図書館の返却日ぎりぎりで 三浦雄一郎流生きがい健康術「 デブでズボラがエベレストに登れた理由」 をやっと読んだ。


いやあ、驚いたことばかりだった。この有名なプロスキーヤー・冒険家一家の体質が敬三さんを除くとみんな大食い・大酒のみで太りやすいとは予想外だった。
雄一郎さんは60代前半身長164センチで体重86キロだったという。もちろん成人病の巣窟だろう。メタボで高血圧、高脂血症、糖尿病等すべて数値が悪く生活習慣病の百貨店だったとも書いてある。
素人の私ですらモンブラン登頂のため59歳で6キロ減量して44キロに、さらにマッターホルンに登攀するために2キロ減量して42キロという涙ぐましい摂生をしたのだ。いくら何でもそれは酷すぎるし、だらしなさ過ぎるし、プロのプライドは無いのかと思ってしまった。
しかしエベレストという目標ができてからの努力はこれまたすさまじかった。足にウエイト、背にザックというスタイルで3年も忍耐強くトレーニングして筋力を鍛えた。
1年目 片足1キロのアンクルウエイト ザック10キロ 一般的なウォーキングシューズ 2年目 片足2,3キロのアンクルウエイト ザック15から20キロ 片足2キロの登山靴 3年目 片足5キロのアンクルウエイト ザックは25キロ 片足2キロの登山靴
さらにもっと震撼させられたのはエベレストに登るために 心臓の手術を2回 もしている。手術なんてあんなつらいことを山のためにできるか?そこまでするか!!?普通の人はしないだろう。せいぜい白内障の手術を延期する位だ。



軽めのタイトルからこの本をあなどっていたが、とんでもなかった。プロでありながらここまで食生活がだらしなく飲食のコントロールができない自分をありのまま記述しているということにも驚いたが、さらにエベレスト登頂という生きがいを持ってさまざまな努力と工夫をし続けて目標を達成した彼を尊敬せずにはいられなかった。
今やエベレストは商業登山の山と化して、ルート工作も十分してありシェルパが荷物を背負い、お金さえあれば登れると言う人もいる。しかし8800mの高度はたとえ酸素を吸ったとしてもそんな生易しいものではないと思う。それに高齢でチャレンジする。
三浦ベースキャンプの低酸素室には何度もお世話になった。そこでお会いした雄一郎さんや豪太さんは素朴で温かいお人柄と感じた。しかしこの本は改めてそれだけではない敬三・雄一郎・豪太・雄大と続く三浦一家の冒険家としての精神の強靭さを教えてくれた。
さて、私は生きがいをもって目標に向かっているか?
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