全359件 (359件中 1-50件目)
別館で連載中の小説海の向こうに 第十四話 「手紙」 をアップしました。↑ ↑クリックいただくと掲載ページにジャンプします。-------------実は春からなぜかとても忙しくなり、ブログの更新も結構厳しい状況が続いています。画像の容量がギリギリになったこともあり名残惜しいのですがいったんこの場所は閉めさせていただきます。ただ、皆さんのページには時々お邪魔します。皆さんの写真や文章、いつも、これからも、楽しみにしています。それでは。
2007.06.24
コメント(71)
別館で連載中の小説海の向こうに 第十三話 「表札」 をアップしました。↑ ↑クリックいただくと掲載ページにジャンプします。--------------ネットの旅を続けています。正確にはもの作りの材料探し?
2007.06.17
コメント(0)
海の向こうに 第十二話 「ブロック塀の雑草」をアップしました。↑ ↑クリックいただくと、掲載ページにジャンプします。--------しばらくネットの旅に出ます。更新がゆっくりになります。
2007.06.10
コメント(0)

朝のシンとした通勤電車。フリーターらしき男の子が大きな声でしゃべっていた。あまり意識していなかった僕の耳に、会話のとある部分が飛び込んできた。「俺、骨盤とかそーいう常識にはとらわれないから!」??どういう脈絡で出てきた言葉なのか・・残念ながら直後に駅に着いてしまって、分からなかった。・・かっこいいのかどうかも分からなかった。**さっきテレビを観ていた子どもが部屋から飛び出してきて「バームクーヘンみたいな岩が映ってた」「あと、石がクッキーみたいだった」などと興奮した様子。・・まるでお腹を空かした子どもの幻想のようではないか。僕も調子を合わせて「そうか。パパが子どもの頃から、バームクーヘンは最後のマッチの灯りの中だけに出てくるお菓子なんだよ」と意味不明の牽制球を投げておいた。妻は少しウケていた。・・では、お腹の空く写真をどうぞ。たれもどうぞ。・・今日はちょっと疲れているようだ。
2007.06.06
コメント(2)

本を読み終えた。 「毒になる親」スーザン・フォワード著 毎日新聞社古い本で、本棚に眠っていたのを改めて読んだ。カウンセリングの現場で書いた心の処方箋とでも言えばイメージが湧くだろうか。大人なのに自分に自信が持てない、人間関係がうまく築けない、気がついたら自虐的・自滅的な行動をとっている、何をしても罪悪感がつきまとう自己主張できずいつも人のいいなりになってしまう・・著者はそうした人たちが訪れる病院のカウンセラー。数千という症例から彼女は、「毒になる親」がその人の人生に影を落としていると指摘する。暴力をふるう、親自身の都合のために子どもの善意の行動を否定する世話をしない、アル中、近親相姦・・そんな親でも子どもはいつか親から愛されたいと思い、大人になってもその支配下に身を置いたり、報われないコミュニケーションを続けるという図式が書かれている。そして、救われるための道を彼女なりの視点で提示している。できるだけ多くの人に読んでほしい、と本当に思う。そういうものとは縁がない、と思う人も含め、親であり、子である以上。この本が大きく話題になるようなことは、もう無いかも知れないけど、ここに書いてあることは、ずっとニュースであり続けると僕は思う。一人ひとりの切実な問題として。僕はこの本を読んで親に対する怒りや懐疑的な感情は湧いてこなかった。それでも、自分の問題点を気付かされる部分もあったし、自分が子どもに対して理不尽なことをしていないかと省みる姿勢にもなった。押しつけがましいなぁ、と自分にツッコミを入れつつもそれでも。
2007.06.05
コメント(0)
別館で連載中の海の向こうに 十一話 「男の人って」 をアップしました。↑ ↑クリックいただくと掲載ページにジャンプします。----------往復2時間の休日出勤はつらい・・というか面倒だ。あ~あ大日本人でも観に行きたいなぁ
2007.06.03
コメント(0)

