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ここ数年で、ある意味、一番注目された宿だ。いわゆる最近の高級旅館ブームで部屋露天風呂付きの宿が増えたが、その中でも一番がマスコミで騒がれた「月のうさぎ」であり、それを意識してつくられた宿が無雙庵 枇杷だ。最初は月のうさぎに泊まろうと思ったが、最低4万なのに予約がまったく取れない。じゃあ、枇杷にするかって感じで決めた。

伊豆はあいにくの雨。伊豆の東側はごちゃごちゃしているが、峠を越えて西側の土肥にくると寂れた港町だ。細い道を登って山の中腹に枇杷はあった。宿の人が傘をもって出迎えにきた。ここから、枇杷の世界が始まる。古い民家を再現した宿は、ロビーと食事処からなる母屋、通路でつながった8つの離れ、階段を上ったところにある貸し切り露天2つからなる。

部屋は筍。おそらく一番眺めが良く一番人気。追加料金で指定した。平屋だがベランダとあわせて40畳以上ある感じ、天井も屋根裏まで突き抜けているのでとても高い。宿全体を、瓦、塗り壁、漆黒の太い柱と梁と床、古めの畳、うす暗い照明、古めの飾り物などで統一していて、エアコンなどはできるだけみえなくしている。非常によく作り込まれていると感心した。
部屋風呂は大人二人が寝て入れるぐらいの広さで、薄目の混合泉でほどよい温度、眼下に庭の木々と土肥の古びた街並みと土肥湾が見下ろせた。あいにく、海に沈む夕日はかすかにみえる程度だったが天気がいい日は絶景だろう。
貸し切り露天は二つあり、夕方は予約制、他は自由。部屋より広いが、眺めは屋根の分だけイマイチ。牛乳が無料で置いてあるので、それを飲みにいく程度。
夕食は個室で一品だし。地場産で素材を生かしたもの。
まずは、枇杷カクテル。子持ち昆布、アワビの煮物、栗の甘煮、魚の煮物、白魚の天ぷら。旬のものでおいしい。
松茸土瓶蒸し。うまいけどダシがいまひとつ。
伊勢エビ、マグロ、サザエ、イカ、タイのお造り。これはうまい。
伊豆和牛リブロース。囲炉裏で焼いて食べる。うまいけど、松阪牛などのブランド牛と比べると霜の降りがあと一歩か。
ブドウのシャーベット。まずまず。
豚角煮。うまいけど、ここで食わなくても。
土肥のトコロテンとトロロの酢の物。あっさりした味。
かやくめしとお造りのエビの頭でつくったみそ汁。まずまず。
ナシとマスカット。まあまあ。
夕食後に、この日はシャンソンの小コンサートがあった。年配の夫婦の客が多い。
かやくめしの残りをおむすびにしてもらった。冷蔵庫に入っている噂のプリンは激うま、ただし有料。
翌朝、晴れたので裏山の散歩道を10分程度で登った。よく整備されていて、ところどころに花が咲いていたり、竹林があったり、果物の木がある(時期はずれなので実はない)。展望台からみた土肥港の眺めは一段とすばらしい。
食事処で朝食。とれたて野菜と漬け物の盛り合わせ。おいしいけど感動はない。
メロン、豆腐、煮物、梅干し、白魚、みそ汁。みためはよいが、普通の旅館の朝食の味。
唯一の選択メニュー、選んだ魚を焼いてくれる。これも味は普通。
総じて、料理は地元のよい材料を使って見た目もよく味もよいが、枇杷ならではというすごく美味しいものはなかった。また、一品出しだが特に説明がある訳でもなし、聞いても分からないことが多かった。
施設・温泉(泉質は普通)・眺め・裏山の散歩道は、おそらく日本でもトップレベル。それだけに、普通の2万円台の宿なみの食事、ペンション並のもてなしが気にかかる。余計なもてなしは不要、料理もそこそこでいいから、すばらしい施設を味わいたいという人には最高の宿だ。ただ、二人一室利用で3万7千円x2、部屋指定代3150円x2、さらに休前日など重なるともっと値が上がる。それだけに、すべてにいわゆる高級旅館のサービスを期待した人には微妙かもしれない。あと、伊豆自体が観光地として寂れてきているのと、人気の場所や道は混んでいるのでゆったりしたスケジュールでないと疲れるだけって気がしなくもない。
それでもハード面は素晴らしいので、食事とサービスが充実して、お金に余裕ができたら、、連泊したいと思わせるものが枇杷にはある。
http://www.izu-biwa.jp/index.html
無雙庵 枇杷
〒410-3302 静岡県伊豆市土肥259-1
TEL.0558-97-3123
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