証バイアス:自分の考えに合う情報だけを見て、それ以外を無視する傾向。現状維持バイアス:変化よりも今のままを好む傾向。正常性バイアス:「たいしたことではない」と過小評価する傾向(災害時にもよく問題になります)。 4. 注意資源の有限性(注意の盲点)※(いわゆる選択的知覚)人間の注意力や意識の容量には限りがあります。常にすべての情報を処理しているわけではなく、「重要そうなものだけに注意を向ける」ことで、省エネルギーに動いています。その結果、「当たり前の不便さ」や「慢性的な小さなストレス」に気づかないことがあります。 5. 集団の同調圧力 / 社会的規範周囲の人も同じように気づいていないと、「これは問題ではない」と判断してしまう傾向があります。職場や家庭など、共同体の空気や慣習に従いやすい心理です。 6. 学習性無力感(Learned Helplessness)問題に何度もぶつかり、「どうせ変わらない」と思い込むと、気づこうとする意欲自体が薄れてしまうことがあります。 今まで理論的な内容をざっと説明してきましたが、では実際にどのようなことが起きうるのでしょうか?私の実例3つを紹介したいと思います。【実例1:正しいはずの自分が、相手をよくしてあげようと思いこむ】 この考え方は、医師などの医療従事者や、カウンセラーや福祉従事者などの対人支援職の人にとても多く観られるものだそうです。そうした方々は今まで、人よりも多くの学習やトレーニングを行ってきています。また自分が学んだ学習内容が「(絶対に)正しいものである」と強く感じるようになります。ですから、いつのまにかその人たちは、相手は間違っている存在だと思い込むようになるのです。【実例2:日頃の職場の環境の影響】 私の職場は、現在あらゆる問題を基本的に一人で対応しなければならない環境にあります。また従来も、同僚などからのサポートが受けにくい労働環境で働いてきました。するといつのまにか「なんでも自分で解決してしまおう!」という姿勢・考え方が身についてしまっていました。確かにその姿勢は、勤勉で能力が高い人などにとってはなおさら効果的、信頼性が高い面があるかもしれません。一方その姿勢は、周囲の人から「私たちは軽くみられている、必要とされていない」などと感じさせてしまうリスクなどがあります。その結果、チームプレイの障害になってしまうことでしょう。【実例3:プライベート環境の影響】 私は長年、両親の介護・支援を行ってきました。私はプロなので、そうしたケアが通常よりも効果的にできますし、また介護保険の支援等の社会資源等をなるべく使うようにしてきました。そうとはいえ、やはり介護は基本的に自分が集中的に負担するものになっていました。自分でどうにかしていかないといけない、というわけです。 この状況、実に実例2で紹介した職場環境ともつながっていますね。その結果、個人プレイ重視になってしまいがちになります。しかも親の言動は基本的に「効率上は悪いことが多い」「理不尽なことが多い」為に、私はいつの間にか自分の負担をなるべく小さくする為に効率的な対応を心がけるようになってしまいました。つまり「相手らしさを認めない」「相手の話をきかない」「良いと思える方法を一方的に押し付ける」という自分の姿勢につながってしまったのでした。 このように、日頃の生活の仕方、人生の過ごし方といった全てが生み出す「環境」が、いつの間にか人の生き方や考え方に影響するのか。おわかりいただけのではないでしょうか。 ここからが本題ですね。ではどうすれば私たちは、そうした生活環境の影響に気づくことができるのでしょうか?1.幼少期からの自分を振り返る 時間がある方におすすめなのは、幼少期からの自分を振り返ることです。人の考え方の多くは、幼少期から青年にかけての経験・学習に大きく影響されます。ですから、特に養育者とどのように関係性をもってきたのか。育った場所にどんな偏りがあったのか。(例「絶対に高学歴になりなさい」「勉強なんてしても無駄だ。必ず手に職をつけろ」)そうしたことを振り返るとよいと思います。就職活動でよく使われる自己理解シートなどを使うと効率がよいかもしれません。2.