僕は今、ちょっと重い仕事を任されている。といっても、ベテランの先輩とコンビでやっていくので大したことはない。多分。そして‥その先輩42歳を、「この人本当に恐ろしい人だなぁ」と思った、表題の一言が今週の名言である。コンビで向かった、その仕事の交渉の席。相手は、我社が最も恐れる販売代理店の巨星だ。偉い人、若いやり手、新人君というキャスティングで先方は向かい側に座る。コンビで相対するが、結構なプレッシャーである。「どうして出来ないんですか。社内にも社外にもうまく言ってくださいよ」若いやり手は予想通りどんどん押してくる。高校も大学も超一流と聞いたことがある。・・当初、この販売代理店は、Bという企画をやりたかった。しかし、企画Bでは倫理規定上、我社も、我社の関係会社もうなずかない。だから、まず企画Bから毒を抜いた企画Aを持ち込んできたのだ。我社がうなずき、話を進める段階で先方がB企画への変更を求めてきている、そして、話せば話すほど、どんどん毒の含有率が増していく・・大まかにはそういう状況だった。「あなたたち営業でしょ。そのくらいまとめるのが当たり前でしょ・・多かれ少なかれそういうことでメシ食ってるじゃないですか」営業でしょ--。素人営業マンの僕はこの言葉に弱い。営業というのはそこまでやらなければならないのか・・。「いやいや。この話というのはね、最初にボタンのかけ違えからスタートしているんですよ。だから、まずはそれを丁寧にかけ直さなきゃいけないんですよ」先輩は、にこにこしながら厳しい口調で言い返す。「ところで・・ここの部分はどうするおつもりなんですかね」「あっ」話のところどころで、相手の虚をつく。・・・「なんでC案(Bにさらに毒を強めたもの)じゃいけないんですかB案とどう違うと言うんですか。営業として上手く話して、通してくださいよ」「だからね、今は、A案とB案のボタンの掛け違えを、内部的にも対外的にもなおす作業をしているんですよ。それでC案を約束なんて、出来ませんよね」「えっ、何でですか・・」この際、話を白紙に戻してしまおう、とは言わない。先輩は、同じ説明を、徐々に語気を強めながら繰り返す。結局、お互いに持ち帰って検討ということになった。* *「あいつ、頭はいいけどダメだなぁ」帰り道、先輩は笑顔を崩さず話す。「詰め将棋で言うと、こっちがもう最後の駒を握っていて、『これ以上話を進めると、アンタ詰んじゃいますよ』っていうことが、あれだけ言ってまだ分からないんだよなぁ。こっちはそれを笑いながら言うか、怒りながら分からせるかっていうことだけだな。・・・詐欺師としては、こっちの方が上だからね」先輩の笑った猫のような細い眼は、夕日を受けて不気味に光っていたのだった。この春転勤してきたこの先輩は、営業一筋。マーケティングの本を月に4冊は読むという。ひさしぶりに、僕は今、「すごい」と思える人を、見ている。
2007.06.02
コメント(2)
三歳の息子は 青いビニール地の雨合羽を 頭から被り 鶯色のスーツから伸びた 僕の手を 丸っこい手で掴む ローカル線に乗り込むと 雨粒に光る窓 つつつっ、と 音がするくらい 滴を ゆっくりすべらせ (発車の合図) その奥に 白--駅の壁の白 緑--線路脇の草の緑 黄--名も知らぬ花の黄 赤--踏切に点る赤 映るものを次々と にじませていく その窓の絵を 息子にも観せたいと 思ったのに 僕の首にしがみつき 真反対を向いていて 人の林の車内では まわれ右もできず その 残念な気持ちが 無意識に 不安にすり変わる 「僕は子どもを ちゃんとまっすぐに 育てられるのだろうか」 それでも電車は進み 赤茶けた広場のカーブで揺れて 息子は ぶらりと下がった足を気にする 脱げかかった つやつや青い長靴を なおしてやり 「大丈夫か」と 顔をのぞくと 「だいじょうぶ」と 幼いながら 落ち着いた調子で 返って来た (駅に到着) 細い雨が白い 園までの道 いくぞ、と強く手を引くと 水たまり 息子の青い長靴が ぴちゃりと 音をたてた
2007.05.31
コメント(0)
緑深い 散策路の脇 薄い青に色付いた 紫陽花の花 僕がケータイで 撮ったあと 道行くおじさんが カメラを構えた 新宿御苑は 薄曇り
2007.05.29
コメント(2)

お別れが一つあったので一通の手紙を書く。ペンを握り便せんに向かうと清い気分になる。深入りすると長文になってしまいそうだからさらさら・・さらさら・・感情のすべてがこぼれ出てしまわないように。さらさら・・さらさら・・でも本当に言いたいたいこと。小さじ一杯分だけこぼしておこうかな。
2007.05.28
コメント(4)
海の向こうに 第十話「工場」 をアップしました。 ↑ ↑クリックしていただくと、掲載ページにジャンプします。---------土日は、思いがけずいい天気だ。窓からの風は、半袖にはちょっと肌寒いくらい。何か新しいことを始めたい気分なのだけど家族持ちは、まず、その環境を整えなければならなかったりする。「それが面倒くさくてあきらめてませんか?」と、自分に言ってみる。
2007.05.27
コメント(0)

好きな映画は? と聞かれると ニューシネマパラダイス 打ち上げ花火 運動靴と赤い金魚 少年時代・・・どれも少年が出てくるものばかり。不思議な気がしていた。今日、子どもの運動会で流れていた曲をiTune Store でダウンロードしてみた。 スキマスイッチ 「全力少年」 ♪ あの頃の僕らはきっと 全力で少年だったそう。子どものころの自分はもっともっと必死に生きていた気がするのだ。毎日泣いて、怒って毎日笑って、喜んで・・大人よりもずっと残酷な世界でぼろぼろになってもすぐに立ち直って。 そんなころの自分で いたいから なのでしょう。
2007.05.26
コメント(0)

図書館にたびたび行っている。きっかけは以前書いた、「CDショップでの困惑」だった。音楽のトレンドがすっかり分からなくなっていることから、図書館の視聴覚コーナーに置いてあるCDを、上の段から順に借りていってるのだ。何でもやってみると発見があるものだ。「あ行」・・A.I. 映画「嫌われ松子の一生」の中で歌っていたのが印象的で借りてみた。 意外と良く、結構聴いている。諌山美生 うーん。orange peko ボーカルジャズユニット。かなりかっこいい。これも良く聴いている。「か行」・・金子飛鳥 バイオリニスト。葉加瀬氏も好きだが、こういう落ち着けるポップさもよい。くるり 文学系のロックバンド? 歌詞がイカす。 WORLD'S END SUPERNOVAという曲はヘビーローテに。今はこんなところ。ところで、先日は初めて「本」を目的に図書館に行ってみた。古く重いガラス扉を開けて図書コーナーに進むと本棚の中央にある閲覧スペースに「再三の注意にも関わらず眠っている人には-- 退室していただくことがあります」そんな注意書きがあちこちに貼られその数と同じくらいの人たちが机で船を漕いでいた。僕は、CDを借りる時と同じように、てきとーに一冊の本を手にとった。何でも良かった。見ると短編集だった。喫茶店、公園、別の公園・・時間の許すまま、ページを繰っていく。そこには、以前の僕だったらとても共感したであろう人間ドラマがたくさん描かれていた。涙が出るものもあった。そして・・帰りの電車で差しかかった「花嫁」という題名の一編。「花嫁が 結婚式当日に 交通事故に遭い それでも式場にいかなければと思い 壊れた車を運転して 式場にたどりつき 新郎の方に 二、三歩近づいたところで 力尽きて死亡した」その話を読んで無性にうんざりして本を閉じた。気を晴らそうと、電車の中吊りを見ると「○○プレーや××までも・・ 小学生向けのマンガはこんなに危険」そんな風な見出しが目に映りその状況にもそんな見出しを付けた人にもついていけず何となく下を向いたまま駅への到着を待った。。うわっ暗っとにかくそれでも図書館はいい(笑)
2007.05.23
コメント(6)

