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「天目山の雲」 井上靖 角川文庫 260円(当時)勝頼は天目山に入ろうとした。勝頼が最後に選んだ拠点であった。しかし、村人は一団となって、山上から鉄砲を放って、勝頼の入るのを拒んだ。勝頼は天目山で再起の機会を掴むつもりだったが、それも許されなかった。この時勝頼につき従う者は四十四人になっていた。―― 名将信玄亡きあと武田家を継ぎ、父の名声への対立心から進んで戦に挑んで敗北、ついに織田軍に追われ、甲州天目山付近で一族と共に自刃して果てる、非運の人武田勝頼を描く表題作ほか、11編を収録。 (表紙カバーより)高校生の時に読んだ。表題作の他は、「桶狭間」「平蜘蛛の釜」「信康自刃」「天正十年元旦」「利休の死」「佐治与九郎覚書」「漂流」「塔二と弥三」「明妃曲」「異域の人」「永泰公主の首飾り」の11編(後半4編は、別の文庫に収録されており既読だった)。井上靖の時代小説は、中国等を題材にした歴史小説より自由に描いており、面白い。どの作品も読後、印象に残る短編集。
2007年01月29日
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「η(イータ)なのに夢のよう」 森博嗣 講談社ノベルス 880円地上12メートルの松の枝に首吊り死体が! 遺されていたのは「ηなのに夢のよう」と書かれたメッセージ。不可思議な場所での「η」の首吊り自殺が相次ぐなか、西之園萌絵は、両親を失った10年まえの飛行機事故の原因を知らされる。「φ」「θ」「τ」「ε」「λ」と続いてきた一連の事件と天才・真賀田四季との関連は証明されるのか? Gシリーズの転換点、森ミステリィ最高潮!(表紙カバーより)2007年1月、読破。Gシリーズの第6弾。S&Mシリーズからファンの方には、うれしいかぎり。あんな人も、こんな人も、全員集合。ただ1話完結の単独のミステリィとして見た場合は、はっきり言って個人的には面白くない。欲求不満的作品。
2007年01月23日
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「四角な船」 井上靖 新潮文庫 360円(当時)人類絶滅の洪水が襲来する日、ハコ船によって、救い出されるのは誰か?大洪水を信じ、琵琶湖の畔りで、密かにハコ船の建造を開始したひとりの男がいる。深い学識の持主で、山中の古い館に住む彼は、心を許す船大工にハコ船建造をまかせ、自分はその船に乗るべき人を捜す旅に出る……。奇妙な人物を巡るユーモラスな物語のなかに、現代社会への鋭い諷刺を込めた長編。(表紙カバーより)高校生の時に読んだ。かなり期待して読んだ井上靖の異色作。期待しすぎたこともあって読後の満足感は、いまひとつだった記憶がある。大洪水を信じ、ハコ船を建造する男は、ある意味、狂人である。狂人であるがゆえに純粋である。その純粋さがユーモアと心地よさを運んでくる作品。
2007年01月22日
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「楡家の人びと(下)」 北杜夫 新潮文庫 360円戦時日本のまぼろしの昂揚と、続いて訪れる無一物の荒廃の季節・・・・・・。楡基一郎の築いた大病院につどう人々ののどかな呼吸も永久に脈打つかに見えながら、いつともなく変って、ドクトル・メジチーネの死後、才能を認められて長女龍子の夫とされた徹吉も、また、それぞれ個性豊かで愛すべき男たち、女たちも、ひとしく波濤に呑まれる。嵐の中によき市民時代への挽歌が響く。(表紙カバーより)高校生の時に読んだ。上下巻だが、長さを感じさせない大河小説。北杜夫の傑作。上巻の紹介から日が経ってしまった。そちらも参照してください。
2007年01月21日
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「さよなら妖精」 米澤穂信 創元推理文庫 743円1991年4月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。謎を解く鍵は記憶のなかに---。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。『犬はどこだ』の著者の代表作となった清新な力作。(表紙カバーより)2007年1月、読破。「謎に満ちた日常」は、ミステリーというには程遠い感じ。「最大の謎」も、主人公によって解かれていくが、個人的には「ああ、そうですか。」と言う感じである。でも、ミステリーとしては、どうかと思うけれど物語としては面白かった。遠い国、ユーゴスラヴィアは、6つの共和国からなり、それらの国が戦争の危機状態にあるなか、マーヤは帰国する。残された日本の友人たちは、彼女がどの共和国から来たか知らされていなかった。彼女の安全を祈って、彼女と過ごした記憶の中から、どの共和国へと帰っていったのかを推理する。この設定は新鮮で面白かった。主人公たちのキャラもうまく設定されていて、物語を面白くしている。なかでも、付き合いたくはないけれど、大刀洗万智は魅力的。ラストもなかなか読ませてくれる。
2007年01月20日
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「MORI LOG ACADEMY 4」 森博嗣 メディアファクトリー 670円森博嗣のブログ日記文庫化第4弾。2006年7~9月のトピックスは、大阪で行われた鉄道模型コンベンションと、コカ・コーラとのコラボ企画の関連で数年ぶりに行われた名刺交換会。その上京の際に、本書装画を描いている羽海野チカ宅を森が訪問。よしもとばななも合流してのディープな集まりに。3人の不思議な交遊は、この3ヶ月でさらに深まったようだ。『カクレカラクリ』の映像化で、周囲は騒がしくなりつつも、マイペースをまったく崩すことなく、新作の執筆とゲラ校正を淡々とこなし、模型作りに精進する森博嗣。今回の特別講義の講師は、一児の母でもある謎のシティギャル。(表紙カバーより)森博嗣自身も書いているが、新しい読者のために、同じことが繰り返し出てくることと第4弾ともなると思考パターンが分かってくるので、あまり目新しい発見は、なかった。少し食べ飽きたという感じ。特別講義でよしもとばななさんが、自身の作品「TUGUMI」がセンター試験に出て、その問題で満点が取れなかったという話題を書いている。間違ったのは、「この時のつぐみの感情は、次のどれに近いか」という選択問題。書いた本人(著者)が間違うような問題で合否を左右するようなことがあっていいものだろうか。
2007年01月15日
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やすくんの本棚を公開します(ブックマークに追加)。と言っても現在製作中です。とりあえず、このブログで紹介しているいないに関わらず、片っ端からタイトルを登録している段階です。ある程度登録できたら、カテゴリを考えたいと思っています。ランク(おすすめ度)とレビューは、それからボチボチと。
2007年01月14日
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「13階段」 高野和明 講談社文庫 648円犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。(表紙カバーより)2007年1月、読破。これは、面白い。作者の緻密な、しかもハイレベルな構成力に脱帽。後半は一気に読んだ。途中で止めることは、かなり難しい作品(笑)。私もそうだったが、三上青年の過去には何かあると全ての読者が考えると思うが、”やっぱり何かあったのだ”という展開になってきたあとの、二転、三転するストーリーは、すごいの一言。「手紙」(東野圭吾)でも痛切に感じたが、前科が本人だけでなく家族も苦しめることになる。そしてそれにつけ込むやつがいる。そういう社会である限り、この作品のような犯罪はなくならない。登場人物それぞれの立場に立って、どうすることがよかったのか? と考えさせられた。
2007年01月06日
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「ふわふわ」 村上春樹 講談社文庫 400円ぼくは世界じゅうのたいていの猫が好きだけれど、この地上に生きているあらゆる種類の猫たちのなかで、年老いたおおきな雌猫がいちばん好きだ。ふわふわとした、みごとに美しい毛をもつ猫が教えてくれる、いのちあるものにとってひとしく大事なこととは? あなたのなつかしく温かい記憶がよみがえる。(表紙カバーより)2007年1月、読破。外出する時には、必ず本を持って出るのに、今日は忘れてしまい、今読んでいる本が途中になってしまうのも困るので、急遽、すぐに読める短い本を購入する。あまりに短くて10分ほどで読んでしまった。最近読んだ「星の王子さま」を思い出した。通じるものがあると思う。しかし、こういう本の選び方はダメだ。
2007年01月05日
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「あらしのよるに1」 きむらゆういち 講談社文庫 476円嵐の夜に芽生えたヤギとオオカミの奇跡の友情物語---。児童書から飛び出して、あらゆる年代に感動を呼んでいるベストセラー絵本シリーズを大人向けに再編集。パート1は『あらしのよるに』『あるはれたひに』『くものきれまに』の第1部から第3部までを収録。あべ弘士描下ろし挿絵入りの文庫オリジナル版。2007年1月、読破。児童文学としては異例の250万部突破の大ベストセラーらしい。何年か前に保育所の生活発表会で見た記憶があるが、映画化もされ、そんなに有名とは知らなかった。人は、国家や民族や宗教の違いから対立し、時には戦争までも引き起こす。根っこのところで分かり合うことは出来ないのだろうか。そんなことを考えることすら甘いと言われるのだろうか。自然界においてヤギとオオカミの友情は、絶対ありえないことだが、そんな素晴らしい夢を誰かがずっと書き続けている世の中であって欲しいと思う。
2007年01月04日
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「オーデュボンの祈り」 伊坂幸太郎 新潮文庫 629円コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている”荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?(表紙カバーより)2007年1月、読破。伊坂幸太郎のデビュー作で第5回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作。こんな奇妙な物語は初めて。でもこの奇妙な設定が、みごとに謎解きに活かされており感心する。ただ主人公(伊藤)は、ちょっとぼやけている。読んでいてもコンビニ強盗をするような男にはどうしても思えなかった。その分、物語にのめり込めなかった。単なる探偵役。
2007年01月04日
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