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2003年02月14日
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「私、本当はライターをやりたいんです」

 通信教育の添削者に応募してきた主婦は開口一番、そう言い切って私の反応を待っていた。宅配新聞の折り込みに入ってくるフリーペーパーを持参している。投稿が著者の写真付きで採用されたものだという。
「司法書士の勉強をしてたんですけど、これがきっかけでエッセイとか書けるようになったらいいな、なんて思いまして」

 私はそれならというので、ライティングとしては比較的簡単な、学生向け雑誌の偉人伝を2000字お願いしてみることにした。字数が2000字なら、出生のエピソードと公然とした功績をひとつ書いておけば十分埋まるものである。彼女の出身大学を作ったとされるクリスチャンが「お題」だったので、彼女も大乗り気だった。いきなり難しい仕事では気の毒なので、より完成しやすいものを、と配慮をしたわけだ。

 こう言ってはなんだが、すぐに使える原稿が上がってくる、と思っていたわけではない。案の定、書かれた原稿は芳しいものではなかった。何点か朱を入れ、不服そうにしている彼女に書き直してもらうことにした。

 ところが、2日たっても3日たっても連絡が来ない。こちらで書き直すとしても時間がギリギリまで迫った頃、やっと電話が来たと思ったら、またしても……だ。

「私、やめます。やっぱり司法書士の勉強も中途半端じゃいけないと思うし、エッセイみたいな軽い文の方が向いてるみたいな感じもするんです」

 気は確かか、と言いそうになった。一介の主婦の「エッセイ」に誰が金を払うだろう。世の中は、主婦の道楽に金は払ってくれない。「エッセイ」が商品として成り立つのは、著者のネームバリューによって付加価値がつくからに決まっているだろう。何を勘違いしているのだ。







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最終更新日  2003年02月14日 16時26分55秒
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