2007.04.30
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カテゴリ: 我*日記



1




軽井沢 最終日

ローカル線に乗った。















2



















たった一駅。
何だかのんびりした駅だった。





5
4





二日前
凍てつくような闇に包まれたこの街のイメージは







かばんの中に、とある「箱」を確認して
駅前の商店街へと歩く。















それは、軽井沢に来て初日のこと。


















6








その夜、僕は軽井沢の中心街から、この街まで
レンタサイクルを飛ばした。





「一番近い電器屋さんはどこですか?」
「中軽井沢の駅前の商店街だね。自転車? 十分くらいかな・・」





ペダルをこぎ始めると、すぐに灯りが無くなった。


レンタサイクルのダイナモを足で入れると、
ヘッドライトはほとんど真下を照らす。
「ペダルが重くなるだけだな」と元に戻すと





僕がペダルをこぐ音




時々車道を通る車の音




雨上がりの空気はとても冷たい。




交差点にさしかかるたびに、
舗道のコンクリートの深い段差が

自転車が壊れるのではないかと心配になるほどの音。











どれくらいこぎ続けただろう。
おそらく、コンビニのおじさんが教えてくれた倍以上の時間。



不安がピークに達したころ
この駅前に出た。




『で、駅前を右に曲がったらすぐに二軒あるよ。でも、この時間開いてるかなぁ・・
このあたり、店、閉まるの早いのよ』




おじさんの言葉を思い出しながら
もうすっかり灯りの少なくなった商店街に進む。






一軒目--
だめだ、閉まってる。








二件目--
灯りが点いている!








自転車を降りると、僕は、駆け込むように
小さな街の電器屋さんの戸を開けた。




「いらっしゃいませ」




黒く細いフレームの眼鏡をかけたお姉さん。
(そう、お姉さんと呼ばせていただこう。たとえ何歳でも(笑))





「すみませんっ、SDカードリーダーって置いてますか?」
「あぁぁ。うちは置いてないんですよぉ」




僕は言葉を失った。





「・・そうですか」
「あっ、でも貸してあげます。うちで使ってる古いのならあるから」





お姉さんはそう言って、棚の奥を探る。





僕は、「絶望」の方に下がりかけていたレバーが
急に「期待」の方向に上がって目眩がした。



自分がどんな顔をしていたか分からない。
きっと余裕の無い顔だった。


人間、突然の幸運に出会った瞬間はきっと余裕がない。






「はい。ちょっと古いから使えるかどうか分からないけど」




お姉さんは、黒い箱を差し出した。
間違いなくSDカードリーダーだ。




「いいんですか? そんな・・甘えちゃって」
「いいですよ。うちは明日も明後日も開いてるから、
二三日使ってもらって大丈夫ですよ」





僕はお姉さんに名刺を渡しながら

何度もお礼を言った。














そう。あの時お姉さんがカードリーダーを貸してくれなかったら・・















僕はブログを更新できなかったのだ。
(そんな理由かよっ)



















6











お姉さんにカードリーダーを返した。
途中で買ったお菓子を添えて。



不思議なもので
お姉さんに返した瞬間
今回の旅が
終わった気がした。












カードリーダーは返したけど








稚拙な表現ながら







何だかあったかいものが


やっぱり


身体に残ったのです。











7














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Last updated  2007.05.01 00:45:38
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