この違いは何でしょうか?
両方とも有害な化学物質が原因で引き起こされ、同じような症状が発症するので、よく同義語と
誤解されます。
しかし、
「シックハウス症候群」=「化学物質過敏症」と言えるものではありません。
では、その違いは何でしょうか?
まず、NPO法人シックハウス診断士テキスト(上)第一章の中にある「両者の違い」についての説明文を参考にさせてもらいます。
『 厚生労働省のガイドライン値
以上の室内で起こる諸症状(症候群)はシックハウス症
候群であり、ガイドライン値以下でも発症するものは、化学物質過敏症と呼ぶべきで
あろう』
但し、この定義は医学の専門家からは必ずしも支持を受けないようであると筆者は述べておられ
ます。
なぜならば、医学の専門家は、どうしても病態を基にして定義をしようとするからだそうです。
又、責任の所在について次のように説明しておられます。
『定義の分かれ目が責任の所在の分かれ目になっていることである。すなわち、シック
ハウス症候群を治すのは、建築家(建物を造る人)、化学物質過敏症を治すのは、医者
ということである。』
この辺りは「 シックハウス症候群と化学物質過敏症との違い その2
」で追加説明をしていますのでご覧ください。
次に、医学的な面からみた違いについてNPO法人シックハウス診断士テキスト(下)第二章の中にある「両者の相違点」についての説明文を引用させてもらいます。(一部編集しています)
『化学物資過敏症は原因物質を示した疾患名であるのに対し、シックハウス症候群は
発生場所を示した名称である』
『化学物質過敏症の原因は化学物質に限定されるが、広義のシックハウス症候群には
ダニや真菌などの生物的要因も含まれる』
『シックハウス症候群が問題となる室内を離れると症状が軽快するのに対し、化学物質
過敏症では種々のにおいに誘発されて、多臓器症状を呈し、経過が慢性であるところ
が異なる』
これらをまとめると、
シックハウス症候群
・原因が住居に由来し、発生した場所が名称になっている。
・症状を引き起こす有害な化学物質の濃度が、化学物質過敏症となりえる濃度よりも高い。
・広義的な意味合いのシックハウス症候群の場合、有害な化学物質のみが原因でなく、室内
環境における生物的要因も含まれる。
・シックハウス症候群が問題となる室内を離れると症状が軽快する。
化学物質過敏症
・原因が化学物質に限定され、原因物質を示した疾患名になっている。
・シックハウス症候群にかかる化学物質濃度よりもさらに低い濃度によって、発症する。
・シックハウス症候群が問題となる住居を離れても、その後様々な化学物質に反応するように
なる。
ということになります。
シックカー症候群 2011.09.22
化学物質の危険性(リスク) 2011.09.13
毒性 2011.09.11
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