葛西臨海公園大きな観覧車のふもとに赤い花が咲いていた。心地よい五月の風が吹く夕暮れ。
2007.05.20
コメント(6)
別館で連載中の海の向こうに 第九話 「トランペット」 をアップしました。↑ ↑ クリックいただくと掲載ページに飛びます。------------寝返りの際の事故?右手の甲がいたい・・(^^)
2007.05.20
コメント(0)
今週16日水曜日の夕方、外回りから事務所に帰った阪神君は一瞬にして凍り付いてしまった。きれいに整頓されていたはずの彼の事務机の上に、大量の返却用商品が置かれていたのだ。「早く返却しろ」と言わんばかりに。青ざめる阪神君の表情を見つめながら、僕は・・「あーあ。ついにこうなったか」と思っていた。阪神君は、この4月に転勤してきた「小太り、眼鏡、関西弁」と特徴満載の26歳だ。東京勤務が初めての彼は、思いの外がんばっている。先日も、入ってきた見積もり依頼に対して「あれも、これも、それも」とサービスをどんどん加えていき、「これで出してもいいでしょうか」と見せたところで先輩に後ろ頭をしばかれた。そんな阪神君から、僕はその前日の火曜日、相談を受けていた。庶務の女性山田さん(仮名)=おちゃめな42歳、独身のことだ。「実は僕、山田さんにイタズラされたんです・・」イタズラ! これが新聞記事だったら「どんなことされたんだろう」と想像してしまうところだが、どうも本当の意味でのイタズラらしい。阪神君の写真を拡大・カラーコピーの上、口紅を塗って冷蔵庫に貼っていたのだ。山田さんは本当におちゃめだ・・・?問題は、それを受けた阪神君の行動だ。彼は過去のトラウマから突如、黒い怒りが爆発したらしく、そのコピーをはがして書き込みをし、不在だった山田さんの机に貼っておいたというのだ。書き込みの内容は「とても不快です。もう二度とこういうことをしないでください--」相談というのは、その結果彼女に無視されていて、謝ったけどダメで・・「眠れないんですよ~」ハの字に曲がった眉がおっかしくって吹き出しそうになるのをこらえながら僕は「うーん、そっかぁぁ」と言ったのだった。**そして昨日のお昼のこと。阪神君は外回りに出ている。彼の机をふと見ると、そこには相変わらず、少しは仕事スペースがある程度に返却用商品が置かれている。「おっ、鉛筆削り発見!」先輩Rがそう言って、古い電動式の(ちょっとデカい)鉛筆削りを事務所の奥から持ってくる。それを見た山田さん。「ああ、そう言えば阪神さんが、いつも私に『鉛筆削りないかぁ、鉛筆削りないかぁ』って言ってました。だから阪神さんの机に・・」「そうだな、それがいい。山田さんが置いてちょうだい・・そう、もっと・・うーん、もっと仕事しにくいように・・そう、机の真ん中に!」「そうですね。・・この辺りでいいですか?」先輩Rは、阪神と山田さんのトラブルをもちろん知っている。鉛筆削りの置き場所を指示する先輩Rの眼は、このところで一番はしゃいだ様子だ。山田さんの眼も。・・もちろん、端で見る僕の眼も(笑)**外回りから帰った阪神君が、今週2度目の凍り付き状態になったのは言うまでもない。「山田さんは、お前が欲しがってたから置いてくれたんだぞ」「・・・」先輩Rが説明しても、阪神の身体は解けない。「お前のことを想って置いてくれたんだぞ」「・・・」先輩Rは、とっても楽しそうな顔をしている。僕は、耐えきれなかった。それは正確に言うと、阪神を助けたいという気持ちからではなかったのかも知れない。「阪神、実はな。この鉛筆削り・・・Rさんが置いたんだよ」「えっ、違う違う」先輩Rは、ちょっとあわてる。そう。僕が言ったことは半分本当で半分はウソだ。「後ろで糸を引いてるのは、Rさんだよ」「・・・なんや、そっかぁぁ」満面の安堵の表情。ようやく阪神君は身体を解いて席についた。そう--。正確に言うと、僕は耐えられなかったのだ。自分の中で湧き起こる「爆笑の波」に。あのままの緊張感が続けば、僕は多分、のたうち回って笑っていた。先輩Rは、あの微妙な緊張感を作り出すのが得意だ。僕はいつもそれに負けて爆笑してしまう。僕は今回バラすことで、押し寄せる笑いの波を噛み殺し、それに打ち勝ったのだった。--初勝利僕は先輩Rを横目に見ながら、その気分に酔いしれた。しばらくして、落ち着いた阪神君は首をひねる。「僕、『鉛筆削りないですか』って、一回しか言ったことないけどなぁ」-- 山田 VS 阪神その闘いは、まだまだ終わらない。
2007.05.19
コメント(2)
都営大江戸線は新しい地下鉄だからつまり東京の一番深いところを通っている。そのあまりに暗く狭いトンネルを抜け地上に出ると雨上がりの蔦が光っていた。もんじゃ焼きの街月島の静かな裏路地。
2007.05.17
コメント(4)
銀杏の葉が青い。 人の目を集める 黄色い葉の前に 青葉の頃が あるんだなぁ。
2007.05.15
コメント(2)

