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今、世界中が、今月23日に公表される、欧州金融機関のストレステストの結果に注目している。ストレステストと言うのは、金融機関の健全性に関するテストで、いわゆる“ストレスシナリオ”と言われる厳しい経営環境になったとしても十分に、経営が成り立つだけの資本を有しているかを確認するテストのことである。
日本のバブル崩壊後の金融危機に関しても、金融機関の財務状況が本当に大丈夫であると信じるに足るのかが、誰にも分からず、所謂、底を打つという状況が生まれなかったために、厳しい不況からなかなか抜け切れなかったのだが、最終的には、ストレステストの公表とこれを受けた金融機関の増資(一部は公的資金による)を受けて、日本経済は何とか持ち直すこととなった。
リーマンショック以降の米国の金融危機が収束に向かったきっかけも、このストレステストの実施と結果公表であったことから、今般の欧州危機についても、世界中がこのストレステストの結果に注目しているわけだ。
ではこれで一件落着かと思いきや、ちょっと雲行きが怪しくなってきた。と言うのは、公式発表を前に、欧州各国の政府要人や規制当局関係者が、合格判定の見込みを喧伝し始めており、市場には、そんな誰でもクリアできるようなやわなテストであれば、何の意味もない、という見方が広がっているからだ。
資本不足の銀行を炙り出して、資本調達を求め、自力での調達が困難案場合には公的資金を注入するというのが、ストレステストに連なる金融機関健全化のシナリオであり、皆がパスするということは、健全化が全く進まないという意味でもある。例えて言えば、学力低下が激しく抜本的な対応が必要と考えた学校があり、80点未満の人は宿題を60点未満の人には補習を義務付けるテストを実施した。でも試験が簡単すぎて、結局、宿題が1人で、補習はなし、といった感じで、これなら何のためのテストか意味不明というものだ。
しかし、ユーロに関しては、致し方ない部分もある。と言うのは、各国政府は、やはり自国の金融機関はなるべく擁護しなければ、資金流出に見舞われてしまうリスクがあるからだ。まあ、補習に固執しなくても、まあ、毎日の授業と自主学習が充実することが一番肝心なのですから、補修しなくてもいいように自力で頑張ってくれればそれでいいのですが、あまり金融機関が自分のテストの点数(例えば自己資本比率)だけを気にし始めると、貸し渋りや貸し剥がしに発展してしまうので、問題はややこしい。
いずれにせよ、この状況下で金融機関を健全だと宣言するのであれば、どのような基準で査定してそのように結論付けたのかを、きちんと説明できなければ、誰にも信用されることはなかろう。最大の問題は、皆が疑心暗鬼になっている、という状態なのだから。
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