心の赴くままに

心の赴くままに

PR

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2012.03.27
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 1945年より1952年にかけて、連合国軍最高司令官総司令部GHQの占領政策の1つとして、財閥解体が行われました。

 侵略戦争遂行の経済的基盤になった財閥の解体による、第二次世界大戦以前の日本の経済体制の壊滅が目的とされました。

 ”財閥解体 GHQエコノミストの回想”(2004年7月 東洋経済新報社刊 エレノア・M・ハドレー/パトレシア・へーガン・クワヤマ著)を読みました。

 財閥解体政策に携わったGHQの女性官僚の、長年の日本経済研究と自らの波乱に満ちた生涯の回想録です。

 1945年9月22日にアメリカ政府が発表した”降伏後における米国の初期の対日方針”は、その第4章経済のB項で、”日本の商業及び生産上の大部分を支配し来りたる産業上及び金融上の大コンビネーションの解体を促進”すると規定していました。

 アメリカなど連合国側には、財閥が日本軍国主義を制度的に支援したという認識があり、これを解体する事で軍国主義を根本的に壊滅できると考えていました。

 エレノア・M・ハドレーさんは、1930年代末期、大学生の頃から日本と深い関係を持った経済学者です。

 1916年にアメリカのシアトルに生まれ、1934年にオークランドのミルズ大学に入学し、学生の時、日米学生会議に出席しました。

 その後、東京帝国大学に留学する奨学金を得て再来日し、ミルズ大学を卒業した1938年から1940年に、日本やアジア各国を旅行しました。



 帰国後、1941年に、ラトクリフ大学に入学し、経済学を専攻し、1943年に国務省に採用され、日本経済の分析を担当しました。

 ラドクリフ大学は、マサチューセッツ州ケンブリッジにあった女子大学で、1999年に、設立当初から提携関係にあったハーバード大学に統合されました。

 第2次世界大戦中、1944年にハーバード大学で経済学の博士課程の単位を取得した後、日本の産業組織の専門家として、アメリカ政府による戦後日本の占領政策の一環である民主化改革に引き込まれました。

 主に関わった政策は、財閥解体でした。

 この経験が、彼女の博士学位論文のテーマの動機となりました。

 日本での仕事を終えて帰国し、1947年にハーバード大学の大学院に入学し、1949年に博士号を取得しました。

 大学院卒業後、マサチューセッツ州のスミス・カレッジやジョージ・ワシントン大学の教授に就任しました。

 1940年代末に左翼として排斥され、以後17年もの間、公職から追放された時代がありました。
 その後、国際貿易委員会の前身であるアメリカ関税委員会や会計検査院で働いた後、1984年に引退し、生まれ故郷のシアトルに戻りました。

 苦悩の期間も、また名誉回復後も、大学で教壇に立ち、経済学研究に傾ける情熱は衰えることがなかったそうです。

 2002年に自叙伝 memoirs of a Trustbuster: A Lifelong Adventure with Japan を出版しました。



 日本語の翻訳は、田代やす子氏が担当しました。

 1945年8月30日、マッカーサーが厚木に到着、1945年10月11日、マッカーサーが幣原首相に憲法改正と5大改革を要求、1945年11月6日、GHQが財閥解体を指令しました。

 当初、日本政府は財閥解体には消極的でしたが、三井財閥内で三井本社の解体論が台頭したほか、安田財閥の持株会社である安田保善社で自社の解散を決定し、安田一族の保善社と傘下企業役員からの辞任、一族保有の株式を公開する方針を決定しました。

 GHQは、財閥解体に当たっては日本側の自発的な行動に期待し、GHQはそれを支援するに留めるが、日本側に積極的な動きが見られない場合は自ら実施に乗り出すとの姿勢を示しました。

 政府は三菱、住友を加えた4財閥やGHQと財閥解体に向けての協議を進め、安田案を土台にした財閥解体計画案をGHQに提出しました。



 1947年12月18日、過度経済力集中排除法が公布され、1948年9月11日、GHQ集中排除審査委員会が集排法実施4原則を提示し、1948年12月18日、GHQが経済安定9原則を発表し、1949年3月7日、ドッジラインが発表され、1949年8月3日、 GHQが集中排除審査委員会の任務完了と声明しました。

第1章 戦前の経験:来日と中国への旅
第2章 ラドクリフ大学とワシントンDC
第3章 占領
第4章 集中排除の継続
第5章 1950年代とその先のアメリカ
第6章 回顧






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.03.27 18:50:28
コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: