おもしろき こともなき世を おもしろく
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龍となれ 雲おのずと来たる 武者小路実篤武者小路実篤は「一個の人間」「もう一息」に続き3度目の登場。作家として名を成した実篤だったが、若い頃から美術への関心が深く、美術に関する著作も数多く残している。40歳頃からは自ら絵筆をとるようになった。元々絵描きではないので、技術的には決して巧みなものではないのだろうが、一筆一筆を愚直に描いていて、その技巧的ではない、飾らない絵は温かみに溢れている。身の回りにあるもの、特に南瓜とジャガイモ等の野菜の絵が多いようだ。言葉を本業とする作家なだけに賛を添える事も多かったようだ。賛とは絵の余白に書き添えた文章または詩歌のことをいうらしい。本来は人物の事跡を述べて賞揚する中国文学の一形式だったものが、絵画にいれる習慣が一般化したもので、この絵画に入れるものが画賛。絵の作者とは別の人物が賛を付けるのが普通で、画も賛も同一人物が記したものを「自画賛」という。 これが自画自賛の由来となったようだ。今日の言葉は実篤が画賛としてよく書いていた言葉。龍といえば雲というぐらい、龍の絵には雲が描かれている。雲を呼び雨を降らすといわれる伝説の所為かもしれない。古(いにしえ)の時代、農業がすべてだった時には雨が降らないことは死活問題であり、その雨を呼ぶ龍は、恵みをもたらす偉大な存在だったのだろう。そうしてみると雲は、その偉大さの象徴なのかもしれない。逆に雲の助けのおかげで龍は天を駆けることができるとも考えられていたようだ。この時、雲がないから天を駆けることができないと思うのではなく、龍になってしまえば、雲は自然にやって来る、ということだろう。雲は“徳”をあらわしているともいわれる。何か行動を起こそうとするときに、何なにが無いからできないではなく、行動していけばそういったものが近くに来る、ともとれる。頑張って何かを一生懸命やっている人には、自然と支持者・応援者が現れ、応援してくれることが多い。この人たちが雲なのかもしれない。新年度となり、新たな旅立ちをした方々も多いと思う。是非、まずは龍になってもらいたい。龍となれ。 雲おのずと来たる。 このブログ長々とやっているが、昨年の4/1にこの形式にして復活してから丸一年。ご訪問くださるみなさまのおかげ様で続けられました。ありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします!
2011.04.02
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