心理検査を利用する 信頼性の高い心理検査は、とても効率的に自己覚知の一助になります。・エゴグラム・エニアグラム・BIG FIVE・YG検査 例えばこうした検査があります。また職業興味検査(VPI)もかなり役立つことでしょう。VPIはハローワークなどで無料で行えるかもしれません。(昔はできましたが…)3.カウンセリング・キャリアコンサルティングを受ける ただし全てをカウンセリング内で把握することは、とても高い費用が必要となります。また長期間に渡る作業にもなりやすくなります。自分で考えたり分析したりする課題を適切に出してくれるカウンセラーが望ましいです。4.グループワークを開催・参加してみる あなたが学生などで、お互いに対等で目標を一致させたグループを形成しやすい環境にいる場合は、グループワークを行ってみるのも効果的です。グループワークの進行プロセスは次のようになります。①(なるべく)誠実に自分の特徴を発表するようにする。また相互の秘密は守るようにする。②自分で自分をなるべく詳しく分析してみる。③それを1人ずつ発表し、それに対して相手が気づいていない部分、相手と反対の意見などを伝える④以上をグループメンバー全員行う。※以上は「ジョハリの窓」を理論ベースとしています。※ファシリテーターとして、教職員に協力を得る方がとても安心できるかもしれません。5.自己理解を促進するセミナー・勉強会に参加する これは開催組織がまともであるかどうか?=信頼できて、効果も期待できるか? がとても大きく英虚数る選択肢だと強く感じます。実際私が今自信をもって紹介できる組織はありません。あなたが学生であれば、大学のキャリアセンターに。または公的な就労支援機関(例:東京都ならとうきょう仕事センター)などに問い合わせて、紹介された組織に。そうした所であれば、信頼性は高まるかもしれません。 対人支援職の人間は、人様に関わり続けようとする限り、こうした自己覚知・自己理解を継続的にずっと行う必要があります。みなさまはそこまでする必要はありませんし、忙しさなどで実行は難しいかもしれません。しかし、就職活動をはじめとする人生の重大イベントや、とても苦しい人生の逆境の場面で、この作業を行うことは、あなたの助けになる可能性がとても高いことでしょう。応援しています!
2025.07.04
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まじめさは、多くの人が持っている性格(特徴)の1つです。外国人と比べると、日本人はまじめな人が多い傾向があるそうです。そういう文化なのかもしれません。まじめさに限らず、人の性格には長所・短所という二面性があります。長所と短所を併せ持っているのです。今回は「まじめさ」が持ちやすい、長所と短所を確認した上で、まじめさ特有の短所が抱える問題点とそれに対応する改善方法について、お伝えしたいと思います。まず「まじめ」という言葉の意味を再確認しておきましょう。『コトバンク』では、「まじめ」は次のように解説されていました。1 うそやいいかげんなところがなく、真剣であること。本気であること。また、そのさま。「真面目な顔」「真面目に話をする」2 真心のあること。誠実であること。また、そのさま。「真面目な人柄」「真面目に暮らす」この説明にすでにいくつか、長所と言われる部分が載っていますね それらも含めて確認してみましょう。【長所の例】1.嘘が無いので、信頼されやすい。2.いい加減に行わずにしっかりやるので、信用されやすい。3.真剣に行う為、目標達成などが行われやすい。高い成果を求めやすい。4.誠実なので、信頼されやすい。5.言われたことなどを忠実に実行する傾向にあるので、信用されやすい。6.(余計なことをやらずに)本気で言動できる。たとえばこのような強みがありそうですね。キーワードとなる部分(≒核となる部分)は、「信頼されやすい」「しっかり結果を残しやすい」「高い成果などを期待しやすい」などがあると言えそうです。では今度は短所について確認していきましょう。【短所の例】1.余裕がない傾向が強いので、冗談を言うなどの感情交流がしにくい。2.余裕がない状況でも頑張るので、本人・周囲とも疲れやすい。3.