通勤電車の中吊りに 誘われた砂浜 さらさらの 手触り 風が強くて いろんなものが 飛んできて 骨にしみるほど 冷たい波 サーファーと子どもにゃ かなわない100回くらい シャッター切ってる間全然しゃべらなかったなぁ
2007.05.13
コメント(2)
海の向こうに 第八話 「眠れない」 をアップしました。↑ ↑クリックすると掲載ページにジャンプします。今週は挿絵、頑張りました^^
2007.05.13
コメント(0)

新緑の季節ですね。近所の公園も、冬の頃の殺風景さから一転緑にそこら中が緑色になった。「自宅にクスノキを植えたいなぁ」日比谷公園を歩いている時、先輩がつぶやいた。クスノキの新緑の緑色が好きだそうだ。観ると確かにいい色。新鮮な緑色。でも、僕はこのところ何だか追い詰められていて「この葉っぱ、いいにおいがするんだぞ」先輩は元バレー部の貫禄でハイジャンプ。一枚取ると手の中でくしゃくしゃとつぶす。すーっ田舎のタンス?それもそのはず。樟脳(防虫剤)の原料はクスノキだそうだ。そして、僕にとっては少し元気の出る香りだった。
2007.05.08
コメント(4)
本当に徒然に書いてみる。古い友達に、久しぶりに電話した。僕から電話するなんて、本当に珍しいことだ。彼とは、高校を卒業してからもしょっちゅう会っていたし、お互いに子どもが出来てからも家族ぐるみだったり、家族抜きだったりで会っていた。でも、生活が忙しくなるにつれ、僕は次第に、酒に酔った彼の説教くさい長電話が疎ましくなってしまっていた。僕は、「見た目が変わった人」に興味を持つことが多いらしい。だけど、それが失敗したことは幸運にもあまりない。つまり、彼も変わっていた。高校入学の初日、高校のクラスという異空間の冷たい空気の中(山際の日当たりの悪い教室だった)、僕の斜め前の席に座った彼のスリッパが、変わっていた。アイロンパーマとボンタンという典型的な当時のヤンキーファッション、その足下のスリッパは・・☆松本☆とマジックで書いてあった。真四角の顔に似合わず、松本(仮名)の部分は極端にかわいい丸文字だった。どういう経緯かは忘れたが、僕は、いっぺんに彼と友達になった。仮にここでは、スリッパと呼ぶことにする。高校の一年目には色々なことがあった。ある日には、担任の先生が、クラスの不登校の男の子が、結局一度も学校にこないまま、自ら命を絶ったことを告げた。また、ある日には近所で殺人事件が起き、数週間後、僕も知っている同級生の男子が犯人として警察に連行された。そんな日々を、僕とスリッパは一緒に過ごした。バイク通学が許されるほど山奥にある彼の家に泊まりに行き、矢沢永吉のを一緒に聴いた。(当時の僕は佐野元春が好きだったので、あまりなじめなかった)初めての彼女が出来たのも同時くらいで、学校の裏山で煙りを立てながらのろけ話を聞かされ、また話した。スリッパは容姿に似合わず、「本当の意味」で、倫理感が高かった。僕は、歴史の授業とその担当の先生が嫌いでいつも、その授業の直前に学校からいなくなった。仲間と近くのお好み焼き屋でメシソバ(神戸ではソバメシと言うらしい)を食べ、友達の家で麻雀をした(当時の僕は本当の意味でバカだった)。でも、スリッパは授業をさぼらなかった。彼が麻雀の誘いに乗るのはいつも休日で、それがまた恐ろしく下手だった。スリッパの実家に泊まりに行った日、僕は彼のバイクを無免許で運転し、警察に捕まった。二人とも謹慎をくらったのだが、彼はそのことでなぜか僕の家に謝りに来た。三十キロ以上離れた僕の家にわざわざ出向き、僕の両親に頭を下げた。悪いのは僕なのに。文化祭に出演した僕のバンドの演奏を、一番感動して聴いてくれたのもスリッパだった。「本当に良かったわぁ・・・」何日にもわたって、しみじみと言ってくれた。そんな彼に、僕は「しつこい」と言ってしまった覚えがある。スリッパは、今まで僕を傷つけたことは一度もない。でも僕は時に彼を傷つけたと思う。心ない言葉で。僕は、彼をあまり大切にしていなかったように思う。彼は僕の名前を呼ぶのに、僕はいまだに彼の名字を呼んでいる。「○○(僕の名前)、ヨメさんとは仲良くしよんか? ・・それは言うちぁあいけんでぇ・・」酒に酔った彼の長電話。次第によそよそしくなる僕の態度に、二週間に一回あった電話も、一カ月に一回になり、半年に一回になり・・。それでも僕が東京に転勤してからも何度か連絡はくれたのだが、僕は一度も電話をしなかった。本当は聴いてほしいことがあったのだが、話せなかった。ここ数日の間に僕は、とてもショックなことがあった。それは僕の心にだけ届くもので、家族にも、仕事にも、生活にも何の影響もない。それでも僕は、情けないことにまだ克服できないでいるし、もう少し時間が必要だろう。ぼんやりするのは危険だと分かりつつ、ぼんやりとソファに座っていた。何も出来る気がしなかった。ステレオコンポの裏に、何か落ちているのが目に入る。おめでとう・・ 幸せになって・・僕の結婚披露宴で、みんなが贈ってくれた寄せ書きだった。そして、僕の意識から遠のいていたスリッパは、そんなところにいた。コンポの裏に落ちた寄せ書きの、わずかにのぞいた部分。「いつまでも 友達でいよう」スリッパ独特のあの丸文字で、一言だけ、そう書かれていた。その言葉は、まるであいつそのものだった。その言葉を、十数年間読み流し続けていたことを、僕は恥じた。僕の友達は、きっと、いつでもそばにいた。久しぶりにスリッパの声を聴いたあと、僕は思う。彼があの時履いていたあのスリッパは、とっくにゴミに出され、星のマークも丸文字も、砕かれて、焼かれて、煙りになって・・それでも、僕の心に鮮明に残っているのは、何と不思議なことだろう。うざったくも温かい印象とともに。僕は、それを覚えている限りこれから先何があっても、なんとでもなる気さえするのだ。-------------PSこんなに長い記事になるとは思わなかった・・身勝手な文章、失礼。
2007.05.06
コメント(6)
「海の向こうに 第七話 夕顔」をアップしました。クリックいただくと掲載ページにジャンプします。 ↓ ↓http://kirin74.blog87.fc2.com/今回は、挿絵が間に合わず文字だけとなりました。。次回頑張ります(^^)
2007.05.05
コメント(0)

