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いよいよ人間界へ旅立ちか?

さあ、続きをどうぞ。 ( もくじは ここに あるよ)


【カーラ32】

父王に挨拶をすませたカーラは、

部屋に戻っていた。

椅子に腰掛け、指輪を見ながら、

なにやら考え込んでいる様子だった。

「姫様。その指輪が、どうかされましたか」

リカムが何気なく聞いた。

彼は、セテがカーラに指輪を渡したことも、

その時なぞめいた言葉を伝えたことも、知らなかった。

カーラは顔をあげてリカムを見たが、

その視線は、何かを言いかけてから止めたというように、

再び指輪に戻された。

リカムは、この先の全く新しい将来に対する

不安なのだと思い、

それ以上は聞かなかった。

その時の彼自身、

見通しのつかぬ人生へと歩みだす期待と不安で、

その胸中穏やかとは言えなかったのだ。 

次の日の朝早く、

宮殿の玄関まえに、宮殿の人々が大勢で集まっていた。

皆、朝の仕事を差し置いて、

カーラとリカムの見送りに出てきたのだ。 

カーラは、人々からの別れを惜しむ言葉に、

いちいち頷きながら、

父王の姿を探した。

しかし父王は、

その場には来ていなかった。

「別れの挨拶はもうすんだからと仰られ、

自室に残られております」

申し訳なさそうに言った従者のことばに、

カーラはがっかりした様子を隠せなかった。

その時ジイドが、一歩前に進み出た。

「姫様。これを、王様から預かってまいりました」

カーラが差し出された小さな木の箱を受け取り、

蝶番のふたをそっと開けると、

中には一粒のダイヤモンドのネックレスが入っていた。

それは朝の光を集めて、 

見る角度ごとに違う輝きをを見せていた。 

「これは、

亡き女王様の王冠についていた、石にございます。

王様は、大切にしまってあった王冠から、

この石をお外しになり、

ご自分の手で、このようなものにお作り直されました。

昨夜遅くに、これを姫様に渡すようにと仰せられ、

手前がお預かり致しました」

「それでッ? お父様はその時、何ておっしゃったの?」

カーラは、父王の深い思いやりに

胸が詰まる思いだった。

ジイドは済まなそうに答えた。 

「いえ、特には何も……

これを姫様に渡すように、と仰っただけでした」

それから程なくして、カーラとリカムは、

宮殿の者達に見送られながら、

人間界へと旅立っていった。

その時、王はただ一人窓辺に佇み、

金色の粉を軌跡に残しながら、ふたつの気流が遠ざかってゆくのを、

いつまでも見送っていた。

王の目には涙があふれ、

足元の床には

涙のあとが点々と残っていた。

「運命はお前を、人間界と連れ去ってしまった……。

だがカーラよ。父はお前がいつの日か、

再び戻る日がくると信じておる。

それまでは、

思う存分、やってみるがよい。 

くれぐれも、無事に過ごすがよい……」 

(つづく) にしないと、指輪のなぞが解けませんな。

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Last updated  April 24, 2009 07:08:36 PM
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