不器用なので、適切なペース配分を苦手とする。それも本人疲労につながりうる。4.柔軟な対応ができないので、応用が利かない。臨機応変が苦手。5.人の本音をつかむのが苦手。6.目標が高い上に、完璧主義傾向がある。7.自分で責任を背負い、自力で解決しようとする。たとえばこのような弱みがあるようですね。キーワードとなる部分は、「余裕がない」「疲れやすい」「柔軟でないので応用がきかない」「頑張りすぎる」「視野が狭くなる」などがありそうです。この二面性すなわち「長所と短所が対応しながら、必ず双方存在してしまう性質」は、「まじめさ」に限らず、全ての性格と言われる要素にあるものです。ですから次のような方法を実行しても、恐らくその方法はうまくいかないことでしょう。その方法とは★まじめさの長所だけを活用して、短所を全て解消する。という方法です。繰り返しますが、まじめさの短所は長所の裏返しなわけです。つまり短所を消そうとすれば、長所も自然と消滅してしまうわけです。ではまじめさに伴う短所について、どう対応していけばよいのでしょうか?1.短所を全て改善・緩和(やわらげること)しようとしない一時的にまじめでなくなる方法が必要である点について、後述します。ですが大前提として、短所を全て改善(又は緩和)しようなどとは、思わない方が良いです。まじめさが消えてしまうからです。2.まじめさに伴う短所(以後「短所」と表記)は、必要な分だけ解消を試みる基本的に短所は解消できません。そうすれば長所も消えてしまいましたね。ところが、私たち現代人は人工的な状況。人々の意図が絡んだり、役割を遂行する場面に出くわすことが良くあります。たとえば大会に出場した生徒たちがとても緊張している場合。そんな場面では、日頃あまり冗談を言わないような教師が、意図的におどけて場を和ます方が望ましい場合があります。つまり☆一時的にまじめさを捨て去る必要がある場面では、意図的にふまじめになるわけですね。これはソーシャルスキルと言い換えることもできるでしょう。3.まじめに「まじめでないほうが行いやすいスキル」を身につけて発揮する一番わかりやすい例は、とてもまじめな漫才師かもしれません。例えばオール巨人師匠などは、おもろい漫才をやりはりますが、あんな超大ベテランにもかかわらず、未だにステージに立つときは緊張されると聞きました。根が超まじめで(しかも怖い)人でも、あのようなおもしろい漫才をできるというスキルを、彼は習得して実践し続けたわけです。4.改めて「まじめさ」が自分らしさであることを受け入れて、否定的に思わないようにするまじめさをむしろ悪いと感じる人は、まじめに「まじめの悪い部分」ばかりに焦点をあてて、その解消に向けて努力しようとしてしまいます。ですからそもそも「まじめであることは悪いことだ。悪い問題をたくさん生む」という歪んだ自己理解を変えることが効果的です。要は☆まじめな自分を好きになることです。すると、絶対にまじめさが持つ悪い部分を直さねばならない!という非現実的な考え(イラショナルビリーフといいます)が減る事でしょう。そして、生きやすくなるために、又は役割を果たすために、といった目的の際にだけ、効果的に改善等ができるようになることでしょう。まじめな部分の良さについては、みなさまがそれぞれに研究してみてはいかがでしょうか?ネットで調べたり、自分で考えたり、人に聞いたり。いろいろな方法があると思います。もちろん私が先ほど例出した内容も当てはまりますが、もっとたくさんあるはずです。【まとめ】かりにあなたがまじめな人柄の方である場合、あなたの最大の武器は「まじめな人柄」になるわけです。人柄における武器は、人それぞれです。それでいいのです。あなたの武器は「まじめさ」である。それを受けいけることができたら、自信が高まる上、効果も高まります。あなたの良さ(強み)だったり、あなたの役割遂行を邪魔しそうな短所を、部分的に(一時的に)解消したり、やわらげたりしながら、さらに自分の強みも磨いていきましょう。成長し続けるという強みは、真面目な人が取り組みやすい目標です。そして幸いなことに、あなたはまじめだったのです。さぁ!新たなステップ・ステージへと成長していきましょう!