物の行き渡った国に住む人がする買い物というのはちょっと悲しい。フリーマーケットの店番をした。ブランドの衣類、コップや椅子などの生活用品、CD、本、ゲーム・・すべて中古ではあるが、何でもある。映画化された本やつい最近話題になったDVDなども格安で売っている。でも・・衣類は綺麗な物でも売れない。話題の本やDVDも売れない。知育おもちゃも売れない。子どもの好きなキャラクターのついたステーショナリーやアクセサリーそれが売れる。貧しい国だったころには、一番の不要品だったもの。それが売れる。「価値は逆転したのだなぁ」。僕も客の立場なら、今日のお客さんと同じような買い物をしたかも知れない。でも、この違和感をどう表現したらいいのだろう--「皆さん、最近のトマトは何で青臭い味がしなくなったと思いますか?」 講演会の演壇に立った農業関係者が、こう切り出したことがあった。表面にキズのあるものを買わない--青臭いにおいのするものは苦手--そういう消費者の嗜好に沿って「皮が分厚く、青臭い味のしない品種」が作られた。それが、現代のトマトの主流となって全国に流通しているという。「トマトはもともと皮が薄く、かじった時に青臭い味が広がるものだったのですよ」古い良質な衣類を着こなす「工夫」映画や本など、新しいものを取り入れる「受容」知育おもちゃを子どもと一緒に楽しむ「時間」旬を過ぎたものの中にも価値を見出す「眼力」青臭いトマトのにおいを楽しむこと・・「我慢したくないよ」「エネルギー使いたくないよ」「忙しいんだよ」と、僕自身の声。何で僕たちは・・「豊か」 なのに 「余裕がない」のだろう。
2007.05.04
コメント(2)

見守ってくれているのです。
2007.05.03
コメント(0)

漫画喫茶に行った。書きかけの小説の続きを書くためだ。「書こう」と思った時は、いつもそうしている。家では誘惑がたくさんあって・・テレビとか、ソファとか・・缶詰とか、ビールとか・・毛抜き(!?)とか・・でも最大の敵はブログだなぁ。ブログを巡回するだけで一日なんてあっという間にたってしまう。こんなにブログ好きになるなんて・・そう言えば子どものころあれが好きだったのと何か関係があるのかも知れない。小学○年生といった雑誌の・・ふろく。ダジャレだよっ(泣)さて、今日は三時間半ねばった。その間、PCをたたく(ワープロ)以外はコーヒーを飲むこと、たばこを吸うことくらいだ。もちろん、漫画喫茶にも誘惑はたくさんある。それらには手を出さないのが自分の中での取り決めだ。その取り決めは、意外にも今日まで守られている。夕方まで書いて、カメラ散歩に出る。それが僕にとっての充実した休日の過ごし方。何か寂しい気もするのだが。そういうわけで、カメラ散歩はいつも夕暮れ時になってしまう。その頃になると、もう光が少なくてあまりいい写真は撮れない。それでも・・探せば何かある。僕としては、一枚目の方が気に入っている。バラバラの花たちが、一つの調和を作っているような構図を狙った。・・ウソです(笑)このローアングルでファインダーのぞいたら僕のかわいいほっぺは砂だらけだろう。そして、散歩道の人たちは僕を指さすだろう。その時僕はどう切り抜けようか・・足をワン・ツー・ワン・ツーしてエクササイズのふり?・・・いや小道具が必要だろう。ずばり「ファーブル昆虫記の本」。片手に持っているだけで、違和感ゼロ・・的な?・・・分からない。この記事で、一体何が言いたいのかが分からない(笑)
2007.05.02
コメント(2)

自由な時間一人で天井を見ていると思い出が襲ってくる後悔怒り虚しさどうしようもなかった数々のこと何時間もそうしているともう立ち上がる力も無くなっていて・・不意に電話が鳴る仕事の電話だった人の声を聞き天井のぐるぐるから解放されたさあやるべきことをやろう
2007.05.02
コメント(0)

軽井沢 最終日ローカル線に乗った。 たった一駅。何だかのんびりした駅だった。 二日前凍てつくような闇に包まれたこの街のイメージはもうなかった。かばんの中に、とある「箱」を確認して駅前の商店街へと歩く。それは、軽井沢に来て初日のこと。その夜、僕は軽井沢の中心街から、この街までレンタサイクルを飛ばした。「一番近い電器屋さんはどこですか?」「中軽井沢の駅前の商店街だね。自転車? 十分くらいかな・・」ペダルをこぎ始めると、すぐに灯りが無くなった。レンタサイクルのダイナモを足で入れると、ヘッドライトはほとんど真下を照らす。「ペダルが重くなるだけだな」と元に戻すと本当に真っ暗な世界になった。僕がペダルをこぐ音時々車道を通る車の音雨上がりの空気はとても冷たい。交差点にさしかかるたびに、舗道のコンクリートの深い段差が前かごに入った食料品と僕の尻を跳ね上げる。自転車が壊れるのではないかと心配になるほどの音。どれくらいこぎ続けただろう。おそらく、コンビニのおじさんが教えてくれた倍以上の時間。不安がピークに達したころこの駅前に出た。『で、駅前を右に曲がったらすぐに二軒あるよ。でも、この時間開いてるかなぁ・・このあたり、店、閉まるの早いのよ』おじさんの言葉を思い出しながらもうすっかり灯りの少なくなった商店街に進む。一軒目--だめだ、閉まってる。二件目--灯りが点いている!自転車を降りると、僕は、駆け込むように小さな街の電器屋さんの戸を開けた。「いらっしゃいませ」黒く細いフレームの眼鏡をかけたお姉さん。(そう、お姉さんと呼ばせていただこう。たとえ何歳でも(笑))「すみませんっ、SDカードリーダーって置いてますか?」「あぁぁ。うちは置いてないんですよぉ」僕は言葉を失った。「・・そうですか」「あっ、でも貸してあげます。うちで使ってる古いのならあるから」お姉さんはそう言って、棚の奥を探る。僕は、「絶望」の方に下がりかけていたレバーが急に「期待」の方向に上がって目眩がした。自分がどんな顔をしていたか分からない。きっと余裕の無い顔だった。人間、突然の幸運に出会った瞬間はきっと余裕がない。「はい。ちょっと古いから使えるかどうか分からないけど」お姉さんは、黒い箱を差し出した。間違いなくSDカードリーダーだ。「いいんですか? そんな・・甘えちゃって」「いいですよ。うちは明日も明後日も開いてるから、二三日使ってもらって大丈夫ですよ」僕はお姉さんに名刺を渡しながら何度もお礼を言った。そう。あの時お姉さんがカードリーダーを貸してくれなかったら・・僕はブログを更新できなかったのだ。(そんな理由かよっ)お姉さんにカードリーダーを返した。途中で買ったお菓子を添えて。不思議なものでお姉さんに返した瞬間今回の旅が終わった気がした。カードリーダーは返したけど稚拙な表現ながら何だかあったかいものがやっぱり身体に残ったのです。
2007.04.30
コメント(6)

バスに乗った。バスに乗るのも、山道を走るのも久しぶり。滝を観て古いホテルを観たあと 次のバスがあと一時間以上ないと分かった。針葉樹と点々と、古びた別荘の道。「何で歩かないといけないの」「パパのせいだ」長い道に小五の長女はふてくされる。しばらく放っておいたあと話しかけた。「色んな別荘があるよ」 あっちのは、かわった煙突-- こっちの石垣はすごいね--麓に着くころには曲がったヘソも真っ直ぐに。仕上げに・・チョコバナナクレープでご満足の様子。・・やれやれ。 古いホテルの日だまり。曲がったヘソは困るけど曲がったガラスは綺麗でした(笑)
2007.04.29
コメント(2)

海の向こうに 第五話 「むこ」をアップしました。クリックいただくと、掲載ページに飛びます。 ↓ ↓http://kirin74.blog87.fc2.com/--------昨日から始めた一周年企画。今日は、去年夏に使っていたトップ画像をどうぞ(^^)
2007.04.28
コメント(0)

軽井沢に、きた。ホテルで借りたレンタサイクルでログハウス風の店にふらりと入る。その店は、ちょっと特徴的な店だった。天井と壁を埋め尽くす古い切符と 定期券僕と似たようなルートの通勤定期印刷された「60」の文字は昭和六十年のこと。僕が高校生くらいに今の僕の道を通った人「この店は時間の流れ方が違うんだ」ショウガ焼き定食をいただいている途中スコールのような雨が借りたばかりの自転車を濡らし始め慌てる家族に「そうだね。どうしよっか・・」と考えた末コーヒーとチョコレートパフェを追加注文。落書き帳があった。昭和五十五年のノート「来月結婚します--」その文字の上から書かれた×マークが気になってストーリーを想像していたら雨が上がってた。あと二日このペースでいこう。
2007.04.28
コメント(0)

金曜が終わった。明日は一日寝ていたいくらいだけど朝から遠くに行ってきます。結構キツイ。。ところで、このブログってスタートは去年の5月6日だった。というわけで今日から、ちょっと当時を振り返ってみようかと。一番最初のきぢのしゃしん ↓当時はタイトルも違った。それから途中半年近く更新しなかったこともあったなぁ。とはいえ。もうすぐ一周年ということで何かリニューアルでも考えようかと思うのだが。このままでもいいかな、とも思うし。もう少し考えます。
2007.04.27
コメント(2)

