心の赴くままに

心の赴くままに

PR

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2008.09.10
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 かつて、21世紀は日本の時代だと言われたことがありました。

 1980年代に、日本の経営は素晴らしいと言われたことは、まだそれほど遠い記憶ではありません。

 ところが、21世紀は日本の時代ではありませんでした。

 ”大逆転―新しい日本モデルの挑戦”(2002年7月 東洋経済新報社刊 田原総一朗/金子勝/御手洗冨士夫)を読みました。

 国際競争で生き残る新日本型モデルの必要性は何かを探るための本です。

 故盛田昭夫さんは、日本的経営は素晴らしい、世界に冠たるものだと常々言っておられ、なにより家族的経営を行っているということを強調されていました。

 不況になっても簡単にレイオフなどしない、現場主義を重んじ、トップから現場の末端まで非常にうまくコミュニケーションがとれているというわけです。

 アメリカ的経営は従業員のことを考えずに、株主のことばかりを考えているからダメなのだと厳しく指摘しました。

 そのために、アメリカ企業の従業員は愛社精神を持たず、日本企業の従業員のように強い忠誠心を持って主体的に働くことができないと断じていました。



 ところが21世紀に入った今、その構図は逆転しました。

 いまや日本的経営は先進国の中でも最悪で、このままいくとアルゼンチンのように経済崩壊を起こしてしまうのではないかとまで言われていました。

 いったいどうしてこんな逆転が起きてしまったのでしょうか。

 アメリカはその余りある資本を使って、新産業創出のために積極的に投資しました。

 特に冷戦時代は軍事産業を中心に航空宇宙産業や素材産業などに投資し、そこから生まれ育ってくる技術や新産業が新しい市場を形成し、その中で独占的な地位を占めるようになりました。

 その結果、アメリカの最先端産業は高賃金、高配当が可能となったため、頭脳も資本もさらに集まってきました。

 その半面、繊維や家電などの在来産業は生産性が低下して、1970年代から国際競争力を失っていきました。

 一方、日本は戦争で生産設備を失い、廃墟の中から今すぐ生活に必要と思われるもの、それこそ鍋釜から再び作り始めなければならなかったのです。

 そして、次にそれを作るための設備や素材、エネルギー等を輸入するため、輸出可能な製品を作って外貨を稼がなければなりませんでした。

 国民の勤勉さと器用さに加え、生産技術を磨き、国際競争に打ち勝つために日本の製造業は世界で一番安くて品質のいいモノづくりを目指してがんばり、戦後の発展を果たしてきました。

 このような状況の中で、アメリカは開発優先型の産業構造を築き、日本は生産技術優先型の産業構造を築いていきました。



 しかし、アメリカは85年のヤングレポートを参考にしながら、プロパテント政策で技術を大学に集め、それを新産業の創出に結びつけ、高付加価値産業への転換を進めました。

 これが90年代の日米再逆転の布石となりました。

 90年代のアメリカを作ったのは、1つはIT産業、もう1つは金融ビジネスです。

 現代の新しいサービスは、OSとネットワークを握ったものが圧倒的な勝利を収めます。

 日本はITでハンドルを握れなかったための惨敗しました。



 日本は、日本の社会に根ざした日本独自の特性を生かして、国際競争に勝てる企業を作るべきです。

 日本は、戦後50年続けてきた産業政策が制度疲労を起こし、さまざまな局面で歪みが表面化しています。

 官僚主導の保護政策が高コスト体質をもたらし、グローバルな競争力を失ってしまいました。

 本来80年代に構造改革すべきでしたが、円高不況に続く金融緩和によってバブル経済が発生し、改革の好機を逃してしまいました。

 その結果、経済の長期低迷にあえぎ、企業の活気が失われてしまいました。

 我々は、早急に新しい日本にマッチしたビジネスモデルを築いていかなければなりません。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.09.10 05:40:25
コメント(3) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: