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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
185号 2012年1月6日発行
(毎週火金日発行)
http://www.jugyo.jp/
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★目次★
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1.対話学習の土台を育てる『ほめ言葉のシャワー』
「ハイブリッド」編集委員
福岡県・北九州市立貴船小学校 菊池 省三
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あけましておめでとうございます。新年第一弾は、菊池省三さんです。
新刊も発刊になったばかりの菊池さんの最新の実践報告です。
(石川 晋)
1.対話学習の土台を育てる『ほめ言葉のシャワー』
「ハイブリッド」編集委員
福岡県・北九州市立貴船小学校 菊池 省三
1.教室の中に対話が成立しない原因
私は、子どもたちのコミュニケーション力を高め、対話を重視した授業
をめざしています。
一人ひとりが自信を持って自分の意見を述べ、互いにそれらを聞き合い、
対話を通して友だちと考えを深め合う授業をめざしているのです。
しかし、すぐにはそのような授業はできません。
子どもたちに、
「では、同じ立場の人と集まって話し合いをしましょう」
「ノートに書いたことをもとに、グループになって話し合いましょう」
と指示しても、多くの子どもは動けないのです。
発言を譲り合ったり、ただ書いたことを不安げに読み合ったりするだけ
になってしまうのです。
新しい気づきや発見が生まれるような対話が成立しないのです。
もちろんその原因は複雑です。
話す内容が十分に持てていない、どのように話し合えばいいのか分から
ない、などといった原因も当然そこにはあります。
しかし、それら以前に、学級の中に安心感のある人間関係ができていな
い、お互いの中に信頼関係ができていない、ということが私は大きな原因
だと考えています。
「学級の誰とでも言葉を交わし合うことが当たり前なのだ」という認識が、
教室の中に共有できていないということです。
以上のような傾向は、年々強くなっていると感じています。
2.安心感のもてる人間関係を育てる「ほめ言葉のシャワー」
安心感のもてる人間関係が、教室の中で対話を成立させるための「土台」
だと考えています。
その「土台」を作るために毎年取り組んでいることのひとつに、毎日行
う「ほめ言葉のシャワー」という取り組みがあります。
次のような手順で行う活動です。
■ほめ言葉のシャワーのやり方
『一人ひとりのよいところを見つけ合い伝え合う活動』
・年間4回~6回程度行う
・帰りの会で毎日行う
・毎回日めくりカレンダーを各自1枚ずつ描く
・その日のカレンダーを描いた子どもが教室前に出る
・残りの子どもと教師がその子のその日のよかったところを発表する
(発表は『具体的なよい行為の事実+感想や意見』の構成とする)
・発表は自由起立発表でシャワーのように続けて行う
・全員の発表が終わったら前に出ていた子どもがお礼のスピーチを行う
・最後に教師がコメントを述べる
年間4回行うとします。計算上では以下のようになります。
30人学級であれば、年間3600個の「ほめ言葉」を伝え合うことに
なります。
1回で、1人に対して30人(教師を含む)が「ほめ言葉」を発言し、
30人全員行うので30×30の900個の「ほめ言葉」が教室の中にあ
ふれることになります。それを1年間で4回行うとしたら、900×4の
3600個になります。
40人学級であれば、1年間で6400個になります。2年間持ち上が
りで担任すると、30人学級で7200個、40人学級で12800個に
なるのです。
3.「ほめ言葉のシャワー」の実際
■A君への「ほめ言葉」の例
□今日A君は体育の時、みんなが大縄をしていても、一人で3周終わるま
で走っていました。そんな負けん気や根気強さあって威風堂々なA君をマ
ネしたいです。
□A君は、私が委員会の当番だったのに一緒に片付けてくれました。さら
に、後から来た人に置く場所を教えていました。そんなA君は、気遣いが
でき、積極的ですばらしいと思います。
□今日、A君は、給食時間が終わって食器を返しに行く時、「ありがとう
ございました」と声がかすれていました。その後も廊下に行くとまた言っ
