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2005年06月05日
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カテゴリ: ベトナム旅雑記
 フエになんとか到着。20時間ぐらいかかったか・・・。背中が痛い。フエで一泊してリフレッシュする。

 翌朝、早朝にフエのバスターミナルに行く。ザライ省のプレイクまで一気に行くつもり。バンメトートまで行くというミニバスがあった。車掌役のおばちゃんと話すと、プレイクも通るということなので、乗ることにした。料金は5万ドンとのこと。

 大型バスだろうとミニバスだろうと、ローカルバスはぎゅうぎゅうに客を詰める。そして出発。途中、何人もが車酔いでもどしていた。ベトナム人は車に弱い人が本当に多い。大人も子供もじゃんじゃん景気良く吐く。私の横に座っていた推定12才ぐらいの女の子も、窓から顔を出し何度も吐いていた。その女の子の眼光は、この年齢にして酸いも甘いも知り尽くした経営不振の場末のマダムのように荒みきっていた。車酔いがつらいんんだろうなあ。私も子どものころはよく車酔いをしたので、その辛さはよくわかる。遠足の度に吐いていた。

 「ブランコに乗って遊ばへんから酔うねん」

 当時担任の女の先生にそういわれて、子供心なりに「でたらめいいやがって」と腹を立てた記憶がある。

 でも窓を開けて窓から直接吐くのはやらなかったぞ。ちゃんとビニール袋に吐いていた。いや、正確に言えば、同じく苦しくなって通路に横たわっていた同級生の顔の上に吐いたこともある。でもそれはビニールをもらいに行こうとして間に合わなかった不可抗力だ。窓から吐くと窓に吐瀉物がはり付くし、後ろの人に迷惑がかかるじゃないか。うかつに後ろの人も窓を開けていたら大惨事になるぞ。家の用事で買出しにでも来ていたのか、ひとりでバスに乗っているのはえらいと思うが。

 前のおばさんはちゃんとビニールに吐くのだが、そのビニールを窓からぽいぽい捨てていた。おそろしい。ベトナムでバイクに乗るときは十分注意したほうがいい。バスを追い抜いたりまたは追い抜かれたりするとき、ゲロ爆弾が飛んでくるから。

 ハイヴァン峠を越えて、ダナン、ホイアンを通り過ぎ、とうとうクイニョンの手前に辿り着いた。早朝にフエを出たというのに、空はもう薄暗くなりかけている。ここから1号線とおさらばし、西に進路を取るはずなのだが、ミニバスはその分岐点のT字路のところで停まってしまった。運転手とおそらくその妻の車掌がなにやらこそこそ話している。停車がちょっぴり長引きそうな雰囲気なので、私は外に出て、身体を伸ばす。車掌のおばさんが他のバスを止めてそのバスの車掌となにやら交渉している。そしてこちらに戻ってきた。

 「あっちのバスに乗っとくれ。この車はもうここで終わり。お金は向こうの車掌にそれぞれの代金分私から払うから」



 乗り換えた乗客は10名ほどだったのだが、そのうち私を含む7名がプレイクまでで、あと3名の親子がバンメトートまで行くことになっていた。しかしさきほどのバスの車掌はえげつない悪知恵を働かせて全員プレイクまでと偽り、プレイクまでの代金でしか清算していなかったのが判明したのだ。

 新たなバスの車掌はバンメトートまで行くなら追加代金を払えと言い、3人親子の父親と母親は金はすでにさっきの車掌のおばさんに払ってあると反論する。ベトナム人はこういった口論は派手にやる。声高に主張しないと負けてしまうからだ。でもどちらも被害者。許せんのは気まぐれバスのおばさん車掌。こすいまねしやがって。私はもとからプレイクが行き先なので実害はなかったが、怒りふつふつとわきました。気分が悪い。

 おんぼろバスは坂道をあえぎながら登る。外はもう真っ暗で景色はみえない。やっと念願のザライ省が近づいてきた。遠かったなあ。ローカルバスでのべ30時間以上はかかっただろう。今夜はゆっくり寝て疲れを癒そう。つづく。







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最終更新日  2005年06月05日 09時50分27秒
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