心の赴くままに

心の赴くままに

PR

×

Archives

2026.05

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2026.03.14
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 アーサー・イグナティウス・コナン・ドイルは、「シャーロック・ホームズ」シリーズの生みの親として世界的に知られています。
 ”コナンドイル伝 ホームズよりも事件を呼ぶ男”(2025年11月 講談社刊 篠田 航一著)を読みました。
 科学的な推理を身上とする名探偵シャーロック・ホームズを生んだ、コナン・ドイルの数奇な人生を作品とともに解説しています。
 推理小説の他に、SF小説や歴史小説、冒険小説なども多数執筆しました。
 特に「シャーロック・ホームズ」シリーズは、現代のミステリー作品の基礎を築いたと言われています。
 1859年スコットランド・エディンバラ生まれで、イギリスの作家であり医師・政治活動家でもありました。
 1868年にランカシャーの寄宿学校ホダー学院に、1870年にストーニーハースト・カレッジに入学しました。
 1875年にオーストリアへ留学してドイツ語を学び、1876年にエディンバラ大学医学部に進学しました。
 1880年に船医見習いとして北極海へ航海し、1881年に医師資格を取得しました。
 1882年にポーツマスで医院を開業し、同時に執筆活動を開始しました。
 1885年に医学博士号を取得し、ルイーザ・ホーキンスと結婚しました。
 1886年に「シャーロック・ホームズ」シリーズ第1作の、『緋色の研究』を執筆しました。
 1891年に「ストランド・マガジン」でホームズ短編の連載を開始し、これが大ヒットとなりました。
 1902年にナイトに叙せられ、サーの称号を得ました。
 1906年に妻が亡くなり、翌年、ジーンと再婚しました。
 1930年に71歳で心臓発作により、自宅で死去しました。
 篠田航一さんは1973年東京都生まれ、1997年に早稲田大学政治経済学部を卒業し、毎日新聞社に入社しました。
 2011年から4年間、ベルリン特派員としてドイツを中心に、ウクライナ紛争などを取材しました。
 2015年5月から青森支局次長、2017年からカイロ特派員を務めました。
 ほかに、甲府支局、武蔵野支局、東京社会部、ロンド派員なども経験しています。
 そして、2025年4月より外信部長を務めています。
 しかし医学の勉強がイヤで、在学中にも北氷洋行きの捕鯨船に乗りました。
 名目上は船医でしたが、実質的には船乗りの一員として7ヶ月も乗り込みました。
 その後、平凡な成績でしたが卒業にこぎつけました。
 医学士と外科修士の学位を得て医師になりましたが、自分の能力に自信が持てなかったようです。
 職場を転々としましたが、妻帯者でしたので生活費がかさみました。
 そこで、診察時間の合間に気軽なアルバイトとして、小説の執筆を始めました。
 最初は当時の一流文学を目指しましたが、そこそこの評価しか受けられませんでした。
 そのため、二流文学とされた探偵小説の執筆に手を染めました。
 1886年に第一作の『緋色の研究』に着手し、1ヶ月後に作品を完成させました。
 当初は、掲載してもらえる雑誌が見つからなかったといいます。
 翌年、「ビートンズ・クリスマス・アニュアル」という雑誌の片隅に掲載されました。
 この小説は一躍人気を呼び、単行本化にも成功しました。
 その後、コナン・ドイルは大人気作家になりました。
 ホームズ物語は19世紀以降、世界で約140年もの間ベストセラーでした。
 著者は、書き出しからスイスイ読ませてくれる筆力にうなってしまうといいます。
 ドイルは、自分で面白いと思うもの以外は決して書くまいと心に決したのでした。
 それが、人を面白がらせる必要条件だと思ったからです。
 ホームズのシリーズは、長編4作品、短編56作品の、計60作品です。
 特に人気なのは、1902年の長編『バスカヴィル家の犬』です。
 著者は、小学生の時にダイジェスト版で最初から最後まで、一気に読んだそうです。
 ドイルは雰囲気作りが得意な作家で、序盤からサスペンスを構築するのがうまかったそうです。
 即座にドキドキ場面を提示して、読者の好奇心を刺激する雰囲気を作りました。
 作品の多くは冒頭から読者の興味をそらさず、早く次を読みたくなる構成になっています。
 そして、リズムやスピード感が圧倒的なのです。
 しかしながら、ドイルは実は不本意だったのだといいます。