ていました。そうやってもう一回もう一回ができるのは、A君の長所だと
思います。
■A君のお礼スピーチ
ありがとうございました。とてもうれしいことを言ってくれた中から三
人言います。
一人目は、Bさんのことです。いつものように辞書から四字熟語を探し
てくれました。初めて言われた言葉なので大切にします。
二人目は、CさんやDさんが、今言っていた「ありがとう」ということ
を言ってくれたことです。自分で決めていたことなので、そこを言ってく
れてうれしかったです。
三人目は、Eさんのことです。僕が今一番がんばっている委員会の事を
言ってくれました。あしたのFさんの時も行います。
今日1日、僕のことを観察してくれて、みなさん、ありがとうございま
した。
4.「ほめ言葉のシャワー」の効果
昨年度卒業した子どもが、次のような感想を残しています。
「私達は6回のほめ言葉のシャワーを体験しました。私だけではなく、
みんなも、学級もガラリと変わりました。
その変わったところを3つ書きます。
1つ目は、友だちを見る目です。みんながプラスのことを見つけようと
がんばったから、友だちをやさしい目で見合うようになりました。教室が
ほんわかとしてきました。
2つ目は、言葉についてです。言葉の量が増えました。どんな言葉でほ
めたら喜ばれるか、ピッタリ当てはまるか、などと考えました。友だちの
言葉も参考にしました。
3つ目は、やはり仲良しになったということです。よいところを観察し
合って、みんなが認め合うことが普通になりました。毎日が楽しくなりま
した。
この3つが感想です。1年間続けて、私もみんなも、そして学級も大き
く成長しました。」
「ほめ言葉のシャワーの効果を3つ書きます。
1つ目は、自分に自信がついたということです。がんばっていることだ
けではなく、自分では気づかなかったことをほめてもらったことが自信に
なったと思っています。
2つ目は、会話が増えたということです。ぼくのいいところを見つけよ
うと、休み時間に女子も話しかけてくれました。ちょっとした会話が増え
たことがうれしかったです。
3つ目は、みんなの態度です。いい姿勢で目線をはずさないで話したり
聞いたりできるようになっています。
みんながどんどん進化していることが分かります。これがほめ言葉のシ
ャワーの効果です。」
子どもたちは、自分に自信を持ち、安心して教室の中で生活できるよう
になります。それにともなって、対話が成立するようになってきました。
授業づくりネットワーク誌の最新号
→ http://www.gakuji.co.jp/magazine/network/index.html
【編集後記】
菊池さんの「ほめ言葉のシャワー」実践。直接映像を通して見せていた
だいたことがあります。教室の配置、子どもの立つ場所...実践に際して様
々なしかけが用意されていることも、その時にわかりました。菊池さんの
実践の現在形は、新刊を通してさらに詳しくご理解いただけると思います。
『話し合い活動を必ず成功させるファシリテーションのワザ』(学事出版)
です。 → http://www.amazon.co.jp/dp/4761918624/
昨年の最後の号はちょうど1800人の方に配信することができました。今
号は1803人。新しい「学びのしかけ」に興味や関心のあるたくさんの方々
にぜひご購読いただきたいと思っています。みなさん、どうぞお仲間の方
に本メルマガをご紹介ください。
2年間の期限の中で編集長として取り組んできた本メルマガも3月末で
一区切りです。残り3カ月、良質の情報提供ができるように、丁寧に配信
していきたいと考えています。
次号は、ワークショップチームから、蓮行さんのご登場です。どうぞお
楽しみに。
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メールマガジン「学びのしかけプロジェクト」
第185号(読者数1803) 2012年1月6日発行
編集代表:上條晴夫(haruo.kamijo@gmail.com)
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編集部ではチームに分かれてMLによって原稿検討を行っています。本メ
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ると幸いです。本メールマガジンの内容に少しずつ反映をしていきたいと
考えています。
編集長:石川晋
副編集長:長瀬拓也・加藤恭子・藤原友和・佐内信之
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