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2005年07月01日
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カテゴリ: コラム
私は旅行会社で働いている。外国人のお客さんも多く、ベトナム人も私の知り合いを中心にたくさんいる。

日本のパスポートを持っているということでどれほど優遇されているか、ベトナム人の査証手配をするとよくわかる。ベトナムパスポートで査証を取らずに行ける国は本当に少ない。

先日もフランスの査証(シェンゲン査証)手配をした。日本パスポートを持っていれば、査証はもちろん要らず、パスポートを持って行くだけでいい。しかしベトナムパスポートだと、査証が必要で、しかもやたらと提出する書類が多い。

申請書、パスポート、写真、往復航空券。ここまでは理解できるが、まだまだ必要書類がある。銀行残高証明書、旅行保険の証券、宿泊証明書、日程表、外国人登録証のコピー。さらに今回はフランス大使館の判断で、雇用証明書と休暇証明書の提出まで求められた。これだけの書類をそろえるのは一苦労だ。でもまだフランスはマシなほうで、これがイギリスだと銀行残高証明書は受けつけず、過去6ヶ月の出入金記録のある銀行通帳の原本(!)提出が求められる。もちろん就労や留学査証ではなく、ただの観光査証でこれなのだ。

フランスもイギリスも、まだ代理申請は認めている。しかしアメリカとなると、代理申請も認めていない。しかも面接(!)が必要なのだ。英語ができない人はどうしろというのか。一言も英語を知らなくとも、英語の申請書を自分で記入せねばならない。しかもアメリカに滞在するわけではなく、米国内空港で乗り継ぐだけでも、査証を事前に取得せねばならないのだ。あまりに非道すぎる、そう思いまっせ、アメリカさん。

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「世界市民」と言う人たちがいる。国という「想像の共同体」に縛られ、ナショナリズムやレイシズムに囚われていては、戦争や様々な面での不平等さは解消されず、そんな世界では人類に未来はないと。望ましい未来を築くには「世界市民」としての連帯が不可欠だと。

しかしベトナムに行き、「ぼくたち同じ世界市民」と言っても、誰が共感するだろうか。おそらく多くの人が首を傾げて、「いや、俺はベトナム人だ」と答えるだろう。もしくは「○○族だ」と言う人もいるかもしれない。イラクやアフガニスタンでも同様であろう。そして、皮肉屋さんならこう言うかもしれない。

「そうか同じ世界市民か、では同志、国籍を交換しよう」






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最終更新日  2005年07月01日 21時58分53秒
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