2025.07.02
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人は何かをとらえるためには、自分流に「まとめて」とらえたり、「イメージ」してとらえようとします。人には、全てをとらえる能力がないからです。まず私たちは生物として、全てをとらえる能力がありません。例えば私たちのまわりには赤外線という光線が飛び交っています。しかし私たちはそれをとらえることができません。それに加えて、私たちは楽に効率よく生きようとするように作られています。ところが、もしも私たちが生理的限界(≒生き物としてできる全てを行う状態)まで、全てをとらえようとすると、すぐに頭が疲れすぎたり、混乱したり、エネルギーがなくなってしまうことでしょう。つまり私たちは自然と(時に意図的に)、自分が効率よく楽に生きられるように、自分でとらえるものを選びながら生きているのです。これは私たちを生きやすくするために必須の能力です。たとえば「カクテルパーティー効果」という特徴(≒の鵜力)を人は発揮できます。パーティーの中では、いろいろな人が様々な会話をしています。そんな騒がしい中、あなたは関心がある相手・コミュニケーションをとっている相手の会話だけを、はっきりと聞き取ることができます。全てではなく、自分がとらえたいものだけを選んで、とらえようとしているわけです。※参照「カクテルパーティー効果」(マイナビニュース)このように私たちには、そもそも「思い込む」ことを自然と行う特徴があるのです。思い込むことができなければ、恐らく日常生活を送ることができないでしょうし、生き続けることも難しいことでしょう。私たちが生きやすくなるように発揮されるこの能力(まとめて捉える、イメージして捉える)ですが、一方私たちをむしろ生きづらくする可能性も有しています。それは思い込みによって、現実からはなれてしまい、現実的な把握・対応ができなくなりうるという欠点です。例えば、就職活動で自分をなるべく現実的に理解する必要がある場合。また心理的問題の解消を図ろうとして、自分自身の現状や本音を含んだ心理状態を把握する必要がある場合。こうした場面では、客観視して現実的な(適応的な)分析・選択などを行う必要性が高まります。たとえば就職活動では、いまだに「マッチング理論」がとても機能しています。求職者(応募する人)と募集者(企業など)のニーズがマッチ(合致)することで、採用・採用後の活躍の双方をより期待できるという理論です。特に求職者側は、自分のことを十分に理解しておくことが効果的になります。なぜなら、内定を得られやすい企業を選択しやすくなるからです。十分な自己理解とは、自分の本音、価値観、能力、スキル、実務経験、健康状態、家族等の周囲の環境などを理解することです。その際、自分の能力や実務経験などを、現実的に捉えることができなければ、応募書類が通らないだけでなく、仮に面接に進めても、合格する確率は低くなってしまいます。(相手が極端な人材不足になっていたり、最初から使い捨てを意図するような企業であれば、関係なく採用されやすいでしょうが)また心理的問題を解消する場面。たとえば自分に対するイメージを変える課題に取り組もうとする場合、あらためて自分の短所・欠点だけでなく、長所・強みも把握できなければ、課題をこなすことができません。以上のように、時と場合によっては、意図的に客観的に人やものごと等を把握することが必要となるわけです。そうとはいっても、最初はなかなかそうした思い込みを直すことは難しいかもしれません。そもそも自分が思い込みが多いことに、気づけなかったり、認められない人も多いかもしれません。しかし、最初から十分に客観視することができる人など殆どいません。ですから、安心して、気楽に、しかし一歩ずつ取り組んで頂きたいと思います。【対応策】1.有効だと言われている各種方法を使って、実際に自己理解などの作業を取り組んでみる。たとえば以前ご紹介した「メリット・デメリット表作成」「SWOT分析」がありますが、すでに方法として広く紹介されているやり方を実行するとよいでしょう。客観的に、多面的に考える感覚もすこしずつみにつけられるかもしれません。上記の2つ以外にも、いろいろな方法があります。2.他人と交流してみるとても有効な方法です。