 推理作家ではなく、歴史作家として認められたいと思っていたからです。
 しかし、その承認欲求は常に満たされませんでした。
 社会的には大成功者だったはずですが、ドイルは生涯をいかに生きるべきかという悩みに取り憑かれて過ごしたといいます。
 40歳で突然「軍隊に入る」と宣言しました。
 「切り裂きジャック事件」の犯人説がありました。
 「妖精事件」で世間を騒がせたアガサ・クリスティ失踪で勝手に「心霊捜査」をした、タイタニック号事件をめぐり大論争があった、政治家を目指して二度落選したなどなど。
 ドイルが軍隊に入隊しようとした動機は、強い「愛国心」と若者の模範を志向したからでした。
 しかし、ドイルは年齢が原因で陸軍の兵役検査に落ちてしまいました。
 それでも諦めず、医療奉仕団に医師の一人として参加して戦争に貢献しました。
 切り裂きジャック事件は、1888年にイギリスのロンドンで発生した歴史的な未解決事件です。
 1世紀以上にわたって多くの説が唱えられてきましたが、いまだに決定的な証拠は見つかっていません。
 後世には、実は犯人はドイルだったという説まで浮上しました。
 これは都市伝説の類で、まじめに取り上げる話ではありません。
 コティングリー妖精事件は、1917年~20年にイギリスで起きた妖精の写真の真偽をめぐる騒動です。
 エルシーとフランシスは、妖精が写っているとされる写真を5枚撮影しました。
 ドイルは、写真の専門家に鑑定を依頼した後、妖精写真を本物だと信じ雑誌に発表しました。
 しかし、ドイルが亡くなってから、エルシーは写真が偽物であったことをあっさり認めました。
 ミステリー作家のアガサ・クリスティは、1926年12月3日に自宅を出てから11日間行方不明になりました。
 アガサは、夫との大喧嘩の後、幼い娘の乳母に手紙を残して姿を消したのでした。
 数千人の警官が動員され、夫による殺害や遺体遺棄も疑われるほど大規模な捜索が行われました。
 ドイルは、アガサの夫に会ってアガサの手袋を借りて、知人の霊媒師に渡しました。
 11日後、アガサは偽名で保養地のホテルに宿泊しているところを発見されました。
 ドイルは、すぐ消息が分かるとした霊媒師の予言が当たったと言い張ったといいます。
 タイタニック号の沈没事故は、1912年4月14日から15日にかけて北大西洋で発生しました。
 この事故は多くの死傷者を出し、その原因や状況について長年にわたり様々な議論が交わされてきました。
 事故当時の新聞は、乗客をボートに乗せて自分は船とともに沈んだスミス船長の自己犠牲を賞賛しました。
 しかしバーナード・ショーは、事故の詳細が不明なのに、メロドラマのような話にすべきでないとしました。
 これに対し、ドイルはスミス船長を擁護し、英雄的な行為を賞賛しました。
 そして、政治家を目指して二度落選しました。
 目的は、ボーア戦争でのイギリス政府の行動を擁護することでした。
 一度目は、1900年の総選挙にエディンバラ中央選挙区で立候補しました。
 二度目の選挙はその数年後で、1906年の総選挙にホーウィック・バーグス選挙区で立候補しました。
 小説家としての名声が、政治的な成功に直結することはありませんでした。
 ドイルは、医師、作家であると同時に、実はかなり強烈な心霊主義者で愛国者でした。
 ドイル自身はホームズ同様、ひょっとしてホームズを上回る面白いキャラクターでした。
 一方、心霊に凝ってからはおかしな人になっていきました。
 ただし、人間は矛盾を抱えた生き物です。
 科学的で合理的な推理と深く心霊の世界に没頭する矛盾を隠さないドイルの姿には、むしろ強く惹かれるものがあるといいます。
 ホームズは楽しいです。
 熱烈なシャーロッキアンは、ホームズ物語の60作品をCanon(聖書の正典)と呼んで楽しみます。
 ドラマも映画も十分に面白いですが、やはり原作は抜群に面白いです。
 ホームズ以外のドイルの作品なども、何度読んでも面白いです。
 こうした作品の数々を生んだアーサー・コナンードイルとは、どんな人物なのでしょうか。
 本書はその足跡をたどり、科学と非科学の間で揺れ動きながらホームズを生んだ不思議に迫っています。
第一章 エディンバラの青春/第二章 ホームズ誕生/第三章 二〇世紀と魔犬/第四章 名探偵とタイタニック/第五章 戦争と心霊/第六章 ドイルと現代





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2026.03.14 08:27:23
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: