そして今日も日は過ぎる

2004/01/23
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 少し真面目に逆転裁判の人々の罪責について検討したいと思います。

第三話の真犯人
死体遺棄の共同正犯・強盗未遂・証拠隠滅教唆・偽証・偽証教唆
 議論の余地なし。これだけです。
 ○○○○を○○○○して死に至らしめた行為は、傷害致死罪の構成要件に該当しますが、正当防衛(刑法36条)であり、違法性が阻却されるからです。傷害致死罪は成立しないのですわ。
 死体遺棄・偽証教唆は言わずもがな、強盗未遂はプロを使って証拠品を取得しようとした行為、証拠隠滅は自己の犯罪事実に関する証拠を隠滅することは罰せられていないものの○○に隠滅させた行為は教唆として罰せられます。正犯にならないのに教唆罪が成立するのは確定した判例であります。

第四話の依頼人
無罪
 当たり前のように思われるかもしれませんが、ここでは○○○○を投げた結果○○○を傷害した点について検討します。
 前提として、犯罪が成立する為の要件を留意しておきましょう。 構成要件に該当し違法であり有責の行為がなされた場合 に成立します。
 まず構成要件該当性。これを分析すると 『行為』があり『結果』が生じ、行為と結果との間に『因果関係』が存在するという客観面 主観面(故意または説によっては過失)
 まず、依頼人の行為ですが○○○○を投げつける行為をどう判断すべきか。暴行?過失致傷?
 ここでは依頼人は、○を助ける為に投げているので、○○○○を○○に当てる故意を有して有形力を行使しているわけですから、暴行罪(208条)に該当する『行為』を行っています。
 しかる生じた結果は○○○に対する傷害。そして傷害罪は暴行罪の結果的加重犯でもあります(と解します。判例に同旨)し、行為と結果との間に相当因果関係も存在しますので、構成要件該当性の客観面は『傷害罪(204条)』に該当します。
 続いて主観面。これはちょっと複雑な問題点になりますが、依頼人は○○を暴行しようとして、その結果が○○○に生じてしまっています。ここで問題になるのは 故意の対象と個数 です。
 果たして、故意というものは当該『人』を暴行しようとして当該『人』を暴行しない限り成立しないのか、それとも『人』を暴行しようとして”別の”『人』に結果が生じても成立するものなのか。
 論証は省きますが、判例に従ってここでは後者の説『法定的符号説』を採用します。本当はここで故意の個数も問題になるのですが、本問では『一人(○○)』を暴行しようとして『一人(○○○)』を暴行しているので一故意説でも数故意説でも結果は同じなので省きましょう。
 かくして傷害罪の構成要件該当性は満たされます。
 次に違法性です。本問では依頼人は○を守る為に○○に○○○○を投げつけています。そうすると正当防衛(36条)が考えられますが、ここが本問の最大の肝。
 ○○に結果は生じていれば、正当防衛と認める事やぶさかではありませんが、 結果が生じたのは別人である○○○に対して です。
司法試験でもかつて出題された事がありますね、この問題
 この論点に関しては正当防衛説・緊急避難説・誤想防衛説などがありますが、緊急避難説を採用しましょう。(1)誤想防衛とすると本来適法な行為が結果が別人に生じただけで違法な行為とされてしまうし、(2)○○○は違法な侵害を行っていないのに正当防衛と解するのは無理があること等からです。
 そして緊急避難の法的性質を判例に従って違法性阻却事由説にたちますと、違法性が阻却されるわけであります。
 この時点で、依頼人は無罪。さらに駄目押しをするなら、依頼人は当時○○でしたので刑法41条(責任阻却)によっても無罪になります。
 むう、こうして検討してきましたが、依頼人の件、 司法試験の問題にしても大丈夫なくらい良く出来た問題





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Last updated  2004/08/21 11:07:01 AM
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聖書預言@ Re:8番出口(05/01) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
剣竜 @ パク・チャヌク監督作品 ocobaさんへ その2つの映画,評価高いよ…
ocoba@ Re:殺人の追憶(03/04) 韓国映画では、パク・チャヌク監督の「オ…
剣竜 @ Re[3]:投票義務制の問題点(11/10) サムスさんへ いえいえあまりお役に立てず…
サムス@ Re[2]:投票義務制の問題点(11/10) 剣竜さんへ ありがとうございます!

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