相手があなたと価値観の交流などをするほど親しくない人であっても、交流する中で「あの人にはあんなクセがある。私はどうだろうか?」などの気づきを得られるかもしれません。もちろん、価値観や意見の交換などができる相手であれば、自分で気づくだけでなく、相手から指摘・助言してもらえることも多いことでしょう。3.いろいろな経験をしてみる経験する人、場面、場所、国等… 幅広く経験してみることは、視点を客観的かつ多面的(≒多角的)に持てるようにつながりやすくなります。もしもあなたが人(自分自身や他人)のことを思い込まずにとらえたいと思うのであれば、かなりの人が共通して経験するであろうことを一通り経験しておくと良いでしょう。たとえば、受験する、友達を作る、けんかする、恋人ができる、結婚する、就職する、退職する等。もちろん自分で全ての経験をすることはできませんので、自分ができなかった経験は、それを経験した人の話をきいたり、関連する本を読むなどをすれば補うことができるでしょう。4.不安から生じる自信が生み出す思い込みに注意する基本的に全ての人間には不安があります。そうした不安を解消するために、わざと現実的に把握・検討する過程を飛ばして(やらないで)、「〇〇は××である!(そうにちがいない!)」と感じようとする場合があります。これは大なり小なり、全ての人に観られることでしょう。ただし、この不安から生じる思い込みの発生割合が多かったり、事実のねじ曲げの度合いが大きかったりすると、その人自身にも周囲の人にも大きな負担がかかりがちになることでしょう。こうした場合は、認知行動療法などで不安(を生み出す自分)そのものに、治療・訓練的にかかわる方が良いでしょう。特に長い目で見れば、そのほうがおすすめです。他にも方法はたくさんあると思います。またこの記事を読んでくださっているあなたにとって、取り組みやすいか? 理解しやすいか? という点も重要です。自分の思い込みを修正する能力を高めて、必要な時に発揮して、問題解決や目標達成の助けにしていけるように、あなた様が成長されることを応援しています。
2025.07.02
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時期:12月初旬の日曜日に訪問。トイレ:複数あり。駐車場:2か所あり(公園内・公園至近)無料。入場料:無料かなりの迫力のある滝である。これが住宅街にあるというのだから、富士山系の水量と水の美しさには驚かされるばかりである。公園内に存在しており、公園には他にも歴史的価値のある古民家。吊り橋。水辺で遊べる場所。案内所(パンフレット等を入手可能。お土産も買える)。等を備えている。これで無料というのだから、脱帽である。駐車場は公園内のものをお勧めします。入れそうにないと感じても、ちゃんと入れます。2か所目として、至近に別の無料駐車場もありますが。(国道254号からアクセスして、公園入口を通り過ぎてすぐ)
2025.06.06
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時期:12月初旬の日曜日に訪問。トイレ:あり。(ウォシュレットあり。駐車場:有料200円あり。入場料:無し。富士山が生み出す綺麗な水が生み出した、美しい水の景色が多数楽しめる公園である。ポイントがいくつかある。まず八ツ橋についてだが、橋自体が見どころなのではない。そこを歩いて楽しめる風景が絶景である点である。(大小2つ並ぶ元井戸の湧き水ポイントなど)次に展望台へのアクセスの階段だが、少し高低差があるのだが、非常に手すりが整備されている上、階段の高さ(蹴上げ)がかなり低めに抑えられている為、高齢者でも上り下りが十分可能である。第1展望台からは、極上の川の流れを楽しむことができる。第2展望台には、かの有名な青の湧き水井戸があるのだが、結論を言うと「恐らく夏場の晴天時に来た方がよいだろう」と言える。なぜなら、太陽の角度が夏場でないと恐らく直上から降り注ぐ状態になりにくいため、太陽光の美しさが追加されないからである。太陽光がないにも関わらず、これだけ美しいのだから、夏場のベストに訪問した場合の美しさは、想像できないほとである。
2025.06.06
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