GWは・・とある場所に旅行の計画を立てている。そこからブログを更新できたらいいなぁなんて思っている。 ところで、わが愛しのMacBookちゃんは周囲のワイヤレスLANを勝手に探してくれるようだ。この前、都内のとある公園でSafari(ブラウザ)を立ち上げたらネットにつながってびっくりした。パスワードを設定していないLANなのかなぁ。というわけで、もしそんな親切な環境が旅先にあれば無事更新できるという訳だが・・。あーあとにかく忙しくって、ペースが乱れる今日この頃。詩もしばらく書いてないなぁ。決してその星にたどり着くことのない衛星のように核心の周りを一定の半径を保ちながらぐるぐると回り続けている毎日、そんな感じどんなGWになるのだろう。とにかく、もうすぐだ。でも、その前に・・「わたしたちの教科書」みよっと(笑)
2007.04.26
コメント(0)
久しぶりに 朝から晴れた。 保育園まで かたぐるました。
2007.04.25
コメント(2)

業務改善を図ろうと 書類の棚を新調した。 阪神君が調達した棚に 庶務の女性が 「おぎやはぎ」の写真を デコレート。 外回りから帰社した先輩に 僕は説明した。 「今後、その日の見積りは、 あの『おぎやはぎや』の棚ってことで‥」 「あはははっ!」 阪神君は大爆笑。 「あははは‥はぁはぁ。‥ 『おぎやはぎや』て、 “おはぎ屋“みたいやないですかぁ!」 鬼の首をとったように 喜んだ。 チクショーっ 帰り際。 「見積りチェックしたら、あっちに回しとけよ」 そう言ったら・・ あの、 『おぎやはぎや』のヤツですよね―― 「じゃかましわっ」 戸を閉めながら見た 阪神君の顔は 東京に来てからの 彼の一番のスマイルだった チクショーっ(再)(笑)
2007.04.23
コメント(2)

今週、一日だけの休日は風が強かった花は揺れるだろうから雑踏を写してみよう 気がつけば殺伐としたものばかり追いかけている殺伐としているのは街それとも僕パラグアイの誘拐事件無事解放された日本人は「自由の身のありがたさを実感している」その言葉にドキリとした投げやりな休日
2007.04.22
コメント(2)

海の向こうに 第五話 「こどもでいること」をアップしました。 ↓ ↓http://kirin74.blog87.fc2.com/-----あぁ。今週はぐったり疲れてしまった。そんな時は・・・なぜか、カレーが食べたくなるのだった。
2007.04.22
コメント(0)

子どもは素直。やりたいことに素直。たまには、そうありたいものと思い買い物に。電車を乗り継ぎ、錦糸町へ。楽器屋の若い女性の店員さん。 --何に使うの --どうして買いたいのうまく説明できないから適当に答えるとなあんか、ちょいワルですね、とからかわれた。ピッチの感覚が分からない。眼じゃなく 口で 音を探る。目標は「コーリング・ユー」の奏破。いつか観たバグダッドカフェの音のように?「やりたいことに素直であれ」そうしてみた僕は・・・ちょいワル? 子ども?どっちだろう。
2007.04.18
コメント(4)

「いや、僕は二枚目路線で行きますよ。・・・織田裕二路線かな」 関西弁。小太りに眼鏡。織田裕二を希望にも関わらずオール阪神君と命名された。4月に転勤してきた後輩(25)のことだ。午前0時。銀座。歓迎会のあとの路上で「何かのどが渇いたなぁ」と先輩。阪神君は、突然ダッシュ。三十分間行方不明となったあと僕、どこにいるんでしょうか、と電話が入る。日比谷で捕獲。ポカリ探してたんですけど、とかいた頭を先輩にポカリとやられ別の先輩からは「CTを撮ってこい。アイツのは後で来る。もうあれで5人殺してるんだ」と、脅された。初めて東京で暮らす阪神君。「僕の太陽のような笑顔があれば」命名した先輩が想定する「オール巨人君」は仕事でコンビを組む僕、らしい。
2007.04.17
コメント(6)

先日、女性の古い友達にメールを送った。久しぶりだった。 吉本ばななの「キッチン」を何度も読み返す人。話しかけなければいつも黙っている人。悲しい時は・・大粒の涙をぽろぽろと落とす人。「ヤツとは、何とかやってます」。返ってきた文の中には笑顔の顔文字が三つ咲いていた。友達って、面倒くさくて、面白い--何かのキャンペーンのフレーズを思い出した。「 季節は春。 お互い凹んだぶん、 今の平和を感じよう 」僕は、うれしくてあわてて打った青臭い文章を夜の電車から発信した。
2007.04.16
コメント(4)

連載中の「海の向こうに 第四話 公衆電話」をアップしました。↑ ↑クリックしていただくと、掲載ページに飛びます。----先日、新宿のルミネでごはんを食べた。 和食ダイニングの店「ろいす」。コースは前菜やメーンを選べるのだが、僕は写真のようなものを選んだ。煮カボチャが絶妙だった。少し固めで、カボチャをかじっている感じがちゃんとする。カボチャの味がする。その味が煮汁の味で支えられている。そんな感じだった。おいしい料理。それは、映画を観に行ったり、旅行をしたりするのと同じように生活の中にくっきりとした像を残す。うーん。どう言えばいいのかなぁ。そういうことを「思い出に残る」と言ったりするのだろう。何が思い出に残るかは、後にならないと分からないが、少なくともその種にはなるのかも。今日は日曜日。何かおいしいものでも食べに行きたいなぁ。
2007.04.15
コメント(2)

元気がない時は、何をしてもうまくいかない。 汐留のCDショップに立ち寄った。平日の夕方で空いていた。分からない。平積みしてあるジャケットを見ても、どんなアーティストなのか、どんな音楽なのか。色々試聴してみる。ヒップホップはあまり好きじゃない。いい思い出がない。初めてのアンジェラ・アキの声もささらなかった。男女二人組の新人ユニットの歌詞は、異世代の世界を描いていて僕は取り残された。インストゥルメンタル系もリサーチ不足で手を出せなかった。気がつくと、懐かしい馴染みの音楽を探している自分がいて、危険のシグナルが鳴る。「僕は一体何が聴きたいのだろう」通勤の音楽がマンネリ化していた。それを何とかしたいと思っているのに。CDに刻まれた、無機質な溝のイメージが心を占めていた。再生機がなければ機能しない溝。その溝から何かを読み取ろうと、懸命に眼を凝らしている僕。 翌日。突然ぽっかりと空いた一時間を埋めようと、僕は中央区の図書館に立ち寄った。古びた図書館のロビーに小さなCDのコーナーがあった。五枚まで無料で貸し出すと書いている。棚のタグは「クラシック」から始まり、映画音楽やポピュラー・・一通りのジャンルを揃えている。僕は、大好きなインストゥルメンタル系をパスして日本のポピュラーを探した。それは「流行歌・演歌」の棚に収まっていた。少し可笑しかった。十分くらいあれこれ眺めた後--。僕は「あ」の行の、一番端から五枚のCDを抜き取り貸し出しカウンターに差し出した。今、僕はそんな風にでたらめに選んだCDを聴きながら、この日記を書いている。イヤフォンから耳新しい音が流れてくる。そうしているうちに、気がついた。この三日間。僕はただ、気分を変えたかったのだ。
2007.04.14
コメント(6)
お昼サンドイッチを食べようと訪れた公園は八重桜が最後の季節で一番大きな樹の下にシートを敷いて会社員の男女サンドイッチを食べ終わり一行が去ったあとに桜が五つあの人たちの空気と一緒に並んでいた
2007.04.12
コメント(0)
耳をすましてみよう電車の扉が開く音革靴の群の、馬蹄音若い足がカツカツと地面を蹴る音年老いた足がずるずるとひきずる音耳をすましてみよう空調機が空気を吹き出す音エレベーターのモーターの回る音どこかで聞こえる赤ちゃんの泣き声大きな口を開けて小さな声帯をめいっぱい振るわせてここにいる僕まで届く音音無しい人たちよ音を、立てよう音こそが活動の証音こそが今ある命の証
2007.04.09
コメント(2)

山田洋次監督と言えば・・・寅さんシリーズなど、日本の娯楽映画の巨匠だ。先日、山田監督の著書「映画をつくる」を読んだ。1978年に書かれた古い本だが、学ぶところは多い。とある映画談義が紹介されていた。ある男性が「映画たるものこうあらねばならない」と高慢な議論を展開するので、山田監督が聞いてみた。「それで、最近はどんな映画をご覧になりましたか?」すると男性は少し考えて「植木ひとしの『無責任時代』。いやぁ疲れた時は難しい映画は、どうもね」と言ったそうだ。そんなものなのだ。僕たちは、つい難しい理屈をつけてしまうのだけど人の心にスッと入っていくものを目指したいものだ。それは人を喜ばせるギャグであったりひと目で美を感じる映像であったりドキリとさせる詩であったり。「娯楽」という言葉をあなどってはならない。それでは・・いわゆる「難しいこと」はどんな風に位置づければいいのだろうか。「難しいこと」であればこそ得られる深い共感を、僕は様々な本からいただいている。うーん。モノを書いて発表するということは思うよりずっと奥が深いのだろう。
2007.04.08
コメント(0)
海の向こうに 第三話 「橋をわたる」アップしました。 ↑↑クリックしてもらうと掲載ページにジャンプします。-------昨日は新宿・都庁に初めて行ってきた。夜景を観るため最上階に上がると、結構な込みよう。外国人のおじちゃんおばちゃんと肩を並べて東京の空中散歩を楽しんだ。**それにしても、行き帰りの電車は混んでいたのに、ほぼ座れた。小さな子を抱えて立っていると「どうぞ」といって席を譲ってくれる人がいたのだ。「いいですよ、いいですよ」「いえいえ、どうぞ」うれしくて座らせてもらう。一人目はお兄さん、二人目はお姉さんだったのだが、このお姉さんは、すんごい高い(8センチはあった)、かっこいいヒールを履いていた。しかも、その後も長い間電車に乗っていたので気の毒になってしまった。早く彼女のための席が空かないかなぁと思っていた。彼女も多分しんどいのだろう、手にした小説もそこそこに駅で人が乗り降りするたびに席をチラ見するのだが、なかなか椅子取りゲームに勝利できない。僕が替わってあげようかと思ったけど、きっと断られる。僕は何だか、気の毒と同時に、ほほえましい気持ちになった。「いいんです。どうぞ」と言ってゆずってくれた彼女の笑顔を思い出しながら、僕はしばらく、彼女の苦闘の様子を目を細めて眺めていた。
2007.04.08
コメント(0)

先週の休日 千鳥ヶ淵にて 靖国神社の脇、九段坂を上り、桜に会いに行く。 何となく、寄り道しながら。 東京の桜は---満開だった。 ふるさとの桜も ちょうど今週 満開になるだろう。
2007.04.07
コメント(2)
4月の始めはやはり忙しく先週の桜の画像をようやくPCに収めた次第夜桜の写真なのでこれがまたブレブレでがっくり。
2007.04.07
コメント(0)
蔦の壁がきれいな中学校国旗がかかっていることに気がついたどうやら今日が入学式いろいろな物語の始まりの日なのでしょう
2007.04.06
コメント(4)

ペッタリ感が好きたれパンダ的なここ5年くらい愛用のギターネックが太いところニスのないボディがお気に入り偶然みかけた親子のひとコマ
2007.04.05
コメント(0)
全359件 (359件中 1-50件目)
![]